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慶弥の章ー脇役でも全力の男ー
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「それは……恐ろしいですね」
カイ兄もゾッとしたように青ざめて胸のあたりで両手をクロスさせる。年上の恐怖は皆同じらしい。
俺は伸びをすると「っし、再開すっか」と立ち上がった。もちろんヒーローショーの練習だ。と、そこで思い付き、カイ兄に向かってお願いする。
「なあカイ兄、俺の演技見てくんね? 変なとこがあったら教えてくれよ!」
しかし。カイ兄は、顔を曇らせた。あれ、どうしたんだ? いつも応援してくれてるのに。
カイ兄は軽く頭を下げると、言いにくそうに口にする。
「あの……慶弥。貴方は本当に俳優になりたいのですか?」
「へ?」
俺は素っ頓狂な声を上げる。
え? 何でだ? どういう意味だ? クエスチョンマークを浮かべる俺に、カイ兄は「あ、貴方の夢を否定している訳ではないのですっ」と慌てて付け加える。そうして、また顔を伏せた。
「ただ……不安なのです。貴方は幼い頃はそんなに芸能界に興味を持っていませんでしたし……もしかして貴方は……」
カイ兄もゾッとしたように青ざめて胸のあたりで両手をクロスさせる。年上の恐怖は皆同じらしい。
俺は伸びをすると「っし、再開すっか」と立ち上がった。もちろんヒーローショーの練習だ。と、そこで思い付き、カイ兄に向かってお願いする。
「なあカイ兄、俺の演技見てくんね? 変なとこがあったら教えてくれよ!」
しかし。カイ兄は、顔を曇らせた。あれ、どうしたんだ? いつも応援してくれてるのに。
カイ兄は軽く頭を下げると、言いにくそうに口にする。
「あの……慶弥。貴方は本当に俳優になりたいのですか?」
「へ?」
俺は素っ頓狂な声を上げる。
え? 何でだ? どういう意味だ? クエスチョンマークを浮かべる俺に、カイ兄は「あ、貴方の夢を否定している訳ではないのですっ」と慌てて付け加える。そうして、また顔を伏せた。
「ただ……不安なのです。貴方は幼い頃はそんなに芸能界に興味を持っていませんでしたし……もしかして貴方は……」
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