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第一話
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――ひたすらに降り続く大雨の中、崖から落ちた馬車が一台。
馬車に乗っていたのは、付近の街で鍛冶師を営んでいた青年ユーゴ。
ユーゴは崖から落下した際に馬車から放り出され、頭を強打してしまった。
「……ぐっ、痛っ!」
身体を起こして強い痛みを感じて、頭に手を当てる。手のひらを見ると、真っ赤な血にまみれていた。
身に纏っていたローブもあちこち泥だらけになっていた。
「はあはあっ、あんな場所から落ちたらこうもなるか」
上をぼんやりと見上げてそんなことを口にしながらも、血とともに身体の力が抜けていくのをユーゴは感じていた。
「まずは、自分の身体優先だ……《ヒール》」
手のひらから暖かい光が生まれ、ユーゴの傷を癒していく。彼はいわゆる“魔法”を駆使して自らの怪我を治す。
怪我をする前はできなかったことだが、まるで最初から覚えていたかのように今は自然な動作で行えている。
傷が治ったユーゴは周囲を見渡していく。
崖下は森のようになっており、木々にひっかかったおかげで頭部の強打だけで済んでいた。
彼は崖から落ちた理由を思い出す。
それは、馬車での移動中に山賊が仕掛けた罠にはまってしまったことだった。
馬が足をとられ、暴れ、足場が崩れ――いろいろな不運の末にそのまま崖下へと落下してしまった。
――だがその時、彼自身にとても大きな変化が起きた。
状況を把握できたところで改めて自分の身体を確認する。
さっぱりとした短いこげ茶色だった髪は急激な魔力上昇によって銀髪になっている。
これはもっていたナイフに顔を映した時に気づいたものである。
元々鍛冶職人である彼は引き締まった肉体をしており、落下でついた傷は魔法によって全て治癒していた。
「さてさて、やってきたみたいだな」
まだ追っ手の姿は見えていなかったが、目を閉じて周囲を探知魔法で探っており、山賊たちが近づいてきているのは既に感じ取っていた。
彼が感じ取った通り、少ししてから山賊たちが姿を現す。その数は十名ほど。
後ろからは、まだ数人やってくる様子だった。
「おいおい、あいつ生きてやがるぜ!」
「はっ、運のいいやつだ」
「いや、これから俺たちに殺されるんだから運の悪いやつだろ!」
「ちげえねえ!」
山賊たちは下品な笑いを浮かべながら、ユーゴの様子、そして近くに倒れている馬車の様子を確認している。
「お前たちが上の道に罠を仕掛けた犯人か」
落下中に声が聞こえていたが、ここにきてユーゴは初めて男たちの姿を確認する。
「そのとおりだ、まあそれを知ったところでお前には死んでもらうがな……――おい、やれ!」
山賊の頭目が合図をすると、矢と魔法がユーゴに向かって放たれる。
しかし、それらはユーゴまで届くことなく途中で静止する。
まるでそこに空気の壁があるかのように、矢も魔法も空中で止まっていた。
「はあ、手ごたえなさすぎるが、まあ山賊じゃあこんなものか……。それじゃ、お返しだ」
ユーゴが右の人差し指で山賊たちを指すと、矢と魔法が反転して山賊たちに向かっていく。
ただ返すだけではなく、ユーゴの魔法による強化つきで。
「な、なんだあああああ!」
「ぐはああ!」
「俺の魔法が!?」
「に、逃げろおおお!!!」
既に攻撃が命中した者、逃げ出そうとする者、回避しようとする者、阿鼻叫喚の様相を呈している。
「逃がさない」
しかし、ユーゴはそれを許さなかった。
攻撃を返すと同時に、足から氷魔法を発動させて、山賊が乗っている馬の足を凍りつかせていた。
馬がバランスを崩したことで、山賊たちは馬から振り落とされてしまう。
「さようなら」
そこへ矢と魔法が降り注ぎ、その命を奪っていった。
「ちょっとやりすぎたか……」
氷魔法は馬の足だけでなく、振り落とされて矢と魔法をくらった山賊も、そして周囲の木をも凍りつかせていた。
知らないものがみれば、氷でできた森かと見間違わんばかりである。
「とりあえず、馬は解放して……ほら、好きに行っていいぞ。お前たちは自由だ」
放った攻撃は山賊だけに命中しており、馬たちには傷一つついておらず、魔法が解除されると同時に方々に逃げていった。
落ち着いたところで、ユーゴは再度自身のことを確認する。
「魔法は問題なく使えるな」
自らの怪我を治した回復魔法、そして山賊を倒した氷魔法に加えて、周囲の探索に使った探知魔法。
これらを自由に使えるのは頭を打ったことで戻った前前世の『賢者』の頃の記憶が戻ったためである。
「地球の頃の記憶も……うん、問題ないみたいだ。問題があるとすれば、思いだしたらハンバーガーが食いたくなったことくらいか」
これが二つ目の記憶『地球の大学生』の頃の記憶である。
大学生時代には、よくジャンクフードを食べていたことまで思い出したユーゴは、自分の記憶が細かいところまで戻っているなと確認できていた。
「賢者の自分、そして大学生の自分の二人分、いや鍛冶師の俺も含めて三人分の記憶が薄れることなく綺麗に残っているのは驚きだ……」
三人分の人生の記憶ともなると膨大なものであるというのに、どの記憶も全て自分のものであると断言できるほどに鮮明だった。
「しかし、これが今の魔法か……」
さきほど山賊たちが使ってきた魔法。そして、鍛冶師の記憶の中にある魔法を思い出し、強い違和感を感じていた。
「――魔法ってこんなに弱いのか?」
ユーゴが賢者として戦い抜いたのは、今と同じ世界で時代は数百年の昔。
もちろんユーゴの魔法の実力が高いのは当然のことである。
当然のことではあったが、先ほど山賊が使ってきた魔法も、鍛冶師ユーゴとしてこれまでに見たことがある魔法も、どれもおそまつなものだった。
「ふーむ、街にこもってたから知らないことが多すぎるな。まずは情報を集めないと……」
鍛冶師ユーゴは自分の街と納品先の行き来程度しかしておらず、あとは工房にこもって作業をしているのがほとんどであった。
それゆえに、手が届く範囲以外の情報が極端に少なかった。
この世界での情報は通常人の噂による伝聞が多く、情報を積極的に集める者しか正しい情報を知らないことが多い。
「その前に、馬車を燃やして証拠隠滅をして、あとは馬の墓を作ってやるか」
馬車は落下中に壊れてしまっており、馬も身体をうちつけて亡くなってしまっていた。
長年にわたってユーゴを街から街へと連れて行ってくれた馬に対して、感謝の気持ちを持っていた。
まず、荷台に乗っていた荷物を空間魔法で収納し、土魔法で土を掘って馬を埋め、火魔法で馬車を燃やす。
このように細かい用途に魔法が使えるのは、ユーゴが賢者時代に細かい魔法のコントロールを練習し続けていたがためだった。
「空間魔法を使えるやつっているのかな? 俺のいた頃ですらかなりレアだったけど……」
ユーゴは多くの魔法を学び、古びた魔導書を読み漁っていた。
各種の知識の積み重ねによって、多種多様な魔法を使うことができた。
使われなくなった魔法を復活させたりと、魔法の発展に寄与していたユーゴであるがため、この時代の魔法の在り方がどうなっているのか? 不安に思う部分がある。
「なんて、考えていても仕方ないか。優先すべきは情報集めだ。――《サモン・バード》」
ユーゴは鳥の使い魔を召喚すると、その鳥を空に放ち周囲の状況を探らせていく。
いつの間にか雨は止んでおり、木々の間から見える空には星が見えていた。
馬車に乗っていたのは、付近の街で鍛冶師を営んでいた青年ユーゴ。
ユーゴは崖から落下した際に馬車から放り出され、頭を強打してしまった。
「……ぐっ、痛っ!」
身体を起こして強い痛みを感じて、頭に手を当てる。手のひらを見ると、真っ赤な血にまみれていた。
身に纏っていたローブもあちこち泥だらけになっていた。
「はあはあっ、あんな場所から落ちたらこうもなるか」
上をぼんやりと見上げてそんなことを口にしながらも、血とともに身体の力が抜けていくのをユーゴは感じていた。
「まずは、自分の身体優先だ……《ヒール》」
手のひらから暖かい光が生まれ、ユーゴの傷を癒していく。彼はいわゆる“魔法”を駆使して自らの怪我を治す。
怪我をする前はできなかったことだが、まるで最初から覚えていたかのように今は自然な動作で行えている。
傷が治ったユーゴは周囲を見渡していく。
崖下は森のようになっており、木々にひっかかったおかげで頭部の強打だけで済んでいた。
彼は崖から落ちた理由を思い出す。
それは、馬車での移動中に山賊が仕掛けた罠にはまってしまったことだった。
馬が足をとられ、暴れ、足場が崩れ――いろいろな不運の末にそのまま崖下へと落下してしまった。
――だがその時、彼自身にとても大きな変化が起きた。
状況を把握できたところで改めて自分の身体を確認する。
さっぱりとした短いこげ茶色だった髪は急激な魔力上昇によって銀髪になっている。
これはもっていたナイフに顔を映した時に気づいたものである。
元々鍛冶職人である彼は引き締まった肉体をしており、落下でついた傷は魔法によって全て治癒していた。
「さてさて、やってきたみたいだな」
まだ追っ手の姿は見えていなかったが、目を閉じて周囲を探知魔法で探っており、山賊たちが近づいてきているのは既に感じ取っていた。
彼が感じ取った通り、少ししてから山賊たちが姿を現す。その数は十名ほど。
後ろからは、まだ数人やってくる様子だった。
「おいおい、あいつ生きてやがるぜ!」
「はっ、運のいいやつだ」
「いや、これから俺たちに殺されるんだから運の悪いやつだろ!」
「ちげえねえ!」
山賊たちは下品な笑いを浮かべながら、ユーゴの様子、そして近くに倒れている馬車の様子を確認している。
「お前たちが上の道に罠を仕掛けた犯人か」
落下中に声が聞こえていたが、ここにきてユーゴは初めて男たちの姿を確認する。
「そのとおりだ、まあそれを知ったところでお前には死んでもらうがな……――おい、やれ!」
山賊の頭目が合図をすると、矢と魔法がユーゴに向かって放たれる。
しかし、それらはユーゴまで届くことなく途中で静止する。
まるでそこに空気の壁があるかのように、矢も魔法も空中で止まっていた。
「はあ、手ごたえなさすぎるが、まあ山賊じゃあこんなものか……。それじゃ、お返しだ」
ユーゴが右の人差し指で山賊たちを指すと、矢と魔法が反転して山賊たちに向かっていく。
ただ返すだけではなく、ユーゴの魔法による強化つきで。
「な、なんだあああああ!」
「ぐはああ!」
「俺の魔法が!?」
「に、逃げろおおお!!!」
既に攻撃が命中した者、逃げ出そうとする者、回避しようとする者、阿鼻叫喚の様相を呈している。
「逃がさない」
しかし、ユーゴはそれを許さなかった。
攻撃を返すと同時に、足から氷魔法を発動させて、山賊が乗っている馬の足を凍りつかせていた。
馬がバランスを崩したことで、山賊たちは馬から振り落とされてしまう。
「さようなら」
そこへ矢と魔法が降り注ぎ、その命を奪っていった。
「ちょっとやりすぎたか……」
氷魔法は馬の足だけでなく、振り落とされて矢と魔法をくらった山賊も、そして周囲の木をも凍りつかせていた。
知らないものがみれば、氷でできた森かと見間違わんばかりである。
「とりあえず、馬は解放して……ほら、好きに行っていいぞ。お前たちは自由だ」
放った攻撃は山賊だけに命中しており、馬たちには傷一つついておらず、魔法が解除されると同時に方々に逃げていった。
落ち着いたところで、ユーゴは再度自身のことを確認する。
「魔法は問題なく使えるな」
自らの怪我を治した回復魔法、そして山賊を倒した氷魔法に加えて、周囲の探索に使った探知魔法。
これらを自由に使えるのは頭を打ったことで戻った前前世の『賢者』の頃の記憶が戻ったためである。
「地球の頃の記憶も……うん、問題ないみたいだ。問題があるとすれば、思いだしたらハンバーガーが食いたくなったことくらいか」
これが二つ目の記憶『地球の大学生』の頃の記憶である。
大学生時代には、よくジャンクフードを食べていたことまで思い出したユーゴは、自分の記憶が細かいところまで戻っているなと確認できていた。
「賢者の自分、そして大学生の自分の二人分、いや鍛冶師の俺も含めて三人分の記憶が薄れることなく綺麗に残っているのは驚きだ……」
三人分の人生の記憶ともなると膨大なものであるというのに、どの記憶も全て自分のものであると断言できるほどに鮮明だった。
「しかし、これが今の魔法か……」
さきほど山賊たちが使ってきた魔法。そして、鍛冶師の記憶の中にある魔法を思い出し、強い違和感を感じていた。
「――魔法ってこんなに弱いのか?」
ユーゴが賢者として戦い抜いたのは、今と同じ世界で時代は数百年の昔。
もちろんユーゴの魔法の実力が高いのは当然のことである。
当然のことではあったが、先ほど山賊が使ってきた魔法も、鍛冶師ユーゴとしてこれまでに見たことがある魔法も、どれもおそまつなものだった。
「ふーむ、街にこもってたから知らないことが多すぎるな。まずは情報を集めないと……」
鍛冶師ユーゴは自分の街と納品先の行き来程度しかしておらず、あとは工房にこもって作業をしているのがほとんどであった。
それゆえに、手が届く範囲以外の情報が極端に少なかった。
この世界での情報は通常人の噂による伝聞が多く、情報を積極的に集める者しか正しい情報を知らないことが多い。
「その前に、馬車を燃やして証拠隠滅をして、あとは馬の墓を作ってやるか」
馬車は落下中に壊れてしまっており、馬も身体をうちつけて亡くなってしまっていた。
長年にわたってユーゴを街から街へと連れて行ってくれた馬に対して、感謝の気持ちを持っていた。
まず、荷台に乗っていた荷物を空間魔法で収納し、土魔法で土を掘って馬を埋め、火魔法で馬車を燃やす。
このように細かい用途に魔法が使えるのは、ユーゴが賢者時代に細かい魔法のコントロールを練習し続けていたがためだった。
「空間魔法を使えるやつっているのかな? 俺のいた頃ですらかなりレアだったけど……」
ユーゴは多くの魔法を学び、古びた魔導書を読み漁っていた。
各種の知識の積み重ねによって、多種多様な魔法を使うことができた。
使われなくなった魔法を復活させたりと、魔法の発展に寄与していたユーゴであるがため、この時代の魔法の在り方がどうなっているのか? 不安に思う部分がある。
「なんて、考えていても仕方ないか。優先すべきは情報集めだ。――《サモン・バード》」
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