8 / 25
8.灰かぶり
しおりを挟む
私は、石灰を求めて王都を歩く。
王都は円形で、中心が王城、次に貴族街、平民街、スラム街と城壁の外に行けば行くほど貧しくなる。
ちなみに、円の直径が大きくなればなるほど円の面積も広がっていく。
つまり、王城に住む人たちがピラミッドの頂点で、スラム街はピラミッドの底辺で、より多くスラム街に住む人たちがいるということだ。
数パーセントの人が裕福で、底辺で暮らす人が多いというのは、元の世界のでもよくある現象だった。
そういうわけで、私は王都の中心に向かって歩いていく。
それは、補修工事などが行われている可能性が高いからだ。スラム街は、『聖女の井戸』のメンテナンスが行われているのが奇跡というか、聖女のご威光で、それ以外の、道などのメンテナンスは無いに等しい。道は凸凹。車輪のある馬車などは通れない。雨など降ったら、泥濘で車輪がはまって動かなくなるだろう。
それに比べて、王城近辺、そして貴族の居住地の道は立派だ。石畳の道。石が高度な技術で敷き詰められている。石と石の隙間がない。どうやって平らな石を作ったのだろうかと思うくらい真っ平らな道だ。
馬車などで通っても、ガッタン、ゴットンとはならないのだろう。馬車に座っていてもお尻が痛くならない親切設計な道となっている。
だけど、それは常に、破損と修理のイタチごっこであると私は予想をした。
元の世界のアスファルトの道だって、また工事か、と思うくらいに道路の補修工事をしていた。
それに、植物が伸びる時期などは、アスファルトの隙間などから植物が芽を出していた。アスファルトの小さな隙間でもタンポポは成長し、根の力がアスファルトを押し上げる。
常に人が修理やメンテナンスをしていないと、前の世界のアスファルトだってすぐに砂粒状に砕けて凸凹になる。
世界の道はローマに通じるという諺がある。だけど、当時の道がずっと残っているというわけではない。アッピア街道などは現存していたけれど、ローマ帝国の衰退に伴って整備されずに荒れ果てた道もある。
ローマ帝国はモルタルで道を作っていた。
王都の道も、モルタル製ということで、耐久性はアスファルトより低いだろうし、補修工事をどこかでやっている可能性があるはずだ。
そして、工事現場に行けば、石灰を手に入れることができるかもしれない。
……と思っていた時期もありました。
補修工事をしている場所は簡単に見つかった。道の石が割れてしまったのか、土が雨水で流されたのか、石の交換作業をしていた。
石を剥がして、その下に入れている白いドロッとした液体。きっと、コンクリートとかモルタルとか、そう呼ばれるものだと思う。
ということは、石灰を材料にしているはずだ。
石灰をコゼットさんの家の病室に撒けば、ノミ・シラミ対策になる。床とかに撒いて靴底の消毒にも使えるかも知れない。
だけど…………石灰ください、と言って、無料でくれるはずがなかった。
石灰は高価な物だった。
当然、私はお金なんて持ってない。
でも、どこで採掘できるのかを聞いたら教えてくれた。
そして、手に入れることが難しいということが分かった。
どうやら石灰は、王都から遠い東の山で産出するらしい。そこで採れる石灰石を砕いて、粉砕して、焼いて、粉にして、王都に運んで来て、道路の補修の材料にしているらしい。
直接、山に採取しにいくのは不可能だ。
あまりに熱心に私が質問するものだから、最後は、「姉ちゃん、不思議なものに興味持つんだなぁ」と、工事を指揮していた偉そうな人に呆れられてしまった。
私は、肩を落としながらコゼットさんの家へと帰る。 コゼットさんの家の人たちを助けることができるかもしれない方法を具体的に考えて行き着いた結論なのだ。
この世界の言語は、地球の言語とは違ったもので、当然、英語とも違う。
コンクリート、英語でConcreteの意味は「具体的な、現実の」だ。コンクリート製、という意味でもあるけれど、具体的な助ける手段を考えて、コンクリートの材料に行き着いた。
でも、石灰を手に入れるなんて、完全に非現実的だった。コンクリートじゃなかったということだ。
この世界で英語が分かる人間なんていないだろうから、このやるせない気持ちはこの世界で私にしか、きっと分からないだろう。
石灰は、意外と手間がかかっていた……。元の世界では一袋、数百円で買えたきがするのだけれど、この世界では高級品らしい。
ちなみに、焼いた後の石灰を消石灰と言うらしい。それと水を混ぜたら、モルタルの材料になるそうだ。
材料入手からして困難である。王都から遠い東の山から運んで来ることさえ難しい。
一般人には真似出来ないから、気前よく教えてくれたのかもしれない。
お金があれば、消石灰は王都でも買うことができるらしい。
でも、お金をもってない。手ぶらで帰るのも申し訳無い。でも、石灰を手に入れる手段を私は持ってない。買うお金がない。ぶらぶらと王都を歩く。
私は気付けば、川へと辿り着き、川を眺めていた。
大きな川だ。王都近くを流れる川。途方に暮れるときには、やっぱり川を眺めるに限る。
まぁ、川と言っても、汚い。泳いだら病気になるだろう。だって、ウンチとか流れてるもん。それも、王都に生活する人びとの汚水が最終的に流れてくるのがこの川だ。川と言うより、地上を流れる下水という表現の方が適切かもしれない。井戸よりも、飲み水としては危険だろう。
天然の下水設備。
あと、それ以外の用途としては、船着き場があるから、運送網として活用できるのだろう。船が行き来している。
船着き場では、荷が降ろされている。積荷は貝なようだ。
海で採れた貝を運んで来て、王都近くで、貝から中身だけを取り出し、貝殻は捨ているようだ。
もしかしたら、この王都は意外と海から近いのかも知れない。海産物を運んでこれるくらい近いのだろう。いや、逆に、貝殻を捨てて中身だけ運ぶと途中で腐ってしまうから、生きたまま貝として運び、船着き場で中身だけとって、王都の胃袋を満たしているのかもしれない。
それにしても、貝殻の量がすごいな。まるで貝塚だ。きっと、数千年後に、貝塚として、考古学者に発見されるのだろうか。その時には、科学も進歩しているのかな。帆船ではなく、蒸気機関や石油動力の船がこの川を行き来しているのかもしれない。
川辺に座り込んで、去りゆく船を眺める。
さて、石灰も手に入らなかったし、どうしようかな。
『灰』は、コゼットさんの家の竃に、捨てるのが面倒なほど沢山あるのに、石灰は手に入れられないなんて……。
竃の灰って、埃っぽいし、まだ中に火が残って熱かったりと、捨てるのが面倒なんだよね。同じ『灰』なのに……。
ん? 同じ灰だよね?
どうして私は、石灰を手に入れようとしてたんだけっけ? それは、ノミ・シラミの駆除、また、口蹄疫とかの予防で使われていたことを思い出したからだ。
でも、そもそも、なぜ、石灰が有効なのか? ……考えられるのは、アルカリ性だからだ。水に溶けたら、アルカリ性となる。それが殺菌効果となるのだろう。
じゃあ、竃の灰は? 思ったけど、同じじゃない? 草木灰だって、肥料や防虫や殺菌の効果がある。
竃で燃やす燃料は、木材だ。
BBQで、灰が目に入るとめちゃくちゃ痛いのは、目の水分に灰が溶けてアルカリ性を示すからだ。刺激物となるのだ。
灰汁を蒸発させて残った物質は、カリと呼ばれる。アルカリのカリ、カリウムのカリ。
竈の灰を使ってなんとかできるかもしれない。なんと、コゼットさんの家の竃に、私が探しもとめる答えがあったのか。
急いで帰り、私はさっそく作業に取り掛かった。
桶に竃の灰を入れて水で混ぜる。良くかき混ぜて、それを病室の床や壁にぶちまける。また、布でその水を染み込ませ、ロバートさん、ドットさん、レベッカさんの髪の毛などを拭く。髪の毛に生息しているシラミなどが退治できるかも知れない。
そして、最後に、コゼットさん、セト君、私も、灰を混ぜた水で髪の毛を濡らしたり、布で体を拭いたりする。
ペットや牛に使っていたくらいだから、安全なのだろう。
それにしても、かまどの灰と水を混ぜたものを被る。
まるで、灰かぶり姫みたいだ。おとぎ話では、ガラスの靴がぴったりとはまり、王子様と最後に結ばれるのだったか。
うん、ガラスの靴なんて、この世界では製造できないだろうし、所詮はおとぎ話ということだろう。
これで、殺菌作用により、病室はもっと衛生的になったはずだ。
おそらく……。 ロバートさん、ドットさん、レベッカさんが早く、元気になりますように。
どうか効果がありますように。
やっぱり、私にできるのは、祈ることだけらしい。
王都は円形で、中心が王城、次に貴族街、平民街、スラム街と城壁の外に行けば行くほど貧しくなる。
ちなみに、円の直径が大きくなればなるほど円の面積も広がっていく。
つまり、王城に住む人たちがピラミッドの頂点で、スラム街はピラミッドの底辺で、より多くスラム街に住む人たちがいるということだ。
数パーセントの人が裕福で、底辺で暮らす人が多いというのは、元の世界のでもよくある現象だった。
そういうわけで、私は王都の中心に向かって歩いていく。
それは、補修工事などが行われている可能性が高いからだ。スラム街は、『聖女の井戸』のメンテナンスが行われているのが奇跡というか、聖女のご威光で、それ以外の、道などのメンテナンスは無いに等しい。道は凸凹。車輪のある馬車などは通れない。雨など降ったら、泥濘で車輪がはまって動かなくなるだろう。
それに比べて、王城近辺、そして貴族の居住地の道は立派だ。石畳の道。石が高度な技術で敷き詰められている。石と石の隙間がない。どうやって平らな石を作ったのだろうかと思うくらい真っ平らな道だ。
馬車などで通っても、ガッタン、ゴットンとはならないのだろう。馬車に座っていてもお尻が痛くならない親切設計な道となっている。
だけど、それは常に、破損と修理のイタチごっこであると私は予想をした。
元の世界のアスファルトの道だって、また工事か、と思うくらいに道路の補修工事をしていた。
それに、植物が伸びる時期などは、アスファルトの隙間などから植物が芽を出していた。アスファルトの小さな隙間でもタンポポは成長し、根の力がアスファルトを押し上げる。
常に人が修理やメンテナンスをしていないと、前の世界のアスファルトだってすぐに砂粒状に砕けて凸凹になる。
世界の道はローマに通じるという諺がある。だけど、当時の道がずっと残っているというわけではない。アッピア街道などは現存していたけれど、ローマ帝国の衰退に伴って整備されずに荒れ果てた道もある。
ローマ帝国はモルタルで道を作っていた。
王都の道も、モルタル製ということで、耐久性はアスファルトより低いだろうし、補修工事をどこかでやっている可能性があるはずだ。
そして、工事現場に行けば、石灰を手に入れることができるかもしれない。
……と思っていた時期もありました。
補修工事をしている場所は簡単に見つかった。道の石が割れてしまったのか、土が雨水で流されたのか、石の交換作業をしていた。
石を剥がして、その下に入れている白いドロッとした液体。きっと、コンクリートとかモルタルとか、そう呼ばれるものだと思う。
ということは、石灰を材料にしているはずだ。
石灰をコゼットさんの家の病室に撒けば、ノミ・シラミ対策になる。床とかに撒いて靴底の消毒にも使えるかも知れない。
だけど…………石灰ください、と言って、無料でくれるはずがなかった。
石灰は高価な物だった。
当然、私はお金なんて持ってない。
でも、どこで採掘できるのかを聞いたら教えてくれた。
そして、手に入れることが難しいということが分かった。
どうやら石灰は、王都から遠い東の山で産出するらしい。そこで採れる石灰石を砕いて、粉砕して、焼いて、粉にして、王都に運んで来て、道路の補修の材料にしているらしい。
直接、山に採取しにいくのは不可能だ。
あまりに熱心に私が質問するものだから、最後は、「姉ちゃん、不思議なものに興味持つんだなぁ」と、工事を指揮していた偉そうな人に呆れられてしまった。
私は、肩を落としながらコゼットさんの家へと帰る。 コゼットさんの家の人たちを助けることができるかもしれない方法を具体的に考えて行き着いた結論なのだ。
この世界の言語は、地球の言語とは違ったもので、当然、英語とも違う。
コンクリート、英語でConcreteの意味は「具体的な、現実の」だ。コンクリート製、という意味でもあるけれど、具体的な助ける手段を考えて、コンクリートの材料に行き着いた。
でも、石灰を手に入れるなんて、完全に非現実的だった。コンクリートじゃなかったということだ。
この世界で英語が分かる人間なんていないだろうから、このやるせない気持ちはこの世界で私にしか、きっと分からないだろう。
石灰は、意外と手間がかかっていた……。元の世界では一袋、数百円で買えたきがするのだけれど、この世界では高級品らしい。
ちなみに、焼いた後の石灰を消石灰と言うらしい。それと水を混ぜたら、モルタルの材料になるそうだ。
材料入手からして困難である。王都から遠い東の山から運んで来ることさえ難しい。
一般人には真似出来ないから、気前よく教えてくれたのかもしれない。
お金があれば、消石灰は王都でも買うことができるらしい。
でも、お金をもってない。手ぶらで帰るのも申し訳無い。でも、石灰を手に入れる手段を私は持ってない。買うお金がない。ぶらぶらと王都を歩く。
私は気付けば、川へと辿り着き、川を眺めていた。
大きな川だ。王都近くを流れる川。途方に暮れるときには、やっぱり川を眺めるに限る。
まぁ、川と言っても、汚い。泳いだら病気になるだろう。だって、ウンチとか流れてるもん。それも、王都に生活する人びとの汚水が最終的に流れてくるのがこの川だ。川と言うより、地上を流れる下水という表現の方が適切かもしれない。井戸よりも、飲み水としては危険だろう。
天然の下水設備。
あと、それ以外の用途としては、船着き場があるから、運送網として活用できるのだろう。船が行き来している。
船着き場では、荷が降ろされている。積荷は貝なようだ。
海で採れた貝を運んで来て、王都近くで、貝から中身だけを取り出し、貝殻は捨ているようだ。
もしかしたら、この王都は意外と海から近いのかも知れない。海産物を運んでこれるくらい近いのだろう。いや、逆に、貝殻を捨てて中身だけ運ぶと途中で腐ってしまうから、生きたまま貝として運び、船着き場で中身だけとって、王都の胃袋を満たしているのかもしれない。
それにしても、貝殻の量がすごいな。まるで貝塚だ。きっと、数千年後に、貝塚として、考古学者に発見されるのだろうか。その時には、科学も進歩しているのかな。帆船ではなく、蒸気機関や石油動力の船がこの川を行き来しているのかもしれない。
川辺に座り込んで、去りゆく船を眺める。
さて、石灰も手に入らなかったし、どうしようかな。
『灰』は、コゼットさんの家の竃に、捨てるのが面倒なほど沢山あるのに、石灰は手に入れられないなんて……。
竃の灰って、埃っぽいし、まだ中に火が残って熱かったりと、捨てるのが面倒なんだよね。同じ『灰』なのに……。
ん? 同じ灰だよね?
どうして私は、石灰を手に入れようとしてたんだけっけ? それは、ノミ・シラミの駆除、また、口蹄疫とかの予防で使われていたことを思い出したからだ。
でも、そもそも、なぜ、石灰が有効なのか? ……考えられるのは、アルカリ性だからだ。水に溶けたら、アルカリ性となる。それが殺菌効果となるのだろう。
じゃあ、竃の灰は? 思ったけど、同じじゃない? 草木灰だって、肥料や防虫や殺菌の効果がある。
竃で燃やす燃料は、木材だ。
BBQで、灰が目に入るとめちゃくちゃ痛いのは、目の水分に灰が溶けてアルカリ性を示すからだ。刺激物となるのだ。
灰汁を蒸発させて残った物質は、カリと呼ばれる。アルカリのカリ、カリウムのカリ。
竈の灰を使ってなんとかできるかもしれない。なんと、コゼットさんの家の竃に、私が探しもとめる答えがあったのか。
急いで帰り、私はさっそく作業に取り掛かった。
桶に竃の灰を入れて水で混ぜる。良くかき混ぜて、それを病室の床や壁にぶちまける。また、布でその水を染み込ませ、ロバートさん、ドットさん、レベッカさんの髪の毛などを拭く。髪の毛に生息しているシラミなどが退治できるかも知れない。
そして、最後に、コゼットさん、セト君、私も、灰を混ぜた水で髪の毛を濡らしたり、布で体を拭いたりする。
ペットや牛に使っていたくらいだから、安全なのだろう。
それにしても、かまどの灰と水を混ぜたものを被る。
まるで、灰かぶり姫みたいだ。おとぎ話では、ガラスの靴がぴったりとはまり、王子様と最後に結ばれるのだったか。
うん、ガラスの靴なんて、この世界では製造できないだろうし、所詮はおとぎ話ということだろう。
これで、殺菌作用により、病室はもっと衛生的になったはずだ。
おそらく……。 ロバートさん、ドットさん、レベッカさんが早く、元気になりますように。
どうか効果がありますように。
やっぱり、私にできるのは、祈ることだけらしい。
0
あなたにおすすめの小説
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる