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第四章 鳥像の門
命の再成3
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話はそれたが、結局わたしはカドが鏡に戻っていくのを止めなかった。ナイトや、かなり昔に、わたしが心を込めて造った炎の悪魔や水の悪魔が協力してくれる様子も嬉しかった。ただ、あいつらが修復できないような事態になることだけを恐れていた。
神様の心臓を奪われた以上、再成してやることができない。誰も失いたくない。
カドが完全に昔の姿に――昔の姿より強く、美しく完成して、しばらくしてから、わたしが祈りの鳥を奪うわけだが、そのきっかけとなる出来事があった。
ナイトはきっと覚えているだろう。
紫の魂が赤く変化した夜のこと。あの時は興奮した。未来を見た気がした。
――わたしの神様の復活は近い。
そう本気で感じた。あの魂で鳥を造ろう。
そうしたら今度こそ、地上に戻る前に消えることなく、わたしの神様の身体に還る。
そう思って極楽から鏡の地獄へ手を伸ばした。
こうして、紫の魂から出でて、なお生きようと足掻いてくれる生命力と一緒に、他の自分を殺した魂も鳥にしてあげよう。生きたいという希望の炎が燃え移って、また地上へ導いてくれるだろう。
その時のわたしは自分の神様のことしか考えてなかったのだ。
わたしはナイトのことを嫌ってなんかいない。
嫉妬しながら愛していた。
孤独に沈んでいるあいつを見て、自分を重ね合わせ、毎日飽きもせずに眺めていたのにどうしたら嫌いになれる。
でも、そんなわたしの理屈はナイトには届かなかった。
人間の頃から冷めたい目をしていたが、憎しみとは無縁の男だった。
だからこそ、あの不思議な魂を持っていたと言える。あの夜、そのナイトから初めてわたしに対する明らかな敵意を感じた。
お前もこの魂を待っていたんだよな。誰よりもお前の気持ちがわかるよ。ごめん、話し合おう、きっとわたしたちは気が合うよ――。
そう伝えたくて、何度も極楽から覗いたが、ナイトはその日から完全に心を閉ざしてしまった。
この時造った鳥は、ちゃんと昼と夜の空を飛び回ったあと、わたしの神様の揺れる海へ還っていった。
海の神様はまだ優しく透明なわたしの神様を守ってくれているはずだ。
神様の心臓を奪われた以上、再成してやることができない。誰も失いたくない。
カドが完全に昔の姿に――昔の姿より強く、美しく完成して、しばらくしてから、わたしが祈りの鳥を奪うわけだが、そのきっかけとなる出来事があった。
ナイトはきっと覚えているだろう。
紫の魂が赤く変化した夜のこと。あの時は興奮した。未来を見た気がした。
――わたしの神様の復活は近い。
そう本気で感じた。あの魂で鳥を造ろう。
そうしたら今度こそ、地上に戻る前に消えることなく、わたしの神様の身体に還る。
そう思って極楽から鏡の地獄へ手を伸ばした。
こうして、紫の魂から出でて、なお生きようと足掻いてくれる生命力と一緒に、他の自分を殺した魂も鳥にしてあげよう。生きたいという希望の炎が燃え移って、また地上へ導いてくれるだろう。
その時のわたしは自分の神様のことしか考えてなかったのだ。
わたしはナイトのことを嫌ってなんかいない。
嫉妬しながら愛していた。
孤独に沈んでいるあいつを見て、自分を重ね合わせ、毎日飽きもせずに眺めていたのにどうしたら嫌いになれる。
でも、そんなわたしの理屈はナイトには届かなかった。
人間の頃から冷めたい目をしていたが、憎しみとは無縁の男だった。
だからこそ、あの不思議な魂を持っていたと言える。あの夜、そのナイトから初めてわたしに対する明らかな敵意を感じた。
お前もこの魂を待っていたんだよな。誰よりもお前の気持ちがわかるよ。ごめん、話し合おう、きっとわたしたちは気が合うよ――。
そう伝えたくて、何度も極楽から覗いたが、ナイトはその日から完全に心を閉ざしてしまった。
この時造った鳥は、ちゃんと昼と夜の空を飛び回ったあと、わたしの神様の揺れる海へ還っていった。
海の神様はまだ優しく透明なわたしの神様を守ってくれているはずだ。
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