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第一章
誤解
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買ってもらった服をそのまま着て帰ることになった。元の服はデルバールに配達してくれるらしい。
「もう帰るのか」
「はい、やることがいっぱいあるんですよ」
「じゃあ、送って行こう」
店の前に馬車が待っていた。店員さんに頼めば、来てくれるらしい。まるで、タクシーみたい。
馬車に乗ると、レオさんは私の隣に座った。
進行方向の反対向きに座ると気持ち悪くなるもんね。
「そんなにデルバールの仕事は忙しい?」
「いえ、いよいよ、お店を開く準備を始めたんです。もう、場所も決めて、改装も始めてますし、中で使う道具とかも色々、作ってもらっている最中なんです」
「場所はどこなんだい?」
「商店街のはずれです。そばに満腹屋っていう食べ物屋さんがあって」
「もしかして、二階建ての木造の?」
「そう、そこです。レオさんは街に詳しいんですね」
「青の騎士団にいたことがあって」
「それで、ジェシーさんとも仲がいいんですね」
「……まあ、普通かな。それにしても、すごいじゃないか。慣れない世界でよく、頑張ってるな」
ストレートに褒められると照れてしまう。
「レオさんに助けてもらったおかげです」
「まあ、仕事だからな」
「辺境のお仕事は大変ですか?」
「まあ、最近は危険な魔獣も出てきてないから討伐も簡単だな。あとは訓練とパトロールばかりだ」
「魔獣ってどんなものがいるんですか?」
尋ねると、いくつか、最近、討伐した魔獣の様子を語ってくれた。巨大な双頭の蛇。強くはないが大量発生するスライム。この世界のスライムは知能が低くて何でも溶かしにかかるからペットにはできないらしい。雷鳥という雷を落とすことができる鳥。日本の可愛い雷鳥とは全然、違う。
魔法や剣を使って討伐するのはまさに血湧き肉躍るって感じだ。レオさん、語るのが上手い。
「すごいですねえ」
どれも軽々と勝っているように聞こえる。でも、最近は危険な魔獣が出ていないというだけで出てくることもあるんだよね。
「あの、本当に気をつけてください。無事をお祈りしています」
何かお守りのような物があるのか、聞いておけばよかった。そうすれば、プレゼントできたのに。
「大丈夫。また、年末には、この街に戻ってくるから」
「その時に何か、お礼を渡したいんですけど」
「もう、もらったじゃないか」
「でも、今日もこんなすてきなドレスを頂いてしまいましたし」
「じゃあ、戻ってきた時に俺の髪を切ってよ」
「そんなことでいいんですか」
「若々しくしてくれないか。さすがにお父さん扱いはショックだったから」
「すみません」
私はレオさんを見つめた。きれいな目。日焼けしているけど、肌もきれいだ。髭で隠すのはもったいない。
「髪は切らなくていいですよ。罪人の姿と勘違いされても面倒でしょう。髭を剃るだけでも、若返りますよ。ちょっと、顎の方は短く残して」
「マリアさん、マリアさん」
レオさんが焦ったような声を上げた。
「近過ぎ」
いつのまにか、レオさんの顔に自分の顔を近づけていた。おまけにレオさんの両頬を手で挟んでいる。
慌てて、手を離し、前を向いた。
「す、すみません」
私は赤くなった自分の頬を抑えた。それから、その手でレオさんの頬を挟んでいたことを思い出して、意識してしまう。
「あの、本当にレオさんをもっと、もっと、すてきにするので楽しみにしていてください」
「ああ、俺も楽しみにしてるよ」
チラリとレオさんを見る。本当にかっこいい人だ。
「無事に帰って来てくれなきゃ、嫌ですよ」
やっぱり、お父さんに甘えるように言ってしまう。
「あのー、お客さん、いい雰囲気のところ、申し訳ないんですが、もう、デルバールに着いちゃった。あとは中で楽しんでください」
御者から声をかけられて、私は恥ずかしくなった。これから、遊ぶお客様を連れて来たと思われてるんだ。
「ち、違います。そんな関係じゃありません」
「誤解だよ。送って来ただけで俺はもう帰るから」
レオさんがそうフォローしてくれた。
「もう帰るのか」
「はい、やることがいっぱいあるんですよ」
「じゃあ、送って行こう」
店の前に馬車が待っていた。店員さんに頼めば、来てくれるらしい。まるで、タクシーみたい。
馬車に乗ると、レオさんは私の隣に座った。
進行方向の反対向きに座ると気持ち悪くなるもんね。
「そんなにデルバールの仕事は忙しい?」
「いえ、いよいよ、お店を開く準備を始めたんです。もう、場所も決めて、改装も始めてますし、中で使う道具とかも色々、作ってもらっている最中なんです」
「場所はどこなんだい?」
「商店街のはずれです。そばに満腹屋っていう食べ物屋さんがあって」
「もしかして、二階建ての木造の?」
「そう、そこです。レオさんは街に詳しいんですね」
「青の騎士団にいたことがあって」
「それで、ジェシーさんとも仲がいいんですね」
「……まあ、普通かな。それにしても、すごいじゃないか。慣れない世界でよく、頑張ってるな」
ストレートに褒められると照れてしまう。
「レオさんに助けてもらったおかげです」
「まあ、仕事だからな」
「辺境のお仕事は大変ですか?」
「まあ、最近は危険な魔獣も出てきてないから討伐も簡単だな。あとは訓練とパトロールばかりだ」
「魔獣ってどんなものがいるんですか?」
尋ねると、いくつか、最近、討伐した魔獣の様子を語ってくれた。巨大な双頭の蛇。強くはないが大量発生するスライム。この世界のスライムは知能が低くて何でも溶かしにかかるからペットにはできないらしい。雷鳥という雷を落とすことができる鳥。日本の可愛い雷鳥とは全然、違う。
魔法や剣を使って討伐するのはまさに血湧き肉躍るって感じだ。レオさん、語るのが上手い。
「すごいですねえ」
どれも軽々と勝っているように聞こえる。でも、最近は危険な魔獣が出ていないというだけで出てくることもあるんだよね。
「あの、本当に気をつけてください。無事をお祈りしています」
何かお守りのような物があるのか、聞いておけばよかった。そうすれば、プレゼントできたのに。
「大丈夫。また、年末には、この街に戻ってくるから」
「その時に何か、お礼を渡したいんですけど」
「もう、もらったじゃないか」
「でも、今日もこんなすてきなドレスを頂いてしまいましたし」
「じゃあ、戻ってきた時に俺の髪を切ってよ」
「そんなことでいいんですか」
「若々しくしてくれないか。さすがにお父さん扱いはショックだったから」
「すみません」
私はレオさんを見つめた。きれいな目。日焼けしているけど、肌もきれいだ。髭で隠すのはもったいない。
「髪は切らなくていいですよ。罪人の姿と勘違いされても面倒でしょう。髭を剃るだけでも、若返りますよ。ちょっと、顎の方は短く残して」
「マリアさん、マリアさん」
レオさんが焦ったような声を上げた。
「近過ぎ」
いつのまにか、レオさんの顔に自分の顔を近づけていた。おまけにレオさんの両頬を手で挟んでいる。
慌てて、手を離し、前を向いた。
「す、すみません」
私は赤くなった自分の頬を抑えた。それから、その手でレオさんの頬を挟んでいたことを思い出して、意識してしまう。
「あの、本当にレオさんをもっと、もっと、すてきにするので楽しみにしていてください」
「ああ、俺も楽しみにしてるよ」
チラリとレオさんを見る。本当にかっこいい人だ。
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「ち、違います。そんな関係じゃありません」
「誤解だよ。送って来ただけで俺はもう帰るから」
レオさんがそうフォローしてくれた。
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