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ネコ娘、ボス戦を決意する
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3日ほどかけて、4層と5層の調査を終えた。
新ダンジョン前のギルド出張所で、ドロップアイテムを職員に見せる。
「パイソンレザーですか。そこそこ良い物が出たのですね」
ギルドの副マスターが、アタイたちの持ってきたドロップ品をルーペで観察しだした。
副マスターはひげの長いヤギ獣人のおじさんだ。
ギルドマスターは外部向けの交渉役で、現場を仕切るのは、いつもこの副マスターだった。
「マムシ酒も出たっス。参考品に出すやつ以外は、持ち帰って飲んでも良いっスよね?」
ササミは酒を手放す気がないらしい。横でメリーも頷いていた。
「構いません。うーん、提出していただいた品を見ると、魅力のあるドロップが出ていますが……」
副マスターは腕を組んで考えだした。
危険が少なければ潰さないダンジョンだ。
「でも、出現モンスターは全て毒持ちだったのでしょう?」
レトリー姉ちゃんが指摘する。毒持ちが多い時点で、余程のリターンが得られない限り、そのダンジョンは閉じられる。
理由はシンプル。毒消し薬の数に限りがあり、常に品薄気味なのだ。
「そうです。今回は1層がいちばんまずかったです。弱い毒蜂の魔物なのですが、大群で出るので、D級冒険者が刺されずに狩るのは難しそうでした」
毒消し薬を浪費するほど良いドロップではなかった。
「閉鎖で決まりかしら?」
レトリー姉ちゃんが尋ねると、副マスターはあごに手をやり、探るように姉ちゃんをうかがった。
「レトリーさんは、A級冒険者でしたよね。すぐに討伐は可能でしょうか?」
「いいえ。こちらには休暇で来ているだけよ。私のボス攻略パーティーは、ここよりずっと東に拠点を置いているの」
「そうですよね……」
姉ちゃんの言葉に、副マスターはガックリと肩を落とした。
「何か問題があるの?」
「実は、隣国のヒュムニナからボス討伐の要請が大量に来まして、西地区のA級パーティーが出払っているのです」
アタイたちは国の西側の地域で活動している。さらに西に行くと、ヒュムニナ王国という国がある。ヒューム至上主義国家だから、距離は近いがうちの国とは疎遠だった。
だが、そちらから突然、ボス討伐の依頼が来たそうだ。
「ヒュムニナといえば、王族のすごく強いパーティーがいるって、噂があったわよね」
「はい。王女を中心とした攻略チームが目覚ましい活躍でした。しかし、そのチームに異変があったようで……」
へぇ。姉ちゃんも副マスターも、外国のことまでよく知ってるな。
「国外へA級パーティーを貸し出すのは構わないんです。困ったときはお互い様ですし、お金もちゃんといただいているので。しかし、今回はタイミングが……」
毒魔物のダンジョンさえ発生しなければ、そんなに困らなかった。B級以下の冒険者に多めの報酬を出して、しばらくダンジョンの魔物を間引いておけばいいだけだから。
「討伐までに時間がかかると、街とギルドが備蓄する毒消し薬が底をつきます」
「……大問題ね」
副ギルドマスターが頭を抱えている。
毒消し薬がなければ、助かる命も死んでしまうかもしれない。
「……ボスの討伐は、A級が1人でもいれば、他はB級以下でもよかったわよね」
「規定ではそうなっています。……そうか、強いB級なら、目の前にいますね」
副ギルドマスターがキラキラした瞳でアタイたちの顔を見回した。
「マジか……」
アタイはポカンと口をあけた。
「調査で5層に潜ったときに、ボスも調べたでしょ? ボスは毒ヒュドラだった。トリッキーなモンスターって、単純な物理攻撃力や防御力は低いの。対策さえすれば、弱い冒険者でも死ににくいし、攻撃が通りやすいわ」
姉ちゃんの説明に、
「ヒュドラでしたら、攻略法が作られていますね!」
副マスターがすごく乗り気になってしまった。
「……分かった。やるよ」
大勝負になる。でも、誰かが解決してくれるなんて思っていたら、世の中まわっていかない。やれる奴がやる。今回は、アタイたちに役目がきたんだと思おう。
「エルザ1人を死にに行かせるわけにはいかない。アタシも参加するよ」
「ウチもやるっス。連携のとれるパーティーの方が、勝率が上がるっス」
メリーとササミも協力を申し出てくれた。
「僕も参加します。僕がいれば、ギルド所有の緊急脱出クリスタルを持ち出せる。ですよね、副マスター?」
ルイスが副マスターに確認すると、
「はい。でも、貴重アイテムなので、1つしか出せませんよ」
「大丈夫です。全員無事で、1回で決着をつけます」
ルイスの自信はどこからくるんだろう。彼はこんな状況でも落ち着いて、ニコニコ微笑んでいる。でも、ルイスが大丈夫って言うなら、大丈夫な気がしてきた。
アタイたちは一度休憩をはさんで、ボス戦に行くことに決めた。
新ダンジョン前のギルド出張所で、ドロップアイテムを職員に見せる。
「パイソンレザーですか。そこそこ良い物が出たのですね」
ギルドの副マスターが、アタイたちの持ってきたドロップ品をルーペで観察しだした。
副マスターはひげの長いヤギ獣人のおじさんだ。
ギルドマスターは外部向けの交渉役で、現場を仕切るのは、いつもこの副マスターだった。
「マムシ酒も出たっス。参考品に出すやつ以外は、持ち帰って飲んでも良いっスよね?」
ササミは酒を手放す気がないらしい。横でメリーも頷いていた。
「構いません。うーん、提出していただいた品を見ると、魅力のあるドロップが出ていますが……」
副マスターは腕を組んで考えだした。
危険が少なければ潰さないダンジョンだ。
「でも、出現モンスターは全て毒持ちだったのでしょう?」
レトリー姉ちゃんが指摘する。毒持ちが多い時点で、余程のリターンが得られない限り、そのダンジョンは閉じられる。
理由はシンプル。毒消し薬の数に限りがあり、常に品薄気味なのだ。
「そうです。今回は1層がいちばんまずかったです。弱い毒蜂の魔物なのですが、大群で出るので、D級冒険者が刺されずに狩るのは難しそうでした」
毒消し薬を浪費するほど良いドロップではなかった。
「閉鎖で決まりかしら?」
レトリー姉ちゃんが尋ねると、副マスターはあごに手をやり、探るように姉ちゃんをうかがった。
「レトリーさんは、A級冒険者でしたよね。すぐに討伐は可能でしょうか?」
「いいえ。こちらには休暇で来ているだけよ。私のボス攻略パーティーは、ここよりずっと東に拠点を置いているの」
「そうですよね……」
姉ちゃんの言葉に、副マスターはガックリと肩を落とした。
「何か問題があるの?」
「実は、隣国のヒュムニナからボス討伐の要請が大量に来まして、西地区のA級パーティーが出払っているのです」
アタイたちは国の西側の地域で活動している。さらに西に行くと、ヒュムニナ王国という国がある。ヒューム至上主義国家だから、距離は近いがうちの国とは疎遠だった。
だが、そちらから突然、ボス討伐の依頼が来たそうだ。
「ヒュムニナといえば、王族のすごく強いパーティーがいるって、噂があったわよね」
「はい。王女を中心とした攻略チームが目覚ましい活躍でした。しかし、そのチームに異変があったようで……」
へぇ。姉ちゃんも副マスターも、外国のことまでよく知ってるな。
「国外へA級パーティーを貸し出すのは構わないんです。困ったときはお互い様ですし、お金もちゃんといただいているので。しかし、今回はタイミングが……」
毒魔物のダンジョンさえ発生しなければ、そんなに困らなかった。B級以下の冒険者に多めの報酬を出して、しばらくダンジョンの魔物を間引いておけばいいだけだから。
「討伐までに時間がかかると、街とギルドが備蓄する毒消し薬が底をつきます」
「……大問題ね」
副ギルドマスターが頭を抱えている。
毒消し薬がなければ、助かる命も死んでしまうかもしれない。
「……ボスの討伐は、A級が1人でもいれば、他はB級以下でもよかったわよね」
「規定ではそうなっています。……そうか、強いB級なら、目の前にいますね」
副ギルドマスターがキラキラした瞳でアタイたちの顔を見回した。
「マジか……」
アタイはポカンと口をあけた。
「調査で5層に潜ったときに、ボスも調べたでしょ? ボスは毒ヒュドラだった。トリッキーなモンスターって、単純な物理攻撃力や防御力は低いの。対策さえすれば、弱い冒険者でも死ににくいし、攻撃が通りやすいわ」
姉ちゃんの説明に、
「ヒュドラでしたら、攻略法が作られていますね!」
副マスターがすごく乗り気になってしまった。
「……分かった。やるよ」
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「エルザ1人を死にに行かせるわけにはいかない。アタシも参加するよ」
「ウチもやるっス。連携のとれるパーティーの方が、勝率が上がるっス」
メリーとササミも協力を申し出てくれた。
「僕も参加します。僕がいれば、ギルド所有の緊急脱出クリスタルを持ち出せる。ですよね、副マスター?」
ルイスが副マスターに確認すると、
「はい。でも、貴重アイテムなので、1つしか出せませんよ」
「大丈夫です。全員無事で、1回で決着をつけます」
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