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第13章
第4話
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今日は3、4時間目が体育で、着替えるために教室を移動する。
ここの教室が男子の更衣室になるからだ。
そんなことまでイチイチ気に障る。
体育の授業は当たり前のように、男女で分けられた。
男子の指導に回っている細木が生き生きとしているのに、またイライラしている。
そんなもの見ないでおこう、気にしないでおこうって、常にそう意識しなければならないことに、何よりも腹が立つ。
「あ、さっきまで体育だったの?」
授業終わりの廊下で、桃が話しかけてきた。
いっちーが見当たらなかったからだ。
「まあね」
さっさとやり過ごそうとしたのに、違う男が話しかけてきた。
「花田さんと知り合いなんだ。さすがだね」
その彼らを見上げる。
こいつらには見覚えがある。
確か同じクラスの奴らだ。
丸いのと細いのと中くらいの。
「モモと仲がいいの?」
男四人で話しているところに、なんであたしがいるんだろう。
立ち去るタイミングを逃してしまって、ただぼーっと突っ立っていたら、丸いのがもう一度言った。
「えっと、花田さんと桃は仲良しなの?」
あたしは仕方なく桃を見上げる。
桃は「うん、そうだよ」とうなずいた。
「わぁ、やっぱそうなんだ。格好いいよね、それ」
細いのが桃の腰の刀を見ている。
「俺ら、学祭で見たよ。花田さんと犬山さんがバトルしてるの。さすが歴史と伝統ある瑶林高校には鬼退治部があるんだなぁと思って。いいな~って」
中くらいのは、あたしを見下ろした。
「桃は腰にいっつも差してるけど、花田さんはこん棒を、校内じゃロッカーの上に置きっぱなしだよね」
そう言って丸いのと細いのと中くらいのの、三人は笑った。
あたしはどういう反応をしていいのか分からないから、まだぼーっとしている。
この会話のメンバーに、本当にあたしは入っているのか?
入っちゃっていいのか?
やっぱなんかしゃべった方がいいのかな。
そうやって何となく立っているだけのあたしを見て、桃たちは拍子抜けしたような感じになった。
「いや、ほら。こういうのって、個人差もあるから」
「そっか。それまで女子校だったしね」
「校内で鬼が出まくるなんて、ないもんな」
「それもそうか。だよな」
また四人で勝手に笑った。
「あのさ、着替えに行ってもいい?」
「あぁ、そうだね、ゴメンごめん」
桃は手を振った。
誰に向かって手を振った?
それに丸いのと細いのと中くらいのが振り返して、彼らはそのまま着替えのため、男子用の教室に入っていく。
あたしはそんな桃たちに手を振っていいのかどうかも、やっぱり分からなくて、そのまま女子用の教室に入る。
何なの?
そのことに対して何の反応もなかったから、きっとあたしは対象ではなかったんだろう。
そうやって自分を納得させる。
中に入ると、先に戻っていたいっちーが待っていた。
「もも。早く着替えないと、男子たちが入ってきちゃうよ」
いずれは男女それぞれに更衣室が用意されるみたいだけど、まだそこまでの工事は追いついていない。
それが完成すれば、こんなうっとうしいこともなくなるんだけど……。
「面倒くさいね」
「仕方ないよ」
慌ただしく着替えて、席に着く。
教室のドアが開けられ、閉め出されていた男子が入ってくる。
そんな彼らのすぐ後ろには、次の授業の先生がもう待ち構えていて、あたしは窓の外を見ている。
あぁ、きちんと汗を拭き取るのも忘れてるな。
自分の体が汗臭いような気がして気持ち悪い。
みんな、今はどんなフレグランス使ってんだろ。
「春だもんなぁ」
窓から入る風は本当に爽やかですっきりしていて、ふんわりと頬を撫でる。
そういえば最近、駅バァを見てないな。
もしかしたら広場にはいるのかもしれないけど、共学化してからすっかり大人しくなってしまった。
かつての存在感は微塵もない。
それがいいことなのか悪いことなのかも、あたしには分からなくなってしまっている。
「もも」
休み時間になって、いっちーが話しかけてきた。
ここの教室が男子の更衣室になるからだ。
そんなことまでイチイチ気に障る。
体育の授業は当たり前のように、男女で分けられた。
男子の指導に回っている細木が生き生きとしているのに、またイライラしている。
そんなもの見ないでおこう、気にしないでおこうって、常にそう意識しなければならないことに、何よりも腹が立つ。
「あ、さっきまで体育だったの?」
授業終わりの廊下で、桃が話しかけてきた。
いっちーが見当たらなかったからだ。
「まあね」
さっさとやり過ごそうとしたのに、違う男が話しかけてきた。
「花田さんと知り合いなんだ。さすがだね」
その彼らを見上げる。
こいつらには見覚えがある。
確か同じクラスの奴らだ。
丸いのと細いのと中くらいの。
「モモと仲がいいの?」
男四人で話しているところに、なんであたしがいるんだろう。
立ち去るタイミングを逃してしまって、ただぼーっと突っ立っていたら、丸いのがもう一度言った。
「えっと、花田さんと桃は仲良しなの?」
あたしは仕方なく桃を見上げる。
桃は「うん、そうだよ」とうなずいた。
「わぁ、やっぱそうなんだ。格好いいよね、それ」
細いのが桃の腰の刀を見ている。
「俺ら、学祭で見たよ。花田さんと犬山さんがバトルしてるの。さすが歴史と伝統ある瑶林高校には鬼退治部があるんだなぁと思って。いいな~って」
中くらいのは、あたしを見下ろした。
「桃は腰にいっつも差してるけど、花田さんはこん棒を、校内じゃロッカーの上に置きっぱなしだよね」
そう言って丸いのと細いのと中くらいのの、三人は笑った。
あたしはどういう反応をしていいのか分からないから、まだぼーっとしている。
この会話のメンバーに、本当にあたしは入っているのか?
入っちゃっていいのか?
やっぱなんかしゃべった方がいいのかな。
そうやって何となく立っているだけのあたしを見て、桃たちは拍子抜けしたような感じになった。
「いや、ほら。こういうのって、個人差もあるから」
「そっか。それまで女子校だったしね」
「校内で鬼が出まくるなんて、ないもんな」
「それもそうか。だよな」
また四人で勝手に笑った。
「あのさ、着替えに行ってもいい?」
「あぁ、そうだね、ゴメンごめん」
桃は手を振った。
誰に向かって手を振った?
それに丸いのと細いのと中くらいのが振り返して、彼らはそのまま着替えのため、男子用の教室に入っていく。
あたしはそんな桃たちに手を振っていいのかどうかも、やっぱり分からなくて、そのまま女子用の教室に入る。
何なの?
そのことに対して何の反応もなかったから、きっとあたしは対象ではなかったんだろう。
そうやって自分を納得させる。
中に入ると、先に戻っていたいっちーが待っていた。
「もも。早く着替えないと、男子たちが入ってきちゃうよ」
いずれは男女それぞれに更衣室が用意されるみたいだけど、まだそこまでの工事は追いついていない。
それが完成すれば、こんなうっとうしいこともなくなるんだけど……。
「面倒くさいね」
「仕方ないよ」
慌ただしく着替えて、席に着く。
教室のドアが開けられ、閉め出されていた男子が入ってくる。
そんな彼らのすぐ後ろには、次の授業の先生がもう待ち構えていて、あたしは窓の外を見ている。
あぁ、きちんと汗を拭き取るのも忘れてるな。
自分の体が汗臭いような気がして気持ち悪い。
みんな、今はどんなフレグランス使ってんだろ。
「春だもんなぁ」
窓から入る風は本当に爽やかですっきりしていて、ふんわりと頬を撫でる。
そういえば最近、駅バァを見てないな。
もしかしたら広場にはいるのかもしれないけど、共学化してからすっかり大人しくなってしまった。
かつての存在感は微塵もない。
それがいいことなのか悪いことなのかも、あたしには分からなくなってしまっている。
「もも」
休み時間になって、いっちーが話しかけてきた。
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