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23 試験結果
初夏になる頃には、私は心の平穏を取り戻していた。
心配していた生徒茶会の評価は、エリック先生から、プリンセスという立場のあるレリル様の評価は他と区別されると説明された。
その口ぶりからは、「彼女のプラスアルファの評価の恩恵を、ペアになったという理由だけで君たちが享受するのは不公平だ」と言われているみたいな気がして、少しばかりムカついたけれど。
シャーリーと、「勘ぐりすぎかな?」「いや、裏読みしなくても匂わされた」と二人で愚痴を言い合う結果になった。
私とシャーリーの評価は、可もなく不可もなくという微妙な結果だったけれど、それ自体に不満はない。
そんなことよりも、今現在、学園内では、『緑の瞳の聖女様』の話で持ちきりだ。
正確には、市井に現れた『緑の瞳の聖女様』の正体はレリル様で、注目を浴びることも、賞賛されることも望んでいない彼女は、ただただ身分を隠して尊い行いをしているというものだ。
レリル様は、「本当はレリル様なのでしょう?」と尋ねられても、「うふふ」と笑うだけで認めていないのに、なぜか『緑の瞳の聖女様』と皆が確信しているのだ。
そんな話を聞いても、最早私の心に波風は立たない。
本物なら真似できない善行だし、違っていたとしても、それはただの勘違いで、一言も意見を述べていない私には関係ないことだ。
むしろ、そうやって大勢がレリル様をチヤホヤしているお陰で、彼女に話しかけられなくて助かっている。
試験が終われば夏季休暇なので、私とシャーリーはもっぱらどこへ遊びに行くかという話題で盛り上がっている。
「じゃあ、先にメーベルがうちに泊まりに来るっていうことで決まりね!」
「お母様も一緒に来たがっていたけれど、お茶会の予定があるらしくて残念がっていたわ。その
腹いせかもしれないけれど、試験結果次第では許可しないかもって脅されちゃった」
「えぇぇ! まあ、うちも似たようなこと言っていたけどね。入学して最初の試験だもんね。あんまり成績が悪いと二年生で二組に落とされるかもしれないんでしょ? 落ちた人はいないって聞くけど、やっぱり心配だよね」
「そうそう。後期の年度末試験で挽回するチャンスはあるって言うけど、不安なまま過ごすのは嫌だもんね」
夏季休暇を楽しむために、私とシャーリーはお互いに励まし合いながら試験勉強に没頭した。
◇◇◇ ◇◇◇
試験当日。
試験結果が将来を左右することになるので、さすがの一組の生徒も朝から緊張していた。
「メーベルは数学得意だったよね。私は苦手だから、最後が数学なのは嫌だな。疲れが溜まって頭が回らない頃に計算だなんて」
「私も別に得意って訳じゃないけど。でも計算は無心でできるから逆に大丈夫かもよ?」
「……だといいんだけど」
そんな会話から始まった一日の試験も、最後の数学を残すのみとなり、「あと一科目だね」「頑張ろう」と試験の開始を待っていると、隣の席のレリル様が帰り支度を始めた。
え? 早退? 具合が悪そうには見えないけれど。
レリル様に何かあると騒ぎ立てる伯爵令息たちも沈黙している――もしかしてあらかじめ知らされていた?
じゃあ学校側にも早退する旨の連絡がいっているってこと?
誰一人として、レリル様が教室を出ていくことに言及しない。
関係ないといえばそうだけど、気にならないのかな?
シャーリーは私と同じ考えだったみたいで、「言いたいことは山ほどあるけど、まずは数学の試験に集中するから」と、私にしか聞こえない小声でつぶやいた。
◇◇◇ ◇◇◇
試験監督のエリック先生の「それまで」という号令で試験が終わった。
「終わったー! メーベル、終わったよー!」
「うん。終わったねー」
「夏季休暇だー!」
「そうだねー!」
教室のあちらこちらで私たちと同じような会話が繰り広げられている。
さすがに今日はみんな帰り支度が早い。
「メーベル。歩きながら話そう」
「うん」
◇◇◇ ◇◇◇
私とシャーリーは、正門へ向かう生徒たちの流れから少し外れて、石畳ではなく土の上を歩きながら話した。
「教室を出る前に伯爵令息三人組を思わせぶりに睨んでみたんだけど、そうしたら勝手に喋ってくれたわ」
「は? ちょっと、シャーリー! 何やってんの!」
「平気よ。私は一言も喋ってないもの。でね、『文句があるのか? レリル嬢は正式に免除されているのだぞ!』だって」
「え? 免除? レリル様は数学の試験を免除されたの?」
「そう。なんでも一組に編入して間もないから、特に二組との学習に差がある数学は免除になったんだって!」
「そんな……」
ひどくない?
いくらなんでもたった一人の生徒に配慮し過ぎじゃないの?
そうしないと国王陛下のご意向に逆らうことになるの?
本当にそうなのかな……?
「なんでも普段の授業態度を勘案してエリック先生が点数をつけるんだって!」
「エリック先生が?」
あの日の二人の姿が目に浮かんだ。
いくらなんでも私の点数より高いなんてことはないよね。
得意だからこそ、高得点を狙って勉強したのに。
「そうなんだって! 悔しいけど、学園側が勝手に配慮したことだから文句の言いようがないよね。レリル様はただ従っただけ。彼女の方からお願いした訳じゃないから、逆にいえば、力を発揮するチャンスを奪われたとも言える訳だし。なんだかもうイライラが止まらない!」
「私はモヤモヤが止まらない。学園にも心底がっかりしたし……。もしレリル様の試験結果が私たちよりよかったら――」
「さすがにそれはないよ! だって、レリル様って授業中に指名されたことがないもの。みんなそれを知っているんだから、エリック先生が贔屓しようにもそこまではできないでしょ」
「そう――だよね」
私とシャーリーは、イライラとモヤモヤを抱えたまま試験結果が出るのを待つことになった。
◇◇◇ ◇◇◇
二日後。試験結果発表の日。
シャーリーが、登校してきた私の腕をガシッと掴んで早歩きで掲示板の前まで移動引っ張った。
「ちょっ、ちょっと、シャーリー――」
「見て!」
試験結果の前は大勢の生徒で溢れかえっていた。
掲示板には、学年ごとの試験結果が張り出されている。
一番左の一年生の結果の中に、自分の名前を探す。
……メーベル・ディジョン、メーベル・ディジョン、メーベル・ディジョン、メーベル・ディジョン、あった。
「八位だ! やったー!」
「おめでとう、メーベル。ちなみに私は十一位だった。それより見て! 一番下!」
「ん?」
最下位の人を見ろってこと?
まさか――レリル様?
だとしたら納得がいくなどと、少し意地の悪いことを考えてしまった。
一番下には、本当にレリル様の名前があった。
ただ、順位の一番下ではなかった。
一位から順に名前が書かれていて、最下位の生徒の名前の前には、赤色で三角の記号が付いている。
これはアラートだ。次の後期でも最下位の成績だと留年となる。
ちなみに記憶にない名前なので二組の生徒だと思う。
私たち一組の生徒の中の最下位は二十一位だ。二十位には二組の生徒と思われる名前がある。
二十一位だと全体では中ぐらいなので名前の前に記号こそ付いていないけれど、後期でもクラスの中で最下位だと、その上の順位の二組の生徒と入れ替わることになる。
この学園は実力主義なのだ。
レリル様の名前は、順位の名前の塊からは少し離れた下に書かれていた。
『対象外』という文字の下に。
「対象外……」
競争にも参加させずに守るということ?
本当にそれで公平と言えるの?
◇◇◇ ◇◇◇
掲示板の前の人だかりはなかなか消えなかった。
授業開始前に、先生たちがこぞって教室に入るように声をかけて、ようやく解消された。
一組の教室に入ると、レリル様は何食わぬ顔で席に着いていた。
私の席は彼女の隣なので、席に向かって歩くと、人によっては彼女に向かって歩いているように見えたのかもしれない。
例の伯爵令息三人が、私がレリル様に声でもかけようものならタダじゃおかないぞ、とでも言いたげに、憎しみのこもった視線で牽制してきた。
それってつまり、彼らもあの『対象外』は、レリル様が攻撃されると思うほどの、学園側の愚策だと認識しているってこと?
今日の最初の授業は、よりによってエリック先生だ。
私の中で彼は、『カリキュラムの違う二組から編入した経過措置として、今回は対象外とすべき』と進言した一人なのではないかと推察――というか、ほぼ確信している。
教室内の雰囲気は特にいつもと変わった様子はない。
高位貴族にとっては、男爵家の令嬢の成績がどう扱われようと興味がないのかな?
全てにおいて優秀な彼らは、試験の結果が悪ければ二組に落とされるかもしれない、などという不安とは無縁だろうし。
私やシャーリーはレリル様と同じ下位貴族で、同じ土俵で戦っているからこそ、彼女を無視できないのかもしれない。
あぁー。そう思うと何だか悲しい……。
心配していた生徒茶会の評価は、エリック先生から、プリンセスという立場のあるレリル様の評価は他と区別されると説明された。
その口ぶりからは、「彼女のプラスアルファの評価の恩恵を、ペアになったという理由だけで君たちが享受するのは不公平だ」と言われているみたいな気がして、少しばかりムカついたけれど。
シャーリーと、「勘ぐりすぎかな?」「いや、裏読みしなくても匂わされた」と二人で愚痴を言い合う結果になった。
私とシャーリーの評価は、可もなく不可もなくという微妙な結果だったけれど、それ自体に不満はない。
そんなことよりも、今現在、学園内では、『緑の瞳の聖女様』の話で持ちきりだ。
正確には、市井に現れた『緑の瞳の聖女様』の正体はレリル様で、注目を浴びることも、賞賛されることも望んでいない彼女は、ただただ身分を隠して尊い行いをしているというものだ。
レリル様は、「本当はレリル様なのでしょう?」と尋ねられても、「うふふ」と笑うだけで認めていないのに、なぜか『緑の瞳の聖女様』と皆が確信しているのだ。
そんな話を聞いても、最早私の心に波風は立たない。
本物なら真似できない善行だし、違っていたとしても、それはただの勘違いで、一言も意見を述べていない私には関係ないことだ。
むしろ、そうやって大勢がレリル様をチヤホヤしているお陰で、彼女に話しかけられなくて助かっている。
試験が終われば夏季休暇なので、私とシャーリーはもっぱらどこへ遊びに行くかという話題で盛り上がっている。
「じゃあ、先にメーベルがうちに泊まりに来るっていうことで決まりね!」
「お母様も一緒に来たがっていたけれど、お茶会の予定があるらしくて残念がっていたわ。その
腹いせかもしれないけれど、試験結果次第では許可しないかもって脅されちゃった」
「えぇぇ! まあ、うちも似たようなこと言っていたけどね。入学して最初の試験だもんね。あんまり成績が悪いと二年生で二組に落とされるかもしれないんでしょ? 落ちた人はいないって聞くけど、やっぱり心配だよね」
「そうそう。後期の年度末試験で挽回するチャンスはあるって言うけど、不安なまま過ごすのは嫌だもんね」
夏季休暇を楽しむために、私とシャーリーはお互いに励まし合いながら試験勉強に没頭した。
◇◇◇ ◇◇◇
試験当日。
試験結果が将来を左右することになるので、さすがの一組の生徒も朝から緊張していた。
「メーベルは数学得意だったよね。私は苦手だから、最後が数学なのは嫌だな。疲れが溜まって頭が回らない頃に計算だなんて」
「私も別に得意って訳じゃないけど。でも計算は無心でできるから逆に大丈夫かもよ?」
「……だといいんだけど」
そんな会話から始まった一日の試験も、最後の数学を残すのみとなり、「あと一科目だね」「頑張ろう」と試験の開始を待っていると、隣の席のレリル様が帰り支度を始めた。
え? 早退? 具合が悪そうには見えないけれど。
レリル様に何かあると騒ぎ立てる伯爵令息たちも沈黙している――もしかしてあらかじめ知らされていた?
じゃあ学校側にも早退する旨の連絡がいっているってこと?
誰一人として、レリル様が教室を出ていくことに言及しない。
関係ないといえばそうだけど、気にならないのかな?
シャーリーは私と同じ考えだったみたいで、「言いたいことは山ほどあるけど、まずは数学の試験に集中するから」と、私にしか聞こえない小声でつぶやいた。
◇◇◇ ◇◇◇
試験監督のエリック先生の「それまで」という号令で試験が終わった。
「終わったー! メーベル、終わったよー!」
「うん。終わったねー」
「夏季休暇だー!」
「そうだねー!」
教室のあちらこちらで私たちと同じような会話が繰り広げられている。
さすがに今日はみんな帰り支度が早い。
「メーベル。歩きながら話そう」
「うん」
◇◇◇ ◇◇◇
私とシャーリーは、正門へ向かう生徒たちの流れから少し外れて、石畳ではなく土の上を歩きながら話した。
「教室を出る前に伯爵令息三人組を思わせぶりに睨んでみたんだけど、そうしたら勝手に喋ってくれたわ」
「は? ちょっと、シャーリー! 何やってんの!」
「平気よ。私は一言も喋ってないもの。でね、『文句があるのか? レリル嬢は正式に免除されているのだぞ!』だって」
「え? 免除? レリル様は数学の試験を免除されたの?」
「そう。なんでも一組に編入して間もないから、特に二組との学習に差がある数学は免除になったんだって!」
「そんな……」
ひどくない?
いくらなんでもたった一人の生徒に配慮し過ぎじゃないの?
そうしないと国王陛下のご意向に逆らうことになるの?
本当にそうなのかな……?
「なんでも普段の授業態度を勘案してエリック先生が点数をつけるんだって!」
「エリック先生が?」
あの日の二人の姿が目に浮かんだ。
いくらなんでも私の点数より高いなんてことはないよね。
得意だからこそ、高得点を狙って勉強したのに。
「そうなんだって! 悔しいけど、学園側が勝手に配慮したことだから文句の言いようがないよね。レリル様はただ従っただけ。彼女の方からお願いした訳じゃないから、逆にいえば、力を発揮するチャンスを奪われたとも言える訳だし。なんだかもうイライラが止まらない!」
「私はモヤモヤが止まらない。学園にも心底がっかりしたし……。もしレリル様の試験結果が私たちよりよかったら――」
「さすがにそれはないよ! だって、レリル様って授業中に指名されたことがないもの。みんなそれを知っているんだから、エリック先生が贔屓しようにもそこまではできないでしょ」
「そう――だよね」
私とシャーリーは、イライラとモヤモヤを抱えたまま試験結果が出るのを待つことになった。
◇◇◇ ◇◇◇
二日後。試験結果発表の日。
シャーリーが、登校してきた私の腕をガシッと掴んで早歩きで掲示板の前まで移動引っ張った。
「ちょっ、ちょっと、シャーリー――」
「見て!」
試験結果の前は大勢の生徒で溢れかえっていた。
掲示板には、学年ごとの試験結果が張り出されている。
一番左の一年生の結果の中に、自分の名前を探す。
……メーベル・ディジョン、メーベル・ディジョン、メーベル・ディジョン、メーベル・ディジョン、あった。
「八位だ! やったー!」
「おめでとう、メーベル。ちなみに私は十一位だった。それより見て! 一番下!」
「ん?」
最下位の人を見ろってこと?
まさか――レリル様?
だとしたら納得がいくなどと、少し意地の悪いことを考えてしまった。
一番下には、本当にレリル様の名前があった。
ただ、順位の一番下ではなかった。
一位から順に名前が書かれていて、最下位の生徒の名前の前には、赤色で三角の記号が付いている。
これはアラートだ。次の後期でも最下位の成績だと留年となる。
ちなみに記憶にない名前なので二組の生徒だと思う。
私たち一組の生徒の中の最下位は二十一位だ。二十位には二組の生徒と思われる名前がある。
二十一位だと全体では中ぐらいなので名前の前に記号こそ付いていないけれど、後期でもクラスの中で最下位だと、その上の順位の二組の生徒と入れ替わることになる。
この学園は実力主義なのだ。
レリル様の名前は、順位の名前の塊からは少し離れた下に書かれていた。
『対象外』という文字の下に。
「対象外……」
競争にも参加させずに守るということ?
本当にそれで公平と言えるの?
◇◇◇ ◇◇◇
掲示板の前の人だかりはなかなか消えなかった。
授業開始前に、先生たちがこぞって教室に入るように声をかけて、ようやく解消された。
一組の教室に入ると、レリル様は何食わぬ顔で席に着いていた。
私の席は彼女の隣なので、席に向かって歩くと、人によっては彼女に向かって歩いているように見えたのかもしれない。
例の伯爵令息三人が、私がレリル様に声でもかけようものならタダじゃおかないぞ、とでも言いたげに、憎しみのこもった視線で牽制してきた。
それってつまり、彼らもあの『対象外』は、レリル様が攻撃されると思うほどの、学園側の愚策だと認識しているってこと?
今日の最初の授業は、よりによってエリック先生だ。
私の中で彼は、『カリキュラムの違う二組から編入した経過措置として、今回は対象外とすべき』と進言した一人なのではないかと推察――というか、ほぼ確信している。
教室内の雰囲気は特にいつもと変わった様子はない。
高位貴族にとっては、男爵家の令嬢の成績がどう扱われようと興味がないのかな?
全てにおいて優秀な彼らは、試験の結果が悪ければ二組に落とされるかもしれない、などという不安とは無縁だろうし。
私やシャーリーはレリル様と同じ下位貴族で、同じ土俵で戦っているからこそ、彼女を無視できないのかもしれない。
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