奇跡の神様

白木

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第四章 鳥像の門

命の再成5

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 どうせわたしが選ぶのはナイトだ。そうだ、あいつは祈りの鳥を置いて極楽に来たりしないだろう。

 一緒に連れて行ってやろう。そしてあいつにシロキより先に教えてやるんだ。

 お前の祈りから生まれたその鳥は、空を自由に旅して、わたしの神様の元に還ることができる。

 また生まれ変わるんだよ、生きる、という強い希望を持って。お前が浄化したんだよ、お前が希望を与えたから、またこの魂は続くんだ。わたしはあの紫から赤に変化した魂で鳥を造った時に気がついた。

 この湖にいる白い鳥、その鳥はお前の優しさの残像ではなかったんだ。紫の魂の中に僅かに残っていた生への希望の実態だ。

 さあ、一緒に祈りの鳥をわたしの門から解き放とう。

 そう心の中で語りかけながら、まず祈りの鳥を大切にかき集め極楽に引き入れた。

「空を閉じる」

 は? 聞き間違えか? 何だそれは。

 わたしが与えた本来のシロキの言葉が冷たい湖に響いたが、意味がわからなかった。

 今やわたしよりシロキを理解しているであろうナイトすら、珍しく顔に「何言ってんの」と書いてある。

 わたしに言われたくないかも知れないが、表情の乏しい彼の初めて見る顔だ。

 これが本気とわかったのは、ほんの数秒後のことだった。

 わたしの目の前で空がみしみしと不穏な音を響かせて凍り付いていく。

 わたしは最初、十の地獄全てに極楽との出入口を造っていた。正十二面体の地獄の構造では下部に位置する地獄には行けないと思われがちだが、実は上部の地獄と下部の地獄に一か所つながる穴や池を造って、そこから行き来できる。例えば水の地獄は移動する間欠泉にしてみた。遊び心だ。

 悪魔が増え、地獄がわたしがいなくても十分にやっていける状態になると、わたしは一つずつその扉を閉じていった。それぞれの地獄は今、みんな独自のやり方で魂を人間の世界に送り出す方法を見出している。

 今日までわたしが気にかけているのは鏡の地獄、ナイトのことだけだ。その扉を閉じるのか? どうしてわかってくれないんだ。

 寝ても覚めてもお前たちのことを思っているというのに。

 空が固く砕くことの出来ない氷に覆われる直前、涙がこぼれ落ちた。

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