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1 今年のプリンセス
まさか王立学園の入学式で、壇上に上げられるとは思っていなかった。
壇上って、偉い人が上がるところだよね。
私たち新入生全員が壇上で、二年生と三年生の先輩方がホールに着席なさっている。
「メーベルってば、緊張し過ぎ」
隣に座っている親友のシャーリーが、真っ直ぐ前を向いたまま、私にだけ聞こえる小声で話しかけてきた。
「だって。大勢に見られていると思うと、なんだか緊張しちゃって――」
「ないない。私たちなんて誰も見ていないって。みんな王子殿下を見ているに決まっているじゃない」
確かに彼女の言う通りだ。新入生の中にはフレデリック王子殿下がいらっしゃる。
彼の席はもちろん、私とシャーリーが座っている二列目ではなく、最前列の真ん中だ。
「でもやっぱり緊張するなって言う方が無理。こんなの聞いていないもん」
私も隣を見ずに正面を向いたまま、なるべく口を動かさないように注意して話す。
「へぇ。メーベルならアーチボルト様から聞いているかと思ったのに」
シャーリーが思わせぶりにニヤリと笑った――ような気がする。
彼女のことだから、いつもの、あのニマニマした顔をしているに違いない。
一学年上のアーチボルト様は、ウィーナー辺境伯家の三男で、父親同士が学園時代の親友だったことから、私が物心ついた頃から兄のように慕っている方だ。
彼は子どもの頃から文武両道で顔立ちも整っていたため、常に女の子たちの視線を集めていた。
互いの父親と同じように、私とアーチボルト様の距離も――多分、他の令嬢たちよりは幾分――近いとは思うけれど、シャーリーが思っているのとは違う。
「多分、アーチボルト様にとっては大したことではないから、私に言うほどのことじゃないって思われたのよ」
「ふーん」
もう。
「ねえ。それよりも、今、名前を呼ばれて前に出て行った人。シャーリーの従姉妹のお姉さんが言っていた人でしょう?」
「ああ、レリル・コーエン? 男爵令嬢ね」
新入生代表として王子殿下が挨拶することは聞いていたけれど、その前に、『今年のプリンセス』として、レリル様が紹介されていた。
彼女は手を振りながら会場内をキョロキョロと見渡している。
……え?
ここはきちんと挨拶をするところじゃない?
会場内は静まりかえって、おかしな空気になっている。
それでも、彼女が頭を動かす度に、柔らかそうなピンクブロンドの巻き毛がふわりと動いて、本当にプリンセスみたい。
私の焦茶色の髪の毛とは段違い。
私の髪もうねってはいるけれど、ただのくせ毛だし……。
いいなぁ。レリル様みたいなふわふわの綿菓子みたいな感じがよかったなぁ。
シャーリーは入学前に、彼女の噂話を仕入れて聞かせてくれていた。
「ねえ、シャーリー。本当にレリル様に対してクレームがあったの? 可愛らしい方だし、優しそうに見えるけど?」
「もう、メーベル!」
少しだけシャーリーの声が大きくなったので、隣の子に「シッ!」と注意されてしまった。
それでも彼女は小声で言いかけた続きを教えてくれた。
「メーベル。見かけに騙されちゃ駄目よ。入学前の引き継ぎの際、先代のプリンセスだった侯爵令嬢が、レリル様に決まった理由をかなりしつこく尋ねて、先生から渋々教えてもらったらしいんだけど――」
シャーリーの従姉妹は、その侯爵令嬢と仲が良いらしく事情通なのだ。
「何でも、『面接での対応が素晴らしかった』からなんですって」
「え? おかしくない? 面接って――矛盾していない?」
「そうよ!」
今度は両側から「シッ!」と注意された。
「シャーリー……」
「ごめん、ごめん。でも面接を受けるような生徒が『今年のプリンセス』に選ばれるのはおかしいと、その場で猛抗議したんだって」
それはそうだろう。
普通、入学に際して面接など受けない。
「このホールに入る前に組分け表で確認したけど、レリル様は二組だったわ! メーベルは自分の名前しか見ていなかったでしょう?」
私たち貴族は、十五歳になると王都の王立学園に三年間通い、高等教育と社交性を身に付けることを義務付けられている。
基礎的な知識や一般教養は各家の責任で入学までに終わらせていることが前提だ。
ただ、習得レベルは各人でばらつきがあるため、入学前に組分けのための試験が実施される。
その試験の結果、入学するレベルに達していないと判断された人だけが、秘密裏に『面接』を受ける。
そうして、面接での点数が組分け試験の結果に加点されるのだ。
なぜなら、王立学園の成績は、公文書に準ずるものだから。
将来、何らかの理由で閲覧された場合に備えて、生徒の対面を守るためにできた制度だと噂されている。
そう。噂レベルなので、本当にそんなことが行われているのか誰も知らなかったのだ。
それが、まさかの教師の発言で裏付けられることになるとは。
「それに、『今年のプリンセス』って、慣例的にその学年で一番高位の家の令嬢が選ばれていたでしょう?」
「あ。男爵家……」
「侯爵令嬢はプライドの高い方らしいから、『代々大切に継承してきた称号の価値が損なわれた!』なんて言っているらしいわ」
うーん。高位貴族の価値観はよく分からないけれど。
「でも、代々って言っても、三年前に始まったことでしょう?」
「そう。平民の入学が許可された年」
『今年のプリンセス』は、三年前、王子殿下の三歳上の王女殿下が入学された年にできた称号なのだ。
そもそも、王立学園には貴族の子息令嬢しか入学できなかった。
そんな慣例に国王陛下が変化をもたらした。
三年前の改革で、平民にも学園の門戸を開いたのだ。
平民たちは、生活に必要な範囲での読み書き計算を個々に学んでいるだけだったけれど、国が平民向けの初等教育機関を作り、成績優秀者は貴族と共に王立学園で学ぶことを許された。
それでも保守的な貴族たちの訴えで、上級貴族と成績優秀な下級貴族が一組で、それ以外は二組に分けられることになったけれど……。
「従姉妹によると、王女殿下のプライドは、その侯爵令嬢の比じゃないくらい高かったらしいけどね。入学前から、『平民と同じ学園に通うなんて!』と、激昂していたらしいわ。でも表立って国王陛下のお考えに異を唱える訳にはいかないでしょう? それで学園側が、王女殿下にお怒りを鎮めてもらうために、学園内のイベントでは先頭に立ってアピールする役職として、あのおかしな称号を作ったのよね」
学園としては、三年間、王女殿下を預かる訳だから、できるだけ平穏に過ごしてほしいと願うのは分かる。
でもねぇ。
ご機嫌取りのために、本物のプリンセスに、学園内のプリンセスという称号を作るなんて……。
「それについてはアーチボルト様も面白おかしく話されていたわ。王女殿下が卒業するまでの三年間だけ、特別に運用するつもりだったらしいわね。それなのに、殿下が二年生に上がる際、『これから毎年、新入生の中からふさわしい者を選んで継承していくように』とおっしゃったそうよ。自分のためだけに作られたのではないと知らしめたかったらしいわ」
うっかりアーチボルト様の名前を出しちゃったけれど、シャーリーは噂話に夢中で私を揶揄うことを忘れている。
「私も聞いたわ! 寛容な態度を見せたかったのね。でもそれなら最初からそんな称号なんていらないって辞退すればいいのに。王子殿下みたいに」
「え? どういうこと?」
「あれ? メーベルは聞いていないの? 王女殿下に作ったように、王子殿下にもプリンスの称号を送ろうとしたらしいわよ」
「え?」
「プリンセスがあるんだもの。プリンスがあったっておかしくないものね。学園側は本気で打診したみたいよ? でも事前に打診された段階で王子殿下はお断りしたんだって。良識のある方でよかったわ。とりあえず次の代まではこの国は大丈夫そうね」
シャーリーが勝手に太鼓判を押しているけれど、前列の中央で背筋を伸ばして座っている王子殿下はずっと微動だにせず姿勢を保っている。
その後ろ姿がとても凛々しく思えてきた。
「メーベル。気が付いている?」
「プリンセスとかプリンスとか、そんな称号を作ること自体、国王陛下のお考えからずれているってこと?」
「もう! それもそうなんだけど。最初にそんな馬鹿げた提案をした教師たちと、反対意見の教師たちとで教師陣は真っ二つになったのよ。でも学園長のゴリ押しで決定したの。つまりこの学園は学園長派閥が優位なの。そしてね――」
シャーリーが勿体ぶって、私をじいっと見つめる。
その顔はこれから嫌なことを言おうとしているでしょう!
「え? 何? 何なの?」
「この学園って、生徒と学年の教師陣は卒業まで一緒に上がっていくの。だから、卒業した王女殿下を担当されていた学園長派閥の教師陣が私たち一年生を担当するのよ!」
「ひっ」
それはもう――嫌な予感しかしない。
壇上って、偉い人が上がるところだよね。
私たち新入生全員が壇上で、二年生と三年生の先輩方がホールに着席なさっている。
「メーベルってば、緊張し過ぎ」
隣に座っている親友のシャーリーが、真っ直ぐ前を向いたまま、私にだけ聞こえる小声で話しかけてきた。
「だって。大勢に見られていると思うと、なんだか緊張しちゃって――」
「ないない。私たちなんて誰も見ていないって。みんな王子殿下を見ているに決まっているじゃない」
確かに彼女の言う通りだ。新入生の中にはフレデリック王子殿下がいらっしゃる。
彼の席はもちろん、私とシャーリーが座っている二列目ではなく、最前列の真ん中だ。
「でもやっぱり緊張するなって言う方が無理。こんなの聞いていないもん」
私も隣を見ずに正面を向いたまま、なるべく口を動かさないように注意して話す。
「へぇ。メーベルならアーチボルト様から聞いているかと思ったのに」
シャーリーが思わせぶりにニヤリと笑った――ような気がする。
彼女のことだから、いつもの、あのニマニマした顔をしているに違いない。
一学年上のアーチボルト様は、ウィーナー辺境伯家の三男で、父親同士が学園時代の親友だったことから、私が物心ついた頃から兄のように慕っている方だ。
彼は子どもの頃から文武両道で顔立ちも整っていたため、常に女の子たちの視線を集めていた。
互いの父親と同じように、私とアーチボルト様の距離も――多分、他の令嬢たちよりは幾分――近いとは思うけれど、シャーリーが思っているのとは違う。
「多分、アーチボルト様にとっては大したことではないから、私に言うほどのことじゃないって思われたのよ」
「ふーん」
もう。
「ねえ。それよりも、今、名前を呼ばれて前に出て行った人。シャーリーの従姉妹のお姉さんが言っていた人でしょう?」
「ああ、レリル・コーエン? 男爵令嬢ね」
新入生代表として王子殿下が挨拶することは聞いていたけれど、その前に、『今年のプリンセス』として、レリル様が紹介されていた。
彼女は手を振りながら会場内をキョロキョロと見渡している。
……え?
ここはきちんと挨拶をするところじゃない?
会場内は静まりかえって、おかしな空気になっている。
それでも、彼女が頭を動かす度に、柔らかそうなピンクブロンドの巻き毛がふわりと動いて、本当にプリンセスみたい。
私の焦茶色の髪の毛とは段違い。
私の髪もうねってはいるけれど、ただのくせ毛だし……。
いいなぁ。レリル様みたいなふわふわの綿菓子みたいな感じがよかったなぁ。
シャーリーは入学前に、彼女の噂話を仕入れて聞かせてくれていた。
「ねえ、シャーリー。本当にレリル様に対してクレームがあったの? 可愛らしい方だし、優しそうに見えるけど?」
「もう、メーベル!」
少しだけシャーリーの声が大きくなったので、隣の子に「シッ!」と注意されてしまった。
それでも彼女は小声で言いかけた続きを教えてくれた。
「メーベル。見かけに騙されちゃ駄目よ。入学前の引き継ぎの際、先代のプリンセスだった侯爵令嬢が、レリル様に決まった理由をかなりしつこく尋ねて、先生から渋々教えてもらったらしいんだけど――」
シャーリーの従姉妹は、その侯爵令嬢と仲が良いらしく事情通なのだ。
「何でも、『面接での対応が素晴らしかった』からなんですって」
「え? おかしくない? 面接って――矛盾していない?」
「そうよ!」
今度は両側から「シッ!」と注意された。
「シャーリー……」
「ごめん、ごめん。でも面接を受けるような生徒が『今年のプリンセス』に選ばれるのはおかしいと、その場で猛抗議したんだって」
それはそうだろう。
普通、入学に際して面接など受けない。
「このホールに入る前に組分け表で確認したけど、レリル様は二組だったわ! メーベルは自分の名前しか見ていなかったでしょう?」
私たち貴族は、十五歳になると王都の王立学園に三年間通い、高等教育と社交性を身に付けることを義務付けられている。
基礎的な知識や一般教養は各家の責任で入学までに終わらせていることが前提だ。
ただ、習得レベルは各人でばらつきがあるため、入学前に組分けのための試験が実施される。
その試験の結果、入学するレベルに達していないと判断された人だけが、秘密裏に『面接』を受ける。
そうして、面接での点数が組分け試験の結果に加点されるのだ。
なぜなら、王立学園の成績は、公文書に準ずるものだから。
将来、何らかの理由で閲覧された場合に備えて、生徒の対面を守るためにできた制度だと噂されている。
そう。噂レベルなので、本当にそんなことが行われているのか誰も知らなかったのだ。
それが、まさかの教師の発言で裏付けられることになるとは。
「それに、『今年のプリンセス』って、慣例的にその学年で一番高位の家の令嬢が選ばれていたでしょう?」
「あ。男爵家……」
「侯爵令嬢はプライドの高い方らしいから、『代々大切に継承してきた称号の価値が損なわれた!』なんて言っているらしいわ」
うーん。高位貴族の価値観はよく分からないけれど。
「でも、代々って言っても、三年前に始まったことでしょう?」
「そう。平民の入学が許可された年」
『今年のプリンセス』は、三年前、王子殿下の三歳上の王女殿下が入学された年にできた称号なのだ。
そもそも、王立学園には貴族の子息令嬢しか入学できなかった。
そんな慣例に国王陛下が変化をもたらした。
三年前の改革で、平民にも学園の門戸を開いたのだ。
平民たちは、生活に必要な範囲での読み書き計算を個々に学んでいるだけだったけれど、国が平民向けの初等教育機関を作り、成績優秀者は貴族と共に王立学園で学ぶことを許された。
それでも保守的な貴族たちの訴えで、上級貴族と成績優秀な下級貴族が一組で、それ以外は二組に分けられることになったけれど……。
「従姉妹によると、王女殿下のプライドは、その侯爵令嬢の比じゃないくらい高かったらしいけどね。入学前から、『平民と同じ学園に通うなんて!』と、激昂していたらしいわ。でも表立って国王陛下のお考えに異を唱える訳にはいかないでしょう? それで学園側が、王女殿下にお怒りを鎮めてもらうために、学園内のイベントでは先頭に立ってアピールする役職として、あのおかしな称号を作ったのよね」
学園としては、三年間、王女殿下を預かる訳だから、できるだけ平穏に過ごしてほしいと願うのは分かる。
でもねぇ。
ご機嫌取りのために、本物のプリンセスに、学園内のプリンセスという称号を作るなんて……。
「それについてはアーチボルト様も面白おかしく話されていたわ。王女殿下が卒業するまでの三年間だけ、特別に運用するつもりだったらしいわね。それなのに、殿下が二年生に上がる際、『これから毎年、新入生の中からふさわしい者を選んで継承していくように』とおっしゃったそうよ。自分のためだけに作られたのではないと知らしめたかったらしいわ」
うっかりアーチボルト様の名前を出しちゃったけれど、シャーリーは噂話に夢中で私を揶揄うことを忘れている。
「私も聞いたわ! 寛容な態度を見せたかったのね。でもそれなら最初からそんな称号なんていらないって辞退すればいいのに。王子殿下みたいに」
「え? どういうこと?」
「あれ? メーベルは聞いていないの? 王女殿下に作ったように、王子殿下にもプリンスの称号を送ろうとしたらしいわよ」
「え?」
「プリンセスがあるんだもの。プリンスがあったっておかしくないものね。学園側は本気で打診したみたいよ? でも事前に打診された段階で王子殿下はお断りしたんだって。良識のある方でよかったわ。とりあえず次の代まではこの国は大丈夫そうね」
シャーリーが勝手に太鼓判を押しているけれど、前列の中央で背筋を伸ばして座っている王子殿下はずっと微動だにせず姿勢を保っている。
その後ろ姿がとても凛々しく思えてきた。
「メーベル。気が付いている?」
「プリンセスとかプリンスとか、そんな称号を作ること自体、国王陛下のお考えからずれているってこと?」
「もう! それもそうなんだけど。最初にそんな馬鹿げた提案をした教師たちと、反対意見の教師たちとで教師陣は真っ二つになったのよ。でも学園長のゴリ押しで決定したの。つまりこの学園は学園長派閥が優位なの。そしてね――」
シャーリーが勿体ぶって、私をじいっと見つめる。
その顔はこれから嫌なことを言おうとしているでしょう!
「え? 何? 何なの?」
「この学園って、生徒と学年の教師陣は卒業まで一緒に上がっていくの。だから、卒業した王女殿下を担当されていた学園長派閥の教師陣が私たち一年生を担当するのよ!」
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