婚約破棄された悪役令息は大公に嫁ぐ

佐倉海斗

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第二話 大公家に嫁ぐ

01-2.

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「いい匂いだ」

「高級品のシャンプーに変えたからな! 当然だ!」

「アレンの匂いがする」

 シリルに言われて、アレンはきょとんとした。

 毎日、念入りに洗っている。

 ……匂うか?

 試しに手を嗅いでみるが、わからない。愛用しているボディーソープの匂いがかすかにするだけだ。

「アレン」

「なんだよ」

「俺の嫁になってくれてありがとう」

 シリルはそういうと髪から手を離し、アレンの額に口付けをした。

 ……キス魔め!

 嫌ではなかった。

 むしろ、物足りなさを感じてしまう。好意を寄せている相手だからだろうか。

「当然だな!」


 アレンは胸を張った。


「父上がお決めになったことだ。優良物件があまっているのだから、大公と結婚させるのは当然のことだ!」


 アレンは自信満々に答えた。

 結婚は父親の意思である。そこにシリルの意思は関係ない。


「そうか」


 シリルはアレンの頬に手を当てた。


「熱心な求婚状を書いた成果だな」


「熱心な求婚状? そこまでして俺を嫁にしたかったのか?」


「そうだ。アレン以外には考えられなかった」


 シリルはゆっくりと顔を近づける。

 それに反射的にアレンは目をつぶってしまった。


 ……近い!


 好きな人の顔が近いと緊張する。

 キス待ちの顔になっている自覚はなかった。


「愛している、アレン」


 シリルは愛の言葉を告げた。


 それに応える隙を与えず、シリルはアレンの唇にキスをした。触れるだけの優しいキスだった。


 それに気づいたアレンは倒れそうなくらいに顔を真っ赤にさせていた。
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