23 / 27
そして、消えたもの
しおりを挟む「リュウト!」
「この子は、数千年前、私への貢ぎ物に見せかけた術者だった。あの時代、人の王は私を恐れ、神殺しを計画した。それに抜擢されたのがリュウトだ。リュウトは、その身に何重もの術を掛けられ、龍神である私の身体を、鱗の一枚一枚まで粉砕する役目を背負わされた憐れな神官だった」
睡蓮はリュウトの頬に手を添えて、唇を合わせた。その口付けを憂火の前で深くする。
ボンヤリとした瞳のリュウトが、睡蓮の首へ両腕を伸ばし、ギュッと抱きついた。
憂火は奥歯を噛み締め、ナイフを握る手に力を入れる。
睡蓮は、さも愛おしそうにその背を抱き、自分の物語を語り出した。
「これは・・」
昔、『龍神』と私が呼ばれ、畏れ崇められていた頃の話だ。
霧の深い朝。
湖畔に、朝日に煌めく朝露を眺めるため、私は時々、人の形を借りた。
その日も、私は暇つぶしのつもりで、気紛れに人の前へ立った。
そんな風に出会った人間の一人が、リュウトだ。
美しい青年で、一目で気に入った。
彼を神殿へ攫い、身の回りの世話をさせるために、私に仕えさせた。
こんなに気に入った子は他にいなかった。
そのうち食ってしまおうと思っていたが、それも惜しくなる程可愛かった。
本来、私は人を近づけさせたりしないのだが、寝所にも侍らせたし、沐浴の手伝いもさせた。
リュウトはとても従順で、そのくせ怯えがない。
私を見る目は真っすぐで、どこか後ろめたさを隠しつつも、その瞳には何も迷いがない。
それが気に入った。
だが、根本的な問題があった。
人と龍神では、力が違い過ぎる。見た目だけ人間に似せても、私の力は抑えられるものではない。
軽く噛み付いただけで、人間は簡単に死ぬ。
私はリュウトを傷付けぬよう、大事に、出来る限りリュウトに触れないように接した。
その頃の日本は、神の存在が絶大だった。
凄まじい嵐や洪水、日照り、人間を困らせる自然の脅威は、全て神の仕業とされた。
だが、そのうちに、人が権力を持ち、王となる者が現れると、その王は神と対等の存在になろうとした。
そうして、『神殺し』が始まった。
自分を餌に、『神殺し』を行うためだろう、リュウトは何度も私を誘惑した。
それがリュウトに課せられた使命だった。
そして、ついにその時は訪れる。
それまで私は、何度もリュウトに手を伸ばし掛け、思い止まり、を繰り返してきた。
私はリュウトをただ見ているだけで、傍に置いておくだけで幸せだった。
だが、そう思っていても、絶えず沸き起こる欲望は抑えられない。
些細なきっかけで、破綻するような甘い戒めだ。
壊してはいけないと思いながら、壊してしまいたい欲求に駆られる。
自身、心底呆れるような矛盾した情欲。
触れれば壊してしまうとわかっている。
なのに、触れたくて堪らない。
傍に置けば、気が済むと思っていたのに、近くに居ればいる程、抱きたくなった。
そんなある日だ。
「どうした?」
指に小さな切り傷を作ったリュウトが「何でもありません」と、それを手の中に隠す。
「血の匂いがするぞ」
手を見せてみろと、手を差し出すと、リュウトは怯えたように目を伏せ、手を自分の胸に抱えて首を横に振った。
「私の血などに触れて、御身が穢れるなどいけません。どうか、お許しを」
滑らかな大理石の床に、額を押し当てるように膝をついたリュウトの前へ進み、その顎を指先に取る。
長い爪で傷つけないよう、ゆっくりと顔を上げさせる。
「目を開け」
何度言っても、リュウトは間近で私の顔を見る事を不敬だと思い、視線を合わせようとはしない。
震える瞼が少しずつ上がる。
濡れた瞳が、そこに現れ、私は衝動に流された。
薄く開いたリュウトの唇を奪う。
「・・龍神様!」
「黙れ」
一度でも破られた禁忌は、もう何度、犯そうが手遅れだ。
私は、リュウトに触れた。
壊れないように、壊さないように、大切に、扱った。
それでも、リュウトは何度か抵抗を見せ、その都度、私に宥められるとギリギリの所まで許した。
だが、私は自分を抑えるつもりなどない。
最後の一線を超えさせないリュウトが泣きながら、力一杯、私を押し返す。
だが、どんな抵抗も私には無に等しい。
そして。
甘い口付けを何度も交わし、泣き縋るリュウトを宥め、やっと体を重ねた。
リュウトは何度も「ダメ」「いけない」と、泣き叫び、私を拒もうとしたが、私は決して許さなかった。
だが、しっかりと体を繋げた刹那、リュウトの体が激しく発光し、次の瞬間には、私の体は粉々に吹き飛んでいた。
睡蓮はそこまで話すと、胸まで水の中に浸かったリュウトと抱き合いながら、憂火の顔を見上げた。
憂火は水際で仁王立ちし、今にも水の中へと入ろうとしている。
その憂火を、睡蓮は片手を上げて制した。
「あの時のリュウトの顔は忘れられない」
『やめて下さい・・っ龍神さま・・!私は、私の体は…!!』
リュウトが最後に上げた叫びは、私を守るためではなかったか・・?
一緒に暮らした最後の数日は、あれ程自分を誘惑していたとは思えない程に、その身を私から遠ざけた。
だが、リュウトの目には憂いや悲しみの他に、慈しみや愛の色も広がっていた。
その時は、私がリュウトを愛する気持ちが少なからず伝わったのだろうと思っていた。
きっと愛し合っていた。
だが、憂いは消えない。
私を殺す事を目的として送り込まれてきたリュウトは、酷く苦しんだのだろう。
私を愛してしまったが為に、触れる事を許さなかった。
リュウトに触れれば、私がどうなるか、分かりきっていたからだ。
睡蓮は、憂火の方へと水の中をゆっくり近づく。
「私は小さな鱗の破片から蘇り、自分の分身を掻き集めた・・・それが『神送り』だ」
「分身・・!?」
「そう。帰巣本能とでも言うのか・・・私の欠片から生まれた神達が私の元へ帰りたいと願うようになったのだ。それ自体は好都合だったが・・。偶に全く関係の無い奴もいた。『神の国』に憧れでもしたのか・・まあどうでもいい。私は私に還るために自分の体を取り戻したかっただけだ」
苦笑しながら、睡蓮はリュウトにまた口付けた。
「かわいいリュウト・・もう少しで、私は元の姿になる事が出来る。だが・・・私は気づいてしまった。元の自分に戻れば、・・・私はリュウトを壊してしまう」
愛おしそうに睡蓮が自分の腕に抱きしめていたリュウトの姿が、その腕の中で水風船のようにパンッと弾け、水面へと飛び散った。
「リュウト!!」
咄嗟にリュウトに向けて憂火が伸ばした手を、睡蓮が口元を引き上げて掴んだ。
そして、水の中へと一気に引き込む。
「憂火さん!!」
やっと目が覚めた暮が、二人の姿が水の中に沈むのを見て、慌てて水際へ走る。
「憂火さん!!」
暮が泥だらけになりながら葦を掻き分け、水際へ近づいたが、湖面は不気味な程静かに、夕闇を映して煌めいているだけだった。
水中に潜った睡蓮が、水面に背を向け、真っすぐに伸ばした腕で憂火の首を締める。
水色の瞳を大きく見開いた睡蓮の指が、憂火の肌に食い込んでくる。
「どうする。このまま頭を千切り取ってやろうか?」
真上から憂火の首を締め、睡蓮が口元を引き上げる。
水面に注がれた憂火の目には、歪んだオレンジの光りが、そこに幾つも輪になり広がっていくように見えた。
すごい力で握られた自分の首が、まだ体と繋がっているのか不安になる。
手を動かそうとして、手にはまだナイフが握られている事を知る。
それを、握り直した。
冗談じゃねえ・・このままリュウトをこいつに喰わせる気か・・?
動け・・!動かせ!!
憂火は思い切り腕を下から振り上げた。
水の中でも手応えを感じ、自分の首を掴んでいた睡蓮の左腕から力が抜けていくのを感じた。
いや、睡蓮の体からも、その腕は力を失っていた。
切断された左腕が、水中に浮遊し、憂火の首を掴んでいた形のまま、ゆっくりと湖底へ向かって沈んでいく。
片腕になった睡蓮は、それには目もくれず、残った右腕で再び憂火の首を掴んだ。
その右腕に、憂火はナイフを突き刺す。
無表情で睡蓮は、ナイフに斬られるそのままに、憂火の首を締め続けた。
力が弛まない腕に、憂火は根元までナイフを喰い込ませた。
次第に、睡蓮の腕から力が抜けていく。
憂火は力の弱くなったその腕を振り払い、ナイフを握り直すと、両腕で構え、睡蓮の胸へと突き立てた。
睡蓮の胸から青い血がブクブクと沸き上がる。
目を見開いた睡蓮が意志の無い目で自分の顔を見つめる。
ゆっくり、波に漂うように、睡蓮の体が憂火の前から力無く沈んでいった。
その姿を憂火はぼんやりと眺めていた、が、ナイフを放すと、湖面へと向けて手足を動かした。
「憂火さん!!」
水面に顔を出した憂火に向かって、暮が水の中へと走り出す。
息も絶え絶えに湖岸へと這い上がる憂火の肩を、泥の中に膝をついた暮が必死に引き上げた。
「睡蓮は!?」
睡蓮に首を締められたせいで、声を出せない憂火が湖の底を指差した。
たっぷりと水を吸ったスーツが、二人の体を、二倍にも三倍にも重くする。
「とりあえず、ここを出ましょう」
暮がドスを鞘から抜き、湖面へと垂直に突き刺した。
その瞬間、湖面が凍るようにひび割れていき、元の景色へと変わっていく。
結界が解ける。
ーー刹那。
水中から片腕の睡蓮が飛び出し、憂火の上へ襲いかかった。
「睡蓮!!」
暮は憂火の体に取り付いた睡蓮の体を、無茶苦茶に後ろから引っ掴み、力任せに引き剥がす。
「放せ!!このクソヤロー!!」
「リュウトの傍に死神なんていらない。憂火、お前は私と一緒に消えろ」
ぐったりと動かない憂火の首を、睡蓮が締める。
その睡蓮の体の中心から、突然青いひびが四肢へ向かって全身に入った。
体の真ん中から青い水が噴水のように噴き出す。
睡蓮が、ゆっくりと自分の背中を振り返る。
見れば、暮のドスがその背中へと深々と突き立てられていた。
「てめえ一人で、逝きやがれ・・!!」
もう一度、暮がドスを引き抜き、高く振り上げる。
斬りつけられた睡蓮の体が、刹那、真っ青な水の塊に変わり、水風船が割れたみたいに激しく水飛沫を上げた。
その水の勢いに、暮は両手をクロスさせて飛沫を防いだが、背後の泥の中へと体を吹き飛ばされた。
おびただしい爆発から、やっと目を開ける。
濡れた顔の水滴をボロボロになった袖で拭った。
暮の目の前には、睡蓮の姿は跡形も無く、青い水で水浸しになった憂火の姿だけがあった。
半開きで、ガラス玉のような憂火の目に、暮は声を張り上げた。
「憂火さん・・!!死ぬな・・!死ぬなよ!!こんなに頑張ったのに・・あんたが死んでどうすんだよ!!」
憂火を肩に担いだ暮が立ち上がると、そこにあった湖は掻き消え、昔、湖底だったという場所に、ポツリポツリと町の灯りが灯る。
それは、今にも消え入りそうな憂火の灯火を励ますように、夕闇の中、次々と増えていった。
リュウトは。
ーーー長い、長い夢を、見ていた。
睡蓮と、憂火との出会いや、『神送り』。
猫を抱く睡蓮や、手を繋いで一緒に登校したこと。
それから、夏祭り。憂火と睡蓮が禍神から護ってくれた時のこと。
テッタと一緒に話した憂火の話。
そして、最後に、睡蓮が自分に向かって笑っている姿。
事故から今までにあった全てを夢に見て、パッとリュウトは目を開いた。
「憂火・・睡蓮・・」
そこはいつもの自分のベッドの中で、まだ辺りは暗く、夜明け前だった。
暗い部屋の中に、いつも傍にいる睡蓮の姿が無い。
「睡蓮・・?」
リュウトは自分の傍らを手で探った。
いつも睡蓮は自分をやさしく見守り、少し冷たい体温で抱き締めたくれた。
その睡蓮の体温さえ、シーツからは感じ取れない。
なぜだか、全てがウソのように消えてしまったような、言いようも無い寂しさと悲しみに駆られて、リュウトの目から涙が零れ落ちる。
それが。
現実になった。
リュウトの傍から睡蓮が消えたのと同時に憂火も暮も、他の神達も消えた。
あれから3週間が経ち、リュウトには、不思議な者達が見えなくなってしまった。
リュウトの生活は、あの事故の前と同じ様に、時々慌ただしく、時々平穏で、それは普通の17才の男子校生が送る毎日と、何ら変わらない日常へと戻っていた。
夢だったのだろうか?
突然に消えてしまった神々達。
もう二度と会えない気がして、フと二人が後ろに立っていないかと、時々リュウトは後ろを振り返ってしまう。
「また見てる」
テッタに言われて、リュウトは「だって、オレに見えないだけで、こっちを見てるかも知んないじゃん?」と笑う。
「未練タラタラ」
「いいの。どうせ、オレの夢なんだから」
テッタにはリュウトは全てを話した。
だけど、もう証明のしようが無い。
全ては自分が見た夢だったんだと。
事故の後、自分が気を失っている間に見た壮大な夢だったんだと、テッタに話した。
テッタは、それでもいいと、「好きだったんだろ?」と、リュウトが話してくれた話を信じてくれた。
その言葉にリュウトは救われた気がして、はにかんだ。
「好きだった。二人共、好きだったよ」
「二人?」
聞き返す低く嗄れた声に、リュウトは顔を上げる。
自分の3メートル程前に、ブラックスーツに身を包んだ2人組がいつの間にか立っていた。
「ツレねえな。やっとで現場復帰したってのによ」
「ゆうか・・?憂火!?」
手を伸ばして近づくと、その手を握り返されて引き寄せられた。
もう二度と会えないと思っていた憂火の胸に抱かれて、リュウトは喉の奥を引き攣らせた。
憂火が目尻に皺を寄せて笑って、リュウトの髪を後ろへと何度も何度も掻き上げる。
「・・っなんでっ・・なんで!?オレ、もう、何にも見えなくなっちゃったのに!?なんで、オレ・・憂火に触れんの!?」
憂火は泣きじゃくるリュウトの頭を撫でていた手を止め、あー、と自分の頭を掻いた。
「言ってなかったな。オレ達は、姿を『消せる』だけなんだ」
そう言って、憂火はリュウトの顔に唇を寄せる。
憂火の高い体温を唇に感じ、唇の隙間を割り裂いてくる熱い舌に、一度うっとりしそうになったリュウトは、我に返った。
「え、ちょ、待って!え!?消せるって?・・じゃ、いつもは、見えてて・・?えええ!?だから・・テッタにも・・見えて・・?」
と、テッタを振り向くと、テッタが顔面を両手で押さえながら指の間から、こっちを覗いていた。
「見ないようにはしてるみたいだな」
憂火の台詞に、リュウトは憂火の腕の中で、慌てた。
が、憂火は笑ってリュウトを強く抱き締め、またキスをした。
日本には、色々な物に神が宿ると言い伝えられている。
その数は、およそ八百万。
しかし、その実、その神々をその目にした者は少ない。
それはなぜか?
それは、神が『誰か』の形をしてこの世界にいるからだろう。
八柱町には、未だ神は存在しない。
八本の柱が町の外苑にあり、誰かが結界を張り続けているという。
それが、誰が何のために作った結界か。
それを知る者は、憂火ただ一人。
その死神がこの町にいる時に限って、スコールの様な雨が、時折降り注ぐ。
その雨を、少し開けた窓から覗き、リュウトは笑う。
「睡蓮が怒ってるみたいだ」
「・・嫉妬だろ」
そう言って、憂火はリュウトを抱き寄せると、部屋の窓を閉めた。
八柱町には、今日も、大粒の雨が降り注いでいる。
end
ここまで読んで下さった皆さま、お付き合い、本当にありがとうございました!
もう少し、睡蓮とリュウトが仲良しの話を書いておけば良かったな~、という後悔もありますが、ひとまず終りです。
今回、以前サイトにアップしていた『Splash!』を改稿し、少しだけ内容を変更してみました。
前作では、リュウトが初めの『神送り』の時、バッチリ犯されちゃってるのと、睡蓮に襲われた時、ヤられちゃってるのを、改稿版ではギリギリセーフに直しました。
もし、そっちも読んでみたい方はムーンライトの方でも読めます。
暇つぶしに、雰囲気の違いを楽しんで頂けたら面白いかも・・?(結構痛々しいですが)
『Splash!』
http://novel18.syosetu.com/n7692cg/
後日、番外編をアップする予定でいます。
お楽しみ頂けると嬉しいですv
では、また!
0
あなたにおすすめの小説
入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?
monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。
そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。
主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。
※今回の表紙はAI生成です
※小説家になろうにも公開してます
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる