幸福からくる世界

林 業

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ある大陸のある国にて

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朝、ハルシオは夜明けと共に叩き起こされ、体力作りと称され、眠気と戦いながらサジタリスの後を追う。

何時しか目を覚まし、空を見上げれば鳥が空を飛んでいる。
いいなぁと思いつつもようやく家へと帰ってくる。
「ちゃんと体力あって偉いな」
サジタリスに頭を撫でられる。
鳥、ではなく梟のオウルが飛んできて肩に止まる。

「汗流してこい。そういえばルシオ、お前生活魔法使えるか?」
「せい、何?」
汗が流れるので服で拭う。
「着火とか、水生成とか」
「俺魔法使えないです」
「魔力あるよな」
頷けば、サジタリスはならいいと頷く。
「今度教えてやる。苦手なルーでもできるんだ。お前もできるさ」
「先生は、魔法使いなんですか?」
「いや。攻撃魔法は身体強化ぐらいだ。他はめっきりだな」
「俺、一度も魔法発動したことないんです」
「生活魔法は魔力あったやつで発動したことないやつは見たことない。とりあえず気長にやるだけやってみるさ」
「はぁ」
初めてになるんだろうなと肩を落としながらも風呂場へと向かい汗を流す。

その魔法習得に十年かかった。
サジタリスからは早い早いと褒められたが、なんとも言えない気持ちになったと言う。



朝はサジタリスが生活魔法の、そしてルーンティルの魔導具講義。
昼は、属性石の練習と、朝に言われた属性石に刻む文字列の書き取りの宿題。
表を見ながら一つ一つ書く。



翌日からは生活魔法の実践が開始される。
魔力を込めて、水をイメージする。

だが一切、水は出てこない。
昼の時間が近づき、しょんぼり肩を落としながらも食事をする。
「まだ初日だ。大丈夫だろ」
「やっぱり魔法、無理なんだ」
落ち込んだままのハルシオに対してルーンティルはサジタリスを見る。
「魔力は反応してるんでしょ?」
「あぁ」
「後なにかあるっけ?」
「イメージ。一年ほど様子を見てから考える」
「じゃあ、次の休日気分転換にお出かけしようか」
ルーンティルの提案にサジタリスはなるほどと頷く。
「なら、心臓核を持つ魔物狩りだな」
「市場へ行って、心臓核の売り場を見よう」
二人の提案に、どっちも魅力的だと感じる。

だが二人は顔を見合わせてから言い合う。

「狩りなんて休日じゃなくていいじゃんか。危ないし」
「市場だって別にわざわざ行かなくても、専門の店があるだろう」
二人はハルシオを見る。
「どっちがいいんだ」
「え、どっちも魅力的だと、思います」
「じゃあ、来週の休日は市場で道具をついでに揃えて、その翌日にサジ君の仲間とお出かけってのはどう?人が多いほうが護衛になるでしょ」
「そうするか」
サジタリスも承知したと頷く。

「必要なものって何?」
「とりあえず採取用の短剣と、履きなれた靴。は、今のでいいな。後は鞄とおやつと、お弁当と一応冒険者登録させとくか。登録費だな。後は防寒着と、ローブぐらいだろう」
「お買い物楽しみだね。おやつは作っちゃう?」
「師父も来ますか?」
「町の外出るときの手続きが大変だし足手まといだからピクニックはまた今度ね」
「俺、大きくなったら働いて返します」
「いいよ。お金に困ったら魔物討伐するから。それより健やかに、元気に、逞しく、育ってほしいな。ほら。これも食べて」
差し出されたソーセージ。
素直に受け取る。
だがルーンティルはサジタリスに睨まれている。
「肉ももっと食え」
「お肉苦手なんです」
「じゃあ、野菜と合わせて食え。子供に示しが付かん」
勝手にルーンティルのお皿へとサラダを盛り付けるサジタリス。
戻そうかとソーセージを見て、しかしサジタリスに、野菜やベーコンを乗せられる。

「お前はもっと食え。大きくなれ」

「サジより大きくなることはないだろうけど」
サジタリスはルーンティルを睨む。



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