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ちさの章ーわたしの家族を紹介しますー
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「ちさ……?」
侑お兄ちゃんの戸惑っている声がします。わたしは侑お兄ちゃんの服に顔を埋めたまま「うー」と唸りました。
なにやってんの?と思われるでしょうが大丈夫です。わたしにもよく分かりません。
ただ、とってももどかしいのです。駄々をこねている時の気持ちに似ています。わたしはこのモヤモヤした気持ちを解消すべく、今の思いを素直に吐き出しました。
「……わらって」
侑お兄ちゃんの服に向かって言います。こもって聞こえづらいかもしれないけど、負けずに言います。
「わらってて……侑お兄ちゃん」
侑お兄ちゃんがハッと息をのむ気配がしました。
また「うー」と唸るわたしの頭に、そっと手が置かれます。なでなでされました。気持ちいいです。
ざわついていた心がちょっぴり落ち着いて顔をゆっくり上げると、そこには。
困ったように眉をハの字にして。でも、優しく微笑む侑お兄ちゃんがいました。
わたしは何故か泣きたくなります。嬉しいのに妙な話です。胸が温かくなって幸せな気分なのに、変な話です。
でも、不思議と不快ではありません。むしろ。
ああ。これがもしかしたら、いとおしいという感情でしょうか。
「……食べるか、ごはん。皆で」
侑お兄ちゃんが静かに言います。
口角は頑として上がらないけれど、わたしは思いっきり笑って「うん!」と言いました。
侑お兄ちゃんの戸惑っている声がします。わたしは侑お兄ちゃんの服に顔を埋めたまま「うー」と唸りました。
なにやってんの?と思われるでしょうが大丈夫です。わたしにもよく分かりません。
ただ、とってももどかしいのです。駄々をこねている時の気持ちに似ています。わたしはこのモヤモヤした気持ちを解消すべく、今の思いを素直に吐き出しました。
「……わらって」
侑お兄ちゃんの服に向かって言います。こもって聞こえづらいかもしれないけど、負けずに言います。
「わらってて……侑お兄ちゃん」
侑お兄ちゃんがハッと息をのむ気配がしました。
また「うー」と唸るわたしの頭に、そっと手が置かれます。なでなでされました。気持ちいいです。
ざわついていた心がちょっぴり落ち着いて顔をゆっくり上げると、そこには。
困ったように眉をハの字にして。でも、優しく微笑む侑お兄ちゃんがいました。
わたしは何故か泣きたくなります。嬉しいのに妙な話です。胸が温かくなって幸せな気分なのに、変な話です。
でも、不思議と不快ではありません。むしろ。
ああ。これがもしかしたら、いとおしいという感情でしょうか。
「……食べるか、ごはん。皆で」
侑お兄ちゃんが静かに言います。
口角は頑として上がらないけれど、わたしは思いっきり笑って「うん!」と言いました。
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