幸福からくる世界

林 業

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ある大陸のある国にて

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賑やかな酒場の奥にある受付で冒険者登録を行う。

冒険者思わしき人々の腰には魔力を纏った剣を持っているのも少なくない。
自分の短剣はただの短剣。
初めからそのような武器を持つのは駄目だとサジタリスがルーンティルを止めていた。
「そういえば、師父の魔導具の販売先って何処なんですか?」
「あぁ。国に納品が三割、残りは武具屋だったり、旅の商人だったり色々だな。その辺りはルーがそのうち教えるだろう」
「はい」
「タリス。お、話してた例の養い子だな」
アリナガが近づいてくる。
ハルシオがサジタリスを見上げてからアリナガを見る。
「ルシオだ。ナーガだ」
「ハルシオです」
「おう。よろしく。アリナガだ。盾使いだから俺の後にいろよ」
「ジーンたちはどうした」
「ユージーンたちなら外で待ってるぞ。俺は適当な依頼を一緒に選ぶために来たんだよ。今残ってんのは」
「んじゃあ、この、日帰りできそうなゴブリンと、狼と」
「そのぐらいそのぐらい。ユージーンたちも一つずつ受けてるからな」
「じゃあいいか。行くか」
依頼を受け付けて向かう。



ハルシオはサジタリスの背中で眠っている。
街につくと、眠そうにしていたので背中に背負ったら眠ってしまった。
「流石に連れ回し過ぎたな」
ユージーンは反省と頷く。

「毎回のことだろう」
仲間と別れて、家へと急ぐ。

「只今ルー」
「お帰りなさい。あぁ。寝てるんだね。お風呂に入ってほしいけど、とりあえず寝かせようか」
「おう」
「うぅ。おおかみぃ。首ぃ」
服を着替えさせてベッドに寝かせれば寝言が紡がれる。
「何やったの?」
「狼の群れの首を襲ってくるやつから順次切り落とし、凍らせ、盾で吹っ飛ばして」
「もういいや」
おおよその予測が今までの子育て経験から理解する。
まだ泣きじゃくったりするよりはいいほうだろう。
「あ。これ、お土産。ゴブリンとか、狼とか、トレントとかの魔物のクズ石」
「ありがとう」
皮袋を受け取り、それからサジタリスを見る。
「サジ君もお疲れ様です」
「おう」
南瓜が目の前に現れ、頑張ったと胸を張っている。
「ジャックウィリーもお疲れ様。ちゃんといつもの小屋に置いてあるよ」
南瓜はくるくると回りながら消えていく。




ハルシオは夜中に目を覚して、見回す。
(お腹空いた)
リビングに向かえばメモとパンとシチュー。
メモにはお腹空いたら食べなさい。歯磨き忘れずに。と書かれている。

シチューを持ってレイアンのところへ向かう。
「レイアン。温めてくれないかな」
レイアンが現れ、ドアが開く。
中へと入れて数秒後には湯気立つシチューが出来ている。
厚手の布で包みながら、パンを使って口へ運ぶ。
「レイアン。あのね。今日冒険したんだ」
レイアンに凄かった。などと語りかける。

「すっごかったんだ。先生。お仲間さんもね。かっこよかった。狼の首が飛んでいくのはびっくりしたけど」
レイアンがうんうんと頷いているのに気づいて、話し続ける。



    
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