【完結・R18】恋は一度、愛は二度

とっくり

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「アリス・・・」

 ノエルの声は掠れて、囁くように言う。アリスを引き寄せ、貪るように彼女の唇を奪った。

 二人の舌が絡み合う。ノエルの舌先が、アリスの口の中を開かせ、彼女の下唇をそっと噛んで吸った。
 アリスの口内を舌でなぞった時、アリスは激しく震え、初めての感覚が彼女の全身を襲った。

「ノエル様・・・」

 息も絶え絶えになったアリスは瞳を潤ませてノエルを見つめる。

「可愛い・・・アリス。激しかったかな」

 アリスを気遣うノエルだったが、昂った気持ちは抑えられなかった。

 ノエルの手がほっそりしたアリスの腰の曲線を撫でる。その手が上に這い、アリスの胸のふくらみを包みこむ。
 ノエルの長い指が、アリスの胸の先端を優しく愛撫する。その先端に触れられるたびに、アリスの背中はゾクゾクとした快感に支配された。

 敏感な胸の先をゆっくりと愛撫しながら、ノエルはアリスをじっと見つめた。

「怖いかい……?」

 アリスの深い灰色の目が見開かれた。

「・・・いいえ・・・大丈夫です……」
 
 頬を赤らめ、瞳を伏せて告げるアリスにノエルは愛しい気持ちを爆発させた。

「実は・・・私は緊張しているんだ・・・。
愛しい君とこうして身体を重ねられることに」

「本当に…?」

「ああ。手をかしてごらん」

 ノエルの手はアリスの手を優しく掴み、自分の胸に当てた。ノエルの逞しい胸に戸惑ったアリスだが、その胸は早鐘が打っていた。

「ふふ・・・一緒なんですね」

 ふわりと笑ったアリスの唇に、もう一度ノエルは口付ける。

「優しくするから・・・」

「はい・・・」

 口付けた後、ノエルの唇は、アリスの首筋を舐め、柔かかな胸に手を這わせながら
胸の頂点に唇を押しつけた。先端をゆっくりと吸われて、アリスの身体は奥から熱くなっていく。

「あ、・・・あんっ」

「・・・気持ちいいのかい?」

 ノエルがさらに胸の先端を舌先で刺激しながら強く吸い、思わずアリスは身体を捩らせ、息遣いが激しくなり、しびれるような快感に身をゆだねた。

 ノエルの手がアリスの両足の間に入り込むなり、アリスのお腹はびくんと跳ねた。
 
 その手はゆっくりとアリスの熱く潤う体の芯へと近づいていく。

 アリスの瞳が閉じられた。ゆっくりと這うように彼の指先で潤う芯を愛撫されると、少しずつ欲望の波にのまれて、全身が硬くこわばっていく。

 アリスは、触れる指先の刺激に耐えらなくなっていた。淫らな声が漏れる。

「あっ、あぁ・・・、ん。はぁ、ノエルさま」

 アリスの腰はベッドに押しつけられ、ノエルは、じりじりと体を下のほうへずらし、彼女の両足の間を撫でながら開かせた。

「・・・っ、あん、だめです、そこっ、あぁっ」
 
 アリスの口から驚愕の悲鳴がもれた。

「アリス・・・君の全部が欲しい」
 
 ノエルは欲望を孕んだ瞳でアリスを見つめながら、いちばん敏感な部分を舌先で刺激していく。
 彼の舌の動きが、アリスから理性を奪った。潤んだ敏感な蕾はノエルの舌で転がされていく。アリスは狂おしいほどの快感に襲われ、どんどん愛液が溢れ出ていく。

 アリスの首は左右に揺れ、喘ぎ声が大きくなっていた。

「あん、あっ・・・気持ちいいっ・・・あぁっ、ノエルさまっ」
 
 全身を支配する熱い欲望が悲鳴となって口から発していた。アリスは、喘ぎ、ノエルの名を叫ぶ。

 すべての自制心を失って、嵐のように襲ってくる絶頂感に身を任せた。
 世界が動きを止め、アリスの身体は絶頂の余韻のなかでいつまでも震え続けた。

 そんなアリスをノエルは愛おしげに見つめた。

 まだ絶頂の収縮を繰り返しているアリスの身体に、ノエルは硬くなった欲望をゆっくりと押し当てた。
 再び、アリスの下腹部が熱く潤い始める。疼き出す身体にアリスは驚いていた。

「・・・ノエル様、わたしの身体、おかしいです・・・身体が火照って、その・・・」

「ふふ、アリス、身体が反応しているんだね。可愛いな。私も一緒に気持ちよくなりたい・・・」

 ノエルは再び、アリスの唇に深いキスをし、敏感な部分を押し広げるようにして、少しずつ体を沈めた。

 彼はゆっくりと体を引いては、角度を変え、アリスの中へと進む道を慎重に探っていく。

「あっ・・・、痛い」

 ふいに鋭い痛みが走り、思わず声が出てしまった。

「ごめん・・・優しくする」

 さらにゆっくりと、いたわるように、ノエルの欲望はアリスの中に沈んでいく。

 徐々に痛みは去り、柔らかくなった身体がノエルのすべてを迎え入れた。

 喉から小さな喘ぎ声が溢れた。

「ノエル様・・・あんっ」

「アリス、君の中、蕩けそうだ」

 ノエルの硬くなった欲望は、強い快感に襲われる。思わず、顔を歪めて、アリスの耳元でささやいた。

「動いても大丈夫?」
「はい・・・お願い・・・」

 ノエルがふたたびゆっくりと動きだした。浅く、深く、繰り返される律動に、アリスから声が漏れ出る。

「あっ、ああんっ、あっ・・・」

 ノエルの動きに反応して、アリスの快感がどんどん高まっていた。ノエルのリズムが激しくなり、アリスの愛液とまみれて、いやらしい水音が響く。その音がさらに興奮をかきたてていった。

 ついに二度目の絶頂に達し、アリスの身体は痙攣したように震え、快感の波間を漂った。

「・・・っ!アリス・・・っ」

 同時にノエルの欲望も絶頂を迎え、アリスの腹部に吐精した。

 全ての欲望を出し切ったあと、ノエルはアリスの震える身体をやわらかく腕に抱き締めた。

「愛してる・・・素晴らしかった・・・」

 ノエルの瞳からは隠しきれない愛が溢れ出ていた。

 アリスは疲れ果て、ノエルの温かい腕のなかで満ち足りた気持ちでいっぱいになる。

(これが、愛の行為なのね・・・)

 恋人同士の身体の繋がりがこんなにも甘美だとは知らなかったアリスは、乱れた自分を恥ずかしがりながらも、幸せな気持ちで、ゆっくりと瞳を閉じた。


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