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豪雨
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同日、水橋家の朝の一場面。
玄関で紐靴を結んでいると、のんきな声で母親が自分を呼んだ。
「ちょっとリュウト!傘、傘、持って行きなさいよ~!」
「え~」
「え~じゃない。あとで、雨降っても知らないわよ!」
母親の声から『自分の忠告を無視したら只では済まない』雰囲気を感じ、リュウトは渋々傘を手にした。
「あなたのことが心配なんですよ」
にっこり笑って、リュウトに手を差し出す超絶美形の青年。
彼は、神の使命を負ったリュウトの守護者(ガーディアン)、水の精、睡蓮だ。
革製の長いコートを纏い、膝上まであるブーツに、コートの下は所々が擦り切れた黒いノースリーブのシャツに革ベルトが何本も交差している。
そう、まるでゲームの中の美形キャラそのものなのだ。
その睡蓮に差し出された手を握って思う。
睡蓮・・カッコ良すぎる~~っ
睡蓮の容姿が、自分の好みが具現化されたものだと思うと、リュウトは尚更恥ずかしくなってしまう。
こんな普通の日本の住宅地に、ゲームのFFのキャラが舞い降りてしまったようで、その違和感はハンパ無い。
手を繋いだまま歩き出す睡蓮に、リュウトはドキドキしてしまい周りを見渡した。
やっぱり誰もこっちを振り向かない。
自分以外には睡蓮の姿は、誰にも見えないらしい事を確認し、肩の力を抜いた。
だって、いくら美形だって男同士が手を繋いで登校って・・アリエナイもん。
でも、と思考は続く。
だったら、いつでもどこでも睡蓮とキスしたり抱き合ったり出来るってこと・・!?
そう想像して、リュウトの顔がみるみる赤くなっていく。
何想像してんだよっオレは!
睡蓮にオレの考えてることは全部バレるんだって言われたのに!
ナシナシ!!こんなの無し!!
だいたい・・・
睡蓮は『神送り』っていう使命のために・・オレの側にいるんだ。
「なぜ悲しむんです?」
リュウトの思考を読んだ睡蓮が問いかける。
「だって・・・あんなことを・・好きでも何でもないヤツとヤらなきゃいけないなんて・・」
「嫌なんですね?」
「うん。・・嫌だよ」
「リュウト」
睡蓮は立ち止まり、リュウトを自分の方へ振り向かせると、その体をギュッと抱き締めた。
「私も辛いです。あなたが泣く姿を想像するだけで辛い」
「ねえ・・睡蓮。オレ・・もしかして、死ぬまで、この『神送り』って・・やんなきゃいけないの?」
「それも『神の思し召し』・・。私にはわかりません。ただ、前任者だったものは、病に臥せった後も、寿命の数年前まで続けたそうですが、その数は年にほんの数回だったと聞いています」
「ほんと!?」
途端にリュウトの顔が明るくなる。
「ええ、本当です」
ニッコリと笑う睡蓮だが、実はそれには、神々の方が病人を慮って自重し『神送り』をしないでいただけという事実を知っていた。
そのため、しわ寄せが来ている事もわかっている。
何年も神の国側へ帰れずにいた神々が、リュウトの前へ順番に現れるだろう事も予想出来た。
なんといっても神大国日本。
八百万(ヤオヨロズ)の神が住まう国なのだ。
頭を悩ませながらも、睡蓮はリュウトを宥めると、その手を引いて歩き出した。
しかし、リュウトの期待は外れ、試練はその日の夜に訪れた。
リュウトはシャワーを浴びた後、冷蔵庫から出したオレンジジュースをリビングで飲んでいた。
家族には見えないが、傍には勿論、睡蓮がいる。
学校でも殆どの時間、リュウトのすぐ傍に睡蓮がいた。
睡蓮はリュウトが何を好み、何を思い、どう行動するのかを、出来るだけ理解しようとしていた。
そうすれば、この先、彼に与えられるだろう試練に、彼が打ち勝てるように励ます事や慰める事が出来る。
守護者としての役目とは少しずれてしまうが、それもリュウトと出会った自分の役割だろう、と睡蓮は決心していた。
神は無情だ。
人間の、どんな時もどんな事情も、神は厭わない。
それは、つまり、死神も一緒だった。
水橋家の住人が皆眠りにつく頃、シトシトと雨が降り出して来ていた。
その雨に濡れながら、二つの影が黒塗りの車から降り立つ。
「チッまた雨かよっ」
舌打ちする憂火を「まあ、まあ」と、宥め、暮は自分の傘の中に憂火を入れる。
「梅雨なんだから仕方ないでしょ。それにここには水の精霊がいる。歓迎されない我々がここに来れば、雨が降りやすくなるのも頷けるでしょう」
「チッ面倒くせーのが憑いてる訳だ」
憂火は眉間に皺を寄せて、ズボンのポケットに両手を突っ込んだまま、ブツブツ言いながら塀の上へとジャンプした。
そこから庇の上へと大股で飛び移り、またその上へ飛ぶと2階のベランダへと着地した。
それに続いて暮も追って来る。
そして、リュウトがいるだろう部屋のガラスを、コツコツと手の甲で軽くノックした。
「・・誰だ」
カーテンの隙間から、不機嫌そうな睡蓮が顔を出した。
それに、憂火が口を開きかけた瞬間、憂火を突き飛ばさん勢いで、暮が睡蓮の前へ「初めまして、こんばんはー!」と、しゃしゃり出て来た。
「どうも~!私共は『神』の破天荒ぶりを管理をしている者です。はい、これ名刺!ここに名前と支店、電話番号とメールアドレスも載ってます。ご用命は是非こちらに!って、・・そんな場合じゃあ、ありませんっけね?」
暮が睡蓮を睨みつけ、ニヤリと口元を引き上げる。
「死神か・・」
「ついに、神門が開かれたと聞きましてねえ。もうかれこれ、4年ぶりでしょ~?こちらとしても、強制送還・・もとい!神の国へ戻るに戻れないでいる神達を、やっと送ってあげられる!と、こちらへ伺った次第であります」
一気に捲し立て、妙に引き攣った笑顔を顔に貼付けた暮に、睡蓮は顔を曇らせた。
「さあ、さっさとリュウト君を起こして下さい。守護者、睡蓮!我々も暇では無い。それに、もう一人目を送ったそうじゃないですか・・大丈夫なんですか?むやみやたらに門を開けば、次から次へと『客』が来ないとも限りませんよ?」
そう言って暮は両手を開いて見せたが、ガラスの向こうから見つめるだけの睡蓮に、暮は笑うのをやめ、両手をズボンのポケットへ突っ込んだ。
「・・テメエから逝かすぞコラ!」
と、暮が家の壁をガンッと蹴った。
それを憂火が諫める。
「バカヤロー!脅してどうすんだ!!」
暮の頭を鷲掴みにして、自分の後ろへ引っ張ると、憂火は睡蓮の正面に立って帽子を脱いだ。
「オレ達は仕事で来てるだけだ。仕事が済めば、とっととここから消える」
睡蓮はガラス戸をすり抜け、憂火の前へ出た。
鮮やか水色の瞳で、至近距離から憂火の目を覗き込む。
「あんたがあっち側へ戻りたい訳じゃないんだな?」
「ああ。オレじゃない」
憂火は胸ポケットに仕舞ってあった小瓶を取り出し、その中身を振って見せた。
「齢300年の桜の木、いわゆる御神木ってヤツだ。あんまり根が張り過ぎて・・人の魂にまで手をつけるようになっちまった。いつもなら一刀両断、抹消処分だが、殺意は無く、初犯で偶発事故だったという見解で、一旦あっち側へ戻すことに決まった」
「だから?」
睡蓮は無表情に答え、憂火に次の言葉を促した。
憂火は睡蓮の態度に舌打ちし、言葉を選ぶことを止めた。
「リュウトを出せ。門を開いて、コイツを向こうへ送る」
その瞬間、憂火と暮の背後に、滝のような雨が落ちてくる。
どんな声も音も掻き消すような、土砂降りの雨が打ち付ける中、暮は寒気を覚えながらも視線は睡蓮から外さずにいた。
睡蓮は淡々と静かに、しかし怒りに満ちた声で二人に警告する。
「冗談じゃない。逝くヤツ以外の神にヤらせるなんて問題外だ。陸上で溺れたくなかったらとっとと消え失せろ」
その台詞に暮が背中からドスを抜く。
睨み合った憂火と睡蓮、そして暮の後ろでは更に勢いを増した大粒の雨粒が屋根を叩き付ける。
睨み合いは数秒続いた。
直立不動のまま指1本動かせないような緊張の中、先に動いたのは憂火だった。
帽子を持った右手で暮を制し、ドスを下げさせる。
「今日はお前の度胸に免じて一旦引くが・・次は刈る。いいな?」
「・・お気をつけて、お帰りを」
憂火が帽子を被り、チラリと睡蓮へ視線を投げた後、土砂降りの雨の中も構わず、下へと飛び降りる。
暮も数秒、睡蓮を睨みつけてから手に握り締めていたドスを背中へ仕舞い、憂火の後を追った。
「憂火さん!」
暮が大声で呼ぶと、車の横でザンザン降りの雨の中佇む憂火が振り返った。
「本当に、いいんですか!?このまま帰っちまって!」
大声で暮が憂火に声を掛ける。土砂降りの雨の音がうるさいせいで、声も聞こえない。
「しょうがねえだろ!番犬が、死ぬ気で吠えてんだ!一回くらい顔立ててやれ!」
「もう・・そういうとこで優しいんだから・・」
暮が頭を軽く振り、車のロックを解除して、二人はずぶ濡れの格好のまま車に乗り込んだ。
玄関で紐靴を結んでいると、のんきな声で母親が自分を呼んだ。
「ちょっとリュウト!傘、傘、持って行きなさいよ~!」
「え~」
「え~じゃない。あとで、雨降っても知らないわよ!」
母親の声から『自分の忠告を無視したら只では済まない』雰囲気を感じ、リュウトは渋々傘を手にした。
「あなたのことが心配なんですよ」
にっこり笑って、リュウトに手を差し出す超絶美形の青年。
彼は、神の使命を負ったリュウトの守護者(ガーディアン)、水の精、睡蓮だ。
革製の長いコートを纏い、膝上まであるブーツに、コートの下は所々が擦り切れた黒いノースリーブのシャツに革ベルトが何本も交差している。
そう、まるでゲームの中の美形キャラそのものなのだ。
その睡蓮に差し出された手を握って思う。
睡蓮・・カッコ良すぎる~~っ
睡蓮の容姿が、自分の好みが具現化されたものだと思うと、リュウトは尚更恥ずかしくなってしまう。
こんな普通の日本の住宅地に、ゲームのFFのキャラが舞い降りてしまったようで、その違和感はハンパ無い。
手を繋いだまま歩き出す睡蓮に、リュウトはドキドキしてしまい周りを見渡した。
やっぱり誰もこっちを振り向かない。
自分以外には睡蓮の姿は、誰にも見えないらしい事を確認し、肩の力を抜いた。
だって、いくら美形だって男同士が手を繋いで登校って・・アリエナイもん。
でも、と思考は続く。
だったら、いつでもどこでも睡蓮とキスしたり抱き合ったり出来るってこと・・!?
そう想像して、リュウトの顔がみるみる赤くなっていく。
何想像してんだよっオレは!
睡蓮にオレの考えてることは全部バレるんだって言われたのに!
ナシナシ!!こんなの無し!!
だいたい・・・
睡蓮は『神送り』っていう使命のために・・オレの側にいるんだ。
「なぜ悲しむんです?」
リュウトの思考を読んだ睡蓮が問いかける。
「だって・・・あんなことを・・好きでも何でもないヤツとヤらなきゃいけないなんて・・」
「嫌なんですね?」
「うん。・・嫌だよ」
「リュウト」
睡蓮は立ち止まり、リュウトを自分の方へ振り向かせると、その体をギュッと抱き締めた。
「私も辛いです。あなたが泣く姿を想像するだけで辛い」
「ねえ・・睡蓮。オレ・・もしかして、死ぬまで、この『神送り』って・・やんなきゃいけないの?」
「それも『神の思し召し』・・。私にはわかりません。ただ、前任者だったものは、病に臥せった後も、寿命の数年前まで続けたそうですが、その数は年にほんの数回だったと聞いています」
「ほんと!?」
途端にリュウトの顔が明るくなる。
「ええ、本当です」
ニッコリと笑う睡蓮だが、実はそれには、神々の方が病人を慮って自重し『神送り』をしないでいただけという事実を知っていた。
そのため、しわ寄せが来ている事もわかっている。
何年も神の国側へ帰れずにいた神々が、リュウトの前へ順番に現れるだろう事も予想出来た。
なんといっても神大国日本。
八百万(ヤオヨロズ)の神が住まう国なのだ。
頭を悩ませながらも、睡蓮はリュウトを宥めると、その手を引いて歩き出した。
しかし、リュウトの期待は外れ、試練はその日の夜に訪れた。
リュウトはシャワーを浴びた後、冷蔵庫から出したオレンジジュースをリビングで飲んでいた。
家族には見えないが、傍には勿論、睡蓮がいる。
学校でも殆どの時間、リュウトのすぐ傍に睡蓮がいた。
睡蓮はリュウトが何を好み、何を思い、どう行動するのかを、出来るだけ理解しようとしていた。
そうすれば、この先、彼に与えられるだろう試練に、彼が打ち勝てるように励ます事や慰める事が出来る。
守護者としての役目とは少しずれてしまうが、それもリュウトと出会った自分の役割だろう、と睡蓮は決心していた。
神は無情だ。
人間の、どんな時もどんな事情も、神は厭わない。
それは、つまり、死神も一緒だった。
水橋家の住人が皆眠りにつく頃、シトシトと雨が降り出して来ていた。
その雨に濡れながら、二つの影が黒塗りの車から降り立つ。
「チッまた雨かよっ」
舌打ちする憂火を「まあ、まあ」と、宥め、暮は自分の傘の中に憂火を入れる。
「梅雨なんだから仕方ないでしょ。それにここには水の精霊がいる。歓迎されない我々がここに来れば、雨が降りやすくなるのも頷けるでしょう」
「チッ面倒くせーのが憑いてる訳だ」
憂火は眉間に皺を寄せて、ズボンのポケットに両手を突っ込んだまま、ブツブツ言いながら塀の上へとジャンプした。
そこから庇の上へと大股で飛び移り、またその上へ飛ぶと2階のベランダへと着地した。
それに続いて暮も追って来る。
そして、リュウトがいるだろう部屋のガラスを、コツコツと手の甲で軽くノックした。
「・・誰だ」
カーテンの隙間から、不機嫌そうな睡蓮が顔を出した。
それに、憂火が口を開きかけた瞬間、憂火を突き飛ばさん勢いで、暮が睡蓮の前へ「初めまして、こんばんはー!」と、しゃしゃり出て来た。
「どうも~!私共は『神』の破天荒ぶりを管理をしている者です。はい、これ名刺!ここに名前と支店、電話番号とメールアドレスも載ってます。ご用命は是非こちらに!って、・・そんな場合じゃあ、ありませんっけね?」
暮が睡蓮を睨みつけ、ニヤリと口元を引き上げる。
「死神か・・」
「ついに、神門が開かれたと聞きましてねえ。もうかれこれ、4年ぶりでしょ~?こちらとしても、強制送還・・もとい!神の国へ戻るに戻れないでいる神達を、やっと送ってあげられる!と、こちらへ伺った次第であります」
一気に捲し立て、妙に引き攣った笑顔を顔に貼付けた暮に、睡蓮は顔を曇らせた。
「さあ、さっさとリュウト君を起こして下さい。守護者、睡蓮!我々も暇では無い。それに、もう一人目を送ったそうじゃないですか・・大丈夫なんですか?むやみやたらに門を開けば、次から次へと『客』が来ないとも限りませんよ?」
そう言って暮は両手を開いて見せたが、ガラスの向こうから見つめるだけの睡蓮に、暮は笑うのをやめ、両手をズボンのポケットへ突っ込んだ。
「・・テメエから逝かすぞコラ!」
と、暮が家の壁をガンッと蹴った。
それを憂火が諫める。
「バカヤロー!脅してどうすんだ!!」
暮の頭を鷲掴みにして、自分の後ろへ引っ張ると、憂火は睡蓮の正面に立って帽子を脱いだ。
「オレ達は仕事で来てるだけだ。仕事が済めば、とっととここから消える」
睡蓮はガラス戸をすり抜け、憂火の前へ出た。
鮮やか水色の瞳で、至近距離から憂火の目を覗き込む。
「あんたがあっち側へ戻りたい訳じゃないんだな?」
「ああ。オレじゃない」
憂火は胸ポケットに仕舞ってあった小瓶を取り出し、その中身を振って見せた。
「齢300年の桜の木、いわゆる御神木ってヤツだ。あんまり根が張り過ぎて・・人の魂にまで手をつけるようになっちまった。いつもなら一刀両断、抹消処分だが、殺意は無く、初犯で偶発事故だったという見解で、一旦あっち側へ戻すことに決まった」
「だから?」
睡蓮は無表情に答え、憂火に次の言葉を促した。
憂火は睡蓮の態度に舌打ちし、言葉を選ぶことを止めた。
「リュウトを出せ。門を開いて、コイツを向こうへ送る」
その瞬間、憂火と暮の背後に、滝のような雨が落ちてくる。
どんな声も音も掻き消すような、土砂降りの雨が打ち付ける中、暮は寒気を覚えながらも視線は睡蓮から外さずにいた。
睡蓮は淡々と静かに、しかし怒りに満ちた声で二人に警告する。
「冗談じゃない。逝くヤツ以外の神にヤらせるなんて問題外だ。陸上で溺れたくなかったらとっとと消え失せろ」
その台詞に暮が背中からドスを抜く。
睨み合った憂火と睡蓮、そして暮の後ろでは更に勢いを増した大粒の雨粒が屋根を叩き付ける。
睨み合いは数秒続いた。
直立不動のまま指1本動かせないような緊張の中、先に動いたのは憂火だった。
帽子を持った右手で暮を制し、ドスを下げさせる。
「今日はお前の度胸に免じて一旦引くが・・次は刈る。いいな?」
「・・お気をつけて、お帰りを」
憂火が帽子を被り、チラリと睡蓮へ視線を投げた後、土砂降りの雨の中も構わず、下へと飛び降りる。
暮も数秒、睡蓮を睨みつけてから手に握り締めていたドスを背中へ仕舞い、憂火の後を追った。
「憂火さん!」
暮が大声で呼ぶと、車の横でザンザン降りの雨の中佇む憂火が振り返った。
「本当に、いいんですか!?このまま帰っちまって!」
大声で暮が憂火に声を掛ける。土砂降りの雨の音がうるさいせいで、声も聞こえない。
「しょうがねえだろ!番犬が、死ぬ気で吠えてんだ!一回くらい顔立ててやれ!」
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