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第11章
第3話
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「一花! やっと見つけたぁ~」
桃だ。金太郎と浦島もいる。
制服じゃないから少し幼く見える彼らの腰には、やっぱり鬼退治用の日本刀がぶら下がっていた。
「来なくていいって言ったのに……」
いっちーはぼそりとそうつぶやいたけど、きっと桃たちには聞こえていない。
桃は水槽をはさんであたしたちの前にしゃがみ込んだ。
「俺もヨーヨー釣りする」
いっちーはムッとしたままで、釣り紐を桃に渡した。
金太郎と浦島は教室内の他の屋台をのぞいている。
「どれが取りやすいとかある?」
「ない」
いっちーは相変わらずぶっきらぼうだけど、桃はうきうきしていた。
「ね、このあと時間ある? 金太郎と浦島も来てるからさ、ももちゃんも一緒に回ろうよ」
桃はあたしを見つめると、ニッと笑った。
その無邪気過ぎる笑顔に、もうなんて言っていいのか分かんない。
「いっちー、行っといでよ」
「あたしはいい。ももとじゃないと嫌だ」
あたしはため息をつく。
いっちーが本音のところでどう思ってるのかとか、あえて聞かないけど……。
「ももといっちーお疲れー。交代時間だからもう行って大丈夫だよー」
そう声をかけてくれたのは、気を利かしてくれたのか、そうじゃないのか。
でも交代の時間は本当だから仕方がない。
勝手に待ち構えている桃たちと一緒に、あたしといっちーは歩き出した。
こん棒と日本刀という劣等感、というよりも、あたしたちのサークルがこの桃たちによって支えられているメンバーだと、見に来ている人たちにそう思われたくなかった。
あたしといっちーは、桃たちを順番に案内して回る。
焼きそばを食べたり、ダーツしたり。
桃たちが楽しむ様子を、腕組みしながら後ろで見ていた。
「ね、次はどこ行く?」
「あぁ、そうだね……」
金太郎にそう言われて、あたしは困ってしまった。
次と言っても思いつく場所がもうない。
いっちーはどうやら、考えることも放棄してしまってるようだ。
浦島はそんなあたしたちを見てフッと笑った。
「いつもどこで昼飯とか食ってんの? 二人が普段、どこでどんなことをしてるのか知りたいな」
「そう! それ。そういうの」
桃は急に振り返って、笑顔を振りまく。
「教室の席とか、いつも通る廊下とか、階段の手すりとか、校庭の思い出の場所に行きたい。いつも、一花とももちゃんが見ている風景が見たい」
あたしはいっちーをチラリと観察する。
いっちーはムッとしたまま動かない。
仕方なくため息をついた。
「今は学祭だから、普段とは全然違うけど……」
あたしは桃に話してあげる。
いつもお弁当を食べてる場所、サッカーしてた校庭、保健室、いっちーとあたしがいつも……。
「いつも、練習はどこでやってんの?」
「練習? あぁ、鬼退治サークルの? それは……」
さーちゃんとむーちゃんが歩いている。
さーちゃんはかわいい白雪姫で、むーちゃんは赤ずきんの狼だ。
その二人が見知らぬ男二人に絡まれていた。
桃だ。金太郎と浦島もいる。
制服じゃないから少し幼く見える彼らの腰には、やっぱり鬼退治用の日本刀がぶら下がっていた。
「来なくていいって言ったのに……」
いっちーはぼそりとそうつぶやいたけど、きっと桃たちには聞こえていない。
桃は水槽をはさんであたしたちの前にしゃがみ込んだ。
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いっちーはムッとしたままで、釣り紐を桃に渡した。
金太郎と浦島は教室内の他の屋台をのぞいている。
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「ない」
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「いっちー、行っといでよ」
「あたしはいい。ももとじゃないと嫌だ」
あたしはため息をつく。
いっちーが本音のところでどう思ってるのかとか、あえて聞かないけど……。
「ももといっちーお疲れー。交代時間だからもう行って大丈夫だよー」
そう声をかけてくれたのは、気を利かしてくれたのか、そうじゃないのか。
でも交代の時間は本当だから仕方がない。
勝手に待ち構えている桃たちと一緒に、あたしといっちーは歩き出した。
こん棒と日本刀という劣等感、というよりも、あたしたちのサークルがこの桃たちによって支えられているメンバーだと、見に来ている人たちにそう思われたくなかった。
あたしといっちーは、桃たちを順番に案内して回る。
焼きそばを食べたり、ダーツしたり。
桃たちが楽しむ様子を、腕組みしながら後ろで見ていた。
「ね、次はどこ行く?」
「あぁ、そうだね……」
金太郎にそう言われて、あたしは困ってしまった。
次と言っても思いつく場所がもうない。
いっちーはどうやら、考えることも放棄してしまってるようだ。
浦島はそんなあたしたちを見てフッと笑った。
「いつもどこで昼飯とか食ってんの? 二人が普段、どこでどんなことをしてるのか知りたいな」
「そう! それ。そういうの」
桃は急に振り返って、笑顔を振りまく。
「教室の席とか、いつも通る廊下とか、階段の手すりとか、校庭の思い出の場所に行きたい。いつも、一花とももちゃんが見ている風景が見たい」
あたしはいっちーをチラリと観察する。
いっちーはムッとしたまま動かない。
仕方なくため息をついた。
「今は学祭だから、普段とは全然違うけど……」
あたしは桃に話してあげる。
いつもお弁当を食べてる場所、サッカーしてた校庭、保健室、いっちーとあたしがいつも……。
「いつも、練習はどこでやってんの?」
「練習? あぁ、鬼退治サークルの? それは……」
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さーちゃんはかわいい白雪姫で、むーちゃんは赤ずきんの狼だ。
その二人が見知らぬ男二人に絡まれていた。
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