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第7話 エピローグ (4/4)
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私はご飯を食べてお腹っぱいになったきなこもちを少しだけ撫でると、ケースに戻して大急ぎでカタナ達に相談する。
すぐにDtDに駆けつけてくれた二人の見守る中で、私はドキドキしたままGMのラゴに相談する。
『ああー、全部のサーバを回った後で、行方不明になっちゃってたんだよね。やっぱりそこに戻ってきてたんだね。え、フニルーの姿で?』
『いや、起動キー自体はコピー取らせてもらったし、取り上げたりするつもりはないんだけどさ。うーんんんんん……。ちょっっっと相談してくるから返事は待っててね』
そんな風に言われて、私はカタナたちと交互にログインしながら夕食とお風呂を済ませる。
ラゴはちょうど私が戻ったタイミングで声をかけてきた。
『ごめん! 結構待たせちゃったね! 近いうちに、フニルーをペット化することが決定したよ!!』
たまたま三人揃っていた私たちは、驚きを浮かべて互いの顔を見た。
「ペット化……って事は、これからはきなこもちを堂々と出せるんですねっっ!?」
私の言葉にラゴが答える。
『うんうん、アップデートまで、もう少しだけ待たせちゃうけどね』
「じゃあ、俺のフニルーも……?」
『そうだね。実装次第カタナくんのアイテム欄にも入れておくよ。そのキャラでいい?』
「はいっ、このキャラにお願いしますっ!」
カタナは光の大龍事件の翌日、事情聴取の時に補填措置として三人にそれぞれ好きなペットをと言われた際に「いずれフニルーがペットにできる日が来たら、フニルーが欲しいです」と答えてラゴを困らせていた。
ちなみに、あゆはDtD内で一番手に入れにくいと言われる、可愛いゴシックドール風のペットをもらっていた。
私は、まだすぐに新しいペットを可愛がる気にはなれなくて、少し考えさせてください。と返事を延ばしていた。
『みさみさちゃんは、ペットをどうするか決めた?』
ラゴに尋ねられて迷う。
「せっかくだからボクと同じやつもらっておいたら? 開けないで売れば装備が一式揃えられるよー」
あゆに囁かれると、なるほど確かにそういう方法もあるのかとは思うけれど。
「私は、きなこもちが戻ってきてくれたのでもう十分です」
なんだかこれ以上を求めるのは欲張りな気がして、私は苦笑しつつその誘いを断った。
「えーー。無欲ーーっ、あとで後悔するよぅ?」
あゆにそう言われると、ちょっとそうかもとは思ってしまう。
『ボクの立場から転売してとは言えないんだけど、本当になんでも選んでくれていいんだよ?』
「お気持ちはありがたいんですが、私にとってきなこもち以上の子はいないので……」
答えれば、アイテム欄できなこもちのケースがカタカタ音を立てた。
私は、建物内に他に人がいない事を確認してケースを開ける。
「ぷいゆっ!!」
きなこもちは、ハートマークを出しながら私に飛びついてきた。
すべすべもちもちの体を撫でてやると、きなこもちからは音符のマークが、カタナからは羨ましそうな視線が注がれた。
「カタナも撫でていいよ。ね? きなこもち」
そう言って差し出すと、きなこもちがエヘンと胸を張るようなマークを出す。
カタナは黒髪の向こうでふっと赤い瞳を細めて、優しくきなこもちを撫でた。
「良かったな……」
その声があんまり幸せそうで、胸が詰まってしまう。
あゆは、そんな私たちをきなこもちごとぎゅうっと抱きしめて「良かったねぇぇ」と号泣のマークで言った。
「ぷいゆっ♪」
黄色いフニフニの耳を持ち上げて、きなこもちがご機嫌で応える。
にこにこのあゆと、優しく笑うカタナに負けないくらい、私も幸せいっぱいに笑った。
すぐにDtDに駆けつけてくれた二人の見守る中で、私はドキドキしたままGMのラゴに相談する。
『ああー、全部のサーバを回った後で、行方不明になっちゃってたんだよね。やっぱりそこに戻ってきてたんだね。え、フニルーの姿で?』
『いや、起動キー自体はコピー取らせてもらったし、取り上げたりするつもりはないんだけどさ。うーんんんんん……。ちょっっっと相談してくるから返事は待っててね』
そんな風に言われて、私はカタナたちと交互にログインしながら夕食とお風呂を済ませる。
ラゴはちょうど私が戻ったタイミングで声をかけてきた。
『ごめん! 結構待たせちゃったね! 近いうちに、フニルーをペット化することが決定したよ!!』
たまたま三人揃っていた私たちは、驚きを浮かべて互いの顔を見た。
「ペット化……って事は、これからはきなこもちを堂々と出せるんですねっっ!?」
私の言葉にラゴが答える。
『うんうん、アップデートまで、もう少しだけ待たせちゃうけどね』
「じゃあ、俺のフニルーも……?」
『そうだね。実装次第カタナくんのアイテム欄にも入れておくよ。そのキャラでいい?』
「はいっ、このキャラにお願いしますっ!」
カタナは光の大龍事件の翌日、事情聴取の時に補填措置として三人にそれぞれ好きなペットをと言われた際に「いずれフニルーがペットにできる日が来たら、フニルーが欲しいです」と答えてラゴを困らせていた。
ちなみに、あゆはDtD内で一番手に入れにくいと言われる、可愛いゴシックドール風のペットをもらっていた。
私は、まだすぐに新しいペットを可愛がる気にはなれなくて、少し考えさせてください。と返事を延ばしていた。
『みさみさちゃんは、ペットをどうするか決めた?』
ラゴに尋ねられて迷う。
「せっかくだからボクと同じやつもらっておいたら? 開けないで売れば装備が一式揃えられるよー」
あゆに囁かれると、なるほど確かにそういう方法もあるのかとは思うけれど。
「私は、きなこもちが戻ってきてくれたのでもう十分です」
なんだかこれ以上を求めるのは欲張りな気がして、私は苦笑しつつその誘いを断った。
「えーー。無欲ーーっ、あとで後悔するよぅ?」
あゆにそう言われると、ちょっとそうかもとは思ってしまう。
『ボクの立場から転売してとは言えないんだけど、本当になんでも選んでくれていいんだよ?』
「お気持ちはありがたいんですが、私にとってきなこもち以上の子はいないので……」
答えれば、アイテム欄できなこもちのケースがカタカタ音を立てた。
私は、建物内に他に人がいない事を確認してケースを開ける。
「ぷいゆっ!!」
きなこもちは、ハートマークを出しながら私に飛びついてきた。
すべすべもちもちの体を撫でてやると、きなこもちからは音符のマークが、カタナからは羨ましそうな視線が注がれた。
「カタナも撫でていいよ。ね? きなこもち」
そう言って差し出すと、きなこもちがエヘンと胸を張るようなマークを出す。
カタナは黒髪の向こうでふっと赤い瞳を細めて、優しくきなこもちを撫でた。
「良かったな……」
その声があんまり幸せそうで、胸が詰まってしまう。
あゆは、そんな私たちをきなこもちごとぎゅうっと抱きしめて「良かったねぇぇ」と号泣のマークで言った。
「ぷいゆっ♪」
黄色いフニフニの耳を持ち上げて、きなこもちがご機嫌で応える。
にこにこのあゆと、優しく笑うカタナに負けないくらい、私も幸せいっぱいに笑った。
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