一番モテないヒロインに転生しましたが、なぜかモテてます

Teko

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高等部2年生

男子寮潜入!(後編)

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「計画が順調にいって喜ばしいような、不安なような……」

オーンが腕を組み、考え込んでいる。
順調に行き過ぎていて不安なのかな?

「ソフィーからの情報だと、試合をきっかけにツインズもこちらには好意的みたい」

セレスとルナもテスタコーポの準備で話すようになったと言っていた。
ルナの場合、どんなことを話しているのか……少し気になる。

「ただ、ツインズの親はジメス上院議長に逆らえないらしいから、一緒にいるはずだと話していたよ」

私の話を聞いたカウイが少し戸惑いながら口を開いた。

「俺もヌワさんとはテスタコーポの準備の時に話すようになった……というか、寄って来るようになったというか……。弟子にはしていないんだけど……」

どうやらヌワさんの押しの強さに困っているようだ。

「そうそう、ソフィーがヌワさんの事も言ってたよ。ヌワさんはカウイを尊敬してるって。自分が認めた人にはとことん尽くすウザイ……じゃなかった。男気のある性格だから、協力してくれるだろうって」

私の言葉に、カウイが苦笑している。

「そっか。協力してくれるなら、良かったのかな?」

後は《癒しの魔法》を使うネヴェサさんと、《雷の魔法》を使うナルシストのユーテルさんか。

「ネヴェサさんとユーテルさんは……ソフィーも正直協力してくれるか分からないと話していたよ」

マイヤもネヴェサさんと何度か話そうとしたらしい。

『上辺はニコニコしているけど、“親しくなる気はありません”オーラが出ているから難しいかも』

その話を聞いて、マイヤとネヴェサさんは少し似ているのかな? って思った。
言ったら怒りそうだから、言わなかったけど。

「ユーテルさんは?」

私がオーンに尋ねる。

確かエウロがオーンとユーテルさんを一緒のグループにしたって話してた。

「ユーテルさんは女性に来られるのは嬉しいけど、男性に来られるのは好きではないようでね」

……ああ、なんか分かる気がする。

「だからユーテルさんの弟である“チミョウ”さんと会って話をしたよ」

そうは言いながらも、オーンが少々困った表情をしている。

「……真面目な性格ではあるようだけど、まったく親に関心がなかった。将来は憲兵で働きたいという情報しか得られていない」

そうなると、2人に協力を仰ぐのは難しい?
……いや、待てよ?

「ネヴェサさんには男性が、ユーテルさんには女性が話し掛けてみるのはどうかな?」

その方が話してくれそうな気がする。
私の提案にミネルが口を開いた。

「確かにその可能性は高いが……誰が行く?」

そこだよね。

「……あまり女性は得意じゃないけど、俺がネヴェサさんと話してみるよ」

すぐには決まらないだろうと思っていたら、意外にもエウロが自ら名乗り出た。

「テスタコーポの2年代表だから、話し掛けるきっかけも作りやすいし」

なるほど! さすがエウロ!!
問題は……ユーテルさんか。

「アリアはだめだよ?」

にこやかにオーンが私を見る。

分かってます。
『私が!』と立候補したいけど、力不足だろうし。

「(アリアが何か勘違いしてそうだけど)ルナはどうかな?」

オーンからの意外な提案!!

「な、なんで?」

私がオーンに尋ねる。

「一度話し掛けた時に『ルナ嬢はお元気ですか?』と聞かれた事があってね」

えっ! なんで??

「ユーテルさんの口調から、ルナを意識しているようにも感じたんだ。まぁ、ルナが話したくない場合、別な人を考えた方がいいけど」

ユーテルさんは、ルナが気になってるの?
2人は会話したことあったっけ??

えー、でもユーテルさんかぁ。
ルナに一目惚れしたニティといい、ルナに好意を持つ人は一癖もふた癖もあるなぁ。

「んー、まずはルナに聞いてみるね」

オーンの言う通り、ルナに嫌な事はさせくないしね。

「仮にルナが了承した場合、テスタコーポの準備をするチームを一緒にすればいい。理由なんていくらでも後づけできる」

ミネルが淡々と話し続ける。

「次にジメス上院議長について調べた事を話す。結論から言うと、誘拐事件は分からないが、魔法更生院の脱走には関わっている可能性が高い」

やっぱり! そうなんだ!!

「これは既に親も把握している内容だ。魔法更生院の脱走が起きた日、警備についていた人間の半分以上はジメス上院議長の息のかかった連中だったらしい」

確実な情報ではないから、ミネルも断言しないようにしている。
だけど、関わっている可能性が高いというよりは、関わっていると考えた方がよさそう。

そうなってくると、ジメス上院議長の失脚で全て解決するって事だ!
うん! 分かりやすくていい!!

「最後に執事“ノレイ”についてだ」

うんうん。ノレイの事も気になってた。

「まず“ノレイ”の両親についてだが、母親は一般人。父親は不明。“ノレイ”が小さい頃にジメス上院議長が引き取ったようだ」

父親は不明……?
でも、亡くなっているだけなら《知恵の魔法》の記録に残っているよね?

私が聞く前にミネルが理由を説明する。

「そもそも結婚をしていないから、記録として残っていないのかもしれない」

なるほど。

「父親の情報がないから何とも言えないが、母親は魔法が使えない。そして、ここからは僕の予想になる」

ミネルが私に顔を向けた。

「報告では“ノレイ”は魔法が使えないという話だったな? ただ、アリアは使える気がしたと」

「う、うん」と頷きながら、返事をする。

「その話を聞いて、頭の隅にあった予想が確信に変わりつつある。──恐らく“ノレイ”は魔法が使える」

そ、そうなの?

「もっと言えば、エレと同じ《闇の魔法》ではないかとも思っている」

……んん??

「僕は今まで《光の魔法》が《闇の魔法》と相反する魔法だと思っていた」

うん、私もそう思ってる!

「実際に《闇の魔法》を浄化できるのも《光の魔法》だ」

頭の中を整理しながら話しているのか、いつになくゆっくりとした口調でミネルが話している。

「その考えも間違いではないとは思う。だが、《光の魔法》は両親のどちらかが《光の魔法》を使えることが必須条件であるのに対し、《闇の魔法》や、今はアリアしか使える人が見つかっていない《聖の魔法》は、親の遺伝に関係なく誕生している」

ミネルの言葉にカウイも同意している。

「……確かにそういう意味だと共通しているね」

エウロとオーンも頷いている。

「《闇の魔法》を使う人間が、他人のオーラを見る事ができるのと同様に、《聖の魔法》も何かを感じたり、見えたりできるのではないかと思っている。だから、アリアは“ノレイ”が魔法を使えると感じたんじゃないか?」

ミネルが私に尋ねる。
……どうなんだろう? ノレイさんとは一度しか会っていないからなぁ。

「うーん、分からない。そこまで考えて見ていなかった」

あの時はノレイさんをそこまで意識して見ていなかったからなぁ。
とりあえず、これ以上突っ込まれないよう、空笑いでごまかす。

「まぁ、一度しか会ってないからしょうがないよな」

すかさず、エウロもフォローしてくれている。
ミネルが私とエウロを見た後、小さくため息をついた。

「大丈夫だ。予想の範囲内だ」

あっ、範囲内なんだ。

「そこで、オーンにサール国王が持っていた本を読んできてもらった」

私もオーンに聞こうと思っていた事だ!!
サール国王に会って本を読ませてもらう事も考えたけど、会う日を調整してもらうのはなかなか難しいだろうし。

そういう意味でもオーンに頼もうと思っていたんだけど、すでに読んでくれてたんだ。
私が感心していると、オーンがゆっくりと口を開いた。

「読んだ内容は全て把握してる。今から、アリアがまだ聞いていなかった内容を話すよ」
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