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第一話 消えた写真と私のヒミツ (3/4)
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そんなわけで、今、私の手の中にはぷっぷちゃんがいる。
「つくろって、明日返すから」と言って、咲歩からぷっぷちゃんを一日だけ借りてきたんだよね。
家にはやっぱり誰もいなかったけど、私はいつも通り一人で鍵を開けて入ったし、ちゃんと鍵も閉めてきた。
「おや、みことおかえり。今日は早かったね、どうしたんだい?」
「あれぇ、みこちゃんだー! おっかえりーっっ。学校楽しかったー?」
ごめん。誰もいないっていうのは訂正するね。
「人間は」誰もいなかった。
私に優しくおかえりを言ってくれたのは、水色でちょっとくたびれたぬいぐるみのぞうさん。タオル地でふっくら柔らかくて、抱き心地バツグンなんだ。大きさはランドセルよりちょっと大きいくらいかな。私が生まれた時から一緒にいて、私の成長をずっと見守ってくれてるお兄さんみたいな存在だよ。
で、こっちの私の胸にピョーンと飛び込んできたピンク色のぬいぐるみはうさぎちゃん。たれ耳がとってもキュートで、手触りもフワッフワなの!
「みこちゃんが早く帰ってきてくれて、あたしとっても嬉しいーっ」
甘えん坊で、可愛い妹みたいな感じなんだ。
この二匹がいてくれるから、私は家に一人でもあんまり寂しくない。
「あれ? この子はだあれ?」
うさぎちゃんが私の手の中のぷっぷちゃんをのぞきこむ。
私はぷっぷちゃんをテーブルの上に置くと、ランドセルを下ろして手を洗いながら答えた。
「その子はぷっぷちゃんだよ。さーちゃんから借りてきたんだ」
「へえー。咲歩ちゃんのお友達なのね。よろしくね、ぷっぷちゃん。あれ? この子ちょっとほつれてるよ?」
「うん、それを今から直すから」
私が椅子に座ると、ぞうさんもうさぎちゃんもテーブルに上がってきた。
「魔法の針で、かい?」
ぞうさんの言葉に、私はぎくりとする。
「う、うん……」
「ええーっ!? でもぷっぷちゃんは咲歩ちゃんの子なんでしょ?」
うさぎちゃんの言葉に、私はもう一度ぎくりとする。
「……うん……」
「咲歩さんは知っているのかい?」
「ぅ、え、えーと……」
言葉に詰まる私に、ぞうさんがいつもより低い静かな声で言った。
「みこと、それはいけない事だよ」
そうだよね、戻ってきたマスコットがいきなり動き出したら、いつも落ち着いてる咲歩だって流石にびっくりするよね。
いや、探究心に溢れる咲歩のことだから、びっくりするだけじゃ済まないかも知れない。
どうして動いてるんだろうって思って、ぷっぷちゃんが解体される可能性だって十分あるよね。
生きたまま解体されるぷっぷちゃんの気持ちを想像したらゾッとした。
そんなの、私だったら、絶対嫌だ。
「みこちゃん、寒いの? 大丈夫?」
うさぎちゃんが心配して私の手を撫でる。
いつの間にか私の指先は震えていたみたいだ。
「よしよし、分かってくれたらいいんだよ、みこと」
ぞうさんは、いつもの優しい声で言った。
「まずは僕達にわけを話してくれるかい? どうしたら良いのかを一緒に考えよう」
ぞうさんは、私をはげますように、私の肩をぽふぽふと撫でた。
そんなわけで、今、私の手の中にはぷっぷちゃんがいる。
「つくろって、明日返すから」と言って、咲歩からぷっぷちゃんを一日だけ借りてきたんだよね。
家にはやっぱり誰もいなかったけど、私はいつも通り一人で鍵を開けて入ったし、ちゃんと鍵も閉めてきた。
「おや、みことおかえり。今日は早かったね、どうしたんだい?」
「あれぇ、みこちゃんだー! おっかえりーっっ。学校楽しかったー?」
ごめん。誰もいないっていうのは訂正するね。
「人間は」誰もいなかった。
私に優しくおかえりを言ってくれたのは、水色でちょっとくたびれたぬいぐるみのぞうさん。タオル地でふっくら柔らかくて、抱き心地バツグンなんだ。大きさはランドセルよりちょっと大きいくらいかな。私が生まれた時から一緒にいて、私の成長をずっと見守ってくれてるお兄さんみたいな存在だよ。
で、こっちの私の胸にピョーンと飛び込んできたピンク色のぬいぐるみはうさぎちゃん。たれ耳がとってもキュートで、手触りもフワッフワなの!
「みこちゃんが早く帰ってきてくれて、あたしとっても嬉しいーっ」
甘えん坊で、可愛い妹みたいな感じなんだ。
この二匹がいてくれるから、私は家に一人でもあんまり寂しくない。
「あれ? この子はだあれ?」
うさぎちゃんが私の手の中のぷっぷちゃんをのぞきこむ。
私はぷっぷちゃんをテーブルの上に置くと、ランドセルを下ろして手を洗いながら答えた。
「その子はぷっぷちゃんだよ。さーちゃんから借りてきたんだ」
「へえー。咲歩ちゃんのお友達なのね。よろしくね、ぷっぷちゃん。あれ? この子ちょっとほつれてるよ?」
「うん、それを今から直すから」
私が椅子に座ると、ぞうさんもうさぎちゃんもテーブルに上がってきた。
「魔法の針で、かい?」
ぞうさんの言葉に、私はぎくりとする。
「う、うん……」
「ええーっ!? でもぷっぷちゃんは咲歩ちゃんの子なんでしょ?」
うさぎちゃんの言葉に、私はもう一度ぎくりとする。
「……うん……」
「咲歩さんは知っているのかい?」
「ぅ、え、えーと……」
言葉に詰まる私に、ぞうさんがいつもより低い静かな声で言った。
「みこと、それはいけない事だよ」
そうだよね、戻ってきたマスコットがいきなり動き出したら、いつも落ち着いてる咲歩だって流石にびっくりするよね。
いや、探究心に溢れる咲歩のことだから、びっくりするだけじゃ済まないかも知れない。
どうして動いてるんだろうって思って、ぷっぷちゃんが解体される可能性だって十分あるよね。
生きたまま解体されるぷっぷちゃんの気持ちを想像したらゾッとした。
そんなの、私だったら、絶対嫌だ。
「みこちゃん、寒いの? 大丈夫?」
うさぎちゃんが心配して私の手を撫でる。
いつの間にか私の指先は震えていたみたいだ。
「よしよし、分かってくれたらいいんだよ、みこと」
ぞうさんは、いつもの優しい声で言った。
「まずは僕達にわけを話してくれるかい? どうしたら良いのかを一緒に考えよう」
ぞうさんは、私をはげますように、私の肩をぽふぽふと撫でた。
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