8 / 197
第一章 火の魔女
第6話 不都合な後輩
しおりを挟む
貧民街の住民は、魔女を信奉している。
それは実に奇妙なことだが、紛れもない事実だった。
クリスティーが医師という立場を隠れ蓑にしているとはいえ、少女と住民の訴えは、心からのものに見えた。
彼らは魅惑されたわけではなく、自発的な意思で魔女を守ろうとした── それは、間違いない。
だが、用心深い魔女は、自身を危険から守るための巧妙な保険を、幾重にも張り巡らせるものだ。
目に見たままのものを、素直に信じるのは危険すぎる。
ウルバノの情報が正しければ、彼女は無実の人間を十人以上焼き殺した、火の魔女なのだ。
貧民街で医療を施す慈愛に満ちた医師なのか、冷酷無情な魔女なのか。
魔女の本質が悪であるのなら、やはり彼女は後者となるのだろうか。
「だから不用意に接触するな、と言っただろう!!」
思索は、抗議の声で打ち切られた。
「耳元で大声を出さなくても聞こえていますよ」
うんざりした顔で、アルヴィンは返す。
教会に戻るなりウルバノに捕まり、彼の控え室へと連れてこられたのだ。
当然ではあるが、独断で動いた見習いに、怒り心頭に発する剣幕だ。
「診療所で、何があったんだ!?」
「何もありませんよ」
それは、明らかに噓だ。
クリスティーから言質を得たことを、アルヴィンは伏せていた。彼女を庇っているわけでは決してないが、まだ話すには早いと判断したのだ。
とは言え、審問官に噓は通用しない。
当然ながらウルバノは、何か隠していることに気づいたようだ。
「お前のおかげで、我々が監視していることが気取られた。このことは、ベラナ師に報告させてもらうぞ」
「お好きにどうぞ。それと会いに行くなら、これを渡してもらえませんか?」
アルヴィンの手には、クリスティーから渡された紙袋がある。
「これは何だ?」
「犯人が現場に遺した遺留品です。これを鑑定すれば、犯人が誰かはっきりするでしょう」
「……分かった、渡しておこう」
「あと、確かめたいことがありますので。明日は、僕一人で行動させてもらいます」
それは流石に禁じられるかと思ったが、あっさりと受け入れられた。
もちろん条件付き、ではあるが。
「くれぐれも軽挙は慎めよ。今度同じ事をしたら、七日を待たずに教会から去ることになるぞ」
「分かっていますよ。ところで、審問官ウルバノ」
厄介事の気配を察したのか、ウルバノは不機嫌に睨んだ。
「まだ何かあるのか?」
「ただの質問ですよ。あなたは善良な魔女がいると思いますか?」
善良な魔女とは、自分でも矛盾したことを口にしているという自覚はある。
ウルバノの返答は、冷ややかなものだ。
「魔女は二通りいる。悪しき魔女と、善良を装った悪しき魔女だ。迷う前に撃て。そうしなければ、死ぬことになるぞ」
翌日、アルヴィンは事件の現場を丁寧に検証して廻った。
最後に訪れた場所は、貧民街にほど近い場所にあった。二年前に大火があったらしく、廃墟の多いひっそりとした区画である。
声をかけられたのは、ちょうど確認を終えて腰を上げた時だ。
「随分、仕事熱心なのね」
「君は……どうして、ここに?」
振り向いた先に立っていたのは、クリスティーだ。
彼女は白衣姿で、右手に大きな手提げ鞄を持っている。
こんな場所で会うとは……尾行されていたのか。アルヴィンは自分の迂闊さを呪った。
「こんな時間に何をしているんだ?」
夜の遭遇は、審問官が圧倒的に不利となる。
平静を装いながら、慎重に距離を見定めた。
距離はせいぜい二メートルか。もし彼女が不審な動作を見せれば、飛びかかれば魔法の発動を止められる……可能性は、ある。
間に合わなければウルバノが話したように、首を飛ばされて終わるだけだ。
クリスティーはアルヴィンの心を読んだかのように、微笑した。
「危篤の患者がいて、夜の往診に行っていたのよ。心配しなくても、あなたをつけていたわけじゃないわ」
「……患者を魔法で癒やすのか?」
「あらあら、これは昨日の審問の続きかしら?」
おどけたようにクリスティーは笑う。
「本人が望めば、そうね。もっとも、命にかかわる魔法はとても複雑なの。大したことはできないけれど」
「摂理に反する行いだとは思わないのか」
「家族と最期に過ごす時間を、ほんの少し伸ばすことが、そんなに悪いことなのかしらね?」
「詭弁だ!」
アルヴィンは吐き捨てるように言う。
魔法の善悪について魔女と討論したところで、平行線だろう。
「それよりもあなた、火の魔女を探しているんですってね?」
クリスティーの顔から、不意に笑顔が消えた。
その声には、危険な響きが内包されていた。
夜の色をした不可視の圧力に、押しつぶされるような錯覚に襲われる。
拳銃に手を伸ばしたくなる衝動を、アルヴィンは懸命に堪えた。
まだ、使うには早い。ウルバノは迷わず駆逐しろと言うだろうが、現認していない以上── まだ、発砲はできない。
「火の魔女が誰なのか、知りたい?」
「……君なんだろ?」
「どうかしらね。ヒントをあげたでしょ? そろそろ、答えに辿り着いた頃合いだと思ったけれど、期待しすぎだったかしら」
クリスティーは、皮肉っぽく応じる。
「ヒント、ね。それは魔女の常套手段なんだよ。手助けを装って猜疑心を煽り、ミスリードする手とも限らない」
「私はね、心理戦だとか駆け引きだとか、腹の探り合いは嫌いなの。だから、教えてあげるわ!」
クリスティーの瞳に、冷酷な光が揺れた。
危険が急速に迫り来るのを感じ、咄嗟にカズラの下に隠した拳銃に手を伸ばす。
「これが答えよ!」
彼女の手がひらめくと、猛烈な劫火が噴き出し、アルヴィンを襲った。
銃を出す間もない。
夜の底を赤黒い火炎が焦がし、抗する間もなく全身を焼き尽くす。
── 焼き尽くす、はずだった。
反射的に目を瞑り、恐る恐る開いた時……灼熱の炎は、どこにもない。
その代わり視界に飛び込んできたのは、クリスティー自身だ。
彼女は、アルヴィンに飛びかかってきたのである。
「な、なにを!?」
不意を突かれ、そのまま二人は地面に倒れ込む。
魔女がこんな直接的な暴力に訴えかけてくるなんて、全く予想外だ。
彼女の顔が胸元に当たり、甘い香りが鼻孔をくすぐった。
地面に背中をしこたま打ち付けながら、だがアルヴィンは一瞬で状況を理解した。
先刻まで立っていた空間を、凶弾が切り裂いた。
同時に銃声が耳を打つ。
襲われたのではない、庇われたのだ。
上半身を起こしたクリスティーが腕をふると、何もない空間に水塊が出現した。
それが厚い壁となって二人の背後を覆う。
間髪を容れずに放たれていた次弾が、水中で力を削がれ、地面に転がった。
── 魔法!!
目の前で使われた魔法、だが詳しい説明を求める時間はなさそうだ。
クリスティーが鋭く睨む先には── 拳銃を持つ、人影がある。
やれやれと、前髪を指先でかき上げると、アルヴィンは立ち上がった。
今夜は、来訪者が後を絶たない。
それもとっておきの招かれざる客に、彼は声をかけた。
「……あなただったんですね、審問官ウルバノ。火の魔女の仕業に見せかけた、連続殺人犯は」
それは実に奇妙なことだが、紛れもない事実だった。
クリスティーが医師という立場を隠れ蓑にしているとはいえ、少女と住民の訴えは、心からのものに見えた。
彼らは魅惑されたわけではなく、自発的な意思で魔女を守ろうとした── それは、間違いない。
だが、用心深い魔女は、自身を危険から守るための巧妙な保険を、幾重にも張り巡らせるものだ。
目に見たままのものを、素直に信じるのは危険すぎる。
ウルバノの情報が正しければ、彼女は無実の人間を十人以上焼き殺した、火の魔女なのだ。
貧民街で医療を施す慈愛に満ちた医師なのか、冷酷無情な魔女なのか。
魔女の本質が悪であるのなら、やはり彼女は後者となるのだろうか。
「だから不用意に接触するな、と言っただろう!!」
思索は、抗議の声で打ち切られた。
「耳元で大声を出さなくても聞こえていますよ」
うんざりした顔で、アルヴィンは返す。
教会に戻るなりウルバノに捕まり、彼の控え室へと連れてこられたのだ。
当然ではあるが、独断で動いた見習いに、怒り心頭に発する剣幕だ。
「診療所で、何があったんだ!?」
「何もありませんよ」
それは、明らかに噓だ。
クリスティーから言質を得たことを、アルヴィンは伏せていた。彼女を庇っているわけでは決してないが、まだ話すには早いと判断したのだ。
とは言え、審問官に噓は通用しない。
当然ながらウルバノは、何か隠していることに気づいたようだ。
「お前のおかげで、我々が監視していることが気取られた。このことは、ベラナ師に報告させてもらうぞ」
「お好きにどうぞ。それと会いに行くなら、これを渡してもらえませんか?」
アルヴィンの手には、クリスティーから渡された紙袋がある。
「これは何だ?」
「犯人が現場に遺した遺留品です。これを鑑定すれば、犯人が誰かはっきりするでしょう」
「……分かった、渡しておこう」
「あと、確かめたいことがありますので。明日は、僕一人で行動させてもらいます」
それは流石に禁じられるかと思ったが、あっさりと受け入れられた。
もちろん条件付き、ではあるが。
「くれぐれも軽挙は慎めよ。今度同じ事をしたら、七日を待たずに教会から去ることになるぞ」
「分かっていますよ。ところで、審問官ウルバノ」
厄介事の気配を察したのか、ウルバノは不機嫌に睨んだ。
「まだ何かあるのか?」
「ただの質問ですよ。あなたは善良な魔女がいると思いますか?」
善良な魔女とは、自分でも矛盾したことを口にしているという自覚はある。
ウルバノの返答は、冷ややかなものだ。
「魔女は二通りいる。悪しき魔女と、善良を装った悪しき魔女だ。迷う前に撃て。そうしなければ、死ぬことになるぞ」
翌日、アルヴィンは事件の現場を丁寧に検証して廻った。
最後に訪れた場所は、貧民街にほど近い場所にあった。二年前に大火があったらしく、廃墟の多いひっそりとした区画である。
声をかけられたのは、ちょうど確認を終えて腰を上げた時だ。
「随分、仕事熱心なのね」
「君は……どうして、ここに?」
振り向いた先に立っていたのは、クリスティーだ。
彼女は白衣姿で、右手に大きな手提げ鞄を持っている。
こんな場所で会うとは……尾行されていたのか。アルヴィンは自分の迂闊さを呪った。
「こんな時間に何をしているんだ?」
夜の遭遇は、審問官が圧倒的に不利となる。
平静を装いながら、慎重に距離を見定めた。
距離はせいぜい二メートルか。もし彼女が不審な動作を見せれば、飛びかかれば魔法の発動を止められる……可能性は、ある。
間に合わなければウルバノが話したように、首を飛ばされて終わるだけだ。
クリスティーはアルヴィンの心を読んだかのように、微笑した。
「危篤の患者がいて、夜の往診に行っていたのよ。心配しなくても、あなたをつけていたわけじゃないわ」
「……患者を魔法で癒やすのか?」
「あらあら、これは昨日の審問の続きかしら?」
おどけたようにクリスティーは笑う。
「本人が望めば、そうね。もっとも、命にかかわる魔法はとても複雑なの。大したことはできないけれど」
「摂理に反する行いだとは思わないのか」
「家族と最期に過ごす時間を、ほんの少し伸ばすことが、そんなに悪いことなのかしらね?」
「詭弁だ!」
アルヴィンは吐き捨てるように言う。
魔法の善悪について魔女と討論したところで、平行線だろう。
「それよりもあなた、火の魔女を探しているんですってね?」
クリスティーの顔から、不意に笑顔が消えた。
その声には、危険な響きが内包されていた。
夜の色をした不可視の圧力に、押しつぶされるような錯覚に襲われる。
拳銃に手を伸ばしたくなる衝動を、アルヴィンは懸命に堪えた。
まだ、使うには早い。ウルバノは迷わず駆逐しろと言うだろうが、現認していない以上── まだ、発砲はできない。
「火の魔女が誰なのか、知りたい?」
「……君なんだろ?」
「どうかしらね。ヒントをあげたでしょ? そろそろ、答えに辿り着いた頃合いだと思ったけれど、期待しすぎだったかしら」
クリスティーは、皮肉っぽく応じる。
「ヒント、ね。それは魔女の常套手段なんだよ。手助けを装って猜疑心を煽り、ミスリードする手とも限らない」
「私はね、心理戦だとか駆け引きだとか、腹の探り合いは嫌いなの。だから、教えてあげるわ!」
クリスティーの瞳に、冷酷な光が揺れた。
危険が急速に迫り来るのを感じ、咄嗟にカズラの下に隠した拳銃に手を伸ばす。
「これが答えよ!」
彼女の手がひらめくと、猛烈な劫火が噴き出し、アルヴィンを襲った。
銃を出す間もない。
夜の底を赤黒い火炎が焦がし、抗する間もなく全身を焼き尽くす。
── 焼き尽くす、はずだった。
反射的に目を瞑り、恐る恐る開いた時……灼熱の炎は、どこにもない。
その代わり視界に飛び込んできたのは、クリスティー自身だ。
彼女は、アルヴィンに飛びかかってきたのである。
「な、なにを!?」
不意を突かれ、そのまま二人は地面に倒れ込む。
魔女がこんな直接的な暴力に訴えかけてくるなんて、全く予想外だ。
彼女の顔が胸元に当たり、甘い香りが鼻孔をくすぐった。
地面に背中をしこたま打ち付けながら、だがアルヴィンは一瞬で状況を理解した。
先刻まで立っていた空間を、凶弾が切り裂いた。
同時に銃声が耳を打つ。
襲われたのではない、庇われたのだ。
上半身を起こしたクリスティーが腕をふると、何もない空間に水塊が出現した。
それが厚い壁となって二人の背後を覆う。
間髪を容れずに放たれていた次弾が、水中で力を削がれ、地面に転がった。
── 魔法!!
目の前で使われた魔法、だが詳しい説明を求める時間はなさそうだ。
クリスティーが鋭く睨む先には── 拳銃を持つ、人影がある。
やれやれと、前髪を指先でかき上げると、アルヴィンは立ち上がった。
今夜は、来訪者が後を絶たない。
それもとっておきの招かれざる客に、彼は声をかけた。
「……あなただったんですね、審問官ウルバノ。火の魔女の仕業に見せかけた、連続殺人犯は」
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる