蓬莱皇国物語SS集

翡翠

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 幼稚園児~希

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香奈子かなこ叔母ちゃんは、ピアニストなんだぞ!だから凄いピアノが上手なんだぞ!」 

 年長組でボスになろうとする園児、田井 秀たいしゅうは毎日のように自慢をする。 

 元は貴族の為に創られた学校の付属幼稚園も今は、お金を出して一定の条件を満たせば成金だろうが小金持ちだろうが入学出来る。風紀の乱れはそれこそ、紫霄ししょうとは比べられないくらいに悪くなっていた。貴族の輪に入りにくい母親が少しでも目立とうとする。当然ながらその子供も影響を受けて、事ある毎に自慢するのが当然のようになっていた。 

 御園生 希みそのうのぞみはいつも秀を無視していた。どんなに自慢されても希にとって一番のピアニストは、義兄の夕麿だと思っている為に知らない顔をしていた。母にも兄の武にも相手にするなとキツく言われている。でも本当は…言いたくてムズムズしていた。大好きな大好きな夕麿の事だから。武を怒らせると怖いから希は必死に口を噤んでいた。 

 だがその日は違った。一昨日の日曜日に揖斐 咲子いひさきこという女の子が水族館に行ったらしい。しかも多忙な父親の都合で夜に。そこで夕麿のピアノを聴いて来たのだ。 

 希は本人が知らなくても兄 武の身分もあって貴族の親たちからは常に丁重に扱われている。当然ながら子供たちもそれに従う。秀はそれがつまらない。だが希が普段、相手にしないのでどうにも出来ない。意地悪をしたら逆に皆に非難され、仲間外れにされてしまう。 

「ねぇ、希さまのお兄さまって、ピアノをお弾きになられるのよね?」 

 その口調は母親のコピーだ。 

「え?あ、夕麿兄さまの事?うん、そうだよ」 

「水族館のピアノ、お兄さまが弾かれてるんでしょう?」 

 咲子の言葉に他の園児たちと保育士たちが集まって来た。 

「俺、教えてもらってるんだ」 

 自分からバラした訳じゃない。だから希は堂々と胸を張った。 

「ピアノ弾けたって、ピアニストじゃなきゃ下手くそだ!」 

 皆の注目を集めてしまった希に秀が叫んだ。それに対して希は大袈裟に肩を竦めて答えた。 

「夕麿兄さまはアメリカの大学の偉い先生に、ピアニストになれって追っかけ回されたけど、お父さんおもうさんの仕事を継がないとダメだからやめたんだ」 

 希はちょっと残念そうに言って集まった皆を見回した。 

「本当なら凄いピアニストになった筈なんだって」 

 希が大好きな4人の兄たち。忙しくてなかなか構ってはもらえないが、美しく典雅が自慢の兄たちだった。 

 秀は希に詰め寄った。 

「そんなの、嘘かもしれないだろ!」 

「兄さまたちは嘘なんか言わない!」 

 普通の事は譲れても大好きな夕麿を侮辱されるのだけは許せない。希は一歩も譲らなかった。

 二人が睨み合っているうちにお迎えの時間になった。次々と母親たちが迎えに来て、二人の異様な睨み合いに戸惑ってしまう。園児たちも誰も帰ろうとしない。 

 そこへ秀の母親、田井 典香たいのりかが迎えに来た。 

「あら、秀ちゃん、どうかしたの?」 

「母ちゃん、香奈子叔母ちゃんはピアノが上手なんだよね?」 

「え?……それは、まあ……」 

 ピアニストと一口に言っても様々である。名だたるコンテストで賞を取り、CDを何枚も出して公演旅行に飛び回る者。公演会をしてもチケットは身内にしか売れない、名ばかりのピアニストも存在する。当然ながら秀が言う、叔母の田井 香奈子は後者である。 

「そりゃ…ピアニストだから」 

 典香は曖昧に言葉を濁すしか出来なかった。 

 そこへ一台の車が入って来た。ここへの送り迎えは車を使用しないのが決まりである。敢えて乗り入れて来た車。だが保育士たちは行動を起こさない。どうやら前もって許可を得ていた様子だ。 

 希はその車をよく知っていた。武と夕麿の車だ。案の定、貴之が先に降りて来た。続いて夕麿が降りて中へ向かって手を差し出した。貴族の母親たちが慌てて車の方を向いて頭を下げた。夕麿に手を取られて武がゆっくりと降りて来た。 

 貴之は大学を卒業後、武たちより先に帰国した。そのまま国家種試験を受けて警察省へ入った。3ヶ月の警察大学校を卒業して、警部補として所轄勤務。先月、成瀬 雫が帰国。武たちの護衛などの任務を兼任する為に、警察庁に特務室が新設され室長に雫が任命された。通常はプロファイリング専門の部署としてまず貴之を引き抜いた。その後、同じように紫霄から国家Ⅰ種試験を経て警察庁入りした者が数名、雫の下に配属されたのである。 

「あれ、どうして?」 

 母親たちに夕麿が軽く声を掛け、行動を促したのを確認してから希は武に声を掛けた。 

「やっぱり忘れてるな?今日から母さんたちが留守だって」 

「あ…」 

 有人と小夜子は今朝、仕事の為に欧州に旅立っていた。 

「手が空いたから迎えに来たんだろう?」 

「お仕事は?」 

「今日は終わった」 

「夕麿兄さまも?」 

「ええ、私も今日は帰宅します」 

 余り無理が出来ない武の為に、夕麿がひとりで仕事を続ける事も多い。 

「武兄さま…元気だよね?」 

「あのな……俺がいつも病気みたいに言うな」 

 希の言葉に武が苦笑した。 

「希、私たちも来週には海外へ行くので、武の体調を整えなければならないのです」 

「え?また?」 

 武と夕麿は非公式の公務で度々海外へ出掛ける。今上の名代として普通には、皇家が出向き難い場所への公務を引き受けていた。それは御園生の企業の仕事と併用して行われる。環境が厳しい場所へ滞在した時などは、帰国して10日以上も寝込んだ事がある。 

 少しずつ丈夫にはなってはいるが、それでも身体が弱い事には変わりがなかった。 

「大変だな、兄さまたちも」 

 希は訳知り顔で頷いた。それを見た武と夕麿が苦笑した。 

「あんたが希の兄ちゃんか?」 

 秀がいきなり夕麿の袖を引っ張って言った。母親たちが顔色を変えた。子供とはいえ彼女たちの感覚では有り得ない事だった。 

 武が不快感を露わにしたので慌てて希がその手を払った。 

「夕麿兄さまに気安く触るな!」 

 このタイミングを利用して、武が夕麿を庇うように後ろへ下がらせた。清方の治療の結果、夕麿は他者に触れられるのにかなり平気になった。それでもやはり気構えていないとダメな部分がある。 まだいきなり触れられるのには過敏に反応してしまう。 

「あにすんだ!」 

「夕麿兄さまは触られるのが嫌いなんだ!勝手に触るな!」 

「まあ!何ですの!」 

 今度は母親の典香が怒りを露わに踏み出した。すかさず貴之が武を庇うように割って入った。 

「この方々に不用意に近付かないように」 

「ちょっと!ボディガード風情が偉そうに!」 

 貴之をボディガードに雇われていると思ったらしい。貴之は警察手帳を開いた。 

「警察庁特務室所属、良岑 貴之よしみねたかゆき警部です。お二方の警護の任に就いております」 

「警察!?」 

 貴族夫人たちは二人が再三生命を脅かされた事を知っている。だが単なる成金夫人の田井 典香は社交界には入れない。従って二人を取り巻く様々な事も何も知らない。もちろん母親たちは貴之が、皇宮警察から警視庁特務室へ出向している事実も知っていた

「希、行くぞ?」 

 武が弟に手を差し出した。希がそれに手を添えた瞬間、秀が叫んだ。 

「逃げんのか!やっぱりピアノが上手いって嘘なんだろ!」 と。 

 その言葉に武が振り返った。 

「今、何と言った?」 

 20代になった武の面差しは、幼さがなくなった分綺麗になった。こんな風に怒りを顕著にすると雅久とは違う鋭さがある。 

 秀が怯んだ。 

「武……幼稚園児相手に何をしてるんです」 

 夕麿が苦笑した。相も変わらず夕麿の事になると、武は相手が誰であろうと容赦しようとしない。 

「ならば…あなたがこの子の母親だよな?幾ら子供でも年長者への礼儀くらいは教えてもらいたい。今日は夕麿の執り成しに免じで不問にする。だが次はない?子供の無礼は親の無礼だと判断する」 

 武は田井 典香にそう言うと踵を返して車に乗った。典香は車が走り去ったのを見て我に返った。 

「な…何様のつもりなの!?」 

 ヒステリーを起こしかける彼女に母親のひとりが言った。 

「武さまがお怒りになられるような事をされてはいけませんわ」 

「勲功貴族にすぎない御園生の後継ぎがそんなに偉いって仰るわけ?」 

「だって…ねぇ?」 

 母親たちが頷く。 

「武さまは御園生であって御園生ではあらしゃりません。それに…噂ですが、夕麿さまを傷付ける者にご容赦がないと伺っています」 

「私も聞きましたわ」 

「幾つか潰されたり、御園生の傘下にならざるを得ない家があったとか…」 

「そんな事が…許されますの!?」 

 典香の問い掛けに母親たちは互いに目配せをしあった。 

「さあ、皆さま」 

 ひとりが掛けた声を合図に、それぞれが我が子の手を引いて帰って行く。貴族社会の秘事に触れると、彼女たちはいつもそうやって曖昧に放置して立ち去る。そこは決して成り上がりの典香には入る事が出来ない壁があった。 




「希、どういう事だ?」 

 車の中で武が厳しい口調で言った。 

「揖斐 咲子ちゃんが一昨日、夜の水族館に行ったんだって」 

「それで夕麿のピアノの話になったのか…あれはいい加減、やめた方が良いな…」 

 開館時の呼び物だったが、既に歳月が経過している。 

「そろそろ水族館自体を改装すべき時期が、来ているのかもしれませんね」 

 御園生 有人ありひとは武が35歳になったら総帥を退くと宣言していた。まだ10年余りの猶予があるが、それでも帰国して間がない二人に少しずつ、御園生系列の企業の経営の移譲が始まっていた。武も夕麿も自分たちの考えを積極的に、周囲に発言して反映させている。 

 公務との両立は難しいが武には相良 通宗あいらみちむねが、夕麿には雅久が専任秘書として付いて補佐していた。 それ以外にも紫霄の卒業生が続々と御園生ホールディングスに就職して、優秀な頭脳と武と夕麿への忠誠を持つ者たちが集まりはじめていた。 

「しかし…あの子の傾向はあまり歓迎出来ないな」 

「どこも礼儀作法の乱れが激しいようですね」 

 かつて、日本人(その頃は皇国も日本の一部だった)は礼儀正しい民族として欧米人を驚かせた。だが今はみる影もない。古い事を軽んじる風潮が強く存在している。古い事には確かにナンセンスな事がたくさんある。だが大切な事もたくさんある。楽な方へ、快い方へとのみ行ってしまう皇国人。武たちはそれを哀しく思った。 

 帰宅してリビングに座った武は、ホッと肩の力を抜いた。上着を脱ぐと周が血圧、体温をはかった。 

「少し血圧が低いようですが、心配はございません」 

「ん…ありがとう」 

 次いで採血をする。 

「予防接種は週末に行います」 

「わかった」 

 希は海外へ行く度に、同じ事が繰り返されるのを見ている。注射ばかりされるのを我慢する武を凄いと思っていた。自分ならば絶対に逃げ出すと。武が本当は注射が大嫌いなのを、希は知らないでいる。 

「夕麿兄さま」 

 夕麿の横に座る。 

「何ですか、希?」 

「ごめんなさい」 

「ピアノの事ですか?」 

「うん…」 

「気にしていませんよ。ピアニストにならないと決めたのは私自身ですし、後悔はしてないのですから。あなたが悪い訳ではありません」 

「でも…」 

 武が怒った気持ちは希の怒りでもあった。本当は希が秀を怒鳴りつけたかった。殴り飛ばしてやりたかった。大好きな夕麿を嘘吐き呼ばわりしたのだから。 

「そんな顔をしてはいけませんよ?」 

 そう言いながら夕麿は笑っていた。武が幼い時を見ているようで、希を見ているのは楽しい。 

「夕麿、今、余計な事を想像しただろ?」 

「さあ?」 

 とぼけながらもクスクス笑うと、武は膨れて横を向いた。

 希は夕麿がいつも武だけを見つめているのを知っている。武も夕麿しか見ていないのも。

 武が本当の兄で夕麿が血の繋がらない兄だとも知ってる。義勝よしかつ雅久まさひさとも血の繋がりはない。でもそんな事はまだ希にはわからない。わかっているのは、夕麿の事が大好きだという気持ち。武も義勝も雅久も大好きだが、夕麿を大好きだと思う気持ちはちょっと違う気がしていた。それがほのかな恋心だとは幼い希はまだ知らない。だが武はしっかり気付いていた。

 武と夕麿。

 雅久と義勝。

 それに敦紀あつきと貴之。

 御園生邸には3組の同性カップルが今現在住んでいる。それを疑問に思わずにいるのを武は複雑な気持ちで見つめていた。希には出来れば花嫁を迎えて、御園生の血を絶やさないでいて欲しいと願っていた。

「夕麿兄さま、大好き」

 そう言って夕麿に抱き付いた。

「希は甘えん坊ですね」

 夕麿にすれば実の弟と過ごせなかったのを、希で取り返しているのかもしれない。自分を慕ってくれる幼い彼を、兄として愛しているのは確かだろう。だが希の気持ちがわかっているだけに武には面白くない。

 膝に抱き上げられてはしゃぎながら、夕麿の身体に幼い小さな手で触れる。時折、武の顔色を見ながら得意満面に。大人気ないと武も多少は我慢する。だがこの日は違った。希は膝の上に立ち上がると夕麿の頬に唇を寄せたのだ。

「希!」

 武が怒鳴り襟首を掴んで夕麿から引き離した。

「言ってある筈だ!夕麿は俺のものだ!」

 武の剣幕に希が泣き出した。いつもならばここで小夜子が飛んで来る。だが今日は小夜子は不在だ。助けは来ない。

「武、やめてください」

 慌てて夕麿が割って入った。

「ダメだ、止めるな。これは兄弟の問題だ」

 皮肉にもその言葉はかつて、夕麿が透麿との揉め事で武に言ったものだった。だから如何に希が幼くても、夕麿には口出しは出来ない。

「希、夕麿はダメだ。泣いても誰も助けてくれないぞ?」

 希を床に降ろした瞬間、武は渾身の力で足を蹴られた。

「痛ッ!」

「大きくなったら武兄さまより背が高くなって、夕麿兄さまを幸せにするんだ!」

「何だと!?」

「や~い、武兄さまのチビ~」

「よくも言ったな!?」

 こうなると武は自分の年齢を忘れる。

「チビで悪かったな!? 夕麿を幸せにするのに身長は関係ない!」

「だったらどうやって幸せにするんだよ!?」

「愛に決まってるだろ!」

 幼稚園児を相手に胸を張って言った。その姿を見て夕麿と周が同時に頭を抱えた。この辺りはやっぱり武である。

「お、おう。愛ならある!」

「言っておくが甘えるだけが愛じゃないぞ?」

「じゃあ、どうすれば良いんだよ?」

「甘えさすのも愛だ。男はそこまで出来て一人前だ」

 自信満々に言い放った武。希の瞳が輝く。

 ………と、耐え切れなくなって夕麿と周が吹き出した。

「笑うな!」

 真っ赤になった武が振り向いて怒鳴った。こうなると二人は抑えがきかない。お腹を抱えて笑い転げる。

「笑うな!」

 もう一度叫ぶが二人の笑いは止まらない。希が首を傾げた。

「違うのか?」

「違わないぞ。男は身長じゃない。心の大きさが勝負だ」

 嫉妬と独占欲を剥き出しにして説得力はない。

 周は笑い過ぎて涙を拭う。武の言葉に瞳を輝かせてその気の幼稚園児も、二人の笑いを誘発する。

「武…武…お願いですから…もうやめて…ください…」

 夕麿が笑いながら言う。

「笑うなって言ってるだろ!?」

 夕麿の横に少し乱暴に座って、武は膨れっ面になった。

「……ッ…」

 その有り様を見て、再び夕麿と周が吹き出した。

「勝手に笑ってろ!」

 ますます拗ねる武に夕麿が抱き付いた。笑いながら抱き締める。未だに子供っぽい部分が残る武を、可愛らしくも愛しくも想う。万が一を警戒して未だに護衛が付くが、それでも多忙ながらも安穏な日々を過ごしている。仕事も苦労はしているが、それすらも幸せに感じる。

「武、ほら、もう拗ねないでください」

 抱き締めてそっと口付けをする。誤魔化されないとばかりに抵抗する武に、たっぷり濃厚に口付けをした。

「…ン…ふ…ぁン…」

 背筋が快感にゾクゾクと戦慄く。

「周さん、希の相手をお願いします」

「わかった」

 周は既に慣れっこだ。

 夕麿は武を抱き上げて居間を出て行った。

 残された希は腹立ち紛れにテーブルを蹴った。結局は武が夕麿を独占してしまう。大きくなったら絶対に夕麿を、武から奪うと誓った希はまだ…幼稚園児である。

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