初恋は報われない【完結】

モコ

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番外編*R-18

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 今日は咲也の家でゆっくり休日を過ごして、先日行ったパワースポットの回想談をしていた。

「なぁ、陽太は俺に告白されて嬉しかったって言ってたけど俺のどういうところを好きになったんだ?」

 咲也はあまりにも急に恋が成就したため俺を惚れさせた実感が薄いみたいだ。
 だから俺は心当たりがある部分を言ったのだが、まさかそれが咲也に火をつける事になるとは思わなかった。

「ああ、咲也って泣いてた俺を慰めてくれたり何かと面倒見てくれるだろ?その包容力を好きになったのかもなー。先生を好きになった時と一緒で!」

 途中まで照れながら聞いていたのだが最後の方で急に真顔になり俺を押し倒してきた。

「なあ?陽太?まだ先生のことを忘れられないとかないよな?」
「えっ?俺はお前のことが好きだって言っただろう?」

 俺は困惑しながらそう言い返した。

「じゃあ何でそこで先生の名前が出るんだよ」
「それは、俺の好きなタイプ的な意味で!」

 焦りながらそう答えるが咲也の顔は怖いままだ。

「なんか先生の名前出されるのは気に入らねぇー」

 そう言って俺を抱えて何処かに歩き出した。

「ちょっと、どこに連れていくんだよ!」

 問いただしたが無言の彼に不安が募る。
 ボスっと音を立てて下された場所は何と彼のベッドであった。

「…咲也?」

 困惑して彼の名前を呼びかけると長い腕に包まれた。

「先生と千秋さんの名前はなるべく出さないでくれ。俺人生で初めて好きになった人がお前で気持ちのコントロールが効かないんだ」

 首元に落ちた彼の口から囁かれる言葉に心臓が高鳴った。

「わかった、これから気をつけるよ…」

 その言葉を聞いた咲也は顔を上げて俺に唇を落とした。

「…んっ、ふぅ、ちゅぅ…」

 口内に舌を差し込まれ深く絡むと室内に響く水音が大きくなった。
 息が苦しくなってきた頃に漸く唇を離されて呼吸を整える。
 互いの乱れた呼吸が聞こえる室内でついに咲也からあることに言及されてしまった。

「…陽太、後ろの拡張どれくらい進んだ?」

 その言葉にギクリと背筋が伸びて身体に緊張が走った。実はこの2週間徐々に慣らしていたのだ。そして今日はもしかしたらと期待もあり準備を済ませてきたのである。

「……もう、できるはずだ。準備も済ましてきた」

 俺は初めての緊張から目を瞑ってそう答えた。

「そうか…。だけど心配だから俺も一応ほぐしていいか?」

「……ッ」

 返ってきた咲也の言葉に緊張が更に増す。
 その場所を他人に触られた経験がないため羞恥心が湧いて思わず唇を噛み締めた。

 …だけど、俺の様子を伺いながら心配そうな顔で尋ねたられたら無下にはできないな。

 そして俺は覚悟を決めて震える声で了承した。

「…ああ、わかった」 

 部屋に響くグチュグチュとした水音に俺の顔は耳まで真っ赤に染まっていた。
 咲也に触られはじめて数分が経つ。
 自分で慣らしてあったもののやはりまだ押し広げられる感覚に違和感を感じて息を詰まらせていた。

「うッ……く、ぅ……」

 顔に腕を乗せてその刺激に耐えていると突然電流のような衝撃が身体を駆け巡った。

「…あ!?」

 目を見開いて口を呆然と開けていると咲也のクスリとした笑い声が聞こえた。

「ここが男の感じるところ、前立腺だよ。」

 自分でも探ってみたがよく分からなかったところを咲也にあっさり見つけられてしまった。

「ふっう゛ぅ……ん゛ぅっあっ」

 耐えるような声から嬌声に変わりはじてて戸惑いが生じる。
 こんなに気持ちいいものなんだな…
 そう思っていたら咲也に脚を深く折り曲げられた。
 ついに始まるのかと顔を隠して待っていると布が擦れる音が聞こえてきた。多分咲也が服を脱ぐ音だ。
 緊張感に高まる鼓動を感じて手に汗を握っていると腕を掴まれて横に縫い付けられた。
 顔を隠していたものがなくなり恥ずかしさから再び目を瞑っていると素肌に咲也の手が触れる感触がした。
 俺の緊張をほぐそうとしているのだろうか敏感になった身体を撫で回されて肌がピクピクと震える感覚がする。
 反射的に漏れそうになった声を唇を噛んでどうにか耐えていたが、掠めるように胸の尖りに触れられた時にはとうとう声が漏れてしまった。

「ひぁっ…んっはぁ」

 薄目を開けて伺うと何かに耐えるように眉を寄せる咲也がいた。
 俺が目を開けた事に気づいた咲也は赤く染まっているであろう己の頬を撫でながら問いかけてくる。

「…もう挿れて大丈夫か?」

 見るからに我慢の限界だという顔をした男を前にこれ以上焦らすのは酷だろうと思い小さく頷いた。
 赤黒く充血したものが俺の粘膜に触れる。それは燃えるように熱かった。
 燃えたぎる熱が圧倒的な質量をもって腹の中に押し込まれ身体を拓かれるはじめての感覚に浮かぶ声が止められない。

「っ、く…はぁ…あ、アアッ…!」
「……はぁ…はぁ…」

 上から余裕のない息づかいが聞こえてくる。
 視線を上げると目を閉じて感じ入っている恋人の姿が見えた。
 俺はそれが愛しく感じて気づけば首に腕を背中に脚をまわしていた。

「陽太!?…くっ」

 すると体内の熱が大きくなるのを感じた。
 そして眉間に皺を更に深し息を荒げはじめた咲也に嫌な予感を感じたと同時に律動が激しいものに変わった。

「…待って!…アアッ!ぅう、ンァ」

 一際大きく腰を突き入れられて、全身が震えるほど激しい快感に襲われる。中で温かな熱が溢れるのを感じながら絶頂の余韻に震えていたところ咲也に抱きしめられた。

「……陽太、好きだ」

 俺はそれに応えて抱きしめ返す。

「…俺もお前が好きだよ」

 そうして俺たちは顔を見合わせ笑い合った。






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