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中東
第四話+α
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重傷者はハリー、この部隊の副隊長として私が倒れた時に指揮を任せることのできる優秀な隊員である。
しかし、腹部に被弾した今、我々と行動を共にするのは難しい...いや、不可能だ。
また、ヘリコプターも今からここまで引き返し、ハリーを収容、帰還するだけの燃料はないだろう。
また、周囲100キロメートル以内に今すぐ行動を開始できる友軍はいない。
もう一度ハリーの腹部をみる。もって3時間だろう。決断するしかない...
ハリーを助けることは不可能だ。
リー少将「.....」
かける言葉がない。
ハリー「分かってます。俺なんか置いて作戦を完遂してください。」
死を悟った.....いや、覚悟を決めた目だった。そして、私はこんな目をした奴を何人も見てきた。そして、そいつらは、ことごとく死んでいった。
ハリー「手榴弾を全員分、全てください。」
リー少将「なぜだ?」
答えはわかりきっていた。しかし、それを止める手立てがないことも私は知っていた。
ハリー「最後に地上にどでかい花を咲かせてやるんですよ。」
ハリーは片頬をあげて笑う。私は、無言で手榴弾を全て渡す。他の隊員も静かに、しかし力強く手榴弾を渡す。
そしてハリーは全員を眺め、後は頼んだと私の手を握る.....。
我々は敵前哨基地へ向け、移動を開始した。その数分後.....
ターン...ターン.....ダラララララララ.....ダララララララ..................
ドッーーーーガガガガーーーーーーーーーーーードーーーーーンーーーーーーーーーー
数十発の激しい銃撃戦の音...少し間をおいて鼓膜の破けそうな音と地響き。
振り返ると火の半球が周辺の林ごと全てを焼き尽くすのが見えた.............
さっきまで自分の手の中にあった温もりを握りしめる。しかし、そんなものはなかった。
火の玉に向かって、手を伸ばす。ハリーはいない。
ハリーを返せと叫ぼうとしたが、その火の玉に我々は加担している.....この不条理、片頬で笑うしかなかった。
※少し短くなったので付録
報告書
氏名 ハリー・ホワイト
年齢 34歳(当時)
生存期間 1967~2001
死因 戦死
死亡地点 中東エリア21
戦果 ベトナム戦争・歩兵14名 未確認(6名) 装甲車1台、中東・歩兵31名 未確認(2名) 正規戦車1両
なお、中東での戦果の内、歩兵16名 正規戦車1両は死亡時の手榴弾によるもの。
以上
しかし、腹部に被弾した今、我々と行動を共にするのは難しい...いや、不可能だ。
また、ヘリコプターも今からここまで引き返し、ハリーを収容、帰還するだけの燃料はないだろう。
また、周囲100キロメートル以内に今すぐ行動を開始できる友軍はいない。
もう一度ハリーの腹部をみる。もって3時間だろう。決断するしかない...
ハリーを助けることは不可能だ。
リー少将「.....」
かける言葉がない。
ハリー「分かってます。俺なんか置いて作戦を完遂してください。」
死を悟った.....いや、覚悟を決めた目だった。そして、私はこんな目をした奴を何人も見てきた。そして、そいつらは、ことごとく死んでいった。
ハリー「手榴弾を全員分、全てください。」
リー少将「なぜだ?」
答えはわかりきっていた。しかし、それを止める手立てがないことも私は知っていた。
ハリー「最後に地上にどでかい花を咲かせてやるんですよ。」
ハリーは片頬をあげて笑う。私は、無言で手榴弾を全て渡す。他の隊員も静かに、しかし力強く手榴弾を渡す。
そしてハリーは全員を眺め、後は頼んだと私の手を握る.....。
我々は敵前哨基地へ向け、移動を開始した。その数分後.....
ターン...ターン.....ダラララララララ.....ダララララララ..................
ドッーーーーガガガガーーーーーーーーーーーードーーーーーンーーーーーーーーーー
数十発の激しい銃撃戦の音...少し間をおいて鼓膜の破けそうな音と地響き。
振り返ると火の半球が周辺の林ごと全てを焼き尽くすのが見えた.............
さっきまで自分の手の中にあった温もりを握りしめる。しかし、そんなものはなかった。
火の玉に向かって、手を伸ばす。ハリーはいない。
ハリーを返せと叫ぼうとしたが、その火の玉に我々は加担している.....この不条理、片頬で笑うしかなかった。
※少し短くなったので付録
報告書
氏名 ハリー・ホワイト
年齢 34歳(当時)
生存期間 1967~2001
死因 戦死
死亡地点 中東エリア21
戦果 ベトナム戦争・歩兵14名 未確認(6名) 装甲車1台、中東・歩兵31名 未確認(2名) 正規戦車1両
なお、中東での戦果の内、歩兵16名 正規戦車1両は死亡時の手榴弾によるもの。
以上
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