5 / 82
第一話 婚約破棄された悪役令息の行く末は、
02-2.
* * *
アレンと婚約破棄をしたコリーは意気揚々と出かけていた。
両親から勘当を言い渡されたものの、これで晴れて平民となり、愛するクリスと同じ身分になれたのだ。クリスと結婚することだってできる。
コリーは両親から勘当を言い渡されたことを前向きにとらえていた。
二人の愛さえあれば幸せになれると本気で思っていた。
「クリス!」
あいかわらず、男たちを侍らせているクリスに声をかける。
すると、クリスは怯えたような顔をした。
「助けて、みんな。あの人、ずっと付き纏ってくるの!」
クリスは屈強な男たちの後ろに隠れた。
その顔は退屈そうなものだった。
ごみを見るような目でクリスはコリーを見る。その視線にコリーは耐えられなかった。
「な、なにを言っているんだい? クリス、僕たちは恋人じゃないか!」
コリーは主張する。
その言葉を信じてくれるものは誰もいない。
クリスの親衛隊の一人に肩を掴まれ、裏道に連れて行かれる。裏道は無法地帯だ。平民たちですらも近寄らない場所に引きずり込まれる。
肩を掴まれているだけだというのにもかかわらず、コリーは逃げられなかった。
「クリス!」
コリーはクリスの名を叫んだ。
それにクリスは怯えた演技を続けるだけだ。
「僕を騙したのか!」
コリーはそこでようやく気が付いた。
クリスは甘い餌だ。貴族の愛人をしているだけあり、強かな性格もしている。コリーのように本気になってしまい、なにもかも捨てた人間を見て嘲笑うのが唯一の趣味だった。
「君の為に婚約破棄をしたのに!」
コリーの行方は誰も知らない。
後に、浮浪者のたまり場の中に彼の姿を見たという噂があるだけだ。
……失敗したなぁ。
クリスは内心では後悔をしていた。
コリーが想定外にも使えなかったのだ。
……アレン・ブラッドフォードを手に入れたかったのに。
狙いはコリーではない。
激怒してクリスに掴みかかってくるだろうと予想していたアレンが狙いだった。言葉巧みに誘導し、アレンを親衛隊の中に入れたかったのだ。
アレンと婚約破棄をしたコリーは意気揚々と出かけていた。
両親から勘当を言い渡されたものの、これで晴れて平民となり、愛するクリスと同じ身分になれたのだ。クリスと結婚することだってできる。
コリーは両親から勘当を言い渡されたことを前向きにとらえていた。
二人の愛さえあれば幸せになれると本気で思っていた。
「クリス!」
あいかわらず、男たちを侍らせているクリスに声をかける。
すると、クリスは怯えたような顔をした。
「助けて、みんな。あの人、ずっと付き纏ってくるの!」
クリスは屈強な男たちの後ろに隠れた。
その顔は退屈そうなものだった。
ごみを見るような目でクリスはコリーを見る。その視線にコリーは耐えられなかった。
「な、なにを言っているんだい? クリス、僕たちは恋人じゃないか!」
コリーは主張する。
その言葉を信じてくれるものは誰もいない。
クリスの親衛隊の一人に肩を掴まれ、裏道に連れて行かれる。裏道は無法地帯だ。平民たちですらも近寄らない場所に引きずり込まれる。
肩を掴まれているだけだというのにもかかわらず、コリーは逃げられなかった。
「クリス!」
コリーはクリスの名を叫んだ。
それにクリスは怯えた演技を続けるだけだ。
「僕を騙したのか!」
コリーはそこでようやく気が付いた。
クリスは甘い餌だ。貴族の愛人をしているだけあり、強かな性格もしている。コリーのように本気になってしまい、なにもかも捨てた人間を見て嘲笑うのが唯一の趣味だった。
「君の為に婚約破棄をしたのに!」
コリーの行方は誰も知らない。
後に、浮浪者のたまり場の中に彼の姿を見たという噂があるだけだ。
……失敗したなぁ。
クリスは内心では後悔をしていた。
コリーが想定外にも使えなかったのだ。
……アレン・ブラッドフォードを手に入れたかったのに。
狙いはコリーではない。
激怒してクリスに掴みかかってくるだろうと予想していたアレンが狙いだった。言葉巧みに誘導し、アレンを親衛隊の中に入れたかったのだ。
あなたにおすすめの小説
悪役の運命から逃げたいのに、独占欲騎士様が離してくれません
ちとせ
BL
執着バリバリなクールイケメン騎士×一生懸命な元悪役美貌転生者
地味に生きたい転生悪役と、全力で囲い込む氷の騎士。
乙女ゲームの断罪予定悪役に転生してしまった春野奏。
新しい人生では断罪を回避して穏やかに暮らしたい——そう決意した奏ことカイ・フォン・リヒテンベルクは、善行を積み、目立たず生きることを目標にする。
だが、唯一の誤算は護衛騎士・ゼクスの存在だった。
冷静で用心深く、厳格な彼が護衛としてそばにいるということはやり直し人生前途多難だ…
そう思っていたのに───
「ご自身を大事にしない分、私が守ります」
「あなたは、すべて私のものです。
上書きが……必要ですね」
断罪回避のはずが、護衛騎士に執着されて逃げ道ゼロ!?
護られてるはずなのに、なんだか囚われている気がするのは気のせい?
警戒から始まる、甘く切なく、そしてどこまでも執着深い恋。
一生懸命な転生悪役と、独占欲モンスターな護衛騎士の、主従ラブストーリー!
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る
竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。
子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。
ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。
神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。
公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。
それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。
だが、王子は知らない。
アレンにも王位継承権があることを。
従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!?
*誤字報告ありがとうございます!
*カエサル=プレート 修正しました。
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~
水凪しおん
BL
過労死した平凡な会社員が目を覚ますと、そこは愛読していたBL小説の世界。よりにもよって、義理の家族に虐げられ、最後は婚約者に断罪される「悪役令息」リオンに転生してしまった!
「出来損ないのΩ」と罵られ、食事もろくに与えられない絶望的な日々。破滅フラグしかない運命に抗うため、前世の知識を頼りに生き延びる決意をするリオン。
そんな彼の前に現れたのは、隣国から訪れた「冷徹皇帝」カイゼル。誰もが恐れる圧倒的カリスマを持つ彼に、なぜかリオンは助けられてしまう。カイゼルに触れられた瞬間、走る甘い痺れ。それは、αとΩを引き合わせる「運命の番」の兆しだった。
「お前がいいんだ、リオン」――まっすぐな求婚、惜しみない溺愛。
孤独だった悪役令息が、運命の番である皇帝に見出され、破滅の運命を覆していく。巧妙な罠、仕組まれた断罪劇、そして華麗なるざまぁ。絶望の淵から始まる、極上の逆転シンデレラストーリー!