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雪虫 2
落ち穂拾い的な たたない理由
しおりを挟む「しずるくーん!君、不能になったって本当かい?」
「大きい声でナニ言うんですか!」
「えー。でも今日街でヒートのオメガ相手に勃たなかったって聞いたよ?」
「どこから話を仕入れてくるんですか‼︎」
「ある筋からだよ」
「あの筋ですか?」
「その筋だね」
どこまで把握されてるんだか……
「いや 勃たなかったんじゃなくて、反応しなかっただけで」
「不能?」
「可愛らしく首を傾げたら許されるってもんじゃないですよ」
「使えないならレッツ去勢!」
「意味わかんないです」
「試させてよー」
「試しで去勢なんてたまったもんじゃないです」
雪虫の体のことがあるから毎日使う予定がある訳じゃないけど、これからも使う予定はある!……はず。
セカンド童貞拗らせてます なんて言ったら、この人は何を言い出すかわからない。
「ふむ。不思議な話だねぇ、オメガの発情にアルファは釣られるものだけれど」
「まぁ、そう言う匂いはしましたけど、興奮はしませんでしたね」
「だからふの 「違います」
はっきり否定しておかないと、知らない間に去勢されてしまいそうだ。
「心当たりはあるかい?」
「心当たり……ですか?」
ない、わけではない。
思わず首を擦るオレの心を、瀬能は読み取ったらしい。
「アルファが噛まれたから他のオメガに反応しなくなった なんて聞いたことがないよ」
「……ですよね」
Ωは項を噛まれたら、噛んだα以外にはフェロモンが効かなくなる。
一生のうちでたった一人だけのαに項を噛ませるΩと違い、αは何人でもΩを噛んで番にすることができる。
これが覆った なんて話は聞いたことがない。
でも、オレの首にはあの日雪虫が噛んだ歯の痕がはっきりと残っていて……
火傷やケロイドとも違う、独特の噛み痕のソレ。
人の皮膚は存外分厚くて丈夫で、αの歯でも歯型がつくまで噛むのは興奮材料がなければ難しい。ましてや雪虫は顎の力が弱いと言うのに、あの時噛んだ歯型はいつまで経っても消えなくて、まるでΩの項のようにオレの首には歯型があった。
「でも、心当たりなんてこれくらいですよ」
「まぁ……おいおい調べさせてね」
「去勢しないならなんだっていいですよ」
「言ったねぇ、言質とったからね!」
は?
オレ、何されるの?
失言したな……なんて思っても、きっと後の祭りなんだろう。
END.
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