婚約破棄された悪役令息は大公に嫁ぐ

佐倉海斗

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第一話 婚約破棄された悪役令息の行く末は、

02ー1.婚約破棄の理由

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 見世物のようにされてしまった二十歳の誕生日を祝う茶会を終え、アレンは部屋に閉じこもった。アレンを心配する両親や兄たちの眼差しに耐えられなかったのだ。

 ……情けないな。

 BLゲームの主人公であるクリスのことを思う。

 複数の男性と関係を持つ性癖があり、ハーレム状態を楽しむ傾向があった。平民でありながらも魔力に恵まれているという理由で、魔法学院に特別入学が許されたクリスはやりたい放題だった。

 そんなクリスとの縁も切れたと思っていたのだ。

 ……油断をしていた。

 悪役令息は婚約破棄される運命にある。

 それはどのような理由でも変わらない。

「……寝取られたか……」

 コリーは性的興奮に弱い。

 クリスの煽りに負けてしまったのだろうと、簡単に想像ができる。

 悪役令息が手に入らないのならば、その婚約者だけでも手に入れようとしたのかもしれない。

 ……情けない。

 婚約破棄をされたのは恥だ。社交界ではすでに広まっているだろう。

 ……次の婚約者はまともだといいが。

 貴族の婚約は政略的なものだ。

 侯爵家にメリットがあれば、どのような相手であっても婚約を拒めない。両親や兄たちから溺愛されているアレンであっても、それは変えようがなかった。

 今頃、父親の元にはアレンに対する求婚状が届いているだろう。

「……シリル」

 想い人の名を口にした。

 叶わない恋だとわかっていた。

 婚約者がいなくなった今ならば手を出せるかもしれない。しかし、シリル・アッシャーとの仲は壊滅的だった。恋心を抱いていることを隠す為に素っ気ない態度をとり続け、なにかと口喧嘩をしてしまう。

 そんな相手だが、アレンはシリルのことが好きだった。

 初恋だった。五歳上のシリルの背中を追いかけていたかった。

 それは叶わない恋だと諦めなければいけなかった。

「会いたいな……」

 アレンはベッドに横になる。

 その眼には涙が浮かんでいた。
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