Dead or Alive

ジャム

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番外編 穢れた欲情

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「・・どうした?気乗りしないか?」

そう言われて、路流は「そんなことは」と、目を伏せた。
「なら、もっと見せてくれ。最近は表に出るとゴタゴタで、こんな風に会合に出る事も出来なかったからな」
そう言いながら、男が路流の膝を後ろから持ち上げ、グイグイと路流の中へと腰を進めて来る。
「ア・・っ」
思わず唇から漏れ出た声の甘さに、自分の性のだらしなさを思い知らされる。

それも、その筈で・・。

病気で母を亡くし、この世界に引き摺り込まれた時、自分はまだ17歳の高校生だった。
初めての輪姦ビデオでシノギを稼ぎ、その噂を聞いた前会長に気に入られ、会合の度に股を開かされ、幹部達の精をたっぷり身体に注がれて生きてきた。

そんな性奴にされ、魂の無い抜け殻のような毎日の中でも、見方さえ変えれば、自分だって楽しめる事を知った。
そう思えるようになったのも、この男のおかげかも知れない。
硬い男根に身体の中を押し広げられる快感に、思わずゴクリと喉が鳴る。
「どうして、オレを見ない・・?」
そう言われたら、見るしかない。
いや、そもそも相手の顔を見ずにヤること自体が不可能だろう。
目の前の男の精悍な男ぶり。
細く鋭い三白眼が鼻梁を挟み、下の方が厚めの唇からは興奮を隠す、ゆっくりとした息遣い。

ああ・・、この瞳・・!
この瞳が好きで、その昔、自分からこの男を誘った事を思い出す。
今でこそ、幹部になったが、出会った頃は会長の運転手をしていた男だった。
いけない、とわかっていたが、この瞳に吸い寄せられた。
どうせ、爛れ、腐りきった身体だ。
何人もの汚物を腹の中に飲み込まされ、掻き回されて、出来上がった男膣。
それを自分のために使ったとして、誰が咎めるだろうか?
そう、きっと、咎められるのは、会長のお気に入りに手を出した、この男の方になる。
だから、オレは大丈夫・・コイツをオレが咥え込んだって、それは当たり前の事なんだから。
オレの身体が卑しいせいだから・・。だから。

そんな言い訳や打算を頭の中でいくつも唱えながら、オレは車のルームミラー越しに男を見つめ続けた。
鋭い視線だった。
世界の全てを恨んでいるみたいで、孤独で、ひっそりと冷たくて、何も信じていない人間の瞳。
この瞳を、他にオレは一人しか知らない。

「・・車を、止めてくれませんか」

この瞳に嬲られたい。
この瞳に蔑まれながら、イキたい・・っ
深く、腹の奥に、コイツを咥え込みたい・・っ

男は冷徹な視線を変えずに、車を知らない駐車場へ止めると、運転席から降り、自分の隣へと乗り込んできた。
もう何も言葉は必要ない。
ただ飢えた野獣のように、お互いの欲情をぶつけあい、車の中なのも関係なく、裸になって抱き合った。
こんな風に、ちゃんと服を脱いで誰かと抱き合ったのは、会長以外じゃ他にいなかっただろう。
全身を目で犯されてるみたいで、繋がった場所より見られてる場所の方が熱くなってくる。
「ああっ・・あ、あ、・・っ」
男を深く咥え、大きく膨らまされる男膣がビクビクと痙攣する。
男の唇から荒い呼吸が漏れる。

何も言わない。声を出さない。
それが逆に良かった。
余計に、男の瞳の存在が際立ち、オレにそれを強く意識させる。

そっくりだ・・、志路に・・そっくり・・!

「あ、あ、あ、んんっ・・!!」
シロウ・・っシロウ・・!イク・・っイクッ・・シロウ!!

男の背中に指を食い込ませる程に掴んで、身体を撓らせ、これ以上は無いくらいに自分の奥へと男の獣芯を飲み込んだ。
こんなに感じるセックスをしたのは、薬でトんだ以来だった。
どんな剛直を突っ込まれたって、こんなに気持ち良くなんかなれない。
ジジイの汚い股ぐらを見せつけられる度、自分の頭の中は冷めていく。
何人とヤったって、どんなにイイ所を突かれたって、なんとなく喘いでるだけだった。
それが、オレの役目。
大事な弟達を守るための、オレに与えられたささやかな役目だ。
そう思う事で、オレは自分の腹を満たしてきた。
これで、いい。
自分の人生なんて、どうせ、こんなもんだ。
そして、自分の想いも、死ぬまで胸に仕舞っておくつもりだった。

だけど、欲が出た。

自分から欲しい物が、世界に一つくらいあってもいい筈だ。
思い出の一つくらい、誰にも内緒で、オレだけのために・・。
そんな風に、自分に言い訳をして、オレは初めて、カメラも監視もない場所で、自分から男を誘って股を開いた。
思い出の中でくらい、好きな男に抱かれたかった。


そうして、会長の目を盗み、この男と何度となく身体を繋いだ。
甘い睦言も、約束も、何もない。
だけど、目が合えば、男は必ずオレをどこかへ攫い、喘がせた。
もちろん、抵抗などしなかった。
お互いに溜まっていたものを、気持ち良く吐き出すための行為だった。
気持ちよくイクために、オレは、弟とそっくりな目をしたこの男を選んでシただけ。
オレはオレのためのセックスを楽しんだ。ただ、それだけだった。
そんな関係が何年も続いた。



その後。
御大が病気で引退し、各組でも世代交代が行われると、男は自分よりも上の地位に立っていた。
「秋田・・、こっちを見ろ」
言われなくても、この瞳が好きで、この瞳に見られたくて、この男に抱かれたのだ。
見たくない訳はない。

が、本物を知った後ではーーーー、影が薄れる。

あんなにそっくりだと思っていた瞳が、どこか柔らかい。
本物のシロウの瞳は、もっと熱くて、冷たくて、オレだけしか映さない。
世界に、オレ以外何も存在していないように、オレを視線で捕らえるのだ。
それは、いつ何時でも、そこが何処だろうとお構いなしに、その視線でオレを犯してくる。
だからオレの身体は、四六時中シロウの頭の中で、裸に剥かれ、好き勝手に深々と犯され続けているんだろう。
そう思うことですら、熱が膿んでくる。
頭の中だけじゃなくて、今すぐ犯してくれ、と何度口に出そうと思ったか。
あの瞳が、自分を見ている。そう思うだけで、イキそうになった。

これが、本物とイミテーションの違いーーーー。
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