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第2章
オタクはハプニングに弱くってよ!
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只今Sクラスにて、大ピンチです。
どこからか聞こえる忍び笑い。
そして、痛む膝小僧と手と顔……というか、前全体が痛い。
そう、私転けたんだよ!
くそぅ!
むっちゃ恥ずかしい!
勢いつけすぎて、入口付近で盛大に転けた佐倉さん。
痛い視線と羞恥で起き上がるのがゆっくりになってしまう。
「あ、ああの…大丈夫……ですか?」
滲みかけた視界にちょこんとした手が見える。
え、何?天使でもお迎えに来ました?
もうBADEND?早くない?
「えっと……立てますか?」
鈴が転がる様な声音に、慌ててブンブンと首を降り、その人の手に自分の手を重ね立ち上がる。
「す、すみません!」
恥ずかしすぎて上手く顔が上がらない。
視界には相手の上履きが見え、青色ということから男子だと分かる。
「僕も緊張してたから……」
大丈夫と握られた手。
うぅむ……凄く嬉しいです。
前世なんて、オタクだからって人に助けられた記憶なんてなかった。
もちろん異性にもね!
よし、ちゃんとお礼を言おう!と顔をあげたまでは良かった……
「く、くくじょ……?!」
「?は、はい九条凛といいます……」
サラリとした短髪と眠そうな目。
不安げに首を傾げる姿は天使のように可愛い……。
じゃなくてね!
あの九条君ですか!?
『ルルシュ』の攻略キャラクターの1人!
天使の凛くん!
あどけない笑顔が見たくて何度もプレーを重ねてきた私の目の前に天使が居る!
しかも自分を心配してくださっているだと?!
「め、召されてもいい……!」
「ん?な、何でしょうか」
「あ、いや凄く可愛いなと思いまして……」
そう告げた私は気づく。
云ってはいけないことを。
可愛いと言われた凛くんは愛らしい頬を膨らませ、眉間にシワを寄せる。
「か、可愛いは男子に禁句ですよ!」
プクーと頬を膨らませた姿はやはり可愛らしく、気持ちが和やかになる。
でも、私の好感度はガタ落ち……。
くっ……なんて迂闊だったのだ!
攻略済みだったら分かってたのだろう自分よ!?
凛くんの好感度を上げるためには絶対に「可愛い」なんて言ってはいけないのに!
「あ、ごめんなさい!失礼でした……」
直ぐに誤りはしたが、パッと繋いでいた手を振りほどいて凛くんは自分の席へと着く。
私も泣く泣く、自席へと重い足を引き摺り座る。
ちらりと凛くんの席を見るが、直ぐに女子達が群がり、彼の様子が見えなかった。
程なくして予鈴が鳴り、案内役の担当者が入って来て、様々な注意事項などを一通り話した後、場を見渡しながら告げる。
「まずは自己紹介から始めましょうか」
……なんてこった!
凛くんからの傷も癒えてないのに、爆弾発言が!
もうハプニングには対応しきれませぬ!
どこからか聞こえる忍び笑い。
そして、痛む膝小僧と手と顔……というか、前全体が痛い。
そう、私転けたんだよ!
くそぅ!
むっちゃ恥ずかしい!
勢いつけすぎて、入口付近で盛大に転けた佐倉さん。
痛い視線と羞恥で起き上がるのがゆっくりになってしまう。
「あ、ああの…大丈夫……ですか?」
滲みかけた視界にちょこんとした手が見える。
え、何?天使でもお迎えに来ました?
もうBADEND?早くない?
「えっと……立てますか?」
鈴が転がる様な声音に、慌ててブンブンと首を降り、その人の手に自分の手を重ね立ち上がる。
「す、すみません!」
恥ずかしすぎて上手く顔が上がらない。
視界には相手の上履きが見え、青色ということから男子だと分かる。
「僕も緊張してたから……」
大丈夫と握られた手。
うぅむ……凄く嬉しいです。
前世なんて、オタクだからって人に助けられた記憶なんてなかった。
もちろん異性にもね!
よし、ちゃんとお礼を言おう!と顔をあげたまでは良かった……
「く、くくじょ……?!」
「?は、はい九条凛といいます……」
サラリとした短髪と眠そうな目。
不安げに首を傾げる姿は天使のように可愛い……。
じゃなくてね!
あの九条君ですか!?
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あどけない笑顔が見たくて何度もプレーを重ねてきた私の目の前に天使が居る!
しかも自分を心配してくださっているだと?!
「め、召されてもいい……!」
「ん?な、何でしょうか」
「あ、いや凄く可愛いなと思いまして……」
そう告げた私は気づく。
云ってはいけないことを。
可愛いと言われた凛くんは愛らしい頬を膨らませ、眉間にシワを寄せる。
「か、可愛いは男子に禁句ですよ!」
プクーと頬を膨らませた姿はやはり可愛らしく、気持ちが和やかになる。
でも、私の好感度はガタ落ち……。
くっ……なんて迂闊だったのだ!
攻略済みだったら分かってたのだろう自分よ!?
凛くんの好感度を上げるためには絶対に「可愛い」なんて言ってはいけないのに!
「あ、ごめんなさい!失礼でした……」
直ぐに誤りはしたが、パッと繋いでいた手を振りほどいて凛くんは自分の席へと着く。
私も泣く泣く、自席へと重い足を引き摺り座る。
ちらりと凛くんの席を見るが、直ぐに女子達が群がり、彼の様子が見えなかった。
程なくして予鈴が鳴り、案内役の担当者が入って来て、様々な注意事項などを一通り話した後、場を見渡しながら告げる。
「まずは自己紹介から始めましょうか」
……なんてこった!
凛くんからの傷も癒えてないのに、爆弾発言が!
もうハプニングには対応しきれませぬ!
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