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第一章
テンプレ展開
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ぐー。
シーランを出たとたんに鳴ったのは私のお腹だった。
「お昼が遅くなってすみません。お昼をご馳走させてください」
ハロルドさんが言ってくれたけど、お腹の音で催促したみたいで余計に恥ずかしい。でも、ハロルドさんの選ぶお店というのは気になる。
案内してくれたのは女性が喜ぶようなおしゃれなお店だった。
「エスメラルダを連れて行く前の下見か?」
レオさんがからかうように言うと、ハロルドさんが真面目な顔で言った。
「もう、下見は済んでます」
下見が済んでいて、選んでくれただけあって、美味しいお店だった。メニューを見てもよく分からないので、注文はお任せしたけど、前菜やパスタがイタリアンっぽかった。んー、ピザが食べたくなった。私が落ち人であることを知っている人にピザが売っている店があるかどうか、確認しないと。
食べ終わると、私はトイレに行った。鏡を見ると、パッとしない自分が映っている。剥げたリップを塗り直した。
トイレから出て、二人のいるテーブルに向かっていたところ。
パシャ。
突然、ワインがドレスにかかった。
ドレスが真っ赤に染まっていく。
「あら、ごめんあそばせ」
グラスを手に謝ってきたのはすごく派手な美人だ。ちょっと、露出が多い。
「ちょっと、よろめいちゃって」
そう言ってから、私に近づき、囁いた。
「ジェシーをたぶらかしただけじゃ気が済まないの? 違う男を二人も連れちゃって」
うわ、うわ、うわー。テンプレ展開だ。えっちゃん、勘違いの嫉妬からワインをかけられたよ。思わず、にんまりしてしまった。
私の笑顔を不気味に思ったのか、女性が後退る。
「大丈夫ですか?」
お店の人から渡されたナプキンで拭くけど、もちろん、落ちるわけがない。
「お客様」
お店の人が女性を咎めようとするのを首を振って止める。思わず、喜んじゃったから、もういいよ。
「大丈夫か?」
レオさんとハロルドさんが来たら、女性はそそくさと去って行った。
「この隣にドレスショップがあったから、着替えを買えばいい。エスメラルダの用は明日に延期にしよう」
ハロルドさんが言う。
「あの、明日でも大丈夫ですけど、今からでも、着替えたら、大丈夫です」
「いや、このレストランを選んだ私が悪かった。明日の昼過ぎでいいかな?」
「あ、はい。でも、お店は、美味しくて素敵でしたよ」
「ありがとうございます。私どもが気をつけていれば、こんなことにはなりませんでした。ドレスショップでは私どもが支払うとお告げください」
店員さんが深々とお辞儀した。
「いや、ここにドレスをプレゼントしたくて、しょうがない人がいるから」
ハロルドさんがレオさんの肩を叩く。
「おい」
「これから、私は戻って、エスメラルダに連絡するから。レオ、後は任せた」
ハロルドさんはバタバタと帰って行った。
「何だか、ものすごく急いでましたね。エスメラルダさんに早くプレゼントを渡したかったんでしょうか」
尋ねると、レオさんは咳払いした。
「いや、変に気を使ってくれた、ようだ」
「え?」
「それより、早く着替えを買いに行こう」
エスコートされて、隣の店へ。
アーネットさんの店と違って、既成服のお店みたい。明るい店内には色んな服が飾られている。
「どんなドレスが好きなの」
「本当はズボンが好きなんです。動きやすいから。私の国では女性のズボンも普通だったので」
店員さんには聞こえないように小声で答える。落ち人だと知られていると、こんなことも話すことができる。
「じゃあ、シンプルなのがいいのかな」
「はい」
「あっちはどう?」
レオさんの示した先にあったのは細身のドレスだった。スカート部分が広がっていないから、動きやすそうだ。
「そちらは一人でも着られると、貴族でない方に好評のシリーズです」
手に取ろうとすると、さっと、店員さんが寄ってきた。何だか、日本の店を思い出す。
「こちらの色はいかがでしょう」
ベージュ色をすすめられた。ピンクとかより、落ち着いていいかもしれない。
試着してみた。男性を待たせて、試着っていうのも初めてだ。
「どうでしょう」
何だか、レオさんに見せるのが恥ずかしい。
「似合ってるよ。きれいだ」
この国の人って、みんな、褒め上手だ。照れくさくなってしまう。
「じゃあ、これにします」
「いや、もっと、色々、試してみたら」
「この色が気に入ったので」
鏡で見たら、シンプルだけど、生地はラメっぽくてきれいだった。
なぜか、レオさんが赤くなっている。何か、間違ったことを言っただろうか。
「いや、その色、俺の瞳の色のようだなと思って」
思わず、私も赤くなってしまった。
シーランを出たとたんに鳴ったのは私のお腹だった。
「お昼が遅くなってすみません。お昼をご馳走させてください」
ハロルドさんが言ってくれたけど、お腹の音で催促したみたいで余計に恥ずかしい。でも、ハロルドさんの選ぶお店というのは気になる。
案内してくれたのは女性が喜ぶようなおしゃれなお店だった。
「エスメラルダを連れて行く前の下見か?」
レオさんがからかうように言うと、ハロルドさんが真面目な顔で言った。
「もう、下見は済んでます」
下見が済んでいて、選んでくれただけあって、美味しいお店だった。メニューを見てもよく分からないので、注文はお任せしたけど、前菜やパスタがイタリアンっぽかった。んー、ピザが食べたくなった。私が落ち人であることを知っている人にピザが売っている店があるかどうか、確認しないと。
食べ終わると、私はトイレに行った。鏡を見ると、パッとしない自分が映っている。剥げたリップを塗り直した。
トイレから出て、二人のいるテーブルに向かっていたところ。
パシャ。
突然、ワインがドレスにかかった。
ドレスが真っ赤に染まっていく。
「あら、ごめんあそばせ」
グラスを手に謝ってきたのはすごく派手な美人だ。ちょっと、露出が多い。
「ちょっと、よろめいちゃって」
そう言ってから、私に近づき、囁いた。
「ジェシーをたぶらかしただけじゃ気が済まないの? 違う男を二人も連れちゃって」
うわ、うわ、うわー。テンプレ展開だ。えっちゃん、勘違いの嫉妬からワインをかけられたよ。思わず、にんまりしてしまった。
私の笑顔を不気味に思ったのか、女性が後退る。
「大丈夫ですか?」
お店の人から渡されたナプキンで拭くけど、もちろん、落ちるわけがない。
「お客様」
お店の人が女性を咎めようとするのを首を振って止める。思わず、喜んじゃったから、もういいよ。
「大丈夫か?」
レオさんとハロルドさんが来たら、女性はそそくさと去って行った。
「この隣にドレスショップがあったから、着替えを買えばいい。エスメラルダの用は明日に延期にしよう」
ハロルドさんが言う。
「あの、明日でも大丈夫ですけど、今からでも、着替えたら、大丈夫です」
「いや、このレストランを選んだ私が悪かった。明日の昼過ぎでいいかな?」
「あ、はい。でも、お店は、美味しくて素敵でしたよ」
「ありがとうございます。私どもが気をつけていれば、こんなことにはなりませんでした。ドレスショップでは私どもが支払うとお告げください」
店員さんが深々とお辞儀した。
「いや、ここにドレスをプレゼントしたくて、しょうがない人がいるから」
ハロルドさんがレオさんの肩を叩く。
「おい」
「これから、私は戻って、エスメラルダに連絡するから。レオ、後は任せた」
ハロルドさんはバタバタと帰って行った。
「何だか、ものすごく急いでましたね。エスメラルダさんに早くプレゼントを渡したかったんでしょうか」
尋ねると、レオさんは咳払いした。
「いや、変に気を使ってくれた、ようだ」
「え?」
「それより、早く着替えを買いに行こう」
エスコートされて、隣の店へ。
アーネットさんの店と違って、既成服のお店みたい。明るい店内には色んな服が飾られている。
「どんなドレスが好きなの」
「本当はズボンが好きなんです。動きやすいから。私の国では女性のズボンも普通だったので」
店員さんには聞こえないように小声で答える。落ち人だと知られていると、こんなことも話すことができる。
「じゃあ、シンプルなのがいいのかな」
「はい」
「あっちはどう?」
レオさんの示した先にあったのは細身のドレスだった。スカート部分が広がっていないから、動きやすそうだ。
「そちらは一人でも着られると、貴族でない方に好評のシリーズです」
手に取ろうとすると、さっと、店員さんが寄ってきた。何だか、日本の店を思い出す。
「こちらの色はいかがでしょう」
ベージュ色をすすめられた。ピンクとかより、落ち着いていいかもしれない。
試着してみた。男性を待たせて、試着っていうのも初めてだ。
「どうでしょう」
何だか、レオさんに見せるのが恥ずかしい。
「似合ってるよ。きれいだ」
この国の人って、みんな、褒め上手だ。照れくさくなってしまう。
「じゃあ、これにします」
「いや、もっと、色々、試してみたら」
「この色が気に入ったので」
鏡で見たら、シンプルだけど、生地はラメっぽくてきれいだった。
なぜか、レオさんが赤くなっている。何か、間違ったことを言っただろうか。
「いや、その色、俺の瞳の色のようだなと思って」
思わず、私も赤くなってしまった。
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