僕の体で神様を送ります。

ジャム

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反則

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 命は尊い。

生きているという事は、出会うという事。

些細なきっかけで人は出会い、言葉を交わし、相手を知る。

それは何万、何千と、視線も合わせず通り過ぎていく人間の中のたった数%。

人間の数は、億ほどいる。

出会わない方が簡単で、人同士が深く交わる事は殆ど無い。

けれど、生きていれば、出会える。

それは、自分の想像力など微塵も及ばない程、きっと、すばらしい出来事。

宝くじが当たるような確立で、人々は出会っているのだ。














暮は睡蓮の入った銀色の体組織修復カプセルの前で腕を組み、もう、3回もあくびをしていた。

「なあ、これ、いつ開く?」

暮は死神本部の医療チームのスタッフの一人に声を掛けた。

白衣にマスク姿の青年は、カプセルの前のファイルを目で読んだ後、小窓を開いてカプセルの中の様子を伺う。

「まだちゃんとくっついてないですね・・。そろそろいい頃の筈なんですが・・、溶液が薄かったのかな?」

と、首を捻った。

「あ~!?まだ終わんねえのかよ・・ったく!」

暮は自分の膝に頬杖をつき、その指でイライラと自分のこめかみを連打している。

「まあ、仕方ないと言えば仕方ないでしょう。これは死神用なんですから」

と、青年は、コンコンと手の甲でカプセルを叩き、「じゃあ」と、そこから離れて行く。

「なあ、ここのシャワー使っていいか?」

離れかけた青年の背中に声を掛ける、と、

「いいですけど、洗濯は自分でして下さいよ」

と、書類片手に、手を振る。

暮は「わーってるよ」と、頭をボリボリ掻いてから、ネクタイを緩め、上着を脱いだ。

昨日の神社の事件から24時間、本部と八柱町を行ったり来たりで、暮は休むどころか一睡もしていない。

憂火とリュウトが一晩中絡み合っている家の前で、暮は寝ずの番を、自ら買って出た。

リュウトの元に禍神が来たせいか、彼の守護者である睡蓮が居ないせいなのかはわからないが、『神送り』の匂いを嗅ぎ付けた、この世の成らざる者達が、集まって来たからだ。

「死神なめんじゃねえ・・」

暮は夜が空けるまで、リュウトに引き寄せられ、集まって来た魔の者達を片っ端から、叩き斬った。




暮が大欠伸をしながらカプセルの前から消えると、その中の睡蓮がゆっくりと目を開いた。

青い浸透液の中で、睡蓮の体が所々小さく分裂しては組み合わさり、また自分の体の中へ戻る。

原子細胞レベルで、細胞が立体的なパズルのように水中で何度も回転し、組み合わせられ、美しく整うと睡蓮の一部となり再生する。

それが何かのプログラムのように、延々とカプセルの中で繰り返される。

青い水の中で一層、睡蓮の水色の瞳がくっきりと浮かび上がっていた。








そして。
その頃の水橋家では。

暮の到着を待つ憂火は、再び素肌にスーツの袖を通し、身支度を整えていた。

「リュウト」

呼ばれたリュウトは、目だけで憂火を見ると、またすぐ目を閉じてしまう。

「おい、服を着ろ。そろそろアイツが帰ってくるんだろうが」

憂火はリュウトの寝ているベッドの端に座り、リュウトの頭をくしゃくしゃと撫でた。

タオルケットの中で丸くなるリュウトの手には、憂火のYシャツが握られている。

着替えようとする憂火に、『洗って返す』と、聞かないリュウトが、憂火から取り上げた物だ。

「おい・・拗ねてんのか?」

「拗ねてないっ」

即答するリュウトに、憂火は言葉が出ない。

そのままリュウトの頭を撫でていた憂火だが、不意にベッドから立ち上がると窓からベランダの外を覗いた。

その憂火の行動に、リュウトが慌てて起き上がり、憂火の背中に抱きついた。

憂火は天気を見ただけだったが、リュウトの行動に「まだ来てない」と苦笑した。

必死に自分を追いかけてきたリュウトを、半身振り返ると、その肩を抱き寄せ、憂火は身を屈めてキスをする。

さっきまで、自分の呼び掛けに意固地になって、こっちを振り向かなかった可愛い少年が、憂火のキスを素直に受け入れ、舌を絡ませてくる。


まったく・・


心の中で嘆息すると、リュウトが唇を離し、憂火の首筋に顔を埋めた。

そして、憂火の首筋に唇を這わせ、少しずつ、少しずつ抱き合う体の位置を下げていく。
その手を、憂火が強く掴んで、引き止めた。

「お前・・ヤルなって言ったろうが」

「なんで!なんで、オレがやっちゃダメなんだよっ」

リュウトは怒りながらも、憂火のズボンの上からソコを自分の頬で擦った。

その仕草に憂火の中心は一気に膨れ上がる。

「リュウト・・いい加減にしろ・・」

憂火は眉間に皺を刻み、リュウトの両腕を掴むと、リュウトを立ち上がらせようとした。

が、リュウトは憂火のソコを服の上から頬や唇でグリグリと刺激してくる。

「リュウト・・!あのな・・」



シャレになんねえんだよ・・っ

いい歳したオッサンが、お前に、フェラなんかされて、あっという間に逝ったら、シャレになんねえだろうが・・っ



そう思っても、リュウトを力づくで突き飛ばす事も出来ず、ズルズルとリュウトの愛撫に任せて、憂火のソコが硬く勃ち上がってしまう。

「オレも・・したい。憂火を、気持ち良くさせたい・・」

熱に浮かされたようなリュウトの顔。

覚えたての快感に首の下まで浸かり、吐息に濡れた唇で「憂火」の名前を口にする。

熱の篭った声音で名前を呼ばれ、憂火は自分が滾る事を止められない。


一晩中、抱いた。


気持ち良さに、射精を繰り返し、何度も何度もリュウトの腹の奥に熱い胤を放った。

イッテもイッテも、止まらない。

この体は、抱いても、抱いても、自分を放さず、飽きさせない。

お互いの精で汚れた身体を上から見下ろし、憂火は汗だくになりながらリュウトの体を穿った。

吸付く様に、自分の性器に密着したリュウトの肉襞が、憂火を喰い絞る。

追い上げ、追い立てられながら、憂火はリュウトの内奥を激しく抉った。

リュウトは、悲鳴のような嬌声を上げて、憂火の突き上げに吐精する。

痙攣し、断続的にリュウトの先端から射出されるミルクに、視覚から欲情させられた。


キモチイイ・・ッ

頭の中が腐る程、キモチがイイ・・ッ


憂火から与えられるもの全てを無抵抗に受け入れてしまうリュウトに、憂火はどこまでも貪欲になった。

たった一晩で、二人は体の隅々まで、何年も抱き合ってきた恋人同士のように、深い快感を分かち合った。




夢中になった。
それが、どういう意味かもわからず。








スーツの上から唇を寄せるリュウトの姿に、憂火の足から力が抜けてしまう。

「オマエ、反則だろ・・」

額を押える憂火に、リュウトはそれが降参の合図だと解釈した。

力が抜けたように、ズルズルと壁に寄りかかったまましゃがみ込む憂火のベルトに手を掛ける。

前をはだけさせ、起ち上がりつつある憂火の中心を下着の中から取り出すと、素早く、その先端に唇を寄せた。


「リュウトっ」

この24時間、憂火とリュウトは、少しの食事と睡眠を取る以外は『神送り』をし続けていた。

既に、暮が用意して来た小瓶10個も空。

勿論、憂火が持っていた2瓶も同様。

リュウトの体は憂火の予想通り、『神送り』一回につき2体まで送ることが可能だった。

睡蓮を助ける代わり、という交換条件には十分過ぎる仕事量だ。

憂火としては、どうせ24時間リュウトの傍にいて見守るなら、ただ見守るのでは無く『神送り』をした方が時間を有効に使えると思った。

そのために憂火は昨夜、暮に強制送還用の在庫を持ってくるように指示した。


睡蓮を助けるために自分を差し出したリュウトだったが、必要以上に自分が憂火に求められている事にも気づかず、求められれば、それに素直に応えた。

抗い難い、優しい手。

その手が自分を求め、強く弱く腰を抱く。

焼き尽くされそうな愛撫を全身に施され、手にも足にも力が入らなくなる。

ぐちゃぐちゃに蕩けた場所で深く繋がり、リュウトは、その熱芯をより体の奥へと求めた。

発情した雄の双眸、それに見つめられ、体の奥がズクリと戦慄き、あの瞬間を彷彿とする。



もっと・・欲しい・・



もう何度も放たれた、憂火の熱い飛沫。

ドロリと腹の奥を妬く他人の体温に、リュウトは高揚した。



ああ、出てる・・

憂火が、自分の中に、出している・・



それだけで、身体中が燃えるように熱くなった。



憂火に組み敷かれるまま、ほぼ丸一日をベッドの中で過ごしたリュウトは、夕方になって、急にそっけなく身体から離れた憂火に唖然とした。

仕事は終った。そう告げるように、さっさと服に袖を通すとリュウトの身体には一切、触れて来ない。

こんなに甘く、蕩けるような時間を共有した人間が、いきなり『時間だ』と離れていく意味が、リュウトにはわからない。

『神送り』、それが二人に、性交を強制した。

これしか方法がない、そういう理由をつけて、憂火に抱かれた。

だけど、身体を重ねるというのは、そんな単純な事じゃない。


出来ない事は、出来ない。

嫌だったら、絶対、出来ない。


憂火に抱かれて、そう気づいてしまった。



キライだったら・・絶対、無理・・。



なのに、ーーー睡蓮が帰って来る時間が近づいた途端、あっさりと憂火はリュウトの体を放した。

さも、用済みーーーと、言うように。



そんな憂火の態度に、頭の中が沸騰した。


あんなに抱いたくせに、自分の中で、堪らないって顔をして達していたくせに。


今は、一人、涼しい顔で、窓際に立っている。


オレを、好きなくせに・・!



リュウトは、それを暴くために、自分を抱きたくなるように、憂火の昂りに舌を這わせる。

快感に無意識に揺れる腰をどうすることも出来ず、憂火は無意識にリュウトの頭を掴んだ。

「・・んっ」

後頭部を押えられたリュウトの喉から苦しそうな呻き声が上がり、憂火は焦って手を放した。

「リュウト・・もう、いいだろ。もう、こんな事しなくて、いいんだ」

と、リュウトの肩をやんわりと押し返した。

リュウトは肩を押され、息苦しさから憂火から一度顔を離したが、今度は自ら憂火の上に股がると、自分の中へと這入るように憂火の昂りを自身の緋部に押し当てた。

「リュウトっ」

思わず、リュウトの腰を掴んで止めた憂火に、リュウトは真っ赤な顔で涙目になる。

「なんで・・嫌がるの?ここ、こんなんさせて・・オレが欲しいんじゃないの?」

「あのな・・それとこれとは・・話が」

「こうなるのに、違う話ってあるの・・?」

目の前の渋面を睨みつけ、リュウトは憂火を自分の中へと飲み込ませた。

「リュウト・・!」

ズルズルと腰を落とし、根元までしっかりと繋がる。

何度も中で出されているから、憂火が大きくても恐ろしく滑りがいい。

いい場所に簡単に当たって、リュウトはシビレるように息を喘がせた。

睡蓮が帰って来る。それは、オレが『神送り』をする事に他ならない。

憂火以外の誰か。

それが人なのか、動物なのか、なんなのかわからない。

そいつらに、否応なく挿入されて、オレはイカされなきゃならない。

「憂火はさ・・嫌になんないの・・?オレが、他の奴に抱かれるかもって・・嫌じゃないの?」

オレの事、少しでも好きなら、そう思ってよ。

言えない言葉を喉の奥に飲み込んで、リュウトは憂火の上で切な気に腰を揺らした。
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