センパイ番外編 

ジャム

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アキタ x イズミサワ

帰さない②

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何をどうして、どうやって、ケイタを求めたのか。
うつ伏せに腰を上げさせたケイタの体。
ガクガクと震えるケイタの腰を両手に掴み。
その中へとギッチギチに張り詰めた怒張を根元まで突っ込んだところで、オレは我に返った。


あれ・・オレ、もう突っ込んでる・・キスは?キスしたか?
どうやって・・濡らしたっけ?
服・・脱いでねえし・・
ケイタ?
あー・・イッチャッテル・・
やべ・・ヤバスギル・・
頭の中が・・
イカレル。


「ケイタ・・」
腰を密着させ、深く突き刺した欲棒でケイタの中をゆっくりと掻き回す。

「ンッ・・!ンン・・!!」
「ケイタ・・」

くぐもった声を聞きながら、オレはゆっくりと自分を引き抜いていき、抜け切らない内に再び、ケイタの中へと赤黒い怒張を収めた。

これ以上は無いってくらい充血した勃起は、ケイタの肉襞の中、その一枚一枚を捲り上げるように行き来する。

「フーーッフーーーッ」
ケイタの荒い息遣いに、顎を取ると、ケイタは泣きながら自分の捲り上げたシャツの裾を噛んでいた。

それを噛ませたのが自分なのか、ケイタ自身なのかわからない。

だけど、その戒めを見たら、余計にキた。

興奮で、ケイタの中の自分がもっと膨れ上がる。


「ンンンッフーッフーッ」


濡れた緋肉の中で太くなった勃起を動かす。

始めは小刻みに、少しずつ大きくして、最後は密着したまま奥を突くと、ケイタの中がビクビクと痙攣し、それが全身へと広がった。


また、イッタな・・


そう思いながら、突き上げ続ける。

ケイタの精液が床の上に噴き出し、ねっとりとした粘液がケイタの蜜口から糸を引いて垂れ落ちていく。

熱い粘膜の中、自分の勃起を擦りつけ、じわりじわりと管の中を競り上がるものがある。


チクショ・・止まりたくねえ・・っ


破裂寸前の肉棒で抽挿を繰り返し、ケイタを穿ち続けると、ほんの数分前に達したばかりだった筈のケイタが再び腰をガクガクと痙攣させた。

3回連続で放出したケイタの性器は既に萎え掛かっている。

なのに勃起の先、その蜜口からは、タラタラと濃厚なミルクが零れ落ちていた。


「出っ放しかよ・・」


背筋が戦慄き、腹の下がキュッと絞られ、目が眩むような快感に舌打ちする。


「チッ、・・ッケイタ、ケイタッ!」
「ンーーーーッンーーッッ・・!」


体の一部分だけを密着させて、オレとケイタは濃い雄の匂いをぶちまけた。

ぐったりするケイタの体を後ろから、自分の膝の上に座らせるように抱き起こし、ケイタの足を片方ずつ掴んで、足の付け根までしか引き下げていなかった短パンを脱がしてやる。

それだけでも、繋がったまま動いてるから、時々ケイタが背筋をブルリと震わせる。


「アキタ・・アキタ・・どうしよ・・また、また・・クるッ・・」

咥えていたシャツの裾を吐き出させ、両手を万歳させてケイタを裸にする。

ケイタの体中に手を這わせ、ケイタの全てを暴いてく。

全部、オレのもんだ・・オレだけを受け入れて、呑み込んで、イカせる、最高の体。

骨張った頸椎を唇で甘く噛み、舌で生え際までねっとりと舐め上げる。

髪の中に顔を押しつけ、ケイタの匂いを深く吸い、髪で隠れる場所に印をつけた。

チリッと灼けるような痛みに、ケイタは首を竦め、体の中でオレを締め付ける。


「っつ・・ケイタ、締まり良過ぎ・・3週間ぶりのご馳走なんだから、もっと味わわせて」


ケイタの膝の裏を取って持ち上げる。

「オレだって、同じだよ・・っ」

上下に揺さぶられながら、ケイタがオレの腕を強く掴んだ。


「ダメ・・っもう、カラダが狂っちゃってる、よ・・何されても、イッチャウッ!デチャウよおッ」


泣きながらケイタの半勃ちのものからビュッと蜜が飛び出した。


「ア・・ア・・ア・・っナニ、コレ・・?出てる・・出てるよ・・アキタあ・・っ」


やや下を向いているケイタの性器が、ドク、ドクと脈打つのと同時に、白い粘液を吐き出し続けている。

その光景に目が釘付けにならない訳がない。

ドロリと吐き出される白い粘液が、股の間の床の上に広がっていく。


「すっげ、先輩やらし・・」
「アキタあ・・っ」


涙を流し、オレを仰ぎ見るケイタの唇に唇を合わせる。

噛み合わせた唇の中で、唾液を吸い、舌に舌を絡ませ、胸に這わせていた手でケイタの胸の突起を摘む。


「ンッふ・・あ、ん・・んっ・・!!」

快感に身を捩ったせいで、腹の奥に呑み込んだ勃起に刺激され、再びケイタは絶頂へ駆け上ろうとしていた。

いや、既に、上り切っているのか。

これ以上は逃げ場の無い位置で、オレを受け入れ、どうしようもなく身悶えている。


「先輩・・オレも、すげえ・・気持ちいいよ・・?でも、三週間分って・・まだまだ、だよな?」


グッと腰を突き入れると、ケイタの蜜口がクパッと開き、白濁が飛び散った。


「あふ・・っああっ・・!アキタ・・っ」
「何も出なくなるまで、イこっか?」


両手にケイタの膝を抱え、ゆったりと腰を揺らし、時々奥を穿つ。

穿たれたと同時に、ケイタの萎えた性器から白い精液が押し出されるように溢れ、ケイタの太腿を濡らし、床へ滴った。


「すげえ・・カワイイ・・ケイタ・・イッテ・・?もっとイッテ?いっぱい出しちゃお?ね?」

ケイタの首筋にキスしながら、オレは買って貰ったばかりのぬいぐるみを抱く少女のように、ケイタを抱き続ける。

オレはケイタの中で勃起と射精を繰り返し、ケイタが意識朦朧とする中でも、その繋がりを解くことはしなかった。






いつの間に目を閉じていたのか。

目を開けると、体が酷くだるい。

腰の辺りの重さは比べようも無い。

「あー・・部活」

目を擦り、両手で顔をゴシゴシ摩る。


三週間分を取り戻せる筈も無く、オレは昼過ぎに目を覚ましていた。

「ケイタ、起きろ・・」

自分の横で丸くなって目を閉じていたケイタの瞼がピクリと上がり、そこに静かな黒い瞳が現れる。

「行かなきゃ、オレ」

その台詞に、ケイタの目がどんどん開いてくる。

「ど、こに?」

泣き過ぎて掠れた声がケイタの喉の奥から零れた。

「部活」

言うと、ケイタがオレの腰に抱きついてくる。

「まだ、足りない」
「うん・・でも、行かなきゃなんだ」
「なんで・・?帰るの?」
「オレ、サッカーの推薦貰えるかもで・・だから、サボらないで頑張ってんだよ」
「・・・うそ」
「うそじゃない」

ケイタの髪を撫で回して答えた。

「ヤダよ・・オレ、もっとアキタとシたい・・。ホントに、すごい我慢してたんだよ・・?オレ、毎日、アキタに会いたいの我慢して・・だから」

だから、もっと。
その言葉が胸に突き刺さる。

「先輩。オレ、あんたと同じ世界に行くって決めたんだよ。オレ、いきなし線引かれて、あんたはこっから入れませんってやられたく無いから。だから、すっげえ辛いけど、推薦取れるように頑張るから」
「ヤダ・・。まだ三週間分じゃない・・。帰るな・・」
「ケイタ・・」

縋り付いてくるケイタは、超絶に可愛いけど、この誘惑にオレは舌打ちした。

「ダメ。オレにも夢があんだよ。アンタと一緒の世界にいく夢が」
「オレ、別にサッカー選手なんか・・。オレは・・オレの夢は『ラスタ』でフットサルの選手になることだもん」
「・・は!?」

『ラスタ』はオレの名義で作った兄貴の店だ。眠れないガキ共が夜な夜な集まり、発狂し踊り狂うイカれたクラヴ。

「だって、アキタは・・秋田組の若頭になるんでしょ?だったらオレはアキタの店で雇って貰って、アキタのために働きたい・・」

上目遣いにこう言われて、オレの思考回路が一瞬凍り付いた。

フリーズ。とは良く言ったもんだ。


「誰がヤクザになるって言った!?オレはヤクザになんかならねえよ・・!っつーか秋田組なんて存在しねえっつーの!どっからの出た情報で、そんな妄想を膨らませてくんだよ・・?だいたい、『ラスタ』にコートねえだろ」
「いつか作りたいって聞いた」

「夢だよ夢。シオさんのテキトーな夢!んなもん、相手すんな」


そう切り捨てると、ケイタが口を『え』の形に開いたまま固まってしまう。

それから、見開いた目からボロッと大粒の涙を零す。


「ワッなんつー泣き方すんだ」
「だって、じゃあ、帰んのかよ~~っもう、サッカーなんかどうでもいいよ~~っオレ、アキタと居たい~~~っ」
うわ~~~~んっ

ケイタが本気で泣き出して、オレは「マジかよ」と、その顔を見つめた。


卑怯な泣き方しやがって・・!
どうやって、こんなんで帰れるんだよ・・っ
これをこのまま置いて帰れるのか・・?
だからって、オレがここに残る訳には、いかないんだ・・っ


「ケイタ」


えぐえぐと、泣き腫らし真っ赤になった目を開け、ケイタがオレを見つめてくる。

「悪かった。三週間も・・我慢させて。もっと会いに来るから。会いたい時に会いに来るから。だから、一緒にサッカー選手になろ?」

そう自分で言いながら、おいおい小学生の約束かよ?と、噴き出しそうになった。

そこで、またケイタが滂沱の涙を零すから、オレは慌ててケイタの頭を胸に抱き締める。

「な?いい子だから。オレも頑張るから、ケイタも頑張れ。な?」

何度も何度も髪を梳いて、言い聞かせ、最後は顎を取って、ケイタの口にキスをした。

目も唇も妖しく濡れたケイタが、オレをぼんやりと見上げ、「じゃあ」と口を開く。

「明日も来てくれる?」

オレは、目を泳がせ、数秒考えた後。
「・・わかった」と静かに答えた。


その瞬間、ケイタの顔がパアッと明るくなる。

それから、勢い良くオレの上に伸び上がると、オレの唇にキスをした。

「好き、好き、アキタ、すごい好き。大好き」
「え、ちょ、ケイタ・・!」

ケイタはそう言葉で言うだけじゃなく、やや硬くなっていたオレの勃起を掴むと、自分の体の中へ挿入まで果たす。

「すごい、スキ・・スキ・・っ・・アキタ・・っ」
「ケイタ~~ッ」

もう出すものも無いのに、無理に跨がられ、動かれて、さすがのオレもケイタに負けた。


がんばらにゃ。
恋人がいるってこういう事。
恋人のために頑張る。
恋人なんだから、愛し合う。
自分も辛いから、お前も頑張れなんて、我慢させるなんて、オレ、酷い奴だ?
こんなにオレのこと、求めてんのに・・放っといて、どんだけこの人寂しかったんだろうな・・。


自分の我が侭に、ケイタを付き合わせるなんて、オレはなんて身勝手だったんだろう。
「ごめんな・・ケイタ。今まで我慢させて・・」
この時の、ケイタの蕩けるような笑顔を見せられたら、オレの都合に合わせろなんて、二度と口に出す事なんか出来なかった。



そんな訳で。
オレは兄貴に土下座して、小遣いのアップを頼み込み、週に3回以上、ケイタとセックスをする約束をした。



後日談。
結局あの日、大学のグラウンドで発覚した、オレとケイタの関係は・・。
発見者、大河により、サッカー部で、この話題は禁句(タブー)と決定。
しかしその実、『男子高生を襲う野獣』と、ケイタは男子部員達に恐れられるようになったそうな。

野獣とまではいかないが、・・・まあ、半分合ってるよな。

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