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ひとりえっちも良いものだ
しおりを挟む「ん……、は、ぁぁ、っ、んっ」
照明を少し暗くした寝室にぐちゅぐちゅ、と、淫猥な水音が響いていた。
現在金曜日の午後11時、高校3年生の田沢蒼太は、同棲中である25歳の恋人がいないことを利用して、1人で欲求を発散させている真っ最中だった。
土曜日の夜に1週間の出張から帰る、という日程を聞いていたが、その時はまさか自分が彼を思って淫らな行為に耽るとは蒼太は思ってもいなかった。元々淡白な質だったが、恋人のせいで少し変わってしまったのかもしれない。
「りっ、ひとさ……、んっ」
かれこれ15分くらいは竿を刺激し続けただろうか、気持ちいいと快感を感じるものの達することが出来ない。これも恋人のせいだ。恋人同士の触れ合いで蒼太は後ろの孔で達しているから、そちらの癖がついてしまっているらしい。自分で指を入れることをしたことがないから、蒼太は怖くて後ろを触っていないが、身体は素直に刺激を欲しがり、窄まりはひくりひくりと待ち侘びる一方だ。
もどかしい、切ない、と身体が疼く。蒼太が触ったことの無い未知の部分に触れてしまおうか、そう考え指がそろそろと竿よりももっと下に降りる。
ぴとりと孔の表面に指の腹が触れ、蒼太の意志に関係なくそこは収縮を繰り返す。まるで、もっと触って、早く入れてと催促されているようだ。
孔の表面に指をぴとぴと焦らすように触れ、ダラダラと垂れている突起からの透明な液の力を借り、指を沈めていく。
中指の第1関節が入ったかも、という所でガチャリ、と寝室の扉が開いた。
「えっ、ぁ、りひとさ……ん?」
扉を開けたのは恋人の島崎理人だった。予定では、明日帰ってくるはずの恋人で、今日はここにいるはずのない人。目の前の状況に理解が出来てない蒼太は取り敢えず何も身にまとってない下半身を隠すべくシーツを手繰り寄せた。
「驚かせようと思って早く帰ってきたけど、こっちが驚いたな……。寝ているかと思って静かに入ってきたけど、良いものが見れた」
理人は顔を赤らめながら、蒼太に近づく。スーツを脱ぎながらベッドに腰掛けて「続き見せて」と耳元で囁く。一週間ぶりのキスを交わし、それから来ている衣服をするすると脱がされ直ぐに蒼太は一糸まとわぬ姿にされた。
「やだ、理人さん……、もう恥ずくて死ぬ……」
「さっきまだイッてなかったんだろ?ここも立ってるし……、蒼太ほら、早く見せて」
「へんたい……」
「そうだな、蒼太のことになると俺はとんでもない変態だ」
壁際に追い詰められ、足はM字開脚の如く開かれる。足の間に理人の強い視線を感じる。薄暗くてもハッキリと相手が見える、相手からも蒼太の全てが見えているだろう。もうどうにでもなれ、と右手をまた竿へと持っていった。
「こら、そこじゃなくて、コッチな?」
「りひとさん、おれ、こっちは自分じゃやだ、いや……」
「ちょっとだけ頑張ろうな、蒼太は出来るよ。蒼太のココだって、入れて欲しくてひくひく動いてるだろ」
理人は蒼太の手を掴み、淫靡な孔へと誘導し、人差し指をそこへ触れさせる。
「んっ、理人さんがいつもみたいに入れてくれればいいじゃん、俺やだって言ってんのに……」
「好きな子は虐めたいタイプなんだって、蒼太ならもう分かるだろ。はぁ……蒼太、可愛いな」
ちゅ、ちゅ、とあちこちにキスが降ってくる。それだけでも、蒼太は小さく声を漏らした。
「蒼太、これは練習だ。ちゃんとお前がオナニー出来るように」
「そんなの、別にしなくていい」
「さっきみたいに前だけでイけなかったら蒼太が困るだろ。だから1人で後ろ弄れるように練習、な?」
そう言って理人は鞄からスマホを取り出す。暗い部屋にある明るい画面の光が目に眩しい。ふいに、スマホから音が鳴る。そして、理人は蒼太を捉えるようにスマホを構えた。
「やっ、うそ……撮るのだめ……」
「何言ってんの、練習には復習が大事だ、だから記録を残して次に生かさねば……、だからこれは別にエロ目的じゃなくて、蒼太のオナニーの練習のためだ」
「嘘つくなっ」
黙っていれば、顔よし、性格よしのイケメンだが、脳内は蒼太のことしか考えていないし口を開けばただの変態である。
「あ、待て。手を見せて」
スマホをベッドに一度置き、おもむろに蒼太の両手を取って見る。何かを調べているような、変に真剣だ。
「なに?なんかへん?」
「いや、これなら問題ないな。爪で中が傷ついたりすることがあるから、ちょっと確認しただけだ」
「……ん」
こういう所がズルい、と蒼太は思う。
理人は今みたいに嫌がったり、恥ずかしがったりすることをしてくるのに、絶対に傷つけようとはしない。1年前に付き合い始めてから、初めて身体を重ねるまで随分時間を掛けてもらったし、ペースも蒼太に合わせてくれた。理人のこういう真面目で律儀なところが蒼太は好きだ。もちろん意地悪をする理人も表面上は嫌がっているが決して嫌いではなく、寧ろ好きだと言っても過言ではないのだ。
「よし、じゃあ入れてみよっか」
「いれたら、やめてくれる?」
「ん?もちろん、射精するまでだけど」
理人はまたスマホを構え、蒼太の秘部を捉える。
理人のせいで感じやすくなった孔は、そこだけの刺激で射精出来てしまう身体になった。しかし、それは理人が丁寧な愛撫やキスをしながらであって、自分一人でできるようなものじゃない、と蒼太は思った。
蒼太は先走りでぬるぬるになった窄まりに、中指をそっと触れさせた。表面をくにくにと押し込むように刺激するものの、蒼太はなかなか入れようとはしなかった。理人がいつも解すそこは蒼太に取って未知の部分、やはり怖いという思いが引っかかるらしい。
「俺がお手本してあげる」
理人がそう言うと、蒼太の窄まりに指が割り込んできた。いつものようにゆっくりと入ってきて、だんだんと溶かすように行動範囲を広めていく。
「ちゃんと覚えろよ?……ここ、分かる?ちょっとコリコリしてる所、前立腺、蒼太はちょっと手前にあって……エロいよ」
1本だった指が2本に増えて、じゅぶじゅぶと出し入れされる、「これでいいかな」と言って、理人は蒼太の中から指を1本抜いた。
「ほら、一緒にいれたら怖くないよ」
「んっ、……ぁ」
人差し指を、理人の指が突き立てられている孔に追加する。初めて触った自分の中は、暖かくて、ひくんと動いていて、まるで自分ではないみたいだと感じた。
「そこで第2関節を上に曲げてごらん、きもちいいよ」
言われた通り、蒼太は指をゆっくり曲げる。すると、柔らかい飛騨の中にコリっとした部分があった。 少し触れるだけでも、声が漏れてしまうほどの快感をもたらす。そんな場所を押しこんだりしたら……想像だけして高ぶっていた蒼太だが、理人が入れている人差し指が、蒼太の人差し指を勝手に押し上げる。まるで自分の指で前立腺を潰すかのように刺激してしまっていた。
「あぁっ、あっ、……!」
「触れるだけじゃなくて、こうやって刺激すんだよ。……もうちょっと頑張ろうな」
そういうと今度は理人の指がとんとんとん、とリズミカルに跳ねる。そうすると、蒼太の指も同じように動き、指に当たっている前立腺も連動しているかのように刺激される。
蒼太の身体なのに、蒼太よりも理人の方が熟知していた。内部を知られ、今も理人にいいように動かされる。たった指1本しか触れてないのに、その1本の指により身体はぴくぴくと跳ね、開いた口からは唾液とはしたない声が漏れる。
「蒼太、俺指抜くから、一人でイくところ見せて、俺はちょっと録画に専念する」
そうだ、今までの痴態は録画されているんだった、と蒼太は思い出して赤い顔をより赤く染めた。
蒼太は指を入れやすいように足をより開き、もう1本指を追加した状態で固くしこった前立腺をぐにぐにこりこり、指で弄った。
スマホを持っている理人は、スラックスに大きくテントを張りながら凝視していた。
特に触った訳でもない理人のそこが反応していることが、蒼太は嬉しかった。特に色気もない身体の蒼太に興奮してくれていることが。目の前にいる理人のことを考えると、身体が自分のでは無いかのように敏感になってしまう。
「あっ、ぁ、ンンっ、り、ひとさっ」
「はぁ……、そうた、かわいい、かわいいよ」
出し入れする指が自ずと早くなる。今日初めて自分で触れたというのに。目をつぶっている視界の奥が白くチカっと光り、強い快感の波が蒼太をさらって行った。
「は、……ぁ、……は、ふぅ」
「1人でイけたな、可愛かったよ、蒼太」
力の抜けた蒼太の頭を、理人は愛おしそうに撫で、ベッドサイドのテーブルにあるティッシュで蒼太のペニスをふいた。
「ん、……りひとさん……」
「どうした、甘えん坊か?」
理人の首に腕を回し、蒼太は理人を引き寄せるように抱きつく。理人もそれに応え、スマホの録画を停止しサイドテーブルに置いてから背に腕を回す。
「ふにゃふにゃな蒼太も、可愛い……」
「理人さん、そればっか。俺は可愛いんじゃなくて、かっこいい方がいい……」
「ははっ、そうか」
爽やかに笑ってよしよしと慰めるように背中をぽんぽん叩く。蒼太はむっとしたが、密着した体制故に理人の息子事情を思い出した。
「あっ、理人さんそれ、その……立ってるの、どうするの。俺に、い、いれる……?」
「入れないから心配すんな。
さっき手に入れた蒼太の秘蔵動画にお世話になろうかな」
トイレにでも行こうというのか、身体が蒼太から離れていく。入れられることを期待し羞恥を忍んで発言をしてみたが、理人は恐らく言葉の意味を理解していなかった。
こんな若干の羞恥プレイをしているものの、理人が蒼太に挿入したことは1回しかない。というものの、初めての時、怖がった蒼太は過剰に痛い、怖い、と伝えてしまったせいだ。それからは、挿入はなしで蒼太の身体を、孔を解し慣れさせるだけだ。本人の知らぬ間にひっそりと開発された蒼太はもう快感しか捉えてないが、理人は蒼太が傷つくのを恐れ挿入は出来ないでいた。
「まってっ」
さっきまで近くにあった熱が、理人と共に消えていく。1週間ぶりの理人、少しでも一緒にいたい。
「俺、理人さんのやつ、口でしたい……」
「えっ、だめだめ、絶対にだめ、蒼太の可愛い口をけがしたくないよ俺」
「理人さん、いっつも俺の舐めるから、ちょっとくらいいいじゃんか」
「でも、フェラしたいなんて、そんな大胆なこと言われるとは思ってなかったな。……嫌になったら直ぐにやめていいからな?」
そう言って理人はベッドの縁に腰掛けた。「こっちおいで」と言われ、ベッドの横に膝立ちになり、蒼太は理人の足の間に身体を置いた。
理人はベルトを外しチャックを下ろす。そして、灰色のボクサーから、赤黒く固くなった物を取り出した。
「わっ……」
「嫌ならしなくてもいいから、無理だけはするなよ」
「嫌じゃない、したい……」
「いつになく積極的だ」
「だって、さっきの俺見てこうなったんでしょ、だったら俺が……」
そっと、理人のペニスに手を添える。蒼太のより1回り2回り太く大きく、色も濃いそれを眺める。いつもは訳が分からなくなるまで快感に溺れさせられる蒼太は、初めてちゃんと理人のを見ている気がしていた。こんなに太いのが蒼太の中を出たり入ったりしていた、そう考えるとさっき射精したばかりの色の薄く小ぶりなペニスは芯を持ち始め、後ろの孔はきゅんきゅんと何かを求め始めてしまった。
手で数回扱いたあと、蒼太は口を開け口内に理人を迎え入れた。いつも理人がやっているように……、そう思って咥えこんだがそもそも大きさが違うので蒼太には無理だった。どうにかして口に入れようと奥まで咥えこんだつもりだが、むせてしまう。
「無理せずやめていいんだぞ、大丈夫か?」
「ん……やる」
「蒼太は言い出したら聞かないもんな。
……無理して咥えなくていいから、蒼太が俺のに触ってるってだけで、俺は嬉しいから」
そう言われて、咥えるのが無理ならばと蒼太はペニスを両手で持ちつつ扱き、亀頭をちろちろ舐める。透明な理人の体液はしょっぱかった。
「ふ、……っ……」
時折理人から漏れる声が嬉しい。もっと気持ちよくなってもらいたいと思い、蒼太は先端だけをぱくりと咥える。ちゅーちゅーと吸い出すようにし、舌もぺろぺろ動かした。
「んっ、ふぅ……ちゅ……」
「そう、た……お前も立ってるな。気持ちよく、なっちゃったのか?」
「うん……」
「一緒にしよう、俺も蒼太に触れたい」
蒼太は一緒にしようと言われて何をするのか分からなかったが、理人が教えてくれた。ベッドの上にあがらされて、言われた通り寝転んだ理人の上に四つん這いになった。
「シックスナインだ、知ってるか?」
「知らない、これ、恥ずかしい……」
「あぁ、蒼太のエロいところ全部見えてるもんなぁ。綺麗だよ」
「理人さんのばか、へんたい」
「蒼太からの言葉は褒め言葉だ。……その体勢で、蒼太はさっきの続きしてくれる?」
「うん、……する」
鈴口から溢れてくる透明な体液を舐め取りながら、掴んでいる手を動かした。下から上へと舌を這わせて、理人がいつも蒼太を良くするやり方を思い出しながらペニスを触った。
「ひゃっ、ぅんっ!」
「ごめん、びっくりしたか?」
「なんで、理人さんも……さわるの」
「俺も触れたいって言っただろう」
さっきの自慰で解れた孔に理人の指がつっぷりと入っている。指を曲げ巧みに中を暴いていく。蒼太はもうフェラどころじゃなくなり、手で握ることしか出来なかったが、理人の怒張したそれは蒼太の恥部を目の当たりにしピクリピクリと動いていた。
「指、何本か分かる?」
「あっ、……さん、ぼ、……」
「正解。正解者にはご褒美上げないと」
ご褒美、と言って理人は今まであえて刺激していなかった前立腺を攻めた。3本の指でしこりを揉みほぐすように、押し込むように、押しつぶすように。
蒼太は強すぎる快感の中、喘ぎながらやめて、いやだ、と言ったが理人はの手は止まらなかった。
「ひっ、あぁぅ……っ!」
10秒ほど前立腺を虐めた所、蒼太は一際大きな声を上げた。孔はぎゅうっと指を強く咥えたかと思うと、中が痙攣するようにびくびくひくひく動き、白い白濁を理人のシャツにかけた。
「蒼太、きもち、いい?」
「あ……やだぁ……」
気持ちよくしようと思ったのに、蒼太だけがイカされた。悔しい、と思いつつ力の入らない手で理人のを擦ると、理人もすぐ達した。視覚的、聴覚的に理人もいっぱいいっぱいで、あともう少し蒼太を眺めていただけで直接的な刺激はなしでイケていただろう。
蒼太はだらりと理人に体重を預けて息を整える。がしかし、すぐ後ろで電子機器の音がして、蒼太はハッとした。
「ごめんな、蒼太。俺、動画撮るの嵌ったみたい」
「さ、最悪だ……やだっていってもやめないのに……」
「なんでもっと早く撮影しなかったんだろうな。もったいなかった。今度いいカメラ買いに行こうか」
「行かなくていい……」
それから理人の気が済むまで達した後、まだ力が入らないのをいいことに蒼太の隅々まで記録に残された。
「よし、風呂いこっか」
「いっしょ?」
「嫌だ?」
「別にいい、けど」
「照れてんのか」
「うるさい」
理人にからかわれつつ、風呂に入る。蒼太は夕食後に1回入っているので、さっきかかった理人の精液を洗い流すだけだ。先に湯船に浸かり、身体を洗っている理人を眺める。本当に、黙っていればかっこいい。家事ができるし、仕事もできる。すごくハイスペックだ。
「どうした?」
「変態なところが残念だなって思ってただけ」
「そんな所も好き、ってやつか」
「……うん」
「珍しい、素直だ」
「前つめて」と言って理人も湯船に入ってきた。蒼太の後ろに足を広げている。
「1週間会えないの、結構寂しかったから……かも」
「だな。毎日顔合わせてんのに、いきなり会えないのは寂しいな。電話も出来なかったし」
「俺夜ずっと電話待ってたのに」
「ごめんな」
「……ん……、理人さん」
項にキスを落とされ、ちくりと傷んだ。蒼太の白い肌に赤い花が散った。そしてそこを執拗に舐め、腕を蒼太の前に回し胸を弄った。
「はっ、……ん、だめ、また俺……」
「ちょっとだけ、我慢して」
首やら肩やらの皮膚の薄い場所を舐め上げ、吸い上げ、敏感にさせられる。そしてまたも蒼太の中心は元気を取り戻していった。性欲多感な高校生、一週間ほど貯めた欲は素直に反応してしまう。
「蒼太のここ、色がピンクで尖ってて……すげぇエロいよ」
「や、さわりかた、やらしぃ……」
固くしこった乳首のコリを解すように親指と人差し指で揉みこまれる。先程はピンクと言ったが、徐々に赤みも増してきた。
「蒼太の学校、プールあったよな。こんなエロいの見せたのか……、妬けるな」
「あとちょっとで、卒業、だから、んっ、プールはもうないじゃん」
「妬けるもんは妬けるんだよ。これからもう、俺だけにしてくれよ」
「うん、当たり前じゃん、理人さんだけ」
顔を横に向け、蒼太がキスをせがむと理人はすぐそれに答えた。理人に教えられた深いキスで、互いに求め合うように貪り合う。蒼太の臀部に理人の滾った雄を感じ、蒼太は嬉しく思った。
「ね、……りひとさん、しよ……」
「でも……、蒼太」
「痛くないし、怖くもないよ。それに、理人さんならわかるでしょ。俺、あんなに……き、気持ちよくなるんだから……もう大丈夫って」
理人にされることを気持ちいいと、本人に伝えたことで蒼太は真っ赤になっていた。恥ずかしくて蒼太は前を向き理人に、顔を見られないようにしたが、耳や項もほんのりと赤くなっていた。
「じゃあ、風呂でたら……いい?」
「ん、いい……」
それからは無言だった。初めてした時からもう4ヶ月は経っているため、蒼太は緊張していた。互いに欲情し、身体を触り合い、時には一方的にぐずぐずになるまで溶かされたことは何度もあるが、それらとはやることが違う。
「髪乾かすから、座って」と言われ、ソファに座る。男の短い髪は直ぐに乾いてしまい、蒼太の心臓はドキドキを通り越し、ドコドコと音を上げていた。
「そう緊張すんなよ、嫌だったら直ぐにやめるから」
「ちがっ、嫌だから、緊張してるんじゃない、……嬉しいから、理人さんと、するの」
理人はたまに思考がネガティブだ。自覚はないが、蒼太が理人との行為を好んでいないかのような言い方をする。もし嫌ならばとっくに嫌だと言っているし、そもそも交際などしていないだろう。蒼太はそれが少し嫌だった。自分の好きという気持ちが相手に伝わってないのかもしれない、と不安になるからだ。だが蒼太は感情を上手く伝えることが難しい性格だったので、なおさら不安に陥る。かと言って素直にはなれないので、せめて理人の要望だけはと、快く受け入れてきたのだった。
「俺、理人さんのこと、すごく、すごく、好きだから」
「蒼太、俺も好きだ、愛してる」
愛してる、そんな愛の言葉を囁かれたことは過去にあっただろうか。聴覚から多幸感がじんわりと広まりその幸福は蒼太を優しく包み込む。
ドライヤーを片付けるのも忘れて寝室に入る。
「んぅ……、ふ、んぁ」
ベッドに押し倒された蒼太の口内に、理人が入ってくる。一つ一つ、確認するようにじっくり舐め取られ、性感帯でもない口内に快感が生まれた。
「理性には自信あったんだけど……、やっぱり蒼太には適わないな」
「我慢してたの?」
「そうだよ、いつもここにねじ込みたかった」
いつの間にか、蒼太の衣服は脱がされていた。理人も邪魔だと言わんばかりに服を脱ぎ、引き締まった裸体を顕にする。膝裏を掴み、開かされる。理人にはもう何度も見られている場所だが、いつ見られても強い羞恥を感じる。
「もう解れてるだろうけど、念の為……」
「ぅ、あ……」
ベッドのしたの引き出しに入っているローションを手につけて2本の指がグイグイと進んできた。理人は胸に顔を近づけ、舌でそこを愛撫しつつ孔を溶かして行った。
「いれるぞ……、痛かったり、怖かったりしたら言えよ。我慢とかしなくていいからな」
「ん、大丈夫」
開いた足の間に、理人が押し進んでくる。ぐっと押し込まれて、ゆっくりと沈んでいく。痛みはない。
「は、……ぁ、はい、った……?」
「3分の1くらい、な」
おもったより全然入っていなくて蒼太は絶句した。1度受けいれたことのあるものだが、時間が経っているため初めてのように感じる。
恐らく1番太い部分が入ったらしく、全部入るまで時間はそうかからなかった。お腹が苦しいけれど、恐怖も痛みもない。蒼太は思わず微笑んだ。
「大丈夫か」
「ん、いじょうぶ……もう、動いていい」
「……わかった」
ゆっくり入ってきたものが、ゆっくりと引き抜かれる。抜け落ちるギリギリでまた挿入される。その時、前立腺を狙って突くように出し入れされるので、蒼太は快感に顔を歪めた。
「んっ、……ぅあっ……」
ゆっくりのストロークは、確実に快感のボタンを刺激して行く。そして、徐々に挿抜を早め激しく腰を打ち付けていく。その動きに合わせて、蒼太はあられもない声を漏らしていた。
「ひ、ぁっ、ぁ、んっ……はやっ、いっ、……め、らめっ、ぁ、ぁああっ!」
理人のペニスが蒼太の最奥を何度も穿つ、挿抜の合間にカリが前立腺を押し込み、蒼太は意識を失いそうなほど大きな快感を得ていた。恐らく射精せずに中だけで達しているが、理人は止めるまもなく攻め続けている。
「っあ、……あっ、はぁ、ぁあっ」
「蒼太っ、痛くないか、気持ち、いい?」
「あっ、ぁ、いた、ないっ……」
「気持ちいいかどうか、ちゃんと言葉で言ってくれないとっ」
抜き差しを激しく繰り返していた腰をピタリと止め、理人が蒼太の恥ずかしがることをさせようとしていた。普段は羞恥に負けて言葉を素直に言えない蒼太に、言わせようとしている、悪い顔だ。しかし、蒼太は快感に溺れてしまい訳が分からなくなっている状態なので、羞恥心のことまで今は考えれていない。
「ほら、蒼太、……いってごらん」
「……きもち、い、りひとぉ……」
「気持ち、いいの?」
「ん、ん、ぅ、……きもちぃ、い……」
可愛らしい言葉を漏らす蒼太の唇に、理人は吸い付く。次は鎖骨にキスを落とし、自分の跡を付けた。
「蒼太のかわいい声、もっと聞かせて。どこが気持ちいいかいってごらん」
ストロークを止めたため、蒼太に話す余裕が出てきた。何度か中イキをしてしまった孔はひくひくと痙攣し、理人のペニスを締め付けていた。
「はぁ、ぁ、……りひと……さ、ん」
「中イキするほど気持ちよかった?どこがどう気持ちいいか、言ってよ。蒼太がもっと気持ちよくなれるよう頑張るから」
蒼太は理人に抱きつき、耳元で消え入りそうな小さな声でぽつりと言葉を落とした。
「おくまで、いっぱい、ぐちゅぐちゅされるの、いちばん……きもちい……」
「奥までいっぱいされるのが……気持ちいいの……?」
「ん、すき……。こりこりしたところにも、あたって、びくびくして、ださずに……ずっといってる」
理人は深い深いため息をついた。
「極端すぎだ……、萌え死にそう……。恥ずかしいこといっつも言わないのに、言う時はこんな……あぁ、やば……」
「んっ……え、りひとさ、おっきくなって……」
「蒼太……。1番気持ち良くなるのして中イキ、しよっか」
止めていた腰を再び動かす。ペニスの限界まで奥を突き、前立腺も刺激する。蒼太はまたびくびくと中を痙攣させながらイッた。小ぶりのペニスからはぴゅくぴゅくと精液が溢れており、トコロテン状態だ。突かれる度に精液を溢れさせながらも、孔は常に中イキ。蒼太の身体はこれ以上ないほどの強い快感に恐怖し、理人にしがみついた。
「あっ、あっ、ぁぁ、り、ぃと……、いく、いぃ、くぅっ!!」
「っぐ……そうた……っ」
スキン越しに理人が達したのがわかった。
「もう1回……いいか」
「はぁ、ぁ……ちょっとだけなら」
自分で言ってみても、ちょっとだけってなんだと蒼太は思いつつ、理人を受け入れた。
それからまた絶頂を繰り返し、最後はあまりの快感に気を失って、2人の夜は終わった。
◆◆◆
「…………ん……」
カーテンから顔を覗かせた眩しい光によって、蒼太は目を覚ました。目を擦り、欠伸をすると横には心配そうに蒼太を見つめる恋人の理人がいた。
「大丈夫か?悪い、昨日は無理をさせすぎた、身体は大丈夫か、痛いとこないか?」
「へへっ、だいじょうぶ」
「声が少しだけ枯れてるな、って、なんで嬉しそうなんだ……、どうした?」
心配し過ぎな理人に、蒼太は笑った。彼はやっと蒼太を抱いてくれた。手は出す癖に挿入はせず、蒼太だけを気持ちよくして自分はトイレで抜いてくる、という理人だったが、昨日は4ヶ月ぶりくらいにやっと繋がることが出来た。蒼太はそれが嬉しかったのだ。
「理人さん、もう我慢しなくていいからね。俺、昨日痛い思いしてないし、ずっと……気持ちいだけだったし……気持ちよすぎて、ちょっと怖かったけど」
理人の目は見ずに、俯いたまま早口で言う。
「だから、これからは我慢せずに俺の中に入れて。あ、でも昨日はちょっと、我慢して欲しかったかも……」
「昨日は本当、ごめん、やりすぎた、蒼太がかわいいくて、つい抑えが効かなかった」
許しの言葉の代わりに、理人の腕を引っ張り、頬にキスをした。
「理人さん、俺、すっごい好き、あ、あいしてます……」
「ふはっ、俺も、好きだ、愛してます」
理人は、ところで……と言葉を加える。
「我慢しなくていいってことは秘蔵グッズの出番がきたってことでいい?」
「秘蔵グッズ?」
理人はベッドの下に手を入れ、ダンボール箱を手繰り寄せてきた。理人が箱を開けると、所謂大人の玩具と言われるものが箱いっぱいに詰まっていた。
ローターからディルド、バイブにアナルパール、エネマグラから尿道ブジー、手錠や犬耳、聴診器まである。
純粋無垢な蒼太はこんな道具は詳しく知らないため、頭上にクエスチョンマークを浮かべキョトンとしている。
「なにこれ」
「これは夜の情事に使用する蒼太専用の玩具です」
「……ばっ、馬鹿じゃないの!」
夜の情事、玩具という単語で、蒼太はピーンと来てしまった。
「まだあるよ。こっちの箱が衣装、これが小道具かな」
「なんでこんなの、持って……」
もしかして、昔これらを使う恋人がいたんだろうかと蒼太は不安になる。が、その、不安は一切必要のないものだった。
「いや、ネット通販で、これ使ったら蒼太はどんな反応するか、とか、この衣装似合うかな~とか色々考えてたんだけど、いつの間にかポチってた」
「俺、絶対使わないし……、着ない……」
「我慢しなくていいって言ったのに?男に二言はないぞ、蒼太」
蒼太は、うーんと悩んだ。流石にここまで変態だと思っていなかったが、好きになったのだから仕方ない。
「た、誕生日。理人さんの誕生日は、何でもしてあげる」
「なっ、なんでも……?」
「あ、でも……ぃ、痛いのはやだよ……」
「SMグッズなんて買ってないよ、俺が蒼太を傷付けるわけないだろ。もしすることになったならお前がサディストでいいよ」
「しっ、しないよ!」
ちなみに理人の誕生日には、犬耳犬尻尾を装着した布の少ない悪魔コスチュームの蒼太と大人のお医者さんごっこをしたとかしてないとか……。
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