『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』

miigumi

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11章

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第116話『音で巡るまち、分けあう暮らし、そして新しい扉へ』

 *

 設計室の壁に、未来案のひとつとして貼り出された。



【新規企画:声の地図・音まち回遊プロジェクト】

・発案:ユル
・内容:町の“場所”と“声”を記録し、感覚でまちを案内
・協力:子どもたち/セイル(記録文章)/ピノ(アイスMAPと連動!?)
・目標:「ただいま」や「ありがとう」の残響があるまち



 ユルはその日、はじめて役場に呼ばれた。

 「あなたの描いた地図、“まちを記憶で歩く”ってことなんですね」
 「……声、消えちゃうから。地図にして、残したかった」



 一方、設計室ではリィナとレオが「第二の扉」の図案を住民たちに見せていた。



第二の扉(仮):

・設計室裏の小さな離れ
・開放式の縁側+読書・休憩スペース
・仮称:“そよぎの小部屋”
・モル「おやつ休憩はここでー!」



 レオ:「この場所が、町の中の“そっとしておける場所”になるといいですね」



 『しろくま書房』では、セイルが棚の端にノートを一冊設置した。



【しろくま交換ノート】

– 誰でも自由に書き込みOK
– 読んだ人は、次のページに“何かひとこと”添える
– テーマは「きょう、すきだったもの」



 はじめての書き込みは、町の少年の文字だった。

 《きょう、ピノの“まいにちムース”がすきだった。あと、だれかが「おかえり」って言ってたの、うれしかった》



 その夜、リィナはノートに新しい見出しを記した。



【暮らしをわけあう日(案)】

・毎月1日だけ、家や店の“なにか”を町とシェア
・手紙・道具・レシピ・本・イス・香り・ひとこと、なんでもOK
・「まいにちを分けて、まるく暮らす」日
・小さなマルシェ+交換ノート連動でやりたい



 「……わけあうって、あげるんじゃなくて、“重なる”ってことなんですね」

 レオはやさしく頷く。

 「あなたと暮らして、初めて知りました。
 “心地よい距離”って、まるくて、あたたかい」
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