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おまけ
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ムーは目の前の司書に擦り寄る。
この間もらったおやつがほしいと。
「ムー。あれは駄目だ」
「むにゃ」
「あのお方に言われたんだよ。変に他所の世界の飯やるなって」
「むにゃああああ」
顔を引っかき、あの方へ抗議に向かう。
司書はいてぇと額を押さえて、救急箱を取りに奥へと引っ込む。
目の前には首根っこを掴んで確保されている猫、ムー。
自分たちの主である男に思考が停止。
表に出てくることなどない男。
「うわっ」
ムーをほれと投げられて慌てて受け止める。
「むにゃああ」
男の指が傷口に向けられたかと思えば傷が無くなっていく。
元々力の塊で人の姿を象っている司書。
「ありがとうございます」
ご飯抜きって言われたと訴えてくるムー。
外に出て行く男の後を追いかける。
今は客がいないからいいが、むしろいないから出ていくのかもしれないが、それでも心臓に悪い。
それぐらい珍しい。
「主様。どうしました」
現れたムーの毛で作った男が現れる。
彼はその男だけは側に置いて伝令を任せることが多い。
「むにゃあ」
「ごめんなさいすればいいのでは」
ムーを冷たくあしらい、男を追いかける。
男は進み、料理コーナーで足を止めると本を手に取る。
「むにゃあ」
司書に向かってあやまってくるムーに大丈夫だよと頭を撫でる。
「しかしお前は雌なら世話役も女になったのかな」
呟く司書に世話役と呼ばれた男はしばし考えてから回れば、胸に膨らみが出て、背丈も小さくなって女へと変化する。
「これぐらいお手の物です。私達に性別はないのでは?」
初めて見たその特技。
司書たちは皆使えると言われてまじかと慌てる。
「どうやってやるんだ」
慌てて自分の主を見れば、彼はお前にはできないと云う。
「俺も欲しかった。その機能」
追加を期待するが面倒そうである。
自分の主はムーの頭を撫でると抱き上げる。
どうやらおやつに似た食事を作るとのこと。
優しさの残る笑顔に、これはもうムーしか考えていないと理解する。
「むにゃああ」
何故、料理本を読んでいたのかと納得する理由。
読まなくとも大抵のものが作れるだろうに。
相変わらずこの男はムーには甘いと二人は諦めて眺める。
ムーとは違い、自分たちが役に立つから存在させてもらえていると度々思ってしまう。
ムーは意気揚々と彼に擦り寄り、一人と一匹で台所を占居。
元々男の物なので占拠というのもどうかと思うがそう考えてしまう。
「ところでなんで、俺、男のままなんだよ」
「私の場合は適当な六の神のイメージですがあなたの場合はあのお方の若い頃ですからね。自分の女姿を見たがるお方ではないでしょう」
「なんで似せたんだ。他と同じようにムーや七の神のとこのように神か他のセドリのように親兄弟祖父母に似せてくれたらいいじゃん」
「一番イメージを伝えやすいからでしょうね。性格も把握しているでしょうし」
「なるほどね」
男へと戻った彼に、なんだかなぁと思いつつ。
それでも一番優遇された業務能力を持つ司書だがそんなことには気づかない。
むしろ変に追加されて業務に支障が出るのだけは避けたいと思っているらしいと後日知る。
この間もらったおやつがほしいと。
「ムー。あれは駄目だ」
「むにゃ」
「あのお方に言われたんだよ。変に他所の世界の飯やるなって」
「むにゃああああ」
顔を引っかき、あの方へ抗議に向かう。
司書はいてぇと額を押さえて、救急箱を取りに奥へと引っ込む。
目の前には首根っこを掴んで確保されている猫、ムー。
自分たちの主である男に思考が停止。
表に出てくることなどない男。
「うわっ」
ムーをほれと投げられて慌てて受け止める。
「むにゃああ」
男の指が傷口に向けられたかと思えば傷が無くなっていく。
元々力の塊で人の姿を象っている司書。
「ありがとうございます」
ご飯抜きって言われたと訴えてくるムー。
外に出て行く男の後を追いかける。
今は客がいないからいいが、むしろいないから出ていくのかもしれないが、それでも心臓に悪い。
それぐらい珍しい。
「主様。どうしました」
現れたムーの毛で作った男が現れる。
彼はその男だけは側に置いて伝令を任せることが多い。
「むにゃあ」
「ごめんなさいすればいいのでは」
ムーを冷たくあしらい、男を追いかける。
男は進み、料理コーナーで足を止めると本を手に取る。
「むにゃあ」
司書に向かってあやまってくるムーに大丈夫だよと頭を撫でる。
「しかしお前は雌なら世話役も女になったのかな」
呟く司書に世話役と呼ばれた男はしばし考えてから回れば、胸に膨らみが出て、背丈も小さくなって女へと変化する。
「これぐらいお手の物です。私達に性別はないのでは?」
初めて見たその特技。
司書たちは皆使えると言われてまじかと慌てる。
「どうやってやるんだ」
慌てて自分の主を見れば、彼はお前にはできないと云う。
「俺も欲しかった。その機能」
追加を期待するが面倒そうである。
自分の主はムーの頭を撫でると抱き上げる。
どうやらおやつに似た食事を作るとのこと。
優しさの残る笑顔に、これはもうムーしか考えていないと理解する。
「むにゃああ」
何故、料理本を読んでいたのかと納得する理由。
読まなくとも大抵のものが作れるだろうに。
相変わらずこの男はムーには甘いと二人は諦めて眺める。
ムーとは違い、自分たちが役に立つから存在させてもらえていると度々思ってしまう。
ムーは意気揚々と彼に擦り寄り、一人と一匹で台所を占居。
元々男の物なので占拠というのもどうかと思うがそう考えてしまう。
「ところでなんで、俺、男のままなんだよ」
「私の場合は適当な六の神のイメージですがあなたの場合はあのお方の若い頃ですからね。自分の女姿を見たがるお方ではないでしょう」
「なんで似せたんだ。他と同じようにムーや七の神のとこのように神か他のセドリのように親兄弟祖父母に似せてくれたらいいじゃん」
「一番イメージを伝えやすいからでしょうね。性格も把握しているでしょうし」
「なるほどね」
男へと戻った彼に、なんだかなぁと思いつつ。
それでも一番優遇された業務能力を持つ司書だがそんなことには気づかない。
むしろ変に追加されて業務に支障が出るのだけは避けたいと思っているらしいと後日知る。
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