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第四章 守護鳥の夢
中央広場手前行き列車
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アオチ
二年間、俺の癒しだったハムスターのきなこに二度目の別れを告げ、俺たちはまた一列になって歩きだした。
暗所恐怖症の俺も、オオミに触れていると根拠もなく大丈夫な気がした。後ろにオゼを感じると、安心できた。
「ここからまた石です」
先頭を行くオオミが言った。直ぐに俺の足も、硬くひんやりと平坦な感触をとらえる。
「石って言うか、コンクリートみたいだな。舗装されている感じだ。とまり石の中央に着いたのかな?」
回収人が「直ぐに追いつかなかったら、中央広場で待ってろ」と言っていた。
「本当だ。人工的だな。おい、手すりがあるぞ。右側、触ってみろ」
真後ろからオゼの声がした。確かに手すりかある。安堵して手すりを握る。俺には直ぐにこうやって手近のすがれるものにすがって、油断する傾向がある。
「アオチさん!」
気がつくと、右半身を下にして、硬い床に倒れていた。
急に手すりが無くなったのだ。手すりなんかに頼らず、自分の感覚を信じて前を歩いていたオオミも、俺の後ろを歩くオゼ以降も無事だった。
「大丈夫、手すりの方に重心をかけていたから、急に途切れてバランスを崩したんだ。転んだだけで、怪我もしてないよ」
オゼの伸ばしてくれた手につかまって立ち上がる。
正直、初めてここが暗闇で良かったと思った。
「ほら、ここに座れよ――あれ? これ椅子だよな。ここってもしかして……」
オゼが言葉を呑み込んだ。
「僕たち、いつの間にか電車に乗り込んだようですね」
オオミが冷静に言った。電車? オゼに促されて座った椅子を確認してみる。表面がビロードみたいな手触りで、横に硬いツルツルした手すりがある。確かに電車で似たようなものに触ったことがあるのを手が覚えている。
「四人席でしょうかね」
俺の隣に腰かけたらしいオオミが言うので、前かがみになって、手を伸ばすと、そこにも同じような座席があった。
横に手をスライドさせると誰かの足に触れた。
「おい、太腿をベタベタ触るなよ。気持ち悪いな」
「あ、ごめん」
無言ちゃんじゃなくて良かった。
「こっちも四人席」
横から声が聞こえる。どうやら無言ちゃんとウルウは反対側に落ち着いたらしい。マモルくんは――。
「さっきからアオチさんの向かいの席に座ってます」
おいおい、さっきベタベタ触ってしまったぞ、大丈夫か。
「『銀河鉄道の夜』みたいだな。何となく席に収まってしまったけど、これで良いのかな。この電車動くのか? どこ行きなんだ?」
オゼさんの独り言のような呟きに答える声があった。
「乗っていて良いんだ。これは中央広場手前行きだ」
二年間、俺の癒しだったハムスターのきなこに二度目の別れを告げ、俺たちはまた一列になって歩きだした。
暗所恐怖症の俺も、オオミに触れていると根拠もなく大丈夫な気がした。後ろにオゼを感じると、安心できた。
「ここからまた石です」
先頭を行くオオミが言った。直ぐに俺の足も、硬くひんやりと平坦な感触をとらえる。
「石って言うか、コンクリートみたいだな。舗装されている感じだ。とまり石の中央に着いたのかな?」
回収人が「直ぐに追いつかなかったら、中央広場で待ってろ」と言っていた。
「本当だ。人工的だな。おい、手すりがあるぞ。右側、触ってみろ」
真後ろからオゼの声がした。確かに手すりかある。安堵して手すりを握る。俺には直ぐにこうやって手近のすがれるものにすがって、油断する傾向がある。
「アオチさん!」
気がつくと、右半身を下にして、硬い床に倒れていた。
急に手すりが無くなったのだ。手すりなんかに頼らず、自分の感覚を信じて前を歩いていたオオミも、俺の後ろを歩くオゼ以降も無事だった。
「大丈夫、手すりの方に重心をかけていたから、急に途切れてバランスを崩したんだ。転んだだけで、怪我もしてないよ」
オゼの伸ばしてくれた手につかまって立ち上がる。
正直、初めてここが暗闇で良かったと思った。
「ほら、ここに座れよ――あれ? これ椅子だよな。ここってもしかして……」
オゼが言葉を呑み込んだ。
「僕たち、いつの間にか電車に乗り込んだようですね」
オオミが冷静に言った。電車? オゼに促されて座った椅子を確認してみる。表面がビロードみたいな手触りで、横に硬いツルツルした手すりがある。確かに電車で似たようなものに触ったことがあるのを手が覚えている。
「四人席でしょうかね」
俺の隣に腰かけたらしいオオミが言うので、前かがみになって、手を伸ばすと、そこにも同じような座席があった。
横に手をスライドさせると誰かの足に触れた。
「おい、太腿をベタベタ触るなよ。気持ち悪いな」
「あ、ごめん」
無言ちゃんじゃなくて良かった。
「こっちも四人席」
横から声が聞こえる。どうやら無言ちゃんとウルウは反対側に落ち着いたらしい。マモルくんは――。
「さっきからアオチさんの向かいの席に座ってます」
おいおい、さっきベタベタ触ってしまったぞ、大丈夫か。
「『銀河鉄道の夜』みたいだな。何となく席に収まってしまったけど、これで良いのかな。この電車動くのか? どこ行きなんだ?」
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「乗っていて良いんだ。これは中央広場手前行きだ」
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