【R18】勇者は淫らに犯される

来々法師

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美酒

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漆黒龍ダークドラゴンは大きな爪をヴァード目掛けて飛ばしてきた
ヴァードは足元が凍りついていて動けない

「くそっ!防げるか!?」

ヴァードは金属盾を構えたがその時、
誰かに思い切り体当たりされ
氷の戒めから解かれた
爪は市街地へ飛んでいき、
一瞬で建物を破壊し瓦礫に変えた

「クソが!……盾で防げるわけねえだろ!」

ピートが息を切らせて覆い被さっていた

「礼は言っておこう」

「言っておくが助けたわけじゃねえぞ
てめえに守られるなんて、寒気がする!反吐が出る!それだけだ!」

「ぐーははははは!ゴミが一匹増えたようだが、
そんな程度でわしを倒せると思っているのか?」

漆黒龍はすさまじい勢いで突進してきた
二人は地面を蹴ってこれを避けた

「おい、ヴァード!武器を持ちすぎだ、剣を二振りよこせ!」

「ほら!」

ヴァードはぶっきらぼうに剣を投げつけた

「けっ!」

ピートはがっしと受けとめて、剣を鞘から抜き
左右両方の手に持って、漆黒龍を見据えた

「言っとくがな、俺はまだ本気を出しちゃいないぞ
二刀流が俺の真骨頂なんだ!」

「じゃあ!さっさと見せろ!」

「目に焼き付けとけ!」

ピートは全速力で漆黒龍に突っ込んでいく

「この小僧が!」

漆黒龍は体を低くして爪でピートをなぎ払おうとしたが
ピートは速く、ふところに潜り込んで漆黒龍の脚をこれでもかと斬りまくった

「そらそら!骨まで削り取ってやるぜ!」

「ぐううううう!こいつめが!」

漆黒龍が大きな口をあけてピートに迫った
ヴァードは矢筒から矢を取り出して弦を引き絞り漆黒龍を射る

「ぐぬ!?」

「相手は一人だけじゃないぞ」

「ヴァードォォ!!やはり貴様から始末する!
避けられるかっ!?」

漆黒龍は両手の指から爪を次々と飛ばしてきた
ヴァードは背負っていた武装を捨てて身を軽くし、
地面に転がり込んで襲いくる爪をなんとか躱した

「逃げてばかりでは勝てんぞ!これで……うぉ!?

ピートが雄叫びとともに高く飛び上がって漆黒龍の腹を突き刺した

「これで……これで……どうしたんだよ!?この野郎がっ!」

「この小僧がっ!!死ねっ!」

漆黒龍は驚くほどの速さで回転し、長い尻尾を振るった
ピートは尻尾の一撃をしたたかにうけ、
城壁に叩きつけられて動かなくなった

「ピート!」

「ヴァード!お前もだ!死ねぃ死ね死ね!ごぅあっ!」

漆黒龍は凍てつく息を吐いてきた、
ヴァードは正面から直撃を受けてしまった
全身が凍りつき、どれだけ力を込めても動けなくなった

「ぐ……」

「がーっはっは!ヴァード、わしの勝ちだ!
おまえは丸呑みにしてはやらん!
骨の髄まで噛み締めて悲鳴を味わうとしようか!」

「く……」

漆黒龍は口を開け、密集する牙を見せつけながらヴァードに迫った

「精霊王よ、我に炎の力を示せ!焔ほむら!」

小さな火の玉がひゅうっと押し寄せて
ヴァードは火だるまになり
漆黒龍の口を炙った

「ぐうるるるあ!」

「うおっ!?」

ヴァードの全身を覆っていた氷が溶けると
すうっと火は消えた

「手荒なマネはよしてくれ」

「ヴァードさんにはこれくらいがいいですよ」

レフィリアが杖ロッドを持って立っていた

「あの時の女か!こしゃくなやつめ
今度こそはらわたを喰らい尽くしてやろう!」

「あの龍、姿が変わっていますね」

「衣替えの季節らしい
あの砲台はまだか?」

「もうすぐ撃てます!」

漆黒龍は凍てつく息を吐いてきた
レフィリアは詠唱し、杖で地面を叩いた

「炎の壁!」

火柱が吹き上がって息を防いだ

「これはいい!」

「あんまり当てにしないでください、
火の術は得意じゃないんです!」

ヴァードは矢筒に残っていた矢のすべてを
炎の壁で炙って火を点け漆黒龍へ射ちまくった
炎の矢は放物線を描いて飛んでいく
漆黒龍は尻尾を振るいでほとんどの矢を撃墜したが、
一本が喉に刺さって火の粉を散らし爆ぜた
漆黒龍が吠えた

笑止しょうしこれでは効かんぞお!」

「矢が尽きたか……」

「お客様!お待たせしました!」

広場に猛烈な勢いで馬車が突っ込んできた
乗っていたのは支配人だった
なにやら黒装束を身に纏っている

「支配人!?どうしたその格好は」

「説明している間はありませんぞ、荷台にお客様の戦斧がございます!」

「恩に着る!」

ヴァードは素早く戦斧を背負った

「いえ!わたくしもお客様のおかげで仕事が捗りましたので……では失敬!」

支配人が手綱を振るうと馬車は全速力で去っていった

「仕事?……いや、今はいい!
レフィリア!さっきの火の玉を戦斧にぶつけてくれ」

「は、はい!」

レフィリアがほむらの詠唱を終え杖で地面を叩いた
火の玉が飛ぶと、ヴァードの戦斧が燃え上がった

「そんな小細工で!」

「じゃッッッ!」

ヴァードは全身全霊の力で戦斧を振るった
炎の弧が目にも止まらぬ速さで漆黒龍の胴を切り裂くと
風圧の甲高い音とともに炎が燃え広がり、
漆黒龍は火だるまになった

「ぐわああああああ!」

「これで再生はできまい!」

「ヴァードオオオオオオ!」

「なに!?」

「その方向は!!」

漆黒龍は燃え盛る体で体当たりし、城門ごとヴァードを吹っ飛ばした
ヴァードの体は門内の庭園まで吹っ飛ばされて地面に叩きつけられた
庭園ではミリアとフィーナが砲の射手台に立っていた

「ヴァードさん!?」

「……ミリア!フィーナ!撃て!!!」

「精霊王よ!我に水の力を示しくさびを解き放て!」

「……くっ照準を!」

ミリアが引き鉄に手をかけると
すさまじい爆発音とともに砲台からグレナリアムの楔が打ち出された
楔は灼熱を帯びた赤い光弾となって漆黒龍に迫り、両脚を消しとばした

「直撃じゃない!?」

「ぐおおおおおおお!わしはまだ死なんぞおおおお!ぬうん!」

漆黒龍は全身から冷気を噴出した、全身を包んでいた炎は瞬く間に消え失せ
またも傷口をふさいでしまった
脚を失った漆黒龍は大蛇のように地面を這いずり庭園に侵入してきた

「ガキどもおおおお!許さんぞおおお!」

「二人とも逃げろ!」

「きゃあああ!」

漆黒龍は口から凍てつく息を放った
ミリアとフィーナは避けられず氷漬けにされてしまった
避難民は悲鳴をあげて逃げ出した

「ぐおおおおおはははは!わしの勝ちだヴァードオオオオ!
さあ、お前も仲良くに氷になるがいい!」

漆黒龍は口を大きく開けて息を吸い込んだ

「八方塞がりか……いや……絶対に手は!……ある!」

はやく漆黒龍を倒さなければ二人が凍死してしまう
ヴァードの闘争本能は絶望を許さなかった
戦斧は幸いヴァードのすぐ近くに落ちていた
ヴァードはすぐさま戦斧を拾い上げ、雄叫びをあげて漆黒龍へ投げつけた

「ヴァードォ!死ね……ごおおおおおお!?」

なんと戦斧が大きく開いた口を固定するようにぴったりとはまってしまった
漆黒龍は口の開け閉めを封じられ凍てつく息は不発に終わった

(殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!)
ヴァードは必死に周囲を見回し、
頭脳を回転させて漆黒龍を抹殺する手段を求めた
漆黒龍の口の中に、以前突き刺したベルナールの大鉈が舌に刺さったまま
残っているのが見えた

「あいつ……口の中、体内の再生はできないようだな……」

そして庭園の片隅に停まっている荷馬車が見えた、
ヴァードたちが乗ってきた馬車だ

「く、ふふふふ……あった……」

ヴァードは笑った、力をふりしぼって荷馬車へ駆け寄った
荷台には、以前武器屋から調達した酒樽が置かれてあった
人間が一しずくを飲んだだけで呼吸が止まって死ぬほどの毒薬が樽いっぱいに入っている

「うおおおおおおおお!」

ヴァードは酒樽を担いで漆黒龍のもとへ突っ走った

「があ!……がが……!?」

「よう……ふふ……さんざん人を食ったなお前……食後酒を持ってきてやったぞ」

ヴァードは漆黒龍の口の中へ酒樽を投げ込んだ
樽が割れて毒薬があふれ出し、龍の体内へ入っていった

「ぐっ……ぐがががががが!ごごごごごごご!げげげげげげげ!!!!」

「味わって飲め……」

ヴァードは戦斧を引き抜いた
口からあぶくが溢れ出した、白目を剥いて漆黒龍は息絶えた
月光がむくろ骸むくろを照らした
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