親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します

miigumi

文字の大きさ
12 / 21

11

外に出たのだから、まずは聞かなくちゃ。

「マリリン、何する予定?」

「色々したいことはあるけど、一番は初心者向けの天界クエスト受けたいんだよね」

 クエスト。
 そういえば、ここに来てから一度も受けたことがない。

「ココはクエスト、受けたことある?」

「まだないんだ。戦うのもしたことなくて……」

「そっか。じゃあ受けてみない? ついでにスキルも試してみようよ」

 マリリンは明るく笑って、私の手をぎゅっと握る。

「何かあったら守るよ」

 その言葉が、胸の奥にすっと入ってきた。

「……うん。確かに、スキル使ってみたい」

 私は頷く。

「クエスト、一緒にお願い」

「もちろん!」

 太陽みたいな笑顔で返されて、緊張が少しほどけた。

「えっと……ギルドは、今いる天界・白翼街はくよくがいだよね。住宅街から近いけど、初めてだから不安で……」

「大丈夫だよ!」

 マリリンの言葉に背中を押され、私たちはギルドへ向かった。

 *

 白を基調とした建物。
 入口には剣と盾の紋章が掲げられている。

 ここに入れば、クエストが受けられる。

 扉を開けると、中には天使たちがいた。
 ギルドなのに、どこか品がある。種族の街だからだろうか。

 私たちは受付へ向かう。

「すみません。初心者クエストを受けたいのですが」

 受付にいた眼鏡の男性天使が、丁寧に頷いた。

「はい。初心者クエストですね。ギルドの利用は初めてですか?」

「私は初めてです」

 私は隣のマリリンを見る。

「私は天界では初めてです。許可証はあります」

「承知しました。では説明からさせていただきますね」

 男性天使は胸に手を当てる。

「わたくし、ルークと申します。こちらではクエスト受注のほか、鑑定なども行えます」

 私たちは頷きながら話を聞いた。

「クエストを受けるにはギルドカードが必要です。下界の方は、マリリンさんのように許可証も必要となります」

 ルークさんの視線が、今度は私に向く。

「未熟天使の場合、ギルドカードは発行できますが、ランクはFからスタート。Eランクまでとなります」

 ……制限。

 カード一枚で、自由の範囲まで決まってしまうんだ。

「受けられるクエストも初心者からEまでです」

 説明を受けて、卒業しなければ自由は遠いのだと、改めて実感する。

「分かりました。ギルドカード、発行お願いします」

「かしこまりました。こちらがギルドカードです」

 ルークさんから渡されたカードは、白い光を帯びていた。

「初心者クエストですね。『花畑の聖水採取』と『花喰いスライム討伐』でよろしいでしょうか?」

 マリリンが私に確認する。

「採取と討伐だね。ココ、このクエストでいい?」

「うん。それでお願いします」

「では、クエストを受注します。ギルドカードをこちらのオーブに触れてください」

 言われた通りカードをオーブに触れると、青い光が広がった。

 同時に通知が浮かぶ。



【クエスト受注】

■花畑の聖水採取
目的:聖水×3 回収
追加条件:浄化により品質アップ

■花喰いスライム討伐
目的:花喰いスライム×3 討伐
追加条件:4体目以降は追加報酬



「初心者の方には天界のマップも配布しております」

 ルークさんが一枚の地図を差し出す。

「では、お二人ともお気をつけて。いってらっしゃい」

「いってきます」

 私たちはギルドを後にした。

 マリリンが楽しそうに言う。

「ココ、どっちからやりたい?」

「んー……聖水から行こうかな」

「じゃあ決まり!」

 私たちはマップを見て、天界・花苑街かえんがいへ向かった。

 低空浮遊で進む。
 マリリンに手を繋がれながら、私は空を蹴る感覚を確かめる。

 ――初めてのクエスト。

 心臓が、少しだけ速くなった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生信長伝〜転生したら織田信長だった件〜

じょうそん
ファンタジー
冴えない大学生だった俺はある日転生したら織田信長になっていた。 このままだと本能寺で死んでしまう。 俺は生き残るために歴史を変える。

勇者の野郎と元婚約者、あいつら全員ぶっ潰す

さとう
ファンタジー
大陸最大の王国である『ファーレン王国』 そこに住む少年ライトは、幼馴染のリリカとセエレと共に、元騎士であるライトの父に剣の稽古を付けてもらっていた。 ライトとリリカはお互いを意識し婚約の約束をする。セエレはライトの愛妾になると宣言。 愛妾を持つには騎士にならなくてはいけないため、ライトは死に物狂いで騎士に生るべく奮闘する。 そして16歳になり、誰もが持つ《ギフト》と呼ばれる特殊能力を授かるため、3人は王国の大聖堂へ向かい、リリカは《鬼太刀》、セエレは《雷切》という『五大祝福剣』の1つを授かる。 一方、ライトが授かったのは『???』という意味不明な力。 首を捻るライトをよそに、1人の男と2人の少女が現れる。 「君たちが、オレの運命の女の子たちか」 現れたのは異世界より来た『勇者レイジ』と『勇者リン』 彼らは魔王を倒すために『五大祝福剣』のギフトを持つ少女たちを集めていた。    全てはこの世界に復活した『魔刃王』を倒すため。 5つの刃と勇者の力で『魔刃王』を倒すために、リリカたちは勇者と共に旅のに出る。 それから1年後。リリカたちは帰って来た、勇者レイジの妻として。 2人のために騎士になったライトはあっさり捨てられる。 それどころか、勇者レイジの力と権力によって身も心もボロボロにされて追放される。 ライトはあてもなく彷徨い、涙を流し、決意する。 悲しみを越えた先にあったモノは、怒りだった。 「あいつら全員……ぶっ潰す!!」

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

私のスキルが、クエストってどういうこと?

地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。 十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。 スキルによって、今後の人生が決まる。 当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。 聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。 少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。 一話辺りは約三千文字前後にしております。 更新は、毎週日曜日の十六時予定です。 『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。

ダンジョンで迷惑配信者をやっていた俺。うっかりアイドル配信者を襲ってたドラゴンをぶっ飛ばした結果、良い人バレして鬼バズる

果 一@【弓使い】2巻刊行決定!!
ファンタジー
 矢上一樹は、ダンジョンでマナー違反行為を繰り返す迷惑系配信者だ。  他人の獲物を奪う、弱いモンスターをいたぶる、下品な言葉遣い。やりたい放題やって人気を得ていた彼だったが――ある日、うっかり配信を切り忘れて律儀な一面がバレてしまう。  焦った一樹はキャラを取り繕うも、時すでに遅し。一樹の素は大々的に拡散され話題沸騰していて――さらには、助けた美少女が人気アイドル配信者だったことで、全国レベルでバズってしまい!? これは、炎上系配信者が最強でただのいいヤツだった的な、わりとよくある物語。 ※本作はカクヨムでも連載しています。そちらでのタイトルは「ダンジョンで迷惑配信者をやっていた俺。うっかりアイドル配信者を助けた結果、良い人バレして鬼バズってしまう~もう元のキャラには戻れないかもしれない〜」となります。