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面蛸とおる

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在る管理者の言い訳

在る管理者の言い訳 (ご主人様と犬的なドM受)

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遠くからジリルミスト達の乱れた声がまだ聞こえる。

─そう、まだ聞こえるのだ。

あれからもう二時間は経とうとしているのに、三人声はこの狂乱を嫌だと思うわりに、物凄く楽しむものなので…。

僕は唯々「やっぱりみんな好きなんじゃん…」と少し拗ねながら、可愛くタレた赤い瞳を細めた。

そして、輝く金色の髪を触りながら、通路にある鏡を見て。

「僕って…そんなにわがままなのかな」と不安そうに言うと。

何処からか、

いつも聞いている大好きなシキシマの「セレンゼル様っ!!あのようなことをして良かったのですか?」

という焦った声が聞こえてきたので。

僕はさっきの不安を忘れて、彼にこう笑って言葉を返した。


「もう、シキシマったらそんなに慌ててどうしたの?」

「…えっ、あっ…はいその…」

「うふふっ…。シキったら本当にカッコいいのにかわいいよね…。それに僕がジリルミストにした事に対して咎めたいのなら、ちゃんと慌てずに僕に言わないと駄目だよ」

僕はそう茶目っ気たっぷりに言いながら、

目の前に居る黒髪を左右別の長さにした可愛いよりもカッコいいが 似合うシキシマの胸に飛びつき。

挨拶の抱擁を贈る。


─こいう挨拶に慣れてないシキシマは照れた表情をしながら、


「ちょっ…何をなさるんですかっー!!こっ…こんな所で抱きつくなんて…色々とうるさい創造主様に、俺たちのことバレてしまいますよ」とそう僕に言ってくるので。

「…別にいいよバレても。…だって僕ランゼルト兄さんとは違ってあの人たちに、誰と愛し合っても良いって言われてるからさ」

「…そうだったんですか」

とシキシマは僕の回答にそう答え、茶色の瞳を大きくさせる。


「うん、そうなんだよ…。さてと、話は戻るんだけどさ。さっきシキが僕に聞いた問いかけについて今からちゃんと答えてあげるね」

「ああっ…はい。お願いします」

シキシマはそう嬉しそうに言いながら、素早く膝を折り。


…まるで奴隷の狗のような姿勢をとって。


僕の顔をじっと見つめてくるので…。


─僕はそんな愛らしい彼に思わず。


『ご主人様モード』でこう言葉をかける。


「シキシマ。よく聞け、僕がなんであんなことしたのか教えてやろう」

「はい。愚かなイヌの俺に、セレンゼル様の至高なる考えをお教えください」

「イヌにしては、良い返事だ…良いだろう教えてやろう。僕が何故ユジュリ達にあんなことをしたのか、それはな…ジリルミストが全然素直じゃないからだ」と、


そう僕はランゼルト兄さんの口調でシキシマに言い放ち。


─口元に意地悪な笑みを浮かべてこう続けて言う。


「…だから僕はユジュリ達に心の衝動をあげる呪いをかけた…ただそれだけさ」

「えっ…!!!そうなんですか!!」

「うん、そうだよ」


僕はそうニッコリと笑いながら口を大きく開けて驚くシキシマの頭を優しく撫で、彼の髪の触感を楽しみつつ。

「…だから今ジリルミストがああなってるのも、あそこにいる3人の心の中にある衝動なんだ。だから僕のせいだけど、せいじゃないってね」

とそう優しく彼に語りかけた。

「…そうだったんだですね。なんというか俺、今ものすごく恥ずかしい気持ちでいっぱいです。すみませんセレンゼル様、てっきり侮辱された事に対しての仕返しかと思ってました」


シキシマはそう落ち込んだ声で言いながら、僕の指の先にごめんなさいのキスを一度だけしてくるので。


「ちょっとやめてよくすぐったいよ…。あとさシキ別に謝らなくても良いよ。だってほんの少しだけ侮辱された仕返しもあったから」

と僕はそう言って、謝るシキシマにとびっきりの笑顔を見せた。

「…やっぱりあったんですね」

「少しだけだよ…ほんの少しだけ。でも僕がこうしたことによって、きっとあの3人の気持ちが前より一歩進んだと思うんだ!」

「…そうですね。それに関しては俺もそう思います…。なんというか、先ほどからずっと甘い愛の声しか聞こえないので。さすが『この箱庭世界の愛を管理する管理者』と今すぐ讃えたい気持ちです」


「えへへへっ…。シキありがとうとっても嬉しいな」


僕はそう言いながら彼の頰に口づけを落とし、今此処にはいないジリルミストに向けてこう小さく呟いた。





「…ジリルも本当の愛を見つけれるといいね…」と。














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