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睡蓮の代わり2
しおりを挟むそのうちに、車はリュウトの家の近くへ着く。
憂火は、住宅地にある空き地に車を入れて駐車した。
「車ってここに停めとくの?」
「ああ、別に支障はねえだろ。駐禁も取られた事ねえしな」
「・・・黒塗り、だから?」
「さあな?不吉なオーラが滲み出てるのかもな」
憂火は特に気にした風でも無く、さっさとリュウトの前を歩いてリュウトの家へ向かう。
憂火は、まるで自分の家のように玄関のドアを開け、リュウトに『入れ』と手で促した。
二人が家の中に入ると、リュウトの母親が玄関へと飛び出して来た。
「リュウト!大丈夫だったの!?何回も電話したのよ!?」
「え、あ、携帯どうしたっけな・・?」
母親の剣幕に押されながらも、スマホを探していると、憂火がリュウトの肩を指でトントンと叩き、自分のポケットからスマホを差し出してくる。
「なんで・・!?」
言掛けて、母親が「え!?」と聞き返してくるのに「何でもない!」と答え、とにかく確認すると着信が20件もある。
それもテッタやトウヤ、クラスの女子からもランダムに着信履歴が残っていた。
「ほんとだ・・全然見てなかった」
「あんたって子は~!何のための携帯だと思ってんの!?お祭り中に竜巻が起こったってニュースに出たのよ!ホント巻き込まれなくて良かったワ~!」
リュウトの母親はリュウトの頭をギュッと抱き締めるとヨシヨシとその頭を撫でた。
「わ!ちょっわかったから!もう、オレ大丈夫だったろ!」
焦って、母親の腕から逃れようとすると、母親は冷めた目でリュウトを見つめた。
「何よ・・今更、恥ずかしいわね・・」
「どっちが!」
リュウトは母親を押しのけると、足早に自分の部屋へと向かった。
その後ろをスーツの上着を素肌に羽織った憂火がついて来る。
リュウトは部屋に入るとすぐ憂火を振り向いた。
「憂火!竜巻って」
言い掛けて、憂火の掌がリュウトの口を塞ぐ。
抗議の視線を憂火に向けると、憂火がリュウトから視線を外し『閉じろ』と呟いた。
その瞬間、部屋の中の空気が歪み、何か一枚膜が張られたように部屋の中の色彩が落ちる。
「これで、お前が泣こうが喚こうが、お前の家族には何も聞こえん・・・」
とんでもない台詞に、リュウトは息を飲む。
睡蓮がしていたように部屋の中での事が、外に感知されないように、憂火も部屋の中へ結界を張った。
憂火の手がリュウトの口から離れると、リュウトは憂火のスーツの襟にしがみ付いた。
「睡蓮がホントに無事か確かめさせろ!」
「ああ?」
「声だけでもいいから!電話とか!少しでいいから!」
睡蓮を心配するリュウトの必死な顔に、憂火は苛立ちを覚え、自分の襟を掴むリュウトの腕を逆に掴んだ。
「あいつは、今頃はもう、修復用のカプセルの中に浸けられている筈だ。今からたった24時間で体の細胞を強制的に再生させる装置だ。なぜ、そこまで急ぐかわかるか?お前の傍に守護者がいなければ、お前の身が危険だからだ。悪意を持った神や精霊、妖怪共から狙い放題。もし、お前が誘拐されれば、二度とこの家に戻れる保証は無い!半永久的に無数にある異次元の一角に拘束されて、本当の意味での神の国への門として生きたまま腹を裂かれるぞ。無論、お前が死んだら意味が無い。無理やりにでもお前を生かすために、無菌室に、人工呼吸器と最新のペースメーカーをつけて、手厚く保護してくれるだろうがな!」
憂火に一気に捲し立てられたリュウトは、青褪めた顔で呆然と憂火を見上げていた。
だが、憂火の苛立ちは収まらない。
自分の胸ポケットから小瓶を2つ取り出すと、上着を脱ぎ捨てた。
「裸になれ」
憂火の台詞にリュウトがビクリと体を揺らした。
憂火に羽織らされたYシャツの裾を握ったまま動けないでいるリュウトに、憂火は追い討ちを駆ける。
「睡蓮を助けてやった代わりに、お前にはしっかり役目を果たさせてやる。これでアイツが助かると思えば、嬉しいだろう?」
リュウトは涙目になりながら、一瞬、憂火を睨みつけ、すぐに俯くと、詰めていた呼吸を吐き出し、意を決したように服を脱ぎ出した。
Yシャツを脱ぎ、ズボンと下着を下ろすだけで、リュウトの体は一糸纏わぬ姿になる。
肩を震わせ、自分に背中を向けることでしか抵抗出来ないリュウトの姿に、徐々に憂火の頭の中が冷えてくる。
目を赤くした全裸のリュウトの背中を数秒見つめた後、憂火は頭を掻き、短く溜め息を吐いてから、腕を伸ばした。
「悪かった・・言い過ぎた」
目を真っ赤にして、今にも泣き出しそうになっているリュウトを、背中から抱き締める。
強ばる体を自分の胸に抱き締め、労るようにリュウトの首に唇を這わせた。
憂火の体温の高い唇がやさしく肌をなぞり、リュウトの目から涙が零れ落ちた。
その雫が憂火の腕にポタリと滴る。
憂火はリュウトの首筋から肩へと唇を這わせて行き、肉の薄い肩甲骨の骨の浮いた所を少し強く吸う。
と、リュウトの体がその感触に、ビクリと体を竦ませた。
小さく、淡く、血の色に滲む、キスの跡。
何度か同じ刺激を受け、リュウトは自分の首を恐る恐る手で触れる。
その指を憂火の唇が捉える。
指先を憂火の口中に咥えられ、驚いて手を引こうとしたら、手首を掴まれてねっとりと憂火の舌にしゃぶられた。
憂火から滲み出ていた苛立ちは消え、リュウトは、憂火が自分を乱暴に扱うつもりが無い様子に、少しだけ安堵した。
憂火って・・コワい・・。
怒らせると、やっぱ、コワい。
そうだよ、憂火だって・・神なんだから、当たり前だ。
人じゃないものに、常識なんて通用しない。
そう思うと、体が萎縮して硬くなった。
自分が、憂火にどんな風に扱われるかわからない恐怖が沸く。
『神送り』をする約束をしたが、憂火が前のように抱いてくれるとは限らない。
この優しいキスが、不意に、肌に喰い込む程強く噛まれるかも知れないと思うと、憂火のタッチの一つ一つに体が強ばった。
「恐がるな・・」
耳元に囁かれて、リュウトは目を見開いた。
思っていた事を読まれたのかと思って、内心ドキドキしていると、憂火が再び首筋に唇を這わせてくる。
黙ったまま、憂火は何度も何度もリュウトの体にキスを落とす。
ゆっくり押し当てられる唇は、甘くて優しいキスだ。
そのくすぐったくもある感触に、だんだんとリュウトの体の強ばりも和らいできた。
直に感じる憂火の高めの体温が、強張るリュウトの心を溶かしていく。
そうして、リュウトの肩からすっかり力が抜け落ちると、憂火はリュウトを自分の方へと振り向かせた。
さっきまでの恐怖に歪んだリュウトの顔とは別に、目元を赤くして戸惑うような顔のリュウトが憂火を見上げる。
クリクリとまるまったリュウトの毛先。
その前髪を、憂火の手が上に掻き上げ、リュウトの額へ幾度となく唇を押当てていく。
やさしく攻められて、反射的に目を閉じたリュウトの唇に、憂火はそっと唇を寄せた。
唇と唇の隙間を埋め、幾度か合わせた後、憂火は噛み付くように激しくリュウトの唇を割った。
「あっ」
リュウトは、その衝撃に反射的に憂火を押し返そうとしたが、背中に回された憂火の腕に強く抱かれ、憂火を押しのける事は不可能だった。
深く濃く唇を重ね、憂火はリュウトを攻め立てる。
力の入らない体を正面から憂火の腕に抱かれ、リュウトは全身からしっとりと汗を滲ませていた。
唇を重ね、きつく抱き締められたまま、憂火の手が忙しなくリュウトの体中を弄った。
うわ・・
なんか、すごい・・
憂火の掌・・熱いっ
立ってるのも覚束なくなってきたリュウトの体を、憂火はベッドへと誘い、リュウトの体を、ベッド横の壁に寄りかからせた。
両手を壁に押さえつけ、今度はリュウトの正面から首筋に唇を当てて、吸った。
「あ」
無意識にリュウトが声を上げる。
憂火はゆっくりと首筋から鎖骨、胸へと唇を這わせ、時々強く吸い上げたり、舐めたりを繰り返していった。
胸の突起を強く吸われ、リュウトの息が上がる。
憂火の手に拘束された腕を動かせない代わりに、足が無意識にビクビクと動いてしまう。
「や、やだっ・・それ、ヤだ・・!」
と、リュウトが非難の声を上げても、憂火の動きを止めるどころか、逆に憂火を煽ることになり、もっと激しく口と舌でぷっつりと硬くなった乳首を吸われてしまう。
既に。
リュウトの中心は真っ赤に勃ち上がり、その蜜口からは透明な蜜が滲み出ていた。
その自身の揺らめきにさえ、リュウトは声にならない快感を覚え、頭を振ってイヤイヤをするが、何にもならない。
ただ快感に身悶え、それを憂火の目に楽しませるだけだった。
両手首を掴まれ、大きく広げた足の間には、憂火が覆い被さるように陣取っている。
その憂火が、ねっとりとリュウトの首を、首の付け根から耳の下までを、下から舐め上げた。
「・・ア・・ッ」
リュウトは天井を仰ぎ、全身を戦慄かせる。
その次の瞬間。
リュウトの昂りが、身震いする程熱く濡れた感触に包まれる。
「アアア・・・ッ」
憂火の口内に飲み込まれたリュウトの中心が一気に膨張する。
憂火の唇や舌が動く度、自分では制御出来ない痙攣に襲われた。
「や、やだっうそ、憂火・・!憂火あっダメ、出ちゃう!出ちゃうよっ・・ゆうかぁ!!」
リュウトの悲鳴に、嗚咽が混じる。
更に、憂火がリュウトの屹立を深く咥え込む。
そのまま上下に動くと、リュウトは泣きながら啼いた。
「ア、アーーーーッ・・・ヒッ・・あぁ・・あぁ・・」
声にならない嗚咽を上げ、リュウトが体を戦慄かせて絶頂に達する。
直後、憂火の喉仏がゆっくりと、ゴクリ、ゴクリと動いた。
その最後の一滴も残さず舐めとった後、憂火は漸くリュウトのソコから唇を離した。
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