13 / 15
お友達になりましょう。
しおりを挟む
謹慎の1週間のうち、1度だけヒロインに家に来てもらった。彼女相手にエリカがどういう態度をとるか、確認したかったのだ。
家に来てくれるように頼むと、婚約者のアルマンは渋ったが、ヒロインは大丈夫だとすぐに受け入れてくれた。
結果として、妹の態度に問題はなかった。さらに、ヒロインが宰相家の婚約者になったことで、今後の貴族生活で人間関係上重要な人物になることも理解できていた。
「未来の宰相夫人に、失礼な態度はとれませんわ。」
妹が言うと、ヒロインは照れくさそうに笑った。しかし続けて、
「出来れば、私の身分が上がったから仲良くするとか、そういうのじゃなくて、他の身分の低い人たちのことも考えて欲しいのです。」
ヒロインの言葉に、俺はちょっと焦った。ヒロインに説教っぽいことを言われて、妹がちゃんと話を聞いていられるか不安だったのだ。しかし、妹は落ち着いていた。
「エリカ様は公爵家令嬢で、未来の王妃様ですから、例えば召使に傍若無人な振る舞いをしても、非難されることはないでしょう。貴方の命令に、下は従うしかありません。でも、貴方が少しでも優しくしてくれたら、きっと下の者はすごく喜ぶと思うのです。」
そう言って、ヒロインは俺の方を見た。
「入学式の日の放課後、ラヴェンナ様に会って、公爵家って、雲の上の人なのに、困ったことがあったら力になると言って下さって、私、すごく嬉かったんです。それで、週末に実家に戻った時、家族にもその話をしました。家族はそれを、店に来てくれたお客様にも話したと思います。」
ヒロインがじっと妹を見つめる。ああ、やっぱりこの子は賢い子なんだな。
「人って繋がってるんです。小さな取るに足りない者の言葉でも、そこから、噂が広がることもあります。良い噂も、悪い噂も。世の中の価値観や人に対する評価を形作っているのは、権力者だけではありません。声の大きさに大小はあっても、皆言葉を発します。エリカ様には、そういう大小の言葉に応えられる王妃様になって欲しいんです。」
妹は静かにヒロインの言葉を聴いていた。それから、そっとヒロインの手をとって言った。
「私、今、貴方と出会えて良かったと思いました。お友達に、なって下さいます?」
「はい。私でよかったら、是非!」
悪役令嬢とヒロインの間に友情が芽生えた!
家に来てくれるように頼むと、婚約者のアルマンは渋ったが、ヒロインは大丈夫だとすぐに受け入れてくれた。
結果として、妹の態度に問題はなかった。さらに、ヒロインが宰相家の婚約者になったことで、今後の貴族生活で人間関係上重要な人物になることも理解できていた。
「未来の宰相夫人に、失礼な態度はとれませんわ。」
妹が言うと、ヒロインは照れくさそうに笑った。しかし続けて、
「出来れば、私の身分が上がったから仲良くするとか、そういうのじゃなくて、他の身分の低い人たちのことも考えて欲しいのです。」
ヒロインの言葉に、俺はちょっと焦った。ヒロインに説教っぽいことを言われて、妹がちゃんと話を聞いていられるか不安だったのだ。しかし、妹は落ち着いていた。
「エリカ様は公爵家令嬢で、未来の王妃様ですから、例えば召使に傍若無人な振る舞いをしても、非難されることはないでしょう。貴方の命令に、下は従うしかありません。でも、貴方が少しでも優しくしてくれたら、きっと下の者はすごく喜ぶと思うのです。」
そう言って、ヒロインは俺の方を見た。
「入学式の日の放課後、ラヴェンナ様に会って、公爵家って、雲の上の人なのに、困ったことがあったら力になると言って下さって、私、すごく嬉かったんです。それで、週末に実家に戻った時、家族にもその話をしました。家族はそれを、店に来てくれたお客様にも話したと思います。」
ヒロインがじっと妹を見つめる。ああ、やっぱりこの子は賢い子なんだな。
「人って繋がってるんです。小さな取るに足りない者の言葉でも、そこから、噂が広がることもあります。良い噂も、悪い噂も。世の中の価値観や人に対する評価を形作っているのは、権力者だけではありません。声の大きさに大小はあっても、皆言葉を発します。エリカ様には、そういう大小の言葉に応えられる王妃様になって欲しいんです。」
妹は静かにヒロインの言葉を聴いていた。それから、そっとヒロインの手をとって言った。
「私、今、貴方と出会えて良かったと思いました。お友達に、なって下さいます?」
「はい。私でよかったら、是非!」
悪役令嬢とヒロインの間に友情が芽生えた!
1
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。
髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は…
悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。
そしてこの髪の奥のお顔は…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドで世界を変えますよ?
**********************
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
転生侍女シリーズ第二弾です。
短編全4話で、投稿予約済みです。
よろしくお願いします。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる