血を吸うなら首を

面蛸とおる

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いつも着ている黒のスーツに、ネクタイを外したʏシャツ姿で、髪も縛っていない…という。

私からしたらとてもだらしがない姿に、なっていたので…。

私はとてもショックを感じ、今すぐにでも死んでしまいそうな顔になりながら、
こう言葉を吐く。

「…なんてことだ。こんな姿で、アキに逢わないと…いけないなんて…。最悪すぎて、自分を殺したい」

と自分の不甲斐なさに怒りを込めながら、続けて…。

「だが、もう扉の前にアキツシマが来てしまった以上。服を直すのも、髪を縛るのも、もはや手遅れ…そう手遅れだ」

と私は嘆くかのように、呟き。

愛しのアキにこんな格好のつかない私を、見せなくてはいけないという事を、

心の中で無理やり正当化させながら。震える手を抑えて、自室の扉を開けると…。

扉の前には、紺色の着物を身にまとったアキツシマが居て。

私はアキツシマに、心配をかけさせないようにせねばと思い…。

無理やり笑みをつくりながら「…アキツシマ、今日は良い朝だな」と言葉をかけると。

アキツシマはひどく驚いた顔を見せて…。


「ランゼルト様、どうされたんですか?顔色がとても悪いようですが…」


と今にでも泣き出しそうな声で、そういうので…。


私は、アキツシマのそんな言葉に


「すまない…アキ。私は大丈夫だから…。もう時期に良くなるから、心配はするな」


と言い放ちながらぎこちない笑みを見せて、アキツシマの頰を撫でると…。


ポロポロと、アキツシマの目から涙が溢れ。


「ランゼルト様…嘘つかないでください…。本当は大丈夫じゃないのに…私では、私などではお役にたてないんですか?」

「…アキ。そいう訳ではないが…」

「だったら、ランゼルト様。辛い時は辛いって、言ってください…。そんな今にでも死にそうな顔をして、私が騙せると思うんですか!」

そうアキツシマは言って、私の胸に抱きつき。

後ろに手を回しながら、

「…だからランゼルト様。私ができる範囲で看病しますから。どうか私に身を委ねてください…」

と目に涙をためて、言われてしまえば…。

私は何も言い返すことが出来ず。


ーー唯々、献身的なアキツシマにその身を預け、小さな彼に引きずられながら…。

近くにある革張りの椅子へと、向かった。


そして、アキツシマは座ることもままならない私を、思ってかは分からないが…。

私の体を優しく持ち上げ、柔らかなクッションが敷かれた場所へと、座らせてくれたので…。

私はその柔らかな感覚を感じながら…。重い体を預けるかのように、椅子の背にもたれ…。

ため息を一つだけつくと、そのため息を聞いたアキツシマは…。


「少しは、良くなりましたか?」


と不安で仕方がないような声音で、話しかけてきたので…。


「ああ。アキのおかげで、少し良くなった」


と私は答え。体をリラックスするために、ゆっくりと全身から力を抜いた。



 
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