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手当騒動
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しおりを挟む「くぅ~ん」
「鳴くんじゃねぇ! ほら、手を見せろ」
そう言いつつ目の前にあるぼくの手になかなかっ取り掛かれないでいる様子は、播磨谷が血が苦手なんだって教えてくる。
青い顔をして苦手な傷と向き直ろうとしている姿を見て、茶化す気はちょっとずつしぼんでいった。
自分のことをこれだけ心配しれくれているのに、ワンワン鳴いてる……じゃなかった、泣いてるのも申し訳なくて。
「そっと……そっと離すからその瞬間にシュパッって貼って!」
「シュパ⁉︎」
ぼくが覚悟を決めたのを感じ取ったのか播磨谷はごくりと喉を鳴らして絆創膏を構える。
大丈夫、ぼくは播磨谷を信じてるし、播磨谷はぼくの期待に応えてくれるってわかっている……けど、それと怖いのはまったく別の話だから! ぼくはそちらを見ないままにさっと傷を押さえていた手を離した。
つ と生暖かいものが溢れて指を伝い出したのはその瞬間で。
「あっ馬鹿! 早いって!」
そう播磨谷の言葉が聞こえた次の瞬間、さっと指先が温かなものに包まれた。
温かくてふわふわしてて、んでもってぬるっとしてて……
傷のある手を見るのは怖かったけれど、それでもこの感触は絆創膏じゃないってわかっていたから、何が起こったのか確認しないとって思った。
「ん、 んん 」
「ぼ、ぼくのっ 指っ食べないでぇぇぇぇぇええええっ」
思わず叫んだのは、播磨谷がぼくの指をぱくりと食べてしまっているからで……
うねうねとした前髪のせいで播磨谷の表情はわからないし、指はなんかぐねぐねしてぬちょぬちょしてあったかいものに包まれてて、急に起こったいろんなことにぼくの頭は破裂しそうだった。
腕を引き抜けばいいのにそれができないのは、播磨谷にマウントを取られているだけじゃなくて、播磨谷の体温を感じている指が気持ちいいって思っちゃったからだ。
「 っ ぅ 」
「ぁ あ……播磨谷……なに あの は、離してもらえる、かな 」
つつ と口の中で舌が動いてぼくの指をなぞっていることに気づいちゃうと……いろいろとヤバくてっ!
「 っ、 っ、 」
童貞には少しだけ、ちょっとだけ、少々、ほんのわずか刺激が強すぎたから、もじもじとしながら身を揺すっていると、「ゴクリ」と耳に馴染まない音がした。
「……は?」
播磨谷の喉元、のどぼとけがいい感じに出ていてちょっとセクシーだろーって思っていた喉が音を立てて動く。
それが何かを飲み下す動作だって言うのは百も承知で……
そして、その飲み下されたものが何かなんて、考えなくてもわかる。
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