虐げられ魅了乙女は孤独な大公と恋をする

重田いの

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 大公アレクシオンのお披露目の日が着々と近づいていた。よくも待たせたものだと古くからの大貴族たちは陰口を叩く。

 貴族の若者が初めて夜会を主催するとき、その血が古王国に近しく高貴であればあるほど主催者の登場に時間をかけるのは北方大公国ロズアラドの伝統である。とはいえ夜会が始まってすでに二週間。主題である花嫁選びをするならば、数か月かけて貴族令嬢たちと親交を持ち心を通わせる必要があるというのに、さすがに待たせすぎだった。
 とはいえ、アレクシオンの登場がのびのびになっているのは彼が気取り屋だからでも貴族を牽制したいからでもない。ただ新大公がまだ貴族の前に姿を現したくないといったせいである。

 アレクシオンは長椅子の上に横たわり、羽根ペンを削っていた。削りすぎたカスが胸の上に落ちる。大公にふさわしい格式のある絹のシャツに、内張りが赤い唐草模様で外側が黒のジャケット。白いズボンに革靴は、行儀悪く靴紐の一番上を穴に通していない。
 そのうち、羽根ペンはぽとんと彼の胸に落ちる。まだインクを付ける前だったので汚れはない。そもそも書類を見る前から寝そべって物思いにふけっていたのだから。

 大公の花嫁になれる可能性に胸ときめかせて集まったたくさんの令嬢たちには申し訳ないことに、彼の心にはすでに一人の令嬢がいた。

 ――リュディア。

 火に照らされると燃えるような赤になる焦げ茶色の髪の毛、天使のように澄み切った声、白い肌の小さな愛らしい顔、ほっそりした身体。優しい心と豊かな知識を持ち、だが決してそれらをひけらかすことなく包み隠す謙虚さ。

 大公の花嫁、正確にはその実家は次の時代の権力を一手に握る大貴族になる。この国はずっとそのようにして回ってきた。大公が命じ、貴族が実行する形で。大公の外戚になれるか否か、娘が産んだ息子が次の大公になれるか否かが貴族たちのパワーゲームを左右し、勝者にはすべてが、敗者には剥奪が与えられた。

 だから、大公が選ぶ娘は重要である。すでに後見人だったマカリオスからそれとなく選ぶべき娘を示されている。たとえ権力を握ってもそうそう国を蹂躙しそうにない父親を持つ、血筋正しい大貴族の娘を何人か……。

 わかっている。十分、わかっている。
 だが彼はリュディアと一緒にいたかった。目を閉じると彼女のふわふわした髪の毛が浮かび、はにかんだ笑顔が浮かぶ。

 自分の好きなものを見せて回りたかった。世界じゅうの財宝をうず高く積み上げ、愛を乞いたかった。もし彼女が望むものがあれば、今すぐにでも取ってくる。
 頭の先からつま先まで彼女を自分のものにしたかった。彼女にこの世で最高の名誉を与えたかった。そして自分にも、彼女と永遠に分かちがたく結ばれるという名誉を授けてほしい。

 言い逃れできるはずだと思っていた。一時の気の迷い、男に襲われかけていたところを助けるという非日常的な体験の残滓が彼に勘違いさせているのだと。

 だがもう無理だった。星空の下で語らったあのひととき、時間にすればほんのささやかなひとときが、彼の心の中身を作り変えていた。
(リュディアに会いたい。笑ってほしい)

 彼は手を伸ばし、水晶のテーブルの上に飾られた花瓶を撫でる。描かれた花の絵が、飾られた花の色が、彼女の目と同じ紫だった。今朝、わざわざ侍女に言ってこれを飾らせたのだ。花に興味を示したためしがない大公に彼女たちはざわめいたが、粛々と従った。処罰が怖かったのだろう。

 そう……彼は自分に反対する者をことごとく斬り捨ててきた冷酷な大公だった。

 後ろ盾が実権を持たない神殿長であったので、武力を求めて山賊や傭兵団を配下に引き入れた。貴族たちはその無骨さ、なりふり構わない必死さを嘲笑した。だがそれも、彼が即位するまでだった。地べたを這い回って叔父の配下を潰して回っていた頃には笑っていたくせに、即位以降、手のひら返しておべっか使いに成り下がった者たちの顔と名前を彼は覚えている。

 ――リュディアもそうなるのだろうか? 彼が大公であり、自分が大公妃になれるかもしれないとわかったとき、彼女の清廉な笑顔は変わってしまうかもしれない。アレクシオンはそれが、たまらなく怖かった。

 扉が開き、従者のニコラと神殿長マカリオスが入ってきた。許しを請わずにアレクシオンの部屋に入っていいのはこの二人くらいである。
「また寝てる。ここんところずっとこうなんです」
「まったく嘆かわしい!」

 尖った声に、彼は腕で目元を隠す。
「仕事はもう片付けた……」
「お? あ、ほんとだ。マカリオス様、今日の分終わってますよ」
「でしたら次の大貴族会議で扱う予定の訴状を入手いたしましたから、ご確認なさい」

 アレクシオンはしぶしぶ身を起こした。ニコラの人好きのする笑顔の後ろ、渋面を浮かべた神官長が差し出す書類を受け取る。

 大貴族会議とは、ロズアラドが誇る大貴族たちの会議である。国政の方針から貴族同士の訴訟までが話し合われ、決定事項が大公に伝えられる。大公はそれを許容するか否認するかと決める。最終決定権は大公にあっても、実権は大貴族たちが握っているというわけである。

「相変わらず抜け目ないな。間諜どもに褒美をやれ」
「かしこまりました」

 マカリオスの間諜集団は、貴族たちの間で悪い意味で有名だった。彼の子飼いの出自もあやふやな間諜たちは使用人の顔をして屋敷に潜み、どんな小さな声の会話でも聞き取ってアレクシオンに伝える、と。それはおおむね、事実である。

 アレクシオンは書類を返し、マカリオスは慣れた手つきでそれを焼き捨てた。暖炉の熱で暖められた室内は暑いくらいで、アレクシオンは自分がどれほどの時間ただ寝そべっていたのか知った。

 これまでの彼にはありえないことだった。ずっと走り続けてきた新大公アレクシオン。止まることはなかった。暇な時間があれば鍛錬にいそしみ、魔物狩りをして魔石を貯めた。少しでも剣技を磨き、少しでも金を稼ぎたかった。

 彼は大公家の父と侯爵家の母の正式な婚姻から生まれた由緒正しい貴公子だった。だが十二歳から苦労続きの育ち方をしたせいで礼儀作法の大半を忘れ、今は思い出している真っ最中。動作の多くは傭兵そのものだった。果物は丸齧りにし、すぐ腰の剣に手をやる野蛮な大公! 自分に自信がないものだから法律を盾にして、傭兵どもにその実行役をさせるのだ……。

 マカリオスは神官長の緋色の法衣を豪華な絨毯の上に滑らせ、アレクシオンに向き直る。
「貧乏伯爵家の娘はそれほどあなたを骨抜きにしましたか。腑抜けておりますな」
「……ほっとけよ」

「いいや、言わせていただく。即位してなおあなたの敵は多い。宮廷は毒殺と暴虐に満ちた古狸どもの巣です。あなたの花嫁にはよりよい後ろ盾となれる大貴族家、そうですな、公爵家の娘がふさわしい。クトゥルゾフ、リアツェ、メンパルロの三大公爵家のいずれかからお選びなさい。それぞれの父親は最大限に娘を着飾らせてあなたに差し出すでしょう」

「クトゥルゾフは自前の鉱山で領民を死なせている。外戚になったら奴隷制の復活をもくろむだろう。リアツェはゼルフィア帝国帝室と縁戚関係だ、外国に大公国を乗っ取られるぞ。メンパルロの血筋は尊いがあまりに政治感覚がなさすぎる。フェリュード大公の時代がよかったからと言ってまた貨幣鋳造の権利を各領主ごとに振り分けかねん」

「アレクシオン様! 真面目にお聞きなさい!」
「なあ、マカリオスよ」
 アレクシオンは両足を床に下ろし、真剣に後見人を見上げた。太った男は暑さにフウフウ息をして汗をかき、禿げ頭をぬらりと光らせている。どこからどう見ても悪徳商人か大臣の風情だが、マカリオスの内心が誰より清らかなことを彼はよく知っていた。アレクシオンが出征している間、マカリオスは帳簿を誤魔化しもしなかったのだ。

「考えてもみろ。これまでのように外戚にほとんど政治を丸投げする国にすることで、なんの利益がある? あえて貧乏貴族の娘を娶り、父親に口出しさせないようにして俺と部下が国政を見る。大公の手に実権を取り戻す、いい機会だと思わないか」

 それはアレクシオンが自分なりに結論づけた屁理屈だった。
「ダメに決まっていましょう!」
 ぴしゃり、マカリオスは容赦なく若者の哀願を否定する。

「そんなことをすれば大貴族たちの号令により中小の貴族が結束し、あなたの後釜を探すでしょう。大公の座に就けるお血筋の貴公子はたくさんいるのですから。外戚のもっとも重要な利権は官僚や貴族の人事決定権です。富める領地に親戚を。貧しい土地に敵を。これで帝国の安定は保たれる。それを持たせないとなれば、どう大貴族たちに金を出させるのです? あなたが一番苦しんだことだ。大公の地位にある者が貧乏しているなど笑いものです――」
「兵士どもが屋敷を取り囲み火を放てば貴族は黙る。そして俺の配下だった男たちは、金などなくても協力してくれる。俺のために」

 アレクシオンは静かに唸った。マカリオスは黙り込んだ。
「何故なら俺は、彼らを人間扱いした最初の大公家の貴公子だからだ」
 農奴が割り当てられた耕作地を捨てて逃亡すると、彼らは流民と呼ばれるようになる。その状態の人間はどんな領主の庇護も受けられない。土地を耕して貴族に仕えていないのだから。

 都市に流れついてもそこでもろくな仕事はない。せいぜい下働きかその日暮らしか。年老いればいずれ野垂れ死にする。保護者がいない、つまり法律の範囲外に置かれているから、身を守るため武装し団結する。男なら傭兵、女なら娼婦になり、まともではない社会の人間の支配下に入る。

 アレクシオンはそんな男たちを自軍に受け入れ、兵士として訓練し、身分を与えた。男たちは自分の馴染みの娼婦や家族を呼び寄せ、アレクシオンは彼女たちをも保護した。勝ち取った土地の開墾の権利を流民の家族に与えたのだ。そして彼らは農奴ではなく、平民という民なのだと宣言した。北方大公国ロズアラド成立以来、決してなかったことだった。

 何も慈愛の心から奴隷を平民と呼び改めたわけではない。一度社会から爪弾きにされた者が再び社会の輪の中に戻れたとき、どれほど感謝するか痛いほどよくわかっていたからそうしたのだ。元流民たちはアレクシオンに永遠の忠誠を誓い、彼のために命を散らすことを決して恐れないだろう。

 彼は続けた。
「お前が自分で言ったんじゃないか。宮殿が毒と暴力に満ち溢れていたことは俺だってよく自覚しているさ。ならばそれを国単位でやればいい。暴力は人間の意見を変えるためにもっとも効率のいいカードだ。逆らう貴族どもを俺の兵がすべて踏み潰し、声を上げた端から牢獄につなげ。それで国は平和になる。そうだろう?」

 まあまあ、と能天気な声を上げたのはニコラである。
「仲間内でいがみ合ってどうするんです。大公閣下も神官長様も落ち着いてください。あと怖いこと言わない。どっちも正しいですよ」

 鳶色の髪の幼馴染に諫められ、アレクシオンは両手を広げて降参を示した。
 マカリオスはふーっと大きなため息をつき、彼の前の長椅子にどっかり腰かける。

「大公のお披露目を遅らせるのも限界ですぞ。いい加減腹をお括りなさい。伯爵家の娘は側室にすればよろしい。すべてが落ち着いてから、そう、最初のお子がお生まれになったあとでも」
「それでは遅いのだ」
 アレクシオンは固い声で言う。目を合わせるとまた喧嘩になりそうなので、クッションにもたれかかり高い天井のシャンデリアを見ている。

「彼女は気高い人だ。無体な扱いは断るだろう。俺の手の届かないところまで逃げてしまう。耐えられない」
「ね? だから言ったでしょうマカリオス様。この通り首ったけなんですよ。冷静に話したって通りゃしません」
「たかだか数日話しただけの小娘に御心を奪われるとは……村を焼き滅ぼし貴族を磔にしたあなた様とは思えませんな」

 ちくりと言われてアレクシオンは赤面した。彼は恥ずかしかった――リュディアに嫌われるかもしれないから! 自分の行いについては、必要悪だったのだと割り切っていた。常に彼を諫め続けたマカリオスには不服なことだろうが、そうせねば殺されるのはこちらだったのだ。

 アレクシオンは罪のない村を襲い村人を殺したことがある。女子供にも容赦しなかった。そうしなければ隠密の行軍が土地の領主にばれるところだった。敵方の一味である領主の代官に責められれば平民は簡単に白状する。彼らだって死にたくないのだ。そしてアレクシオンも、死にたくなかった。
 部下にした傭兵どもが家に火を放ち、田畑の収穫を略奪し、泣き叫ぶ父母の前で『戦利品』の村娘を犯すのを見て見ぬふりした。

 その代わりとは言えないが、禁じられた違法な奴隷商人は見つけ次第縛り首にした。敵から収奪した財宝は平等に分配し、軍紀を乱し勝手をする者は斬り捨てた。

 彼の命じた処刑による犠牲者の総数は、おそらく戦死した騎士と兵士を合わせた多い。騎士はともかく敵方の兵士たちは領主である貴族に強制的に招集された農民たちだった。彼は自分のものである国の民を身食いのように殺し、即位したのだ。

 それでも民は新大公を歓迎している、少なくともマカリオスの間諜団が調べ上げた限りでは。二十年近くに渡った内乱の渦がこれでおさまるなら、大公が誰であろうが彼らは受け入れるのだ。

 ならば彼は、父よりもよい君主として君臨せねばならない。殺した数以上の赤ん坊が生まれ、安心して育つ国にするために。だが大貴族に政治を任せればまた元の木阿弥、アルクルのようにそそのかされる貴公子が出るだろう。穏やかな手段では大貴族の専横に太刀打ちできない。

 戦は怖くない。勝つ自信もある。望むところだ。

 だがアレクシオンはリュディアに平和な国を捧げたかった。そのためには数十年の月日が必要になるだろうことが、ただ不甲斐なかった。彼は生まれながらの君主だったが、この国には君主の血筋以上に古く尊い大貴族たちがいる。大公家が大公の地位を保っているのは、古王国時代にそう定められた古い法律がそのように機能しているから、そしてその方が貴族にとって都合がいいからだった。

「陛下が殺さなかったら、貴族どもは自分の領民を皆殺しにしていましたよ。アレクシオンめに奴隷をとられるくらいならと思ってね。人命は財産です」
「むうう……」

 ニコラはさらりと言い、心優しいマカリオスは頭を抱えて呻いた。
 この太った男にとって、宮殿は毒気がきつすぎる。間諜どもをうまく操るすべを学び終えたら、アレクシオンはこの後見人を隠居させてやるつもりでいた。そのときは思ったより、早いのかもしれなかった。

「遅く来た春には暴風雨がつきものというからねえ……」
 ニコラはお茶のポットをかき混ぜながら呟く。窓の外には雪が散っている。

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