5 / 6
ROSE 5
しおりを挟む
ボクが迂闊だったよ……。
超セレブ学校のお昼といえば、屋上でとか教室でとかじゃないんだよねこれが……。
セレブ御用達の食事処……まぁ、学食みたいな所なんだけど、お昼時とあってなかなかの混雑するのは当たり前の場所が、別校舎
にある。
「ご、ごめんね?お昼ご飯、屋上で食べる約束だったのに食堂になっちゃって……」
その校舎を繋ぐ一本道を彼女と並んで歩いていた。
「別に気にしないでいいよ。君が場所が変わったからと迎えに来てくれて助かったからね」
むしろ変わってくれて嬉しい。
だって他の連中はボンボンばかりなのに、外で食事をしようものなら、彼らの執事やメイドが黙ってないだろう。
考えただけでも怖いわっ!
その点、何も考えてないアリスは無邪気にボクに他愛ない会話を振ってくる。
だが、その何ものにも囚われない性格が羨ましくもある。
「加賀美君、ほらあそこだよ!」
食堂に着くなり僕の袖を引っ張りつつ、見ればわかるほどの人の群れに突っ込んで行く。
度胸あるのね、アリスさんよ……。
ボクの足はちょっと……いや、かなり進まないね。
「あ、アリス先輩!こんにちわ~!!」
ピョンピョン跳ねる髪がこっちに向かって来る。
「猫宮くん!よかった~、来てくれるかなって心配してたんだよ?」
ボクらに……いや、アリスに駆け寄る後輩の間違いか……。
ボクは何故かこの猫宮に嫌われているらしく、彼女が見てない間はずっと睨んでくるのだ。
ふっ……視線で殺せるならもうとっくに他の視線(ファン)に殺されてるさ!
「何言ってるんスか。アンタに会いたくて新聞部はソッコーで終わらせてきましたよ!」
可愛らしい笑顔で引っ付く猫宮。
そして忘れずに、ボクへのドヤ顔。
別に羨ましいとか微塵も思わない。
だって、ボク女子だし?
「ね、猫宮くん近いよ~!」
「え、いいじゃない……ぶ、ブニャ?!」
赤面するアリスから突如猫宮が、引き剥がされた。
「ここを何処だと思っているんですか?彼女が困っているでしょう」
猫宮の首根っこを捕まえる白兎君。
登場の仕方が既にヒーローだ。
うむ、さすが期待の生徒会書記くん。
ルールに煩いだけある。
「ケガはない……アリスちゃん?」
その後ろから従兄弟の瑞月君がアリスに膝まづき、紳士な振る舞いで丁寧に彼女の手をシルクのハンカチで拭う。
……もうぶっちゃけ、分かるよね?
そう、既に『有栖川 メアリ』の逆ハーレムは成り立っているのだ!!
え、もう5話目でENDかって?
それは無いよー、アハハ!
だってこの乙女ゲーム……好感度がむっちゃ厳しくて、ほんの少しのセリフ選択でガタ落ちも有り得るんだ。
いわゆる『無理ゲー』……良くいえば『運ゲー』かな。
まあ、ボクには関係ないよ。
なんせ、攻略されるなんて真っ平御免だし、何よりもボク自身はひっそり静かに学園生活を過ごしたいのだ!
なのに……なぜボクがココに転生したのやら……。
前世のボクは本当にどうでもいい人間で、今の世界と代わってもらえるなら、是非前世の妹と代わって欲しいくらいだ!
このゲームに食入るようにハマってたのは妹だし、僕自身このゲームについてあまり詳しくはない。
だが、一つだけよーく分かることはある…………。
今この状況はヒジョーにヤバス。
食堂にて、イケメン金持ち集団に囲まれた主人公。
これは一つのイベントストーリーでもあり、一気に攻略者の親密度を増長させることが出来るはずなのだ!
だって妹が行ってたよ……『フラグは主人公と共にあるんだよ!』と。
ボクは別に彼女と親友になりたいワケでもないし、寧ろごめんだ!
あ、焦るな自分!
確か、妹曰く『攻略なんて、男の心を掴んだら終わりよ!』らしい……。
って事はだね、逆に考えて好感度を落とすことをすればいいんだよ『主人公』がな!
「───ね、加賀美くんはどうかな?」
「……ん?」
優雅に紅茶&考え事を楽しんでいたら、不意に話しを振られた。
「なんですかー?アリス先輩の話しを聞いてなかったんですか、加賀美先輩サイてーっす」
「人の話はちゃんと聞くべきだと俺は思うぞ?」
白兎君は別にいいとして、猫宮はかなりの悪意を感じるぞ。
「あぁ、ごめん……それで話って?」
なんとか青筋を立てずに微笑むボクを褒めて欲しいくらいだよ。
「あ……そのほら!来週学年テストあるでしょ?だから皆で勉強会とかどうかなって……」
アリスが心配な顔して小首を傾げる。
勉強会……か。
ふとボクは『分岐点の見分け方』の内容を思い出していた。
『誘われたら、条件を付けろ!』
……条件か……。
あぁ、神様なんて信じてないけど、ココはちょっと感謝しとくよ。
なんせ、『高校2年生』という進級を切っ掛けに乙女ゲームの登場人物の1人になってしまったんだからね。
彼女が何を目指してENDするか見物だけど、ボクが攻略メンバーから外されるためなら、何だってするよ。
例えそれが、君の恋路の邪魔だとしても……。
だから、口元が緩むのは見逃してほしいね?
「有栖川さんが誘ってくれるなんて嬉しいです。是非ボクも参加させて頂きますよ」
僕の返事に白兎君は早速日程を手帳に書き出し、瑞月くんは長い前髪で表情は読み取れないもののどこか嬉しそうだ。
猫宮は……まぁ、案の定『来んじゃねぇ!』って顔に書いてある。
「ほ、ほんとに?!わぁ、加賀美くんには何時も断られてばかりだったから、嬉しいよ!」
無邪気に笑う彼女を横目に誓う。
ボクは一人で居たいから、恋なんて知らなくても生きて行ける。
君のせいでボクの未来がBad Endにならないようにしないとね。
さぁ、これからが本番だよ!
超セレブ学校のお昼といえば、屋上でとか教室でとかじゃないんだよねこれが……。
セレブ御用達の食事処……まぁ、学食みたいな所なんだけど、お昼時とあってなかなかの混雑するのは当たり前の場所が、別校舎
にある。
「ご、ごめんね?お昼ご飯、屋上で食べる約束だったのに食堂になっちゃって……」
その校舎を繋ぐ一本道を彼女と並んで歩いていた。
「別に気にしないでいいよ。君が場所が変わったからと迎えに来てくれて助かったからね」
むしろ変わってくれて嬉しい。
だって他の連中はボンボンばかりなのに、外で食事をしようものなら、彼らの執事やメイドが黙ってないだろう。
考えただけでも怖いわっ!
その点、何も考えてないアリスは無邪気にボクに他愛ない会話を振ってくる。
だが、その何ものにも囚われない性格が羨ましくもある。
「加賀美君、ほらあそこだよ!」
食堂に着くなり僕の袖を引っ張りつつ、見ればわかるほどの人の群れに突っ込んで行く。
度胸あるのね、アリスさんよ……。
ボクの足はちょっと……いや、かなり進まないね。
「あ、アリス先輩!こんにちわ~!!」
ピョンピョン跳ねる髪がこっちに向かって来る。
「猫宮くん!よかった~、来てくれるかなって心配してたんだよ?」
ボクらに……いや、アリスに駆け寄る後輩の間違いか……。
ボクは何故かこの猫宮に嫌われているらしく、彼女が見てない間はずっと睨んでくるのだ。
ふっ……視線で殺せるならもうとっくに他の視線(ファン)に殺されてるさ!
「何言ってるんスか。アンタに会いたくて新聞部はソッコーで終わらせてきましたよ!」
可愛らしい笑顔で引っ付く猫宮。
そして忘れずに、ボクへのドヤ顔。
別に羨ましいとか微塵も思わない。
だって、ボク女子だし?
「ね、猫宮くん近いよ~!」
「え、いいじゃない……ぶ、ブニャ?!」
赤面するアリスから突如猫宮が、引き剥がされた。
「ここを何処だと思っているんですか?彼女が困っているでしょう」
猫宮の首根っこを捕まえる白兎君。
登場の仕方が既にヒーローだ。
うむ、さすが期待の生徒会書記くん。
ルールに煩いだけある。
「ケガはない……アリスちゃん?」
その後ろから従兄弟の瑞月君がアリスに膝まづき、紳士な振る舞いで丁寧に彼女の手をシルクのハンカチで拭う。
……もうぶっちゃけ、分かるよね?
そう、既に『有栖川 メアリ』の逆ハーレムは成り立っているのだ!!
え、もう5話目でENDかって?
それは無いよー、アハハ!
だってこの乙女ゲーム……好感度がむっちゃ厳しくて、ほんの少しのセリフ選択でガタ落ちも有り得るんだ。
いわゆる『無理ゲー』……良くいえば『運ゲー』かな。
まあ、ボクには関係ないよ。
なんせ、攻略されるなんて真っ平御免だし、何よりもボク自身はひっそり静かに学園生活を過ごしたいのだ!
なのに……なぜボクがココに転生したのやら……。
前世のボクは本当にどうでもいい人間で、今の世界と代わってもらえるなら、是非前世の妹と代わって欲しいくらいだ!
このゲームに食入るようにハマってたのは妹だし、僕自身このゲームについてあまり詳しくはない。
だが、一つだけよーく分かることはある…………。
今この状況はヒジョーにヤバス。
食堂にて、イケメン金持ち集団に囲まれた主人公。
これは一つのイベントストーリーでもあり、一気に攻略者の親密度を増長させることが出来るはずなのだ!
だって妹が行ってたよ……『フラグは主人公と共にあるんだよ!』と。
ボクは別に彼女と親友になりたいワケでもないし、寧ろごめんだ!
あ、焦るな自分!
確か、妹曰く『攻略なんて、男の心を掴んだら終わりよ!』らしい……。
って事はだね、逆に考えて好感度を落とすことをすればいいんだよ『主人公』がな!
「───ね、加賀美くんはどうかな?」
「……ん?」
優雅に紅茶&考え事を楽しんでいたら、不意に話しを振られた。
「なんですかー?アリス先輩の話しを聞いてなかったんですか、加賀美先輩サイてーっす」
「人の話はちゃんと聞くべきだと俺は思うぞ?」
白兎君は別にいいとして、猫宮はかなりの悪意を感じるぞ。
「あぁ、ごめん……それで話って?」
なんとか青筋を立てずに微笑むボクを褒めて欲しいくらいだよ。
「あ……そのほら!来週学年テストあるでしょ?だから皆で勉強会とかどうかなって……」
アリスが心配な顔して小首を傾げる。
勉強会……か。
ふとボクは『分岐点の見分け方』の内容を思い出していた。
『誘われたら、条件を付けろ!』
……条件か……。
あぁ、神様なんて信じてないけど、ココはちょっと感謝しとくよ。
なんせ、『高校2年生』という進級を切っ掛けに乙女ゲームの登場人物の1人になってしまったんだからね。
彼女が何を目指してENDするか見物だけど、ボクが攻略メンバーから外されるためなら、何だってするよ。
例えそれが、君の恋路の邪魔だとしても……。
だから、口元が緩むのは見逃してほしいね?
「有栖川さんが誘ってくれるなんて嬉しいです。是非ボクも参加させて頂きますよ」
僕の返事に白兎君は早速日程を手帳に書き出し、瑞月くんは長い前髪で表情は読み取れないもののどこか嬉しそうだ。
猫宮は……まぁ、案の定『来んじゃねぇ!』って顔に書いてある。
「ほ、ほんとに?!わぁ、加賀美くんには何時も断られてばかりだったから、嬉しいよ!」
無邪気に笑う彼女を横目に誓う。
ボクは一人で居たいから、恋なんて知らなくても生きて行ける。
君のせいでボクの未来がBad Endにならないようにしないとね。
さぁ、これからが本番だよ!
0
あなたにおすすめの小説
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
嫌われ公女に転生したけど、愛されたい願望を捨てたら全員がデレてきた
桃瀬さら
恋愛
嫌われ公女ナディアは、婚約破棄され学園で孤立し、家族からも見放されていた。
どれほど努力しようが周囲からは「嫌われ公女」と蔑まれ、誰も味方なんていない。
「もういい。愛されたいなんて、くだらない」
そう心に誓った瞬間から、状況が一変した。
第二王子が婚約破棄を撤回し跪き、寡黙な騎士団長が「君を守りたい」と熱く迫ってくる。
そして、冷ややかな兄まで「婚約など認めない。家を出ることは許さない」と……。
愛されることを諦めた途端、なぜか執着される。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
平手打ちされたので、婚約破棄宣言に拳でお答えしました
Megumi
恋愛
婚約破棄を告げられ、婚約者に平手打ちされた——その瞬間。
伯爵令嬢イヴの拳が炸裂した。
理不尽に耐える淑女の時代は、もう終わり。
これは“我慢しない令嬢”が、これまでの常識を覆す話。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる