4 / 12
第4話 注文の多い図書室!?
しおりを挟む
今回の研修の休憩は、学校より長めの20分。
トイレ休憩を済ませて、特にすることもないので図書室に皆集まっている。
「なんか、懐かしいかも。」
つぶやきながら、コヨミが『注文の多い料理店』を手に取った。
文庫本サイズでとてもキレイな本。もしかして、開くのはコウについでコヨミが2番目かもしれないと思うほどキレイだった。
一番後ろのカバーと本体の間に、国語のプリンとか何かを破ったのか半分に折られた紙が入っているのに気づいた。
「なにそれ?」
ショウがそれに気がついて聞いてきた。
「さぁ?テスト?」
コヨミが取り出したとたん、コウが食いついて気がついたら手元から無くなっていた。
「誰か栞がわりに使ってたんじゃない?」
ミオが冷静に推理している向かい側で、コウが紙を開いた。
[注文します。この本が読みたいです。
※蜘蛛の糸 芥川龍之介]
「本屋さんで買いたかったのかな?」
またもやミオが推理する。
「面白い。次の本これにしようぜ!」
やる気を出したコウの一言で、この図書室から次見つける本が決まってしまった。
時間がかかるかと思いきや、案外すんなり見つかったその本は、『注文の多い料理店』と同じ棚にあった。
その本にも同じようなメモが挟まっており、3つの注文品が書いてあった。
[注文します。この本が読みたいです。
※伝記 リンカーン
※楽器の事典
※伝記 徳川家康]
「なんか急に勉強系になったんだけど...」
ミオの眉間にシワがよる。
「歴史系と音楽系だからふたてに分かれようか。オレとコウは歴史に行くよ。」
必然的にコヨミとミオは音楽の棚を探すことになった。
次は探すのに少し時間がかかりそうだ。
音楽の本が並んでいる棚にはたくさんの楽器、音楽家に関する本が並んでいた。ベートーベン、モーツァルト、バッハと知っている名前が並んでいる。
怖いおじさんの写真が表紙だったり、少女漫画に出てくるようなカッコいい男の子が表紙に描かれていたりする。
「あった!」
似たようなタイトルの本が並ぶ中、ミオが見つけた。
が、同時にコヨミも他の本を見つけていた。
「2冊あるけどどっちも?」
「一応、ミオが見つけたのと私のどっちも持っていっとこうか。他の学校も持っていきそうにないし。」
ということで2冊確保。
テーブルに戻ると、既にコウとショウが戻ってきていた。
ページを1枚1枚絶対に読んでないスピードでめくっているところをみると、メモは見付かってないらしい。
コヨミとミオも席について本を開く。
ミオが持ってきた本よりも、分厚い事典はページをめくって確認するのが大変そうだ。
最初から行く気にはなれず、本の下から出ていた栞の紐が挟まっているページを「えいっ!」と開く。
「あっ、あった。」
思いっきりピンが付いた国語の紙切れが挟まっていた。
トイレ休憩を済ませて、特にすることもないので図書室に皆集まっている。
「なんか、懐かしいかも。」
つぶやきながら、コヨミが『注文の多い料理店』を手に取った。
文庫本サイズでとてもキレイな本。もしかして、開くのはコウについでコヨミが2番目かもしれないと思うほどキレイだった。
一番後ろのカバーと本体の間に、国語のプリンとか何かを破ったのか半分に折られた紙が入っているのに気づいた。
「なにそれ?」
ショウがそれに気がついて聞いてきた。
「さぁ?テスト?」
コヨミが取り出したとたん、コウが食いついて気がついたら手元から無くなっていた。
「誰か栞がわりに使ってたんじゃない?」
ミオが冷静に推理している向かい側で、コウが紙を開いた。
[注文します。この本が読みたいです。
※蜘蛛の糸 芥川龍之介]
「本屋さんで買いたかったのかな?」
またもやミオが推理する。
「面白い。次の本これにしようぜ!」
やる気を出したコウの一言で、この図書室から次見つける本が決まってしまった。
時間がかかるかと思いきや、案外すんなり見つかったその本は、『注文の多い料理店』と同じ棚にあった。
その本にも同じようなメモが挟まっており、3つの注文品が書いてあった。
[注文します。この本が読みたいです。
※伝記 リンカーン
※楽器の事典
※伝記 徳川家康]
「なんか急に勉強系になったんだけど...」
ミオの眉間にシワがよる。
「歴史系と音楽系だからふたてに分かれようか。オレとコウは歴史に行くよ。」
必然的にコヨミとミオは音楽の棚を探すことになった。
次は探すのに少し時間がかかりそうだ。
音楽の本が並んでいる棚にはたくさんの楽器、音楽家に関する本が並んでいた。ベートーベン、モーツァルト、バッハと知っている名前が並んでいる。
怖いおじさんの写真が表紙だったり、少女漫画に出てくるようなカッコいい男の子が表紙に描かれていたりする。
「あった!」
似たようなタイトルの本が並ぶ中、ミオが見つけた。
が、同時にコヨミも他の本を見つけていた。
「2冊あるけどどっちも?」
「一応、ミオが見つけたのと私のどっちも持っていっとこうか。他の学校も持っていきそうにないし。」
ということで2冊確保。
テーブルに戻ると、既にコウとショウが戻ってきていた。
ページを1枚1枚絶対に読んでないスピードでめくっているところをみると、メモは見付かってないらしい。
コヨミとミオも席について本を開く。
ミオが持ってきた本よりも、分厚い事典はページをめくって確認するのが大変そうだ。
最初から行く気にはなれず、本の下から出ていた栞の紐が挟まっているページを「えいっ!」と開く。
「あっ、あった。」
思いっきりピンが付いた国語の紙切れが挟まっていた。
0
あなたにおすすめの小説
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
エマージェンシー!狂った異次元学校から脱出せよ!~エマとショウマの物語~
とらんぽりんまる
児童書・童話
第3回きずな児童書大賞で奨励賞を頂きました。
ありがとうございました!
気付いたら、何もない教室にいた――。
少女エマと、少年ショウマ。
二人は幼馴染で、どうして自分達が此処にいるのか、わからない。
二人は学校の五階にいる事がわかり、校舎を出ようとするが階段がない。
そして二人の前に現れたのは恐ろしい怪異達!!
二人はこの学校から逃げることはできるのか?
二人がどうなるか最後まで見届けて!!
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
黒地蔵
紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。
※表紙イラスト=ミカスケ様
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
未来スコープ ―キスした相手がわからないって、どういうこと!?―
米田悠由
児童書・童話
「あのね、すごいもの見つけちゃったの!」
平凡な女子高生・月島彩奈が偶然手にした謎の道具「未来スコープ」。
それは、未来を“見る”だけでなく、“課題を通して導く”装置だった。
恋の予感、見知らぬ男子とのキス、そして次々に提示される不可解な課題──
彩奈は、未来スコープを通して、自分の運命に深く関わる人物と出会っていく。
未来スコープが映し出すのは、甘いだけではない未来。
誰かを想う気持ち、誰かに選ばれない痛み、そしてそれでも誰かを支えたいという願い。
夢と現実が交錯する中で、彩奈は「自分の気持ちを信じること」の意味を知っていく。
この物語は、恋と選択、そしてすれ違う想いの中で、自分の軸を見つけていく少女たちの記録です。
感情の揺らぎと、未来への確信が交錯するSFラブストーリー、シリーズ第2作。
読後、きっと「誰かを想うとはどういうことか」を考えたくなる一冊です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる