『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』

miigumi

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6章

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第53話『ピノの恋人育成計画、はじまります』

 *

 「ぴぴぴーーーっ!! 会議、始めるぞーっ!!」

 しろくま通り某所・ピノ会議室(※倉庫の裏)。
 メンバーはピノ・モル・パン屋の奥さん・仕立て屋・旅商人・そしてなぜか子ども代表のレミちゃん。

 議題は――
 『リィナ&レオ、正式恋人デートプラン構築計画』

 「ぴ(現状、手もつないでるし両想いだが)」

 「モル、まだ“だいすき”って100回は言ってない!」

 「そこ大事!?」「それよりデート場所よね~」「服もでしょ!」

 大人たちはノリノリ。ピノは真剣そのもの。
 レミちゃんだけが「ちゅーっていつするの?」と聞いて空気を爆散させた。

 *

 そしてその頃――リィナとレオは、穏やかにクッキーの仕込み中。

 けれど、何やら町のみんなの視線が熱い。
 差し入れが異常に増える。おまけに服屋から「似合う服」を渡される。
 「今日は絶対ヒマよ!」と誰かが叫ぶ声も。

 「……これって、もしかして……?」

 「……はい。何かが起こってますね」

 *

 そして昼下がり。

 「リィナさん。……少し歩きませんか?」

 「え……あ、うん……!」

 突然のレオからの“お誘い”に、リィナの心臓はバクバク。
 町のみんなが(超さりげなく)後ろから見守っていた。

 *

 いつもの道。だけど、今日は少し違う。

 レオはふと、手に持っていた小さな箱を差し出した。

 「……これ、“付き合い始めた記念”に。ささやかですけど」

 中には、紅茶の香る手作りブローチ。
 茶葉と花を乾かして、丁寧に樹脂で包んであった。

 「レオさん、これ……手作り?」

 「はい。見様見真似ですが、どうしても“贈りたい”と思って」

 リィナは、胸の奥があたたかくなった。
 「ありがとう……わたし、すっごく、うれしい」

 *

 夕方。戻ってきたふたりを待ち構えていたのは――

 「ぴぴっぴぴぃぃぃーー!! 恋人力レベルアップ確認ーっ!!!」

 「モル、レベル10いった!!」「レミちゃん、ちゅーは!?」

 「ないから!? まだだよ!?」

 「ぴぴ(次は夏祭りで浴衣デートだな)」

 「だからもう計画立てないでーー!!」

 *

 その夜、リィナはノートにこう書いた。

 《誰かと“一緒に笑って歩ける”って、
  こんなにも幸せなことだったんだね》
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