探し物は何ですか？～図書委員の夏休み～【完結】

第３話 こんにちは図書委員

交流会という名の研修プログラム１つ目は学校&自己紹介。
１人ずつその場で立って話していく。
「じゃあ、廊下側の前のテーブルから。」

コヨミ達のテーブルだ。なんでここに、座らせた！という思いを込めて花山先生を皆でにらんだ。
だけど先生はなぜかピースサインをしている。

お互いお先にどうぞと目で訴えるが、決着がつかない。しびれをきらひたショウが立ち上がった。
「四葉中学からきました高田翔です。よろしくお願いします。」
すかさずコウが立ち上がる。
「中西光です。」
流れにのらない手はないと、コヨミとミオは目を見合わせ立ち上がる。
「桜田暦です。」
「山城美桜です。」
「よろしくお願いします。」

無事に挨拶を終わらせることができた。
(皆、あんなにSNSで知らない人と会話？をしている話をしているのにこんな時は話せないんだ)とコヨミは不思議に思ったが口には出さない。

他の学校の自己紹介も続いた。やりたくて図書委員になったっぽい人、じゃんけんで負けてなってしまったっぽい人
、自己紹介ですでにやる気のなさを感じる人(多分携帯が使えなくてだけど)色々な人が集まってきていた。

「自己紹介も終わったということで、今日は本選びをしてもらいます。ここの図書室から、各校20冊ずつ選んで自分の学校に持ち帰ります。もしかしたら、もう学校にあるものもあるかもしれないけどまぁ、いいでしょう。はい。じゃあ、始め！」

始め！と言われても、、、
だれも席を立たない。
「席を立って！」
ダラダラと立ち上がって、コヨミはとりあえずミオと一緒に部屋の端から見ていくことにした。コウとショウはブラブラと本棚の間に入っていった。

コヨミ達が来たのは絵本コーナーだった。中学生=絵本のイメージはコヨミには無かった。でも、どこかでみたことがある絵本がちらほらある。
ぞうが色々なことをする絵本に、カバが色々な仕事をする絵本、本を修理しているおじいさんの絵本もあった。他にも色々と並んでいるがどうやら"仕事"を意識したものが並んでいるらしい。

それが終わると、バラバラな内容で絵本が並んでいた。
保育園に絵本読みのボランティアに行ってたのかな？と思うくらいの量はあった。

コヨミとミオは、懐かしさを感じるものを１冊ずつ手に取った。

テーブルに戻ると、コウが１冊持ってきたのだがそれは
『注文の多い料理店』宮沢賢治
「これで！」
「絶対図書室あるよ。」とミオが言うがあきらめそうにない。
面倒くさいなとコヨミとミオがあきらめたところで休憩の時間になった。