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第6章
第2話
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「なんで?」
堀川は最高にイライラしている。
「集めたじゃん」
「やり直し!」
ムッとしたあたしに、堀川は言った。
「創立時のメンバーは専属部員が必要です! こんなの、あんたら以外全員他の部活入ってるじゃない」
まぁそう言われればそうだけど、そんな話は聞いたことがない。
「でも、他にも掛け持ちしてる子なんて、普通にいるし」
「起ち上げの時は別なの!」
「んだよ、それ」
堀川は鼻息荒く腕を組む。
「とにかく、このメンバーでは認められません! 名簿は処分します」
目の前でみんなの名前がシュレッダーにかけられる。
せっかくの思いが、小刻みに震えながら機械に消えてゆく。
「もっと真面目にやってちょうだい」
結局、振り出しに戻された。
あたしはイラついたまま芝生の上に寝転がる。
「くっそ、なんだよアイツ! めっちゃ腹立つんだけど」
いっちーは渡された紙切れをじっと眺めていた。
「もも。これよく見たらさ、メンバー集めただけじゃダメだよ。設備とか備品の使用許可もとらないといけないから、そう簡単にはいかないよ。演武場使いたかったら、バレエ部とチア部に使用時間の交渉しないと」
「あいつらか……」
バレエ部とチア部は、めちゃくちゃ仲が悪いので有名だ。
伝統ある女子校には、踊る方のバレエ部がなければいけないらしい。
いや、しらんけど。
学校創立時から存在するというバレエ部はうちの名物といえば聞こえはいいが、いまや名前が残されているだけの、幽霊部員受け入れ箱だ。
そのバレエ部に対抗するようにチアリーディング部が出来たらしいが、これもまた遙か昔の話し。
チア部にいたっては何をやっているのか分からない、正体不明の集団に成り下がっている。
「不定期で軽音と演劇部も割り込んでるよ。そこにうちらも入り込める?」
「あー」
体育館はガチな運動部が占拠しているから絶対に無理だし、吹奏楽部みたいに廊下で筋トレ……は、主な活動場所として音楽室があるから許されている特別使用許可だ。
「鬼退治」のメインで使用するのが通常教室というのは、言い訳だとしても難しい。
「どっか他に練習出来そうな場所あるかな?」
今いるところは校舎と壁の隙間みたいなところで、屋根もない。
「こん棒も何本かは欲しいし、ロッカーとかもあったらいいよね」
「それも創立許可が下りないことにはどうにも……」
ここでウダウダ考えていても仕方がない。
あたしはヨッっと立ち上がった。
「とりあえず、活動できそうな場所を校内に探してみよっか」
いっちーと2人、放課後の校内を巡回してみる。
正門前の広場では、運動場の割り当て曜日から外れた野球部がキャッチボールをしているし、その校庭ではサッカー部が走り回っている。
テニスコートはテニス部だけのものだし、競争率の激しい体育館の使用日程に、割り込む隙なんて見当たらない。
中庭と校内に残っているわずかな隙間に至っては、完全に陸上部が占拠していた。
「うちの学校って、こんなに部活盛んだったっけ」
ついそんな言葉を漏らす。
いっちーもため息をついた。
「まぁね。あたしも陸部に誘われたことあったし……」
あたしもいっちーも、運動神経は悪い方ではない。
うろちょろしてたら、「入部するなら歓迎するよー」とか言われてますます困る。
「『鬼退治』って言うと、全部譲らないといけないと思ってるからさ。部活やってる子には嫌がられてるかもね」
「あぁ、それか」
ため息をつく。
『鬼退治をしようとする者は必要と認められた場合他に優先される』か。
あたしは持っていたこん棒を肩に担いだ。
「仕方ないよ。後から始めようってんだから、こんなもんだよ」
体育館横にある体育準備室が見えた。
そこにはうちの体育教師5人の席がおかれている。
今は放課後部活の時間で、中には誰も見当たらない。
「おぉ。こん棒担いで相変わらず威勢がいいのぉ」
小田ティーチャーだ。
体育科所属の最高齢先生。
ぽっちゃり体型の白髪のおじいちゃんは、体育準備室横の花壇のお手入れをしている以外に、他で姿を見たことはない。
堀川は最高にイライラしている。
「集めたじゃん」
「やり直し!」
ムッとしたあたしに、堀川は言った。
「創立時のメンバーは専属部員が必要です! こんなの、あんたら以外全員他の部活入ってるじゃない」
まぁそう言われればそうだけど、そんな話は聞いたことがない。
「でも、他にも掛け持ちしてる子なんて、普通にいるし」
「起ち上げの時は別なの!」
「んだよ、それ」
堀川は鼻息荒く腕を組む。
「とにかく、このメンバーでは認められません! 名簿は処分します」
目の前でみんなの名前がシュレッダーにかけられる。
せっかくの思いが、小刻みに震えながら機械に消えてゆく。
「もっと真面目にやってちょうだい」
結局、振り出しに戻された。
あたしはイラついたまま芝生の上に寝転がる。
「くっそ、なんだよアイツ! めっちゃ腹立つんだけど」
いっちーは渡された紙切れをじっと眺めていた。
「もも。これよく見たらさ、メンバー集めただけじゃダメだよ。設備とか備品の使用許可もとらないといけないから、そう簡単にはいかないよ。演武場使いたかったら、バレエ部とチア部に使用時間の交渉しないと」
「あいつらか……」
バレエ部とチア部は、めちゃくちゃ仲が悪いので有名だ。
伝統ある女子校には、踊る方のバレエ部がなければいけないらしい。
いや、しらんけど。
学校創立時から存在するというバレエ部はうちの名物といえば聞こえはいいが、いまや名前が残されているだけの、幽霊部員受け入れ箱だ。
そのバレエ部に対抗するようにチアリーディング部が出来たらしいが、これもまた遙か昔の話し。
チア部にいたっては何をやっているのか分からない、正体不明の集団に成り下がっている。
「不定期で軽音と演劇部も割り込んでるよ。そこにうちらも入り込める?」
「あー」
体育館はガチな運動部が占拠しているから絶対に無理だし、吹奏楽部みたいに廊下で筋トレ……は、主な活動場所として音楽室があるから許されている特別使用許可だ。
「鬼退治」のメインで使用するのが通常教室というのは、言い訳だとしても難しい。
「どっか他に練習出来そうな場所あるかな?」
今いるところは校舎と壁の隙間みたいなところで、屋根もない。
「こん棒も何本かは欲しいし、ロッカーとかもあったらいいよね」
「それも創立許可が下りないことにはどうにも……」
ここでウダウダ考えていても仕方がない。
あたしはヨッっと立ち上がった。
「とりあえず、活動できそうな場所を校内に探してみよっか」
いっちーと2人、放課後の校内を巡回してみる。
正門前の広場では、運動場の割り当て曜日から外れた野球部がキャッチボールをしているし、その校庭ではサッカー部が走り回っている。
テニスコートはテニス部だけのものだし、競争率の激しい体育館の使用日程に、割り込む隙なんて見当たらない。
中庭と校内に残っているわずかな隙間に至っては、完全に陸上部が占拠していた。
「うちの学校って、こんなに部活盛んだったっけ」
ついそんな言葉を漏らす。
いっちーもため息をついた。
「まぁね。あたしも陸部に誘われたことあったし……」
あたしもいっちーも、運動神経は悪い方ではない。
うろちょろしてたら、「入部するなら歓迎するよー」とか言われてますます困る。
「『鬼退治』って言うと、全部譲らないといけないと思ってるからさ。部活やってる子には嫌がられてるかもね」
「あぁ、それか」
ため息をつく。
『鬼退治をしようとする者は必要と認められた場合他に優先される』か。
あたしは持っていたこん棒を肩に担いだ。
「仕方ないよ。後から始めようってんだから、こんなもんだよ」
体育館横にある体育準備室が見えた。
そこにはうちの体育教師5人の席がおかれている。
今は放課後部活の時間で、中には誰も見当たらない。
「おぉ。こん棒担いで相変わらず威勢がいいのぉ」
小田ティーチャーだ。
体育科所属の最高齢先生。
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